リカオン
「どうするんです?
博士たちに知らせなくて良いんですか?」
私たちはタイリク先生の情報を元に、セルリアンを追っていた。
ヒグマ
「先生の言葉を信じないわけじゃないが、セルリアンの実像を自分たちの目で、手で、確かめる。
それからだ」
キンシコウ
「・・・ ヒグマさんの判断を信じます。
セルリアンハンターとして、私たちに出来ることをしましょう」
リカオン
「オーダー、了解です」
責任は重大だが、
セルリアンハンターとして、リーダーとして、この判断は間違っていないはずだ。
仲間も私を信じてくれている。
ーと、
リカオン
「もしかして『アレ』でしょうか?」
どうやら
キンシコウ
「確かに先生の言っていた特徴と一致しますね」
ヒグマ
「よし! 先手必勝、初手から野生開放で行くぞぉ!」
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マーゲイ
「お見舞いに来ました。 具合はどうですか? プリンセスさん」
お客と言うのはマーゲイだったらしい。
その顔を見た途端、思わず・・・
プリンセス
「あなた、よくもコウテイとグルになって・・・!」
マーゲイ自体に罪は無いはずなのだが、
一方のマーゲイは
「うわぁぁぁぁーーー! シャベッテルゥゥゥーーー!
しかも顔近いーーー! いい匂いぃぃーーー!」
ぶしゅ~~~!
マーゲイは混乱と興奮の極みで、盛大に鼻血を噴きながら倒れた。
叫び声に耳を押さえていた博士たちは、
博士「声が戻ったのですね」
助手「良かったのです」
ーと、ぶっ倒れたマーゲイをスルーして喜んでくれた。
そうだった。
コウテイは厚意で私に休養を取るよう提案しただけだったし、
マーゲイもそれに協力しただけ。
メンバーたちも私を信じて待ってくれて、
かばんや博士たちも親身に相談に乗ってくれた。
声を取り戻せたのは、決して自分の力だけではない。
周りのみんなに支えられて今の自分がいる・・・
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