けものフレンズBBS NEO

【SS】けものフレンズ JPP ~Japari Park Patrol~

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向こうのBBSにあらすじ載せたら無反応だったと言う時点で才能はお察し下さい

あらすじ

女王事件から半年後...ジャパリパークでは半年前の反省からジャパリパークの治安維持を行う新たな部署
「ジャパリパークパトロール(JPP)」を組織し始めていた
サンドスターやけものプラズムの軍事利用を目論む米軍はジャパリパーク上層部に接触し米軍の駐屯を勧めるが、上層部は
「アミューズメント施設に軍隊を駐屯させる訳には...」と否定
米軍は代わりに現地で職員を指揮、指導する「助っ人」を一人送ることを提案する....
─────────────────────────────
男は一人、連絡船の甲板で湿った潮風を浴びながらタバコを吹かしていた
男、ジャック・カレントに与えられた任務は二つ
JPP隊長として、職員の指揮、指導をすること。そして、
モール(潜伏工作員)として機密情報を盗み出すことだった。

けものフレンズ JPP~ジャパリパークパトロール~
テーマソング Walk This way https://www.youtube.com/watch?v=4B_UYYPb-Gk

エンディング曲 世界を売った男 https://www.youtube.com/watch?v=fregObNcHC8

テーマソングの方に深い意味はありません(笑)ただ、エンディング曲の方は歌詞をストーリーに絡めようと思います。

スレ主のモチベを上げたい!と言う人や、優しい人、じゃんじゃん感想でも意見でもコメントしてください!(必死)

名無しのフレンズ
作成: 2018/02/16 (金) 21:56:43
最終更新: 2018/03/29 (木) 11:10:37
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145
名無しのフレンズ 2018/03/09 (金) 22:49:23 修正 97025@4ffdf

本文4

ーーーーーーーーーー
トワ「ここ、アンイン地方は地形の50%が森林で形成されているので、森のフレンズさんに沢山会えますよ」
カレント「ほー...」

カレント達は観光の為にバスでアンイン地方森林エリアを訪れていた。

トワ「あ、そうそう..ここには歌が好きなフレンズさんがいまして...」
カレント「歌ねぇ...」

カレントはトワの話を半ば聞き流しながら窓の外をを眺める。
木々の隙間からさし込む木漏れ日と、開け放された窓から入り込んでくるそよ風が心地よい。
背の低い木が生い茂る景観はまさに日本の森そのものだ。
バスはトワが運転しているのだが、教習所を出たばかりかと疑いたくなる程ゆったりとした安全運転だ。
ノロノロ運転のバスに揺られながら、森に観光に訪れたのは三年前のアカディア国立公園以来か。なんて事を考えていた
もっとも、アカディア国立公園の木々はここの物とは比べ物にならないほど巨大な大木だったが。

トワ「・・・カレントさん。聞いてます?」

カレントはトワに声を掛けられてようやく我に帰る。

カレント「あぁ、聞いてるよ。勿論だ。えーっと、君は歌が好きなんだっけ?」
トワ「・・・・・・・・」

トワがカレントを呆れたような顔で睨んでいるが、カレントは何故自分が睨まれているのか、さっぱり分からなかった。

そのときだった。

カレント「な、なんだ!?」

凄まじい速度で茶色と白の人影が上空を横切ったのが一瞬見えた。
そのあとを追うように、翼竜のようなものが飛びさる。

トワ「ハカセ!?それに、バードリアンッ!?」
カレント「知り合いか!?」
トワ「ええ!!セルリアンに追われてるみたいだ!助けないと!」
カレント「どうやって!?」
トワ「とりあえず、誰か飛べるフレンズを...」

トワがアニマルガールに頼ろうとしている事に気付いたカレントは間髪入れずに叫んだ。

カレント「いや、その必要はない!ハンドルかわれ!」
トワ「えっ!?ちょっ..」

トワを強引に運転席から自分の座っていた助手席に移し、自分が運転席に乗り込んだ。
助けを呼ばさなかったのは無関係なアニマルガールを危険に晒さず、トワ自身に体を張って貰うためだ。
危険な賭けにになるが、ここで失敗するようではJPPなどつとまる筈がない。

カレント「しっかりつかまってろよッ!」

カレントはバスの客席部分のジョイントを解除し、おもいっきりアクセルを踏み込んだ。

バスの運転席部分だけが勢いよく急発進し、フェンスを突き破り森に入る。

トワ「何を!?」
カレント「決まってるだろ!追いかけるんだよ。」
トワ「なッ!? 無茶です!」

絶妙なドライビングテクニックで木々をかわしながら、生い茂る木の葉の隙間から見える影を追いかける。
整備などされていない悪路で車体が大きく揺れる。数分も走り続ければ間違いなく酔うほどの悪路だ。

カレント「トワ、お前射撃は得意か?」
トワ「何でそんな事をいま!?」
カレント「いいから!」
トワ「・・・・・・一応得意な方です。」

トワが困惑しつつ答えると、運転しながらもホルスターから銃を引き抜きトワに放り投げた。

カレント「そいつでセルリアンの頭を狙え!」
トワ「無茶です!本物の銃なんか撃った事ない!」

弱気なトワに、前を見据えたままカレントが怒鳴る。

カレント「ぐだぐだ抜かすな!!あいつらを助けたくないのか!?」

すると、トワの目つきが変わった。

トワ「いや。絶対に助けます。」

その声のトーンにカレントが一瞬驚いたようにトワを見つめ、ニヤリと笑った。
カレントが思っていたほど、トワは根性無しでは無かったようだ。

カレント「上出来だ!覚悟はいいか?一瞬だけ狙撃のチャンスを作る!そこを逃すな!」
トワ「わかりました!やってやりますよッ!!」

その言葉を皮切りに、カレントは木々を避けながらもぐんぐんバスの速度を上げてゆき、真上にセルリアン達を捉えた。

カレント「構えろ!」
トワ「はい...!」

バスはさらに速度を上げ、倒木に突っ込んだ。
倒木をジャンプ台にした車体は木の葉の中を突き抜け、上空へ飛び上がる。
空を覆っていた木の葉を突き抜けた事で一気に視界がひらけ、自分達の真横にセルリアンと二人のフレンズを確認する。
木ぶつかるすれすれを低空飛行していたようだ。

突然森林から飛び出してきたバスに、逃げていたフレンズは驚いた。

ハカセ?「なんですッ!?」

トワが構えたリボルバーの直線上にセルリアンを捉え、トワとカレントが叫んだ。

「今だぁぁぁッ!!」

リボルバーから放たれた弾丸は、見事セルリアンの頭部を破壊した。

カレント「よしッ!」

バスの運転席部分が勢いを失い、地上へと逆戻りする。
バスは思った以上の強度で大破こそしなかったが、凄まじい衝撃で体中をぶつけた。

トワ「痛たたた...」

横転したバスから必死で這い出たそのとき。
頭部を失いコントロール不能になったセルリアンが落下してきた。
作戦成功を確認したカレントはトワに微笑みかけ、手を差し出した。

カレント「やるじゃないか...」

差し出された手に答え、トワとカレントはハイタッチし、泥だらけの顔で笑いあった。

────これが、後に様々な冒険を繰り広げる二人、「JPP」の始めての戦いだった。

To be continued

146
名無しのフレンズ 2018/03/10 (土) 10:10:05 97025@4ffdf >> 145

修正修正っと...
やっぱりアクションシーン書くのムズカシイ....
でもこれでようやくフレンズが登場するところまで書けたぞ。
ここまでけもの要素ゼロだったからな~(笑)

147
名無しのフレンズ 2018/03/12 (月) 16:01:43 修正 263cf@4ffdf

お知らせ的なもの

どうも、作者です!
このSSを万が一愛読して下さっている方がいるかもしれないので一応お知らせします。

えーっとですね...ここから先のストーリーの構成を練り直す為にしばらく更新頻度が落ちます。
なので何日か更新が無くてもまだ失踪はしたわけじゃありませんのでご安心ください(笑)
頑張って面白い展開を考えるので、過度な期待をせずお待ちください(笑)

以上、作者からのお知らせ的なものでした!!それでは!Have a Nice Day!

148
名無しのフレンズ 2018/03/13 (火) 19:34:47 97025@4ffdf

本文5

頭部を失ったセルリアンがのたうち回り、地響きと共に木々が倒れる。体格に似合わない強烈なパワーだ。
勝利を確信していたカレントだったが、セルリアンの暴れようにひきつった笑みを浮かべる。

カレント「おいおい、これはまだまだ元気そうじゃないの..?」
トワ「マズイですね...どうします?」

トワが銃を構え、カレントがホルスターから銃を引き抜いたその一瞬の出来事だった。
風を切るような音と共にセルリアンの体が切り刻まれ、消滅したのだ。

カレント「おわっと!」
トワ「これは...!」

トワにはすぐにわかった。こんな芸当をやってのけるのは彼女達しかいない。

???「ヒトだけでセルリアンをここまで追い詰めるとは、なかなかやるのです。」
???「すばしっこくて攻撃する隙がなかったので、助かったですよ。」

二つの人影は、ゆっくりとカレント達の元へ降りてきた。

カレント「今のは、君たちがやったのか...!?」
???「若干一名知った顔もいますが、一応自己紹介をしておくのです。」

空から舞い降りてきた少女は淡々とそう言った。

???「どうも、アフリカオオコノハズクのコノハちゃん博士です。賢者とも呼ばれています。天才です」
???「私はワシミミズクのミミちゃん助手です。天才博士の天才助手をやっています」

空を飛んでいた時点で分かってはいたが、二人はやはり”アニマルガール”だった。
身長は180cmのカレントの半分もないかもしれない。
おなじフクロウだからなのか、二人は色違いの同じ服を着ている。

カレント「ハハ...俺はジャック・カレント。ただの雇われパトロール隊員だ。よろしく」

カレントは強烈な二人の自己紹介に苦笑いしつつも二人に手を差し出したが、全くの無反応だ。それどころか少し後退りされた。

カレント(コイツら...!なんて失礼なヤツらだ...!!)

カレントは手を引っ込めた。顔に笑みは浮かべているものの、その額にはクッキリと青筋が浮かび上がっていた。

トワ「と、ところで二人は何でセルリアンに襲われていたの?」

場の空気を感じ取ったのか、トワが話題をかえる。

博士「山岳地帯の調査をしていた所、アイツが襲いかかってきたのです。」
カレント「調査?なんの?」
助手「アライグマの奴が、海から鳥のフレンズの姿をしたセルリアンが飛んできて、山岳地帯に飛び去ったと騒いでいたのです」
トワ「アライさんが?フレンズの姿をしたセルリアン...」
博士「それで、おもしろ...ゲフン!ゲフン!...念のため調査をしていたのです。」
トワ「・・・・・・・」
カレント「アライさん...どこかで....」

カレントは思い出した。管理センターで職員と揉めていたあの少女だ。

カレント「ああ、あの子か..」
トワ「ご存じなんですか?」
カレント「ん、まあな。それより、フレンズの姿をしたセルリアンなんてものが存在するのか?」
トワ「はい。ネコ科に1人だけ。もっとも、彼女はとても友好的で、今もフレンズのみんなと仲良く暮らしていますが...」
カレント「なるほど..アニマルガール型セルリアンが誕生する可能性はゼロではないと言うわけか」
トワ「そうですね...」
カレント「ん?まてよ...お嬢ちゃん、そのセルリアンが飛んできた海ってのは何処のことだ?」
博士「変な呼び方はやめるのです。....アライグマの話では、ここから最寄りの港とのことなのです。」
カレント「最寄りの港....事件現場とかなり近いな...」
トワ「どうしました?」
カレント「トワ、どうやらそのセルリアンについて、俺たちも調べてみた方が良さそうだ。」
トワ「たしかに...パークの治安維持を行うJPPとして、調べてみる必要がありそうですね...」

トワにはカレントの真意は伝わらなかった様だが、トワも調査には乗り気だ。

カレント「というわけで、俺たちもそのセルリアンについて調査を始めるが、お嬢ちゃん達も同行するかい?」
博士「その必要は無いのです。」
助手「我々は我々のやり方で独自に調査を進めるのです。」
カレント「...そうか。まぁセルリアンに気を付けてくれ。」
博士「そっちこそ。お前はどうやらセルリアンに襲われやすい体質の様なのです。」
カレント「? それはどういう..」
トワ「そうと決まればカレントさん。バスを起こしましょう!」
カレント「あ、あぁ...そうだな...」

カレントは博士に発言の意味を聞こうとしたが、トワの声に遮られてしまった。

トワ「じゃあ博士達、気を付けて。何か分かったら報告するよ。」
博士「こっちも何か分かったら報告してやってもいいのです。」
助手「ぐっとらっくなのです。」

そう言って博士達は再び空へ飛びさっていった。

カレント「さてと.....コイツを何とか走れる状態にしないとな...エンジンがイカれてなきゃいいが...」

泥だらけで横倒しになったバスを見て、カレントは面倒くさそうに呟いた。

ー上空ー
助手「博士、カレントとか言うあの男なのですが...」
博士「やはり気になりましたか。助手。」
助手「あの男、自分では自覚は無いようですが、サンドスター濃度が異常に高いのです。」
博士「そんじゃそこらのアニマルガールを軽く凌駕する程の高さなのです。さすがの博士もちょっとビビったですよ。」
助手「使い方さえ分かれば、アニマルガール達と同様に、サンドスターの力を使うことも出来るかもしれないのです。」
博士「面白くなってきたですね。助手。」
助手「そうですね。博士」

To be continued

149
名無しのフレンズ 2018/03/16 (金) 16:12:33 97025@58cad

お知らせ

どうも!そろそろログインすべきか迷っている作者です!

カクヨム版の方を久しぶりに更新しました。
時系列はNEO版の後です。(いつか追い付くハズ)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885310780/episodes/1177354054885314507

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名無しのフレンズ 2018/03/16 (金) 23:11:49 97025@58cad >> 149

もう一話更新しました!
このエピソードで、ようやく自分が書きたい作風が出せたかな?と思います。
自分の思い描いている世界をそのまま伝えるにはまだまだ実力不足ですが、頑張りました!
もちろんフレンズも登場しますよ!(じゃないとけもフレSSじゃないだろ...)
今までの話を読んでいなくてもニュアンスで楽しめると思うので、ぜひ暇潰しがてら読んでやって下さい!(必死)

カクヨム版JPP「シンフォニック・シティ・チェイス」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885310780/episodes/1177354054885404363

151

支援〜支援〜

152
名無しのフレンズ 2018/03/17 (土) 13:12:14 97025@58cad

またまたお知らせ

どうも!完全にカクヨムスイッチが入ってしまった作者です。(こっちを止めるとは言ってない。)
またまたカクヨム版の方を更新しました!
完全にスイッチが入ってしまったので向こうが一段落するまでこっちはお休みになります。
スミマセン....

なんと私のSSに初めてサーバルやカラカルなどの主人公クラスのフレンズが”やっと”登場しました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885310780/episodes/1177354054885408946

153
名無しのフレンズ 2018/03/21 (水) 20:02:59 97025@1b364

あまりにも更新しなさすぎなので、ここで登場人物紹介

ジャック・カレント
本作の主人公。身長180cm、体重70kg、血液型はO型。日米ハーフの37歳。

容姿
うねった黒髪に、黒目と言う所を除けばカート・コバーンそっくり。
バイク乗りなので、黒いライダースジャケットを普段から着ている。
手にはハーフフィンガーの黒いレザーグローブをつけている。
左右の腰にホルスターを着けており、右はSAA、左はガバメント。SAAに対してはなにか特別に思い入れがある模様。

性格
普段は非常に脱力的だが、やるときはやる男。軍人と言う事もあり、荒事にめっぽう強い。
コーヒーと自由こよなく愛し、よくフラっと町へ出て行く。
長年戦場にいたからか、元からなのか非常に楽天的。ピンチに陥ってもよく軽口を叩く。
ちょいワルオジサンぶっているが、実はかなりのお節介焼き。実際はオジサマといったところ。
ゲスに対しての沸点が非常に低い。あまり表には出さないが女嫌い。

154

ガチガチな設定ですやんか

155
名無しのフレンズ 2018/03/21 (水) 21:37:01 263cf@1b364 >> 154

このぐらい設定を決めておかないと書きにくいですやんか

156
名無しのレーニン 2018/03/22 (木) 01:18:40 7096b@63b80

向こうのBBSで見かけてkakuyomuみたけど面白いですやんか 応援するで

157
名無しのフレンズ 2018/03/23 (金) 22:13:12 97025@49285 >> 156

なぜこっそり(笑)
ありがとうございます!
文章力も更新ペースも悪い意味でヤバイSSですが、よろしくお願いします。

158
名無しのフレンズ 2018/03/25 (日) 10:48:07 97025@49285

本文6

カレント「よし...これで何とか走るだろう。」

バスのジョイントを客席部分と接続してカレントが額の汗を拭った。

カレント「おいおい、大丈夫か?」

そう言って苦笑するカレントの視線の先では、汗だくのトワが木陰にへたれこんでいた。

トワ「だ、大丈夫...です..」
カレント「ほれ、水だ。」
トワ「ありがとうございます...」

トワはカレントからペットボトルを受け取り、勢いよく飲み干した。

トワ「なさけないです...バスをここまで押してきただけなのに...」
カレント「まあ、その体格のわりには頑張ったんじゃないか?なかなかのガッツだ」

その言葉を聞き、トワは少し思い詰めた表情でうつ向いた。

トワ「・・・・カレントさん..やっぱり弱いですね...僕。」
カレント「....どうした?」
トワ「僕、今日初めてセルリアンと戦ったんです..」
カレント「・・・・・」
トワ「今まで、フレンズのみんなの方が強いから、自分なんかが戦っても...。そう思ってました...」

カレントは黙って聞いている。

トワ「彼女達も、嫌な顔ひとつせず、戦ってくれてました。だから...だから今日、自分が戦うまで気付けなかった...!」

顔を上げたトワは泣いていた。

トワ「セルリアンと戦う恐怖に気付いてあげられなかった!!」
カレント「・・・・・」
トワ「彼女達だって、旅の途中何度も危険な目にあっている...!きっと彼女達も同じように怖かったはずだ!」

カレントはじっとトワを見ていた。

トワ「でも...彼女達は..っ..危険な目にあっても、傷ついても、いつも戦ってくれていた...」
カレント「・・・・・」
トワ「自分はそんな事も知らずに...!」

くやし涙が頬をつたい、地面へ流れ落ちた。

カレント「トワ....」
トワ「カレントさん...僕、カレントさんのように、強くなりたいです...」

トワは突然、カレントに土下座した。

カレント「お、おい...!」
トワ「おねがいじまずッ!僕....いや、俺に稽古をつけてくだざいッ!彼女達が怖い思いをしなくてすむように!女達を守ってあげられるようにッ!!」

カレント「プッ!」
トワ「!?」

カレントは突然吹き出し、大笑いし始めた。

カレント「まったく、お前は不思議なヤツだよ。トワ。さっきセルリアンをやった時にはあんなに殺気立ってたくせに、終わってみれば"怖い"とは!」
トワ「さ、さっきは二人を助けるのに必死で、でも後で冷静になってみると...」
カレント「それだよ。」

カレントは吸っていたタバコでトワを指してニヤリと笑う。

トワ「え...?」
カレント「彼女達も、お前と同じ気持ちだった筈だ。誰しも大切な何かのためなら恐怖を忘れられる。」
トワ「・・・・・」
カレント「だが、今日お前が気付いた事にも意味があるし、彼女達を守ってやりたいと言うのもいい心がけだ。」
トワ「じゃあ...!」
カレント「覚悟は出来てるのか?俺の稽古は厳しいぞ...戦闘の基本をみっちり叩きこんでやる!」
トワ「はい!お願いします!」

トワの声が、森に響き渡った。

To be continued

159
ikapan 2018/03/29 (木) 12:38:42 修正

本文7

カレント達はセルリアンの目撃証言のあった港町へ向かっていた。
山の斜面に作られたバイパスは道幅も広く走りやすい。開けはなされた窓から見上げた空は青く清み渡っていた。

カレント「いいか、トワ。稽古を付けてやるとは言ったがな、訓練で体得出来る事は限りなく少ない。」

カレントがバスを運転しながらトワに言った。

トワ「と言いますと?」
カレント「...訓練で得ることが出来るのは”技術”だけだ。むしろこれは人間の”強さ”の20%ほどにしかならない。」

カレントにそう言われて、トワは困惑した。カレントの言っている意味が分からなかった。努力だけでは強くれないと言う事だろうか?

トワ「じゃあ"強さ"とは...?どうすれば強くなれるんですか?」
カレント「そう答えを急ぐな。強くなるにはお前は何が必要だと思う?」

トワは少しだけ考えて答えた。

トワ「才能...ですか?」

するとカレントは苦笑しながら

カレント「才能だけで強くなれるなら誰も苦労しない。天才だ天才だと言われて落ちぶれていったヤツを俺はごまんと見てきた。」
トワ「では何が...」
カレント「ここだよ」

カレントはトワの胸をゴンとこずいた。

トワ「痛い!何ですか急に!?」
カレント「わからないか?そこには何がある?....おっと、胸筋だなんて言うなよ?」

トワは胸に手を当てた。暖かさと鼓動が手に伝わってくる。

トワ「・・・・・・こころ?」
カレント「そうだ。大切なのは"こころ"だ。自らの意思を貫ける精神力だ。」
トワ「精神力...」
カレント「精神力が無かったり、腐ったヤツはいくら技術があっても実力の30%も発揮出来ない。」
トワ「・・・・・・」
カレント「だが、逆に精神力があれば実力の150%を発揮することだって出来る。」

真剣に聞き入るトワにカレントは笑いかけた。

カレント「そしてお前にはそれは備わってる(最初会った時はそんな風に見えなかったが...)。お前は初めて撃つ銃で、見事セルリアンを撃ち抜いてみせた。お前に彼女達を救いたいと言う強い意思があったからだ。この時点でお前は十分強い。」

トワ「そんな...恐縮です..」
カレント「だがな、トワ。"こころ"も"強さ"のうち50%に過ぎない。技術のほかにもお前にはまだ足りない物がある。」
トワ「なんですか...?」
カレント「”強さ”の最後の要素、経験だ。」
トワ「経験...」
カレント「日本には"習うより慣れろ"と言う言葉がある。俺はこれを聞いたとき妙に納得したよ。その通りだ。」
トワ「・・・・・」
カレント「何故なら実戦の中でしか、直感は養えないからだ。それに実戦と訓練では空気がまるで違う。この空気に慣れておかないとパフォーマンスが十分に発揮出来ない。」

トワ「なるほど...」

カレントの口から滝の様に流れる言葉は、どれも重みと説得力があった。きっと今話してくれている事はカレント自信の"経験"なのだろう。

カレント「.....おっと。もうじき港に着くぞ。話はまた後だ。」

突然先程までと目つきの変わったカレントが言った。

トワ「え?あ!はい!ありがとうございました。勉強になりました。」

気が付くと峠に差し掛かっていた。この峠を下ればセルリアンの目撃証言のあった港町に着く。
本来ならカレントはこの港に着港するはずだった。

トワ「有力な情報が得られるといいんですが....」
カレント「・・・・・・・」

カレントはだんだん近づいてきた海を黙って眺めていた。

To be continued

160
ikapan 2018/03/29 (木) 21:03:48 修正

本文8

しばらく走り、目的の港町に着いた。敷き詰められた石畳と辺り一帯に広がる白い壁の民家はまるで地中海のようだった。

カレント「さて...無事到着したのはいいが随分入り組んだ町だな。」
トワ「バスでは到底無理ですね。観光がてら歩きましょう。」

今日の本来の目的は観光だったはずだがカレント達はそんな事はとっくに忘れていた。
バスを駐車場に停め、町中に入った。町は意外にもヒトが多い。

カレント「どういうことだ?一般人は居ないはずだが?」
トワ「パーク関係者やその家族の方ですね。このパークは結構人口が多いんです。」
カレント「へぇ...」
トワ「ところで、目撃現場に来たのは良いんですがどうするつもりです?」
カレント「とりあえずは聞き込みだな。」

辺りを見回していてカレントは気付いた。裏路地から黒いスーツの男がずっとこちらをうかがっている。

トワ「それなら人が多い所が良さそうですね.....確かこの辺りに広場が...聞いてます?」

カレントの目線は明らかにトワではない場所を見ていた。

カレント「ん?あ、あぁ。すまない....」
トワ「どうかしましたか?」

トワに言われてカレントは我に帰る。

カレント「いや...すまない。ちょっとトイレに行ってくる」
トワ「あ、そうですか。分かりました..」

腑に落ちない様子のトワを残してカレントは裏路地に向かった。


男はとある命令を受けてある人物の動向を探っていた。
裏路地からターゲットの様子をうかがいつつ、ポケットを漁りタバコを取り出す。

男「おかしい....ジャック・カレントの姿が見当たらない....」

後ろから腕がのびてきて、口にくわえたタバコに誰かが火を点けた。
驚いて振り向いた瞬間、眉間に銃口が当てられた。

???「アイスフレッシュか....少々女々しいがなかなか良いタバコを吸ってるな。」
男「貴様...ジャック・カレント!!」
カレント「おっと動くな。ここで騒ぎを起こすのはお互いマイナスでしかない。だろ?」
男「・・・・」

男は黙って手を上げた。

カレント「メン・イン・ブラックがここで何をしてる?何故俺たちを付け狙う?」
男「・・・・・・」
カレント「答えられないか?」
男「・・・・・」
カレント「答えたくないなら答えなくてもいいが、俺この前のエリア51での件をうっかり口を滑らしちゃうかもなぁ~??」
男「わ、わかった...答えるよ...」
カレント「それが利口だ..」
男「俺の任務はあんた達が真実に辿り着くのを阻止することだ...」
カレント「真実...?なんの?」
男「この前の連絡船での一件だ...」
カレント「あの一件にはお前達が関与していたのか....?」
男「・・・・・・」
カレント「答えろ...!」

カレントがそう言った時、男がポケットからカメラのフラッシュのような物を取り出した。

カレント「マズイッ!」

すかさずカレントは男の手を蹴り上げた。うめき声が上がり、フラッシュが宙を舞った。
落ちてきたフラッシュを素早くキャッチして腕で自分の目をガードしつつ男に浴びせる。

男「しまっ...!」

男の体から力が抜け、崩れ落ちた。

カレント「そこでオネンネしてるんだな...」

裏路地から出ようとすると気絶した男の無線機が鳴り出した。

カレント「脅かせやがって...」

男の懐を漁って無線に出た。

???『ザザ....こちらNo.090177だ...聞こえるか...ザ..』
カレント「...聞こえる..」

正体がバレないように声を絞って答えた。

???『ザザ...そち..らの様子は..どうだ?』
カレント「...今のところ奴らが真実に迫るような事はない。」
???『ようじ...しろ..ジャック・カレ..トは相当な..手練れ..だ..この計画..に勘づかれる..ことは..あっては..ならない..」
カレント「...了解」

無線は間もなく切れた。
カレントは男のポケットからタバコを取りだして火を点けた。薄暗い路地裏でカレントの顔がボンヤリとてらされる。
肺がゆっくりと煙で満たされていく。それを吐き出した。

カレント「計画ね...」

世界の真実を隠す為、または知った者を消し去る為に世界中を飛び回っている彼らがこのパークで何をしているのだろうか。
そして、何故連絡船の事件とは別件の捜査をしていたカレント達の動向を探っていたのだろうか。

カレント「どうやらこの一件、一筋縄ではいかなそうだ...」

ニヤリと笑うカレントの頬を汗がつたい、地面へ落ちた。

~第二章オープニング~

161

けもフレ要素はいずこに…面白いからいっか!!

162

良くないですね。はい(笑)
ちゃんと軌道修正しますのでご安心を...

163
ikapan 2018/03/30 (金) 20:02:54 修正

本文9

裏路地を出て、カレントはトワの元へ戻った。

トワ「あ、やっと帰ってきた!大丈夫でした?」
カレント「ん?あぁ、大丈夫だ。だがいまいちスッキリしない。」
トワ「あぁ~。そういうことありますよね。なんかつかえる感じ。」
カレント「これはもう少し時間がかかりそうだな...」
トワ「聞き込みをしてるうちに解決しますよ。」

噛み合っている様で噛み合っていない二人の会話をカレントの腹の虫がさえぎった。
カレントは腹をなでて呟く。

カレント「そういえば、朝食も食って無かったな...」
トワ「どこか店に入りましょう。ついでに聞き込みも出来ますし。」
カレント「そうだな......」

二人は手近なバールに立ち寄った。
カレントは店の入り口で店内を用心深く見回し、黒ずくめの人間がいない事を確認して中に入った。
カウンター席に座るとすぐにトワがメニューを広げる。

トワ「何にします?」
カレント「そうだな...とりあえずミートボールスパゲティとサンドウィッチ...」
トワ「そんなに食べるんですか!?」
カレント「あたりまえだ。お前はどうする?」
トワ「僕はホットサンドとエスプレッソでいいです。」
カレント「ホットサンドだけぇ?」
トワ「ほっといて下さい...少食なんです。」
カレント「ま、いいさ。取り合えずたのもう。」

カウンターの奥で作業をしていた店員を呼んで注文をする。

カレント「そうだ、あんたこの辺りで空飛ぶセルリアンを見なかったか?」

トワから注文をきいていた店員にそう訪ねると店員は目を丸くした。

店員「空飛ぶセルリアン?」
トワ「はい。それもフレンズの見た目をした...それとエスプレッソをお願いします。」
店員「はいよ。...お客さん達バカ言っちゃいけねぇ。この辺りはセルリアン対策はバッチリなんだ。セルリアンなんか滅多に現れねぇよ。」
トワ「そうかですか....ありがとうございました。あ、注文は以上です。」
店員「たいした役に立てず申し訳ないね...料理はすぐできるから。」

それだけ言うと店員はキッチンに戻っていった。

トワ「収穫なしか...」
カレント「いや、そーでも無いみたいだ。」
トワ「?」

カレントの視線の先には店の隅のテーブル席にひとり座る人物がいた。
この辺りは比較的温暖な気候だと言うのに大きなフード付きのコートを羽織って、顔が見えないほどフードを深くかぶっている。

トワ「あの人がどうかしました?」
カレント「アイツ、俺たちがセルリアンの話をしたとたん妙にソワソワし始めやがった。」
トワ「気のせいじゃ無いですか?」
カレント「気のせいかどうか確かめる方法が一つある。」

カレントは立ち上がってその人物の元へ歩いていく。

トワ「ちょっと..!?」

カレント「なぁあんた、少し聞きたいんだが...」
???「・・・・・・」

カレントが話しかけてもコートの人物はピクリとも動かない。カレントは想定内であったかのように気にせず続けた。

カレント「アニマルガールの形をした空飛ぶセルリアンを見なかったか?」

To be continued

164
ikapan 2018/03/31 (土) 12:30:28

本文10

???「そんな奴は知らない...」

一言、そう答えた。その声はカレントの予想通り女性だった。

カレント「そうか...」

カレントは向かいの席に座り彼女のコップに水を注ぐ。コップの底に残っていた氷が踊り、カラカラと音を立てた。

カレント「なにか頼むか?俺の奢りだ。」

そう言って微笑み、カレントはメニューを手渡した。

???「何を...?」

彼女はメニューを受け取ってすぐに挟まれたメモに気付いた。驚いて前を見るとカレントはいなくなっていた。

やり取りの一部始終をホットサンドをつまみつつ見ていたトワは戻ってきたカレントに問いかけた。

トワ「何を話してたんですか?」
カレント「いや、ちょとな...お前なんでもう食ってるんだ!?」
トワ「仕方ないでしょう!先に出てきたんだから.....で、何を話してたんです?」

するとカレントはお冷を一気に飲み干し、

カレント「賭けだ。」
トワ「賭け?」
カレント「あぁ、俺の予想が正しければ彼女は確実にこのカウンターに来るぜ。」
トワ「?」

カレントの言っている意味が分からずにトワは眉をひそめる。そんなトワの様子を見てカレントは面白そうに微笑した。

カレント「そのうちわかるさ。」
店員「お待たせしました。サンドウィッチです。」
カレント「お、どーも。」

出されたサンドウィッチはレタス、ハム、チーズといった至ってシンプルな物だったが、空腹のカレントの食欲をそそるには十分だった。サンドウィッチを一つ口に放り込んだ。野菜の歯応えが良い。新鮮な野菜を使っているのだろう。パンに塗られたからしの加減も絶妙だ。

カレント「結構イケるな...」
トワ「一口!?」

???「サンドウィッチひとつお願いします....」

そう店員に注文しながら彼女はカレントのとなりに座った。

トワ「え...?」
カレント「言っただろ?」

カレントは困惑するトワに不敵に笑いかける。

???「これはどういうこと...?」

彼女は前を向いたまま周囲に気付かれないよう自然にカレントの前にメモをスライドさせた。
トワは横から首をのばしてメモの内容を確認する。

トワ「これは...?」

そのメモには"昨日の午後10時。管理センター。この意味が分かったらカウンターに来い"と、そう書かれていた。

To be continued

165
ikapan 2018/04/03 (火) 13:24:34

本文11

カレント「どうもこうも、君はこの意味が分かったからこのカウンターに来たんじゃないのか?」

彼女は肯定も否定もしなかった。ただ黙って前を見つめていた。

トワ「カレントさん。これは一体...?」

トワが話について行けずに困惑する。

カレント「実はな、あのメモに書いてあるのは俺がある人物を見かけた時間と場所なんだ。」
トワ「昨日の夜10時。管理センター....ぼく..俺と会う少し前ですね...一体誰を見かけたんですか?」
カレント「俺が彼女を見かけた時、彼女は管理センターに"鳥のフレンズの形をしたセルリアンを見かけた"と必死に訴えていた。」
トワ「え!?」
???「・・・・・・」
カレント「君が"フレンズの形をした空飛ぶセルリアン"と言う単語に反応した時もしやと思ったんだ。背格好が彼女とよく似ていたからな。最初は何故顔を隠しているのか分からなかったがすぐに分かったよ。君も奴等に出会ってしまったんだ。」
???「・・・・・・・・」

トワは話が全く分からずに一人おいてきぼりを食らった気分だった。

カレント「それで、君にあのメモを見せたら案の定このカウンターにやって来た。確信は無かった。賭けだった。」
トワ「カレントさん。さっきから何を...」

カレントはトワの声など耳に入らなかったかの様に続けた。

カレント「だが、この賭けは成功だった様だ。そうだろ?アライグマ。」

To be continued

166
ikapan 2018/04/04 (水) 10:50:39

本文12

しばしの沈黙があった。カレント達は静かに彼女が口を開くのを待った。

???「残念だけど、少し違うかなー?」

彼女は一言緊張感の無い声でそう言った。その声にトワが反応した。

トワ「その声は....フェネック?」
フェネック「久しぶりだねー。トワ」

どうやらトワの知り合いだったようだ。

カレント「あ、あれぇ...?」

カレントの手からスルリとサンドウィッチが抜け落ちた。
見事に推理を外したカレントをトワがフォローする。

トワ「で、でもカレントさんの推理はかなりいい線行ってましたよ。彼女はアライさんの相棒なんです。」
カレント「へ、へー...そうなの...」

カレントは力なく笑う。

トワ「ところで、どうして正体を隠して一人でこんな所へ...?」
フェネック「それには少し事情があってね...」

フェネックの雰囲気が変わったのが顔が見えなくても分かった。

トワ「・・・・?」
フェネック「どうやら、お客さんみたいだねー?」
カレント「そのようだ....」

先ほどまで落ち込んでいたカレントもいつの間にか目つきが変わっている。

トワ「ふたりとも、いったい何を言って....?」

ドアチャイムが鳴ってスーツの男が五人入ってきた。全員がっしりとした体つきだ。

フェネックはコートのフードを深く被り直してうつむいた。

カレント「団体さんのお出ましだ....」

カレントはタバコをくわえて、zippoの蓋を弾いて開けた。

店員「いらっしゃい。空いてるお席へどうぞ。」

店員がそう言ったが、男達は真っ直ぐ満席のカウンターに向かってくる。

トワ「なんなんですかね..?あの人たち?」
カレント「黙ってろ....」

男達の方を見るトワの顔をつかんで前を向かせた。

トワ「ちょ、カレントさん!?痛い!」

男達はカレントの後ろで止まった。カレントの肩をがっしりと掴み、声をかける。

男1「すみませんちょっとお尋ねしたいんですが...」

To be continued

167
ikapan 2018/04/04 (水) 20:05:33

本文13

カレントは振り返らずに静かに答えた。

カレント「....なんでしょう?」

すると男はカウンターに一枚の写真をおいた。

男1「この写真の少女を探しているのですが...」

カレントは自分の正体がバレていない事に安堵して写真を確認した。

トワ「あれ?これは...」
カレント「...!」

その写真に写っていたのはまぎれもなくフェネックだった。やはり彼女もコイツらから狙われていたようだ。
お人好しのトワが男達に笑顔で答えようとする。

トワ「この子なら、カレn...」

カレントはとっさにトワの顔をカウンターに叩きつけた。

カレント「お、おいダイジョウブカー?ドウヤラグアイガワルイミタイダー(お前は黙ってろ...!)」
男1「は、はぁ...」
男2「あの、すいませんがこちらを向いて頂けませんか...?」

男の一人がカレントにそう言った。だが、後ろを向けば一発で正体がバレてしまうだろう。
しかし誤魔化し続けてもいずれカレントかフェネックのどちらかは正体がバレてしまう。
カレントは男達に聞こえないようにうつむいているフェネックに言った。

カレント「少々荒っぽくなるが、ここを突破する。」

フェネックが微かにうなずいた。カレントは男の方をふり返えった瞬間火のついたタバコを男の顔に向かって吹いた。
タバコは見事男の顔にヒットして男は思わず仰け反る。これが開戦の合図だった。

カレントはカウンターから立ち上がって仰け反った男の顎を蹴りあげた。突然の出来事に食事をしていた客達から悲鳴が上がる。
顎を蹴られた男がぶっ倒れて、後ろの男達が驚きの声を上げた。

男2「ジャック・カレント!?」

男四人がカレントの正体に気付き次々に飛びかかった。カレントは男達のパンチをヒラヒラと踊るかの様に優雅にかわす。
トワはまたもや状況が飲み込めず呆然とカレントの戦いを見ている。

カレント「トワ!レッスン1だ!」

カレントが攻撃をかわしながら叫んだ。

トワ「へ?」
カレント「いいかトワ。最初のレッスンは"体の流れをつかめ"だ!よく見ておけ!」

次の瞬間カレントは殴りかかって来た男の腕を掴んで引っ張った。パンチに逆に勢いをつけられた敵はテーブルにぶつかって派手に転んだ。

トワ「!!?」
カレント「これが"体の流れをつかむ"だ。」

カレントは残った三人の猛攻をかわしながらそう言った。

男3「くそ!ちょこまかとッ!!」

男が苛立ち、カレントにエルボーを食らわせようとしたが怒り狂った牛をかわす闘牛士の様にカレントはヒラリと左にかわす。
カレントは戦闘を楽しんでいるかのように笑っていた。

カレント「ここは朝の公園じゃねぇんだ!体操なら外でやってくれ!」

カレントが男の腹に回し蹴りを食らわすと、男が呻き声をあげて腹を押さえた。今度は隙だらけになった顔面に蹴りを食らわす。
男の巨体が崩れた。

男4「く、くそッ!アイツを人質に取れば...!」

男の一人がトワの方に飛びかかった。

カレント「しまった!トワ!危ないッ!」

カレントがそう叫んだ刹那、フェネックが間に割って入り自分より遥かに大きな男を殴り倒した。

フェネック「わたしの友達を襲おうなんて関心しないなー?」
カレント「すまない!フェネック!」

一人残された男は後ずさりし、任務を放棄し背を向けて逃げ出した。援軍でも呼ばれると厄介だ。

カレント「あ!ちくしょう!逃がすか!お代はコイツらに付けといてくれッ!」

カレントも床に倒れた男達に勘定を擦り付けて店を飛び出す。

フェネック「あ、私もその人にはちょっと用があるんだよねー」

フェネックもカレントの後に続いて店を出る。

トワ「あぁ...ちょっと..!..すみません!ごちそうさまでした!」

店員と倒れた男達に挨拶をしてトワも続く。

一瞬のうちに過ぎ去った嵐に客も店主も開いた口がふさがら無かった。
ただ目の前には気絶した男達と荒れ放題の店内があるだけだった。

To be continued

168
巨峰・アーリア 2018/04/04 (水) 20:32:39 >> 167

レッスン1…!?

ニョホッ

169
名無しのフレンズ 2018/04/04 (水) 20:55:23 58ac9@dd7ea >> 168

その流れだとトワが「できる訳がないッ!!」とか言い出しかねない(笑)

170
ikapan 2018/04/09 (月) 10:23:22

お知らせ

いつもJPPをご愛読頂きありがとうございます。

えー....本題なのですが、しばらく更新をお休みします.....
実は去年の今頃、不摂生とストレスで頬に肌荒れができ、半年の格闘の末ようやく完治。
「もう不摂生はしない!」などと意気込んでいたくせに1ヵ月ほど不摂生を重ねた結果
奇しくも去年と同時期に全身に謎のポツポツが!!
そ、そんな!! 筋トレは運動では無いと言うことかぁーッ!!(一応腹筋は割ってます)
皮膚科に行った所「あー、これはストレスと不摂生が原因だね~。”毛嚢炎”だよ」との一言......
と言うわけで仕事の合間にJPPを書いていたんですが、その時間は運動という事に....(苦笑)

症状が落ち着き次第ぼちぼち更新して行きます。一応サイトは覗くつもりなので他のスレには出没するかも....?
それでは!!Have a Nice Day!!

171
名無しのフレンズ 2018/04/09 (月) 21:01:29 4884f@0406f >> 170

仕事の休憩に運動ですか 大変ですね
じっくり治してください〜

172
名無しのフレンズ 2018/04/09 (月) 21:03:04 b5d99@876ff >> 170

お大事に👍 無理をなさらず…

173

たまには休憩も必要なのです

174
ikapan 2018/04/09 (月) 23:33:31

皆さん..ありがとうございます。年度末で乱れた生活を健康的な生活に戻して行こうと思います。
先生から不摂生するなと釘を刺されているのでそろそろ寝ます(笑)
おやすみなさい~

175
ikapan 2018/04/20 (金) 18:55:51

本文14

カレント達は外に飛び出して辺りを見回すが、男は既に人混みの中に紛れてしまっていた。

カレント「くそ!どこに行った!?」

フェネックは目を瞑り意識を集中させた。

フェネック「たぶんあっちに行ったはずだよ」

フェネックが左を指さした。

トワ「分かるの!?」
フェネック「耳は良い方だからねー。足音の聞き分けぐらいなら出来るよー」
カレント「マズイぞ...あっちは高速道路の乗り場がある方向だ!」
トワ「でも、この人混みじゃ追い掛けようが...」
カレント「いや。あるね。とっておきの近道が」

カレントはウエストバッグからフック付きのロープを取り出した。

トワ「何を...?」

カレントはカウボーイの様にロープをクルクルと回して屋根に狙いを定めた。

カレント「ッ!」

放たれたロープは屋根にカチリ固定される。カレントはそのまま壁をよじ登った。フェネックもそれに続く。

トワ「あいかわらず無茶苦茶する人だあなたは!!」
カレント「トワ!お前は高速乗り場にバスを待機させておけ!」
トワ「わ、分かりました!」

カレントに言われるがままトワは駐車場に向かって走り出す。

フェネック「お!いたいたー」

フェネックが指差す方向を見ると、人混みの間を縫って逃げる黒服の男が見えた。
カレントがニヤリと笑う。

カレント「さあ、追いかけっこと行こうぜ...!」


カレントは助走をつけて隣の建物に飛び移った。パルクールだ。
この辺りの建物は外観や高さが地中海風建築で統一されているので屋根から屋根への移動が比較的簡単だ。

カレント「来れるか?」
フェネック「勿論!」

フェネックもこちらに飛び移った。

カレント「あいにく俺は君ほど耳が良くなくてね。悪いが先導を頼む」
フェネック「はいよー!」

176
ikapan 2018/04/28 (土) 19:51:11 修正

本文15

BGMはそのままお流しください
フェネック「...右!」
カレント「了解だ!」

フェネックの先導でカレントは黒服の男を追う。
屋根の上を走っているのでカレント達の視界を妨げる物は無かった。
下からはざわめきやシャッターを切る音が聞こえる。カレントは苦々しく舌打ちをした。

カレント「少し目立ち過ぎたか...!」

フェネックもカレントも追われている身だ。情報が拡散されるのは避けたかったが、背に腹は変えられない。
カレントは自分の前を走るフェネックに叫んだ。

カレント「ちゃんと顔を隠しておけよ!」

風を切って屋根から屋根へと飛び移り、男との距離を縮めていく。
カレントでも肉眼で男の顔が認識出来る距離まで来た。
前に目をやると、広大な駐車場と高速乗り場が見えた。トワのジャパリバスも待機している。
男も此方に気付いた様で、通行人を突き飛ばして逃げ足を早めた。

カレント「そろそろ方を付けよう!ワン.ツー.スリーだ!OK?」
フェネック「そーゆーのには慣れてるよー!」

フェネックの返答にカレントは満足そうに笑う。

カレント「上等だ!行くぞ!ワン!」

フェネックとカレントは足を早めて助走を付けた。

フェネック「ツー!」

二人が走る先に建物は無く、下に通行人がいる歩道があるだけだ。

カレント「スリィィッ!」

二人は助走で付けた勢いを使って屋根から飛び降りた。直地点にいるのは勿論黒服の男だ。
突然の飛び降りた二人に悲鳴が上がる。二人は男の目の前に着地した。
通行人が一斉に後ずさりして三人を囲う円が出来る。

カレント「さて、ジャパニーズ"鬼ごっこ"は終わりだぜ?」
男「ど、どうしてだッ!?ナゼ人混みの中を逃げていた俺の場所が分かったッ!?」

男はサングラス越しでも分かるほど目を見開いて叫んだ。
カレントがニヤリと笑い、拳を構えた。

カレント「教えてやろう。留置所の中でな!」

カレントは男に殴りかかった。男は間一髪パンチをかわすが、目元を掠めた拳にサングラスを弾き飛ばされた。

男「く、くそッ!」
カレント「俺のパンチをかわすとは!なかなかやるようだな!」
男「コケにしやがってッ!」

男が殴りかかってきたがカレントは表情一つ変えずに男の顔面にカウンターパンチを入れた。
前歯が宙を舞い、男の体がその場で崩れ落ちた。BGM終了

フェネック「...勝った...かな?」
カレント「...いや、そこまで軟弱では無い筈だ」

カレントの読み通り、男は顔面を押さえて立ち上がった。

男「ど、どうやら俺を怒らせちまった様だな...!」

男はよろよろと数歩後ろに退って高級そうなスーツの懐から銃を取り出した。
カレントの目付きが変わり、辺りからも甲高い悲鳴が上がる。男が銃口を此方に向けた。

男「う、動くなよ...!ここで発砲すればどうなるか位わかる筈だ...!」
カレント「・・・・・・・」

半ば投げやりに笑う男の銃口が向けられた先はカレントでは無く、フェネックだった。

To Be Continued

177
ikapan 2018/04/30 (月) 12:32:34

本文16

時は数分前に遡る...

───ジャパリパークの飼育員、美嶋 咲久夜は担当フレンズのアードウルフと共に港町へ観光に訪れていた。

サクヤ「にしても、さっきバールで見かけた人、かっこよかったなぁ...!」

休日で混雑した道を歩きながらサクヤはしみじみと呟いた。

アードウルフ「あのカウンター席にいた二人組の...?」
サクヤ「そうそう!やっぱり男ならあんな風になってみたい!」
アド「私は...サクヤさんの方がカッコいいと思いますけどね....」
サクヤ「ん、何か言った?」
アド「い、いえ!何も言ってません!」

慌てた様子のアードウルフにサクヤは首を傾げたが、すぐに話題を変える。

サクヤ「そう...?....さて、お昼も食べたし次は何処にいこっか?」
アド「あ、私前から行きたい場所があったんです...!」

たわいもない会話をしている内に周囲がざわめきだした事にサクヤは気付いた。
眉をひそめて辺りを見回すと皆空を見上げている。

サクヤ「なんだろ...?」
アド「さ、サクヤさん!あれ!」

驚いた様子のアードウルフが指す先には屋根の上を走る二人の人影があった。

サクヤ「あ、あれは!?」

走る人影の一方は先ほどバールで見かけた男性だった。もう一人は体格的に女性だろうか、顔は見えなかった。
バールで見かけたとき彼の隣に座っていた相方の姿は無い。
屋根を走っている時点で既にそうなのだが、サクヤは直感的にただ事ではないと感じ取った。
正義感と、彼への好奇心もあったのだろう。サクヤは二人を追い掛けることにした。

サクヤ「ごめんアドちゃん!あの二人を追いかけよう!」
アド「え?ちょっと!?サクヤさ..」
サクヤ「すいません!ちょっと通してください!」

サクヤはアードウルフの手を取って人混みの間を縫うように駆け出した。

───これが、美嶋 咲久夜が体験する最初の"非日常"の始まりだった

179
巨峰・アーリア 2018/04/30 (月) 14:56:55 >> 177

~TVの前~
ニホ「見て見て!サクヤとアドちゃん出てるよ!」
ユウ「ふふっ、2人ともいつもの調子ね」
ゴロ「“非日常”ねぇ…なかなか興味深いよ」
クレ「カレントたちの方もドキドキの展開じゃの~」
ニホ「次回も気になるー!」

ついにサクヤ君とアドちゃんが!『ありがとう』…それしか言う言葉が見つからない…
こちらのタイトル回収までするとは流石…!

180

いえいえ、こちらこそサクヤ君達の出演を許可して頂いてありがとうございました。
これから結構活躍する予定なのでお楽しみに~

あ、それから巨峰さん。「けものフレンズ りめんばー」wikiの方に名前を登録してメインシナリオライターになりませんか?たしか皆さん"シナリオ補佐"として登録していたと思います。
(メインシナリオライターは議論の最終決定に参加するシナリオチームの中心メンバーの事です。)

181
巨峰・アーリア 2018/04/30 (月) 16:02:40 >> 179

(実はWikiの使い方があまりわかってない)
お誘いありがとうございます、さっそくご挨拶の方に顔を出させていただきました
これからよろしくお願いします

178
ikapan 2018/04/30 (月) 13:05:24

登場人物紹介

美嶋 咲久夜 (みしま さくや) 男 19歳

巨峰さんのSS、『キミの手をとって』の主人公。解放区特殊動物飼育員
(本作でのキャラ設定も原作と全く同じです)
詳しくはこちら

このSS、かなりおもしろい!ikapanイチオシのSSですので是非!

182
ikapan 2018/05/02 (水) 21:50:34

本文17

男は両手で銃を構え、その銃口をフェネックへと向けた。息が上がり、鼻から出血しているが銃を構える手に震えは無かった。

男「動くなよ...!ここで発砲すればどうなるか位わかる筈だ...!」

そう言って男は欠けた前歯を見せて投げやりに笑う。

カレント「・・・・・・・・」

カレントはじっと男を睨み付けたまま動かない。
そんなカレントを見て男は不快そうに眉を潜めた。
男はこの状況でカレントが焦りを見せない事にも動揺したが、何よりカレントの殺気が男を焦らせた。

男「おい女!いいか。ゆっくり手を上げろ...!」
フェネック「・・・・・」

正体がバレていない事に安堵しつつ、フェネックはゆっくりと手を上げた。
周囲の野次馬達はざわざわと動揺した様子で何か話したりスマートフォンで現場を撮影したりしている。
誰も通報しようとはせず、黙々と写真や動画を撮っている光景は現代社会ならではと言った所だろうか。
そんな野次馬達に苛立ったのか、男が空に向かって一発威嚇射撃をした。辺りから悲鳴が上がる。

男「だまれ!少しでも騒げば命はないと思え...!」

野次馬達は皆唾を飲み込んで押し黙った。そんな緊迫した状況の中、カレントは呆れたようにため息をついて腰のホルスターからSAAを抜いた。
野次馬達がまたもどよめく。

男「おい!なにしてる!?さっさと銃を捨て....」

男が叫び終わる前にカレントはSAAを持った腕を真っ直ぐ伸ばし、男に銃口を向けた。
男が唾を撒き散らしながら叫ぶ。

男「お、おい!ここにいるやつらがどうなってもいいのかッ!?」

カレントは銃を構えたまま肩をくすめた。

カレント「あいにく今日は休暇中でね。"善良な市民の皆様をお守りする義務"なんてものは持ち合わせていないのさ」
男「ぐ...」

丁度時を同じくしてカレントを追っていたサクヤ達が現場に到着した。野次馬を押し退けて前へ出る。

サクヤ「すいません!少し退けてください」
アド「すみません...」

やっとの思いで前へ出るとすぐ目の前に銃を構えたスーツ姿の男がいた。
男が構えた銃の先には例の彼と共に屋の上を走っていた女性がいる。

サクヤ(本物の銃!?このジャパリパークで...!?)

アードウルフが何かを指差して小声で言った。

アド「サクヤさん...!あれを...!」
サクヤ「ん....?あ、あの人は...!!」

アードウルフの視線の先にはスーツの男に銃を構えた例の彼がいた。

サクヤ(あの人も銃を!?一体どうなってるんだ!?)

サクヤは目の前で起きている事態が飲み込めなかった。こんな光景は午後にテレビでやっているドラマでしか見たことがない。
こうやって間近で目撃している今も現実感なんて物は無かった。きっと他の野次馬達もそうなのだろう。
事態は飲み込めなかったが、フードを被った女性が危険な状況だと言うことは理解できた。

アド「ど、どうすればいいんでしょうか...!?」
サクヤ「とりあえず、なんとか助けを呼ばないと....!」

周りの野次馬達は皆、釈然としない恐怖と混乱でただ突っ立っているだけだった。
スーツの男が叫んだ。

男「ふざけるのもいい加減にしろ...!その女を撃ち殺すぞ!」
カレント「・・・・・・・」

カレントは黙って男に銃を構えたまま、表情は変えずに頭をフル回転させる。

カレント(考えろ...!考えるんだ...!!この状況で怪我人を出さずに奴を拘束する方法を...!!)

男が癇癪を起こして発砲するのも時間の問題だった。

サクヤ(僕がなんとかするしかない...!)

サクヤは意を決したように目を閉じてゆっくり息を吐き出した。

サクヤ「アドちゃん。ここを抜け出して助けを呼んできて...!」
アド「サクヤさんは...!?」
サクヤ「僕はここに残るよ....!!」
アド「そんな...!危険です!一緒に...!」

不安そうなアードウルフにサクヤは優しく笑いかけた。

サクヤ「僕は大丈夫だから。さぁ...ここから早く逃げて...!」
アド「・・・・・・わかりました..!」
サクヤ「頼んだよ!」

サクヤは野次馬の間を縫って消えて行くアードウルフを呼び止めてこう言った。

サクヤ「助けをよんだら、君はこの町の展望台で待ってて。必ず行くから!」

アードウルフが頷いたのを確認してサクヤは満足そうに微笑んだ。

サクヤ(これでアドちゃんを危険な目にあわせずに済む...)
サクヤ「でも...どうやってこの状況を打破すれば...!?」

サクヤは再びカレント達の方を向いて、やり取りに耳をかたむける。
カレントは余裕の表情で男に語りかけていた。

カレント「まぁそうイライラするな。人間は苛立つと注意力散漫になるし、判断力も鈍る。」
男「いい加減黙らないと...!」
カレント「そのうち、誰かに隙を突かれちまうかも知れないぜ?」

そんな軽口を叩くカレントの視線が野次馬達を見ていることにサクヤは気付いた。

サクヤ(誰かに隙を...?・・・・ッ!!そうか!!)

一方野次馬達を見ていたカレントもサクヤのハッとした表情を見てニヤリと笑った。

男「おいッ!何がおかしい!」
カレント「いや。そろそろお前も年貢の納めどきだと思ってな」

カレントはサクヤにアイコンタクトを送った。サクヤもそれに応える。

男「なに..?」

カレントは銃を構えたまま空いた手で器用にタバコを一本取り出してzippoで火を点けた。

カレント「忠告しよう。お前が怒りに任せて発砲しようとしたその時、お前の敗北が決定する」
男「この状況で俺が負ける?ハッ!寝言は寝て言えよ」
カレント「そうだ"この状況だからこそ"お前は負けるんだ...!」

男がまた苛立ったのが分かった。サクヤはその時に備えて身構えた。
胸に手を当てて呼吸を整える。

サクヤ(大丈夫..覚悟は決めたんだ...!落ち着いていこう...)

呼吸を整え、サクヤは目を見開いた。

サクヤ「よし!やってやるッ!」

To Be Continued

183
巨峰・アーリア 2018/05/02 (水) 22:16:21 >> 182

BGM的に粋なイノシシが突っ込んできそう
サクヤ君のシーンでゼノブレBGMとは…!(感涙)

185

やはりサクヤ君にはゼノブレBGMが似合うと思いましてね

???「穏やかじゃないですね」(このセリフしか知らない)

184
名無しのフレンズ 2018/05/02 (水) 22:44:46 ebefc@ba362 >> 182

会話中は待ってくれるセルリアンであってもヒトであっても
それがジャパリパーク

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どんなに緊迫した状況でも会話中やいいシーンでは攻撃しないのはある種物語のテンプレですからね(苦笑)
(暴れん坊将軍で敵の兵が自分の順番まで構えたまま待っている等)

特にジャパリパークの敵達は空気を読んでくれるようです(笑)

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緊張感ありますね!フェネックを無傷で救うことができるか!?

てか相方ピンチなのにアライさんなにやってんだ

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そこに気付くとは....さすがですね葉月さん。
それは次回かその次位をお楽しみに~!!

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ikapan 2018/05/05 (土) 00:01:11

うわああああやっちまったあああぁぁ!!!

間違えて書いてた内容全部削除しちゃったあぁぁぁッッ!!

もう無理....すみません...次回の更新は明日になります....

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SS書く時は小まめな保存
コレ大事!

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もやしまる 2018/05/06 (日) 09:31:27 0f4dd@3f516

す、凄い···色々細かくて話が面白いですw。これからも頑張ってください!(あとここに初めて顔を出した者です)

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ありがとうございます!新規の読者さんだ~!
このSSはアプリ版の後からアニメ版までを描く予定なので、まだまだ終わりが見えないSSですがこれからもよければ読んでやってください(笑)

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もやしまる 2018/05/07 (月) 02:06:11 f69d5@3f516

分かりました~w。これからも楽しみにしておきます~(笑。