名無しのフレンズ
2019/06/29 (土) 08:06:15
b652b@9a4dd
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第3章 3話 ~夢~
サーバル
「って、プリンセスがシャベッテルゥゥゥーーー!?」 Σ(゚Д゚),
サーバルの叫びで、初めて気が付いた。
プリンセス「どうして?」
確かに自分の声が聞こえる。 喋れている。
どういうことだろう?
かばん
「心の
優しい笑顔と声だった。
・・・確かにそうだ。
コウテイに決して悪意は無かったのに、当の私はそれに気付かず、
自分で自分を追い詰め、自縄自縛に陥っていた。
その呪縛が解けた、というか自力で解いたから・・・?
博士
「何ですか? 今の大声は」
助手
「お客が来てるのに騒がしいですよ。 サーバル」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
通報 ...
リカオン
「どうするんです?
博士たちに知らせなくて良いんですか?」
私たちはタイリク先生の情報を元に、セルリアンを追っていた。
ヒグマ
「先生の言葉を信じないわけじゃないが、セルリアンの実像を自分たちの目で、手で、確かめる。
それからだ」
キンシコウ
「・・・ ヒグマさんの判断を信じます。
セルリアンハンターとして、私たちに出来ることをしましょう」
リカオン
「オーダー、了解です」
責任は重大だが、
セルリアンハンターとして、リーダーとして、この判断は間違っていないはずだ。
仲間も私を信じてくれている。
ーと、
リカオン
「もしかして『アレ』でしょうか?」
どうやら件 のセルリアンに追い付いたようだ。
キンシコウ
「確かに先生の言っていた特徴と一致しますね」
ヒグマ
「よし! 先手必勝、初手から野生開放で行くぞぉ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マーゲイ
「お見舞いに来ました。 具合はどうですか? プリンセスさん」
お客と言うのはマーゲイだったらしい。
その顔を見た途端、思わず・・・
プリンセス
「あなた、よくもコウテイとグルになって・・・!」
マーゲイ自体に罪は無いはずなのだが、
圧 し掛かるのように顔を覗き込んで凄んでしまう。仰 け反りながら、
一方のマーゲイは
「うわぁぁぁぁーーー! シャベッテルゥゥゥーーー!
しかも顔近いーーー! いい匂いぃぃーーー!」
ぶしゅ~~~!
マーゲイは混乱と興奮の極みで、盛大に鼻血を噴きながら倒れた。
叫び声に耳を押さえていた博士たちは、
博士「声が戻ったのですね」
助手「良かったのです」
ーと、ぶっ倒れたマーゲイをスルーして喜んでくれた。
そうだった。
コウテイは厚意で私に休養を取るよう提案しただけだったし、
マーゲイもそれに協力しただけ。
メンバーたちも私を信じて待ってくれて、
かばんや博士たちも親身に相談に乗ってくれた。
声を取り戻せたのは、決して自分の力だけではない。
周りのみんなに支えられて今の自分がいる・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ザバーー!
カバ
「だ~れ~?」
ダイア
「お久しぶりです。 姐さん。
ダイアウルフです」
カバ
「ダイア、ウルフ…?
見ない顔ねぇ。 とりあえず、お水でも飲むぅ?」
私のことを知らない!?
ーということは、世代交代してしまっているのだろうか?
それとも過去の記憶を失っている?
でも報告はしておかなければ・・・
カバ
「それで、わたくしに何か用かしらぁ?」
ダイア
「サイキョーのセルリアン、ダイヤリアンが復活しました」
(`✧_✧´) !
カバ姐さんの目が一瞬光ったように見えた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうだ。 博士たちには聞きたいことが山ほどあったのだ。
ーが、何をどう訊けばいいか分からない。
取り敢えず、博士たちに『2章』を読んでもらった
博士
「10話は長過ぎるのです」
助手
「ざっくり2ヶ月分を一気読みするのは、正直キツイさんなのです」
うだうだ言いながらも、しっかり読んでくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「私が見ていた夢ってどういうモノなの?
実は過去に本当に起こったこと、とかじゃないの?」
博士
「夢は、現実で起こったことに対し、記憶の整理を行っている時に見ると言われています。
言わば『録画された動画を再生しながら編集作業をする』ようなものですね。
ただ、シーンがランダムに再生されるので支離滅裂な内容になりがちです」
助手
「ですから、2章(夢)で起こったことは、
おおむね1章(現実)からピックアップされたもののはずです。
時任博士の名付けられ方が そうだったように・・・」
プリンセス
「フェネックが分裂したことも!?」
博士
「#前者が夢の中、
#後者が現実での出来事です。
どうです? モモイロで増えるとか、影武者がどうとか共通点があるでしょう」
プリンセス
「細かすぎて伝わらない伏線! しかも3ヶ月越し!」
助手
「では,これはどうです?
#ココ での「としょかんに…」は
#コチラでのかばんの「としょかんに連れて行こう」の一部が聞こえたものと思われます。
そして、#「???」内でのお前以外のセリフは
#コチラのセリフと完全に一致しています」
つまり私の見ていた夢は現実と地続きだった、ということだろうか…
プリンセス
「でも、おかしな点もチラホラ…」
なぜか妙に悪足掻きをしてしまう。
博士
「夢は脳の自律的な活動で、そこに意志は介在しません。
『えゔぁ』に例えれば、『暴走』や『ダミーシステム』のようなものです。
夢での荒唐無稽なストーリー展開や設定の矛盾は、そうした中で起こるのです」
プリンセス
「だけど1章に無い設定もあったわよ?
ダイヤリアンとか・・・」
私はそんなに夢だと認めたくないのだろうか。 必死に食い下がる。
助手
「それは『予知夢』と呼ばれるものかもしれませんね」
プリンセス
「予知夢?」
博士これから起こる ことを予 め見る』能力、
「文字通り『
一種の超能力です」
助手
「ヒトが#脳機能を10%しか使いこなせていない、という説は否定されたようですが、
かと言って脳の全てを解明できた訳ではありません。
ましてやフレンズが、予知夢を見ることが出来たとしても不思議ではないでしょう。
サンドスターは万能なので」
じゃあ、またダイヤリアンが現れるというのだろうか?登場してい ない物語『嫌邪の贈り物』も実在していた・・・
そう言えば、1章で
・・・だったら『ツバメの王子様』は・・・?
博士
「寝ている時に見る夢は単なる幻ですが、起きている時 見る夢は希望です。
夢見るだけで終わらせるのか、夢を叶え実現するのかは、お前次第なのです」
助手
「予知夢も同じで、
流れに任せて、そのまま現実のものとしてしまうのか、
運命に打ち克ち、新たな未来を創るか。
それは、お前次第なのです」
なんか『良い話』みたいにまとめたけど、
はぐらかされたというか、ぶん投げただけ、のような…
博士掬 い上げ、使い倒すのです」
「なんにせよ約2ヶ月間、10話も掛けて書いたものが、
『夢オチでした』で終わらせてしまっては勿体ないのです。
そこからも伏線として使えるものは
プリンセス
「メタいわね…」
助手
「かなりの部分でネクスォン神話に書かれていることと重なっているのは気になりますが…」
プリンセス
「ネクスォン神話?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「は!」
リカオン
「このセルリアン、何かおかしいと思いませんか?
キンシコウ
「確かに・・・変ですね。
私たちフレンズを襲うのは二の次で、別の何かを探してるように見えます。
まるでサンドスターよりも大事なものがあるような・・・」
ヒグマ
「そんなことはどうでもいい!
へしが完全に埋まる前に決着しないとマズいぞ」
キンシコウ
「でもへしが異様に硬いですし、部位破壊しても水が出るだけで、すぐ再生してしまいますし・・・」
リカオン
「サイキョー過ぎますよ…」
ヒグマ
「泣き言は聞かん!
ハンターの意地を見せろ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そう言えば・・・
マーゲイにも聞きたいことはあったのだ。
プリンセス
「いつまで寝てるの? 起きなさい」
マーゲイ
「お、おはようございます!
ホントに声が戻ったんですねぇ。 良かったですぅ」
マーゲイは有能マネージャーの顔に戻ると、芸能界的挨拶と労 いと喜びを口にしたが、
今は、そんな場合ではない。
プリンセス
「マーゲイ、あなたもPPPのことを調べてて、初代は4人って言ってたわよね。
実は5人だったことってないの?」
マーゲイ
「私、実は前世の記憶を多少持ってまして、
ご先祖様が家宝を『としょかん』に寄贈している、ということまでは知っていたんです。
どんなお宝なのかまでは覚えてないんですけど…
マーゲイは眼鏡のつるを指で上げながら、待ってましたとばかりに語り出す。
マーゲイ
「そこで たまたまPPPのことを知りまして・・・
でも5人だったっていう資料は見たことありませんねぇ」
プリンセス
「じゃあ、これは?」
先ほどの写真を見せる。
マーゲイ ( ✧Д✧)キラーン!
「おほー↑! これはお宝写真んんーーー!!
これ、もらっていいんですか? もらってもいいですよね!?」
噛みつかれる? と思うほどの勢いで私の手から写真を奪い取ると、
しゃぶりつかんばかりに顔を近付けて、舐め回すように凝視している。
どうやら、あの日記はマーゲイ家のものだったらしい。
そのことは後で教えてあげるとして・・・
プリンセス
「どう思う?」
マーゲイ
「これは初代ですね。 PPPが楽器を使っていたのは、この時だけなので」
即答だった。
プリンセス
「だったら、なぜ私が? 5人で写っているのはどうして?」
マーゲイ
「それは…」
口ごもった。
博士
「それについては我々が答えましょう」
助手
「我々は賢いので」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私には、もう1つ気になることがあった。
PPPのことを調べている中で、初めてこの写真を見つけた時・・・
自分も写っていたことに なぜ気付けなかったのか、だ。
博士
「フレンズの間では『初代PPPは4人』という説が定着しています・・・
確かに私も そう聞いていた。
博士
「その『先入観』が強すぎて、お前自身が写っていたことを認識できなかったのでしょう。
脳の認識能力は、結構いい加減なものですから」
助手
「もしくはコウテイのアイドルオーラに目を奪われ・・・
確かにあの写真を見て、私はコウテイとPPPに一目惚れに近い思い入れを抱いた。
助手
「いわゆる視線誘導で自分の姿を認識できなかったか、ですね。
脳の情報処理能力には限界がありますから」
脳というのは、言うほど『すっごーい』ものじゃないらしい。 (´・ω・`)
まあ、それはそれとして・・・
プリンセス
「博士の口ぶりでは、まるで『PPPが4人』ってのは確定じゃないみたいだけど・・・」
博士
「初代が4人という定説は『カヴァン神話』の記述によるものです。
同様に『ネクスォン神話』にもロイヤルペンギンは登場しません」
プリンセス
「だったらなぜ…?」
助手
「ところが、パークの歴史に関する解説書『にこひゃく』や『ぴくひゃく』によると、
ロイヤルの加入、PIPからPPPへの改名、プリンセスの愛称などの記述がある外典
-の存在が紹介されているのです」
プリンセス
「!?
じゃあ、何を信じれば良いのよ? どれが正しいの?」
博士
「賢い我々と言えど、偉いヒトの考えていることは分かりません。
それどころか、こちらの納得しがたい設定を ぶっ込んできたりするのです」
助手
「だったら、こちらはこちらで好きな説を作ってそれを信じればいいのです。 我々は賢いので。
『正しさ』とはフレンズの数だけあるのです」
プリンセス
「❗」
博士
「トキのように、動物だった頃の記憶を持っている者、
サーバルのように、はっきりとは覚えていなくとも何らかの感情を有する者、
マーゲイのように、おぼろげながら前世の記憶を持つ者、
誰とは言いませんが、過去の記憶を保持したり、世代交代をしていない者・・・」
助手
「もしかするとお前は、前世の記憶を夢と言う形で見たのかもしれません」
プリンセス彷徨 った。
「じゃあ、なに?
私がPPPに憧れる切っ掛けである、写真や日記を見つけた時には、夢は叶っていた。
当の私は そのことに気付かず、必死にメンバー集めやアイドル活動に打ち込んだ。
PPPを脱退しそうになった私は、声を失い、夢の世界を
そして、声を取り戻し・・・」
マーゲイ
「なんだか『青い鳥』みたいですね」
博士
「物語は創ってて『たーのしー』方が良いですし、
読む方もギスギスした内容のモノより『たーのしー』物語を求めているはずなのです」
助手
「だからお前たちは『人鳥姫』をハッピーエンドにするのではないのですか?」
❗
そうだ… そうだった!
さすが博士たち。 『締めドコ』を心得ている。
しかもタイトルの回収まで・・・
プリンセス
「まさに『目から鱗』の考え方ね」
助手
「それを言うなら『目からタラコ』では?」
プリンセス
「なんで正しい言い回しをボケで潰すのよ?」 (*`Д´)っ))
せっかく上げた株が大暴落だ。
博士
「助手、それを言うなら『目からシラコ』ですよ」
プリンセス
「天丼!? しかも何をエラそうに間違った訂正をするのよ!?」 (*`Д´)っ))
『良い話』も台無しだった。
マーゲイ
「えーと、え~と...
じゃあトロッコで!」
プリンセス
「思い付かないなら無理にボケなくてもいいわよ!
って言うか、そもそも『目からトロッコ』が落ちるわけないでしょ!」 (*`Д´)っ))
せっかくの『良い雰囲気』が…
プリンセス
「もういいわ…」
マーゲイ
「プリンセス、さん…?」
呆れてモノが言えない、のではない。
主人公としてまとめに入るのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
確かに史実がどうだったかとか、正史がどうとかなんて今の私には関係ないことだ。
先代のPPPに私が在籍したことがあるか、は気にならないと言えば嘘になるけど、
そんなものは自分で勝手に折り合いを付ければいいだけだ。
そう。 私は自分の見た「夢」を信じる。
そしてこれからも「夢」に向かって進む。
それだけだ。
3代目PPPの一員として。
この
「前に進む気持ち#Heart goes on」は、ずっと・・・
~to be continued ~