カオスドラマX 検索除外

"K" -奴の名は- "Chapter 3"

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"K" -奴の名は-
Chapter 2後の時系列となります

【(昼) ケイオス中央部 郊外……氷川診療所  2F病室】

――窓はシャッターと遮光カーテンで完全に外界から遮られ、ベッドが等間隔に並べられている…普通といえば普通の、殺風景な病室。

大澤「まあ、皆さん元気で何よりってとこだが……まあそうだな、先ずは自己紹介と行こうじゃないか(ベッドに転がる面々を見下ろす様に、朗らかな表情を浮かべながら)」画像1

森野「……いや、なんか…今起きたらまあ、場所は分かるよ?氷川の診療所じゃねえかここ…天井が見えた瞬間察したわ。他が全部突っ込み所しかねえだろ(全身に包帯と固定具を巻かれ、加えて何本ものチューブが伸びた姿で同室のベッドに転がる面々と大澤を見回し)」画像2

岸波「あんたらの知り合いに袋叩きにされて車で撥ねられて、此処に寝かされて、んでこのままやったらどっちにしろ殺されそうやから取引する事にした……っていうか、そうなった、以上(森野と比べると幾分かはマシな状態ながら、全身に包帯と固定具を巻かれ、加えてベッドに拘束されたまま森野に答え)」画像4

松岸「全部話すから勘弁してやあって話させて貰ったんですよお、私達も好きで"岸"に協力してた訳じゃあないんですし、多分口封じされそうですし……今から全部話せばいいんですか?何回でも話しますよ?ですからとりあえず岸波ちゃんと同じベッドに移して欲しいのと、これ(ベッドに繋がれた手錠を一瞥し)外して貰えませんかあ、って所です(岸波同様の重症だったはずだが、能力の影響かすっかり回復した様で……他二人に比べて明らかに包帯の面積が少ない姿で)」画像3

森野「難波にソックリだったって例の女と……報告あったってもう一人だろ?向こうの女……大澤さんよお、司法取引のつもりかよ?マジかぁ…?(目を細め、苦虫を噛み潰したような顔をしながら)ああ後、そう!笠間と難波だ!誰か追ってんのか!?(突然見開き、ガタッ、とまともに動けない身体を無理に揺らしながら)」

大澤「そう、難波祐子にそっくり……どころか、恐らく彼女は、"異世界の難波祐子"とでも言うべき人物だ。多元世界の話をすると長くなるから短く纏めるが……まあ、パラレルワールドと思ってくれれば間違いない。で、そこな松岸女史はその岸波の友人なんだそうだ。(岸波と松岸を交互に見ながら)そんな二人だからまあ、こういう形で取引が出来るなら肩を持たざるを得ないだろう?異世界の人間が理不尽に連れて来られて働かされてる訳だしな」

大澤「それと、本物の難波祐子の方だが……笠間くんが実は元気だった様でな、今地の国に連れて行かれたそうだから追い掛けている。ウェルド君とあと数人が一緒に向かってくれているよ。俺より彼の方がこういう状況で動ける人脈も情報も持っているからな。で、俺はここで君たちの護衛件聴取といった所だ。ここで二人が暴れても最悪俺一人で制圧すればいいし…警官も何人も殺られてる上、敵さんに情報が漏れているから人数を割けなくてな(やれやれ、と言わんばかりに両手を上げ)」

岸波「……"難波"は別れた親父の性や、こっちの私がそれを平然と名乗っとんのはアレやな、随分違う生き方したみたいやな……あと松岸が同じベッドはやめてや、一生ベタベタされるから……とにかく、全部話す。それで私らが連中に口封じされるのを止めてくれる、後身分も保証してくれる。って聞いてる(うんざりした様に松岸を一瞥した後、大澤と目を合わせ)」

森野「連れてかれた!?拉致されてるってことじゃねえか!しかも胡桃に追わせたってお前…!ウェルドが居るから~とか、そういう問題じゃねえだろうが!確かにそんじょそこらの連中よりは動けるだろうよ、笠間胡桃は!!だからって……ああ、畜生……(現状、“どうしようもない”事を察してか…仰ぐ様に首を動かし、目を瞑り)……ウェルド…頼むぜ本当に…」

大澤「心配なのは分かるが……ウェルド君なら大丈夫だ、彼ならこの中で一番うまくやれるさ(特に不安も無さそうに、リラックスした様に椅子に座り) さて、岸波さんと、松岸さん…で良かったかな、この場では口約束になってしまうが……君達の生命と身分は我々が保証しよう。ベッドについては話し合ってもらうが…まあとにかく、”岸”について知っている事を話してくれ(朗らかな表情ながら、鋭い視線を岸波と松岸に交互に向け)」

松岸「何処から話したらいいか、じゃあ……私が知ってる範囲で、思いついたところから…”岸”だけが使える雷の魔術があるそうで、その内の一つで…さっき言ってた”異世界”だとか”多元世界”とか…そういう世界のケイオスや地球から『一方的に人間を召喚する』事が出来るらしくて…私と岸波ちゃんもそれでこっちに来たみたいです。原理とかは聞かれてもさっぱり分からないんですけどね」

松岸「その魔術を使うときに……人間の血が必要らしいんですよ、特に魔力を持ってる人間が良いとかで、なのでそういう人たちを連れて行ったりだとか、輸血用の血液に魔力が含まれてたら横流ししてもらったりとか……そうやって材料を集めてたんですよね、傘下に永耕会っていうヤクザの人達が居るので、その人達にも手伝ってもらって…あっ、この人たちも私達殺しに来ると思うのでよろしくお願いしますね」

岸波「そんで、まあ……私らを嗅ぎまわってるって奴と、”こっちの世界の私”と…両方を確保するために、私達が駆り出されたって具合や。 ……そういえばあの二人は?ジャクリーンだかとあともう一人。他にも色々なんか出てきたけど……その二人も多分nowで狙われてるけど、大丈夫なんか?」

大澤「……とりあえず、ありがとう。纏めると…『彼らが使うのは独自の雷の魔術』『異世界から人を召還する事が出来る、君達もそれで連れて来られた』『魔術の行使には魔力を持つ人間の血液が必要』『”永耕会”という反社会的勢力が傘下に存在する』『君達の目的は難波祐子の確保と我々敵対勢力の拉致』…といった所かな?成程ね…(メモ帳に手早く情報を書き込みながら)」

森野「ジャクリーヌ尾崎、あとピノ=ノワール兵頭。確かにその二人はどうなってんだ、俺が寄宿舎に向かう前に電話しても出なかったじゃねえかよ、大澤さんよ(苛つきを滲ませながら大澤に顔を向け)」

大澤「彼女たち二人なら、恐らくもりのm…森野くんが電話した前後のタイミングで襲撃を受けた様でな…二人とも打撃による重度の頭部外傷と、全身に数十発の銃弾を受けて亡くなったよ。救急車が行った頃には既に死亡…まあ、即死だったんだろうな(メモに書き込みを続けながら、さも”終わった事”と言わんばかりにあっさりと事実を言い終え) 遺体はこの病院の霊安室に安置されているから、後で手くらいは合わせに行ってやれ。脳脱が起きてたりで二人とも酷い状態でな…落ち着いたら遺体修復の業者を呼ぶから、出来れば早めにな」

大澤「犯人の二人組については…後から俺が改めて説明する。だからまあ、続きを説明してくれるか?お嬢さんたち。そうだな…二人とも”変身”ができるみたいじゃないか、その力についてと、何故彼らに従っていたか、それと…異世界から人間を召還して、何をしようとしているのか?」

森野「マジかよ……あの時か…(深いため息とともに天を仰ぎ)ああ待て、肝心な所忘れんな。どうしてウチの難波を狙った?後…ここに来て色々余計に激しく動き出したんじゃないのか?そりゃあ何でだ?そして地の国!そこに何がある…?単なる拠点じゃあないだろう(相変わらず苛つきを隠せない様子で)」

松岸「そうですか、即死…(軽く目を伏せながら)心当たりがありますね、犯人……ええと、とりあえず…質問への回答ですね……変身についてはですねえ、”岸”の魔術はその”異世界”……ビーチ…だったか、名前が付いてるらしいんですけど……そこから人間以外にも、”力”だとか”武器”だとか、自分の適性に依るみたいなんですけど、とにかくそういう類の物を持って来れるそうで、私達の”変身”は異世界からその力を持ってきてるんです。私は”人狼”の姿、岸波ちゃんは…」

岸波「あのシスターみたいな格好とセットで、斧槍と一緒に雷の魔術が使える様になる、身体能力も上がる……原理はわからんけど、私も松岸も身体に電流を流すのがトリガーになってる、って辺りかな……正直訓練した訳でも無くて、こっち…ケイオスで”岸”に聞いて使える様になった、って感じだから…私達も知ってるのは今言った事が全てやわ…」

松岸「私達が何で従ったか、についてなんですけど……選択肢無かったんですよねえ…こっちの世界で身分も無かったし、帰り方も知らんし従わないなら何されるか分からんし……でも仕事すれば身分、というか戸籍ですよねぇ、それが保証して貰えて、お賃金も発生しますし……帰る手段も用意してくれるって言うから、そうなったら何でもやるしかないじゃないですかぁ、結局こうなったので帰るのは半分諦めちゃいましたけどね(自嘲気味に軽い笑みを浮かべながら)」

松岸「……何をしようと、って部分も、知ってる範囲では私達みたいに雑用をさせるか、やくざの人達に売り飛ばすか……売られた人たちがどうなるかは完全にノータッチです。で、そうやって無作為に人をこっちに呼び出しまくるのと並行して、召還術そのものの研究もやってたみたいです。私達以外にも異世界から連れて来られて仕事させられてる人居るんちゃうかなあ…」

岸波「その研究の一環で、”こっちの世界の私”……”難波”祐子を確保したかったって部分は聞いてる。”岸”の魔術に適性がある私と同一人物だから、って話は聞いてるけど……ここも詳しい事情はしらん…最近はどうも召還に失敗する事も増えてたみたいやから、研究に焦ってた部分もあるんやないか、って風に私は思ってるけど」

岸波「地の国に連れていかれたってのは…確かに私達の拠点は”地の国”の地上のビルにあるし、その拠点とは別やけども、確保した人の引き渡し場所も地の国って聞いてたんで、”難波”が地の国に連れていかれたのは間違いないと思う(大澤に軽く目配せし)私達の拠点は地の国中央部の”1-4-25”ビル、引き渡し場所は竜の口周辺地区の、”3-5-22”ビルの地下階だ」

大澤「……(分かってはいたが、ノコノコ出てきた下っ端以上の事は無さそうだな…その割には色々喋ってはくれたと喜ぶべきか…拠点についての言質も、どこまで信頼出来るやら…)成程、ありがとう。もう一つ聞きたいんだが、君たちは随分仲が良さそうに見えるが……『元の異世界』から一緒だったのかな?」

岸波「まあ、それは…(口を開き、話し始めた直後)わt」

松岸「そうなんですよぉ♡(明らかに先程より熱の入った口調で)華の女子高生たる私達……そう、私達が居た『地球』で、あの日私に声をかk」

大澤「あーわかった、ありがとう(松岸を制止し)……こちらも纏めると、だな……『"岸"の魔術は異世界、そして地球から人間の他にも強化パーツの様な物を呼び出せる』『君達二人は実質的に選択肢なく働かされている』『難波祐子は"岸"にとって大きな価値がある』『最近になり何らかの理由で召喚の失敗が増え、活動が過激化』『拠点と暫定的な引渡し場所は"地の国"』……といった所か(再びメモ書きをしたためながら)」

森野「……ウェルド達にさっさと連絡してくれ、その辺りの情報……あと、ここまで喋ったならマジで口封じが来るだろうよ、あんた一人で守れんのか?俺はともかくとして、こいつら二人に病院のスタッフに……大勢守る必要があるんだぜ」

ながつき
作成: 2022/06/11 (土) 23:21:34
最終更新: 2022/06/11 (土) 23:22:31
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庚「—————失礼します。ああ情報共有は結構です仰らないで(タブレット端末を手に入室。面々の顔をぐるりと見回し手で制しながら、森野の寝台の上に端末を置く)こちらの報告だけ手短に済まさせてください。口封じの件ですが、索敵の為各所にステルス迷彩搭載ドローンカメラを配置しました。通常であれば襲撃前に感知し患者や病院関係者を避難させるまでの時間を確保できるかもしれません。」

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庚「次に逃走経路ですが車種を統一した軽バンを5台確保しました。最悪の場合連中のターゲットを1台に乗せ、他の4台を囮に脱出するプランを提案できます。(端末に病院の間取り、脱出経路、建物に滞在している人数等のデータを表示させながら)最も、これらは凡庸な要人警護用の使い古されたプランです。僕が上から拝借できたお小遣いではこれが精一杯でした。相手が相手ですから焼け石に水でしょうね(どこか凡人であることを皮肉るような自虐的な苦笑をし肩を竦める)」

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庚「僕からの報告は以上です。………ああ、ちなみに紹介できる助っ人もたったの約一名でした。(両腕を広げ口橋を引きつらせながら首を横に振る。)—————僕です。以上」

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ながつき 2022/06/30 (木) 00:51:18

森野「(包帯だらけの手でタブレット端末を持ち上げ)……庚か、お前が居れば安心は安心なんだけどな……向こうはテロも辞さねえ位の動き方しやがるんだよな…しかしまあ、こんなに色々ずいぶん揃えたもんだ、相変わらず手が早くて器用だな」画像1

大澤「大勢という程じゃあない、この診療所は今我々の貸切状態で、スタッフも森ノみ……森野くんの知り合いの氷川医師とごく数名だけが残ってる。いつ銃弾が飛んでくるかも分からないから最小限、と言う訳だな。本当に有難う、庚くん。君が居るだけでも本当に助かる……(端末の情報を見ながら)一応な、向こう側から協力を申し出てくれたのが何人か居る。まあ、出所が……なんだが…とにかくそろそろ来てくれる筈なんだg(台詞を言い終える前に病室の扉が勢いよく開けられた為に割り込まれ)」画像3

メッセンジャー芹澤「(落ち着いた色のオフィスカジュアルを堅めに着こなした姿に、目の下に酷いクマが出来た、余り健康では無さそうな顔で病室の扉を開け、ずかずかと室内に乗り込み)身内がお世話になりました、二人の仕事は私達が引き継ぎますのでよろしくお願いいたします。メッセンジャー芹澤です(手早くワイヤレスイヤホンを両耳から外し、機械的、事務的という単語が似合う一礼を行い)」画像1

ランディ芹澤「(メッセンジャーとは対照的に、ラフにパーカーを羽織った姿
に…同じ様にクマの出来た顔で彼女に続いて現れ)妹のランディ芹澤です~そういう訳でえ、連中ぶっ殺してやるんでぇ、これからよろしくお願いしますね~~(メッセンジャーに続き、どこか抜けた一礼)」画像2

メッセンジャー芹澤「そういう訳です。見敵必殺……別に座右の銘と言う訳ではありませんが、今回はそうさせて頂きます(堂々と椅子を自分の足元に二つ並べ、堂々と座りながら再度ワイヤレスイヤホンを着け)座っていいわよ、ランディ」

森野「ついでに、一応体は動くから多分俺の骨はまあ繋がったんだろうし、最低限の治療は終わってんだろうが……痛てててて!!!(軽く腕を動かし、伸びを使用とした所で痛みに悶絶し)……俺は何時動けるようになる?あと、キツい痛み止めが欲しい…」

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庚「(自然体且つ朗らかな笑顔のまま硬直)———————————。(最低限の医療スタッフしか居ないとはいえ、ここ病院なんだって説明してます?)ほ、保護対象が少ないのに対し人手が多いのは良い状態だと思います。ええ、本当に助かりました。 庚です、この度はご助力に感謝致します(終始営業的笑顔を張り付かせたまま手を差し伸べ……ず軽く両名へ会釈する)

庚「(現場式で乗り切るしかない。相手がテロ同然の殴り込みをしてくるなら周辺の被害を気にして居られないのも事実だ。両名の制御は大澤さんに任せて僕は守りに徹するのがいいだろう。うん、きっと大澤さんならだ丈夫だろう、うん……)

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ながつき 2022/07/14 (木) 22:17:25

大澤「まあ、その時が来るまでゆっくりしてくれるといい……協力、ありがとう。先程話はしていたが、まだ何か入用なら俺に声を掛けてくれ(近くに置いていた、暴君ハ〇ネロが大量に詰まった紙袋をメッセンジャーに渡し)全員、というより森野くんの容態がもっとマシになり次第、庚くんの用意してくれた車両でここを発つ。可能なら地の国に乗り込んで人数を嵩増ししたい所だ……まあ、だから森野くん。強い痛み止めは我慢してくれ。どうせ君の事だ、無理矢理動くつもりだろうしな…」画像

森野「行くに決まってんだろうがよ、こっちもそうだが身内が連れてかれてんだから……ったく……(堂々と座る芹澤姉妹を見て)……あの二人の関係者か…(天井を仰ぐように、無力感を感じさせる様に顔を上げ)」画像

岸波「……(メッセンジャーの顔をチラチラと、しかし確りと凝視し)……いや、流石に気のせいか…?」画像

松岸「多分、気のせいじゃないと思うけどなあ……(岸波の横でぼそりと呟き)」画像

メッセンジャー芹澤「ライブハウスに来てくださってましたよね、二人とも……目当ては私達ではなく別のバンドだったんでしょうが。あの学生バンドの知り合いですよね?(岸波と松岸を交互に見)……まさかこんな形で会う事になるとは」画像

ランディ芹澤「旧カオスホール近くのライブハウスの客に居ましたよねえ、お姉様見に来たわけじゃなさそうでしたけど……その時からイチャイチャしてましためえ!!(軽く首を傾げながら岸波と松岸を見つめ)ま、そんな事はどうでもいいんですよぉ、連中に来てもらわないと困るんですよねえ……こっちは全員ぶっ殺すつもりで来てるんですからぁ」画像

メッセンジャー芹澤「それでも、対バンにお金を払って来て下さった人達ですから……ありがとうございました(軽く会釈し)勿論、ランディの言う通り……逃げるとか守るとかヌルい事をしたい訳では無く、全員守ったうえで全員ぶち殺すのが私たちの目的です(余りにも当然の様に堂々と言い放ち)」

森野「(気持ちは分かるが温まり過ぎだろ……まじかこいつら……)(顔を強張らせて大澤の方を見)」

大澤「(黙って森ノ宮から目を逸らす)」

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庚「スゥゥゥゥー……(荒事は彼女達に任せればいいか……という悟りを開いた真顔で深く息を吸う)公安でもここまで隠蔽に手を焼きそうな状況というのはなかった気がしますよ……。人生で一番残業した日になりそうですね」

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ながつき 2022/08/03 (水) 00:48:12 修正

岸波「ああ、はい……どうも…(完全にプライベートで会った事のある人間が現れ、しかも殺気を露骨に出し始めた結果……すっかり毒気を抜かれた様子で大人しくなり)」

松岸「ずっとイチャイチャさせては貰ってますけど……あの、もしまた機会がありましたら是非……その学生バンドの人達とも仲良くさせてもらってますからぁ(岸波に合わせる様に、素直…というか大人しい口調で丁寧に返し)」

森野「まあ、とにかく……とにかく!暴れたきゃ暴れてくれ……何かあったらもうとりあえず逃げる方向で考えるからな……俺はともかく怪我人の保護対象が二人、ついでに最小限とは言え病院の人間……も……(何かに気付いたのか、タブレット端末を凝視し)

―――タブレット端末の画面に映し出されたのは、車列。車種はバラバラながら、多くの車が診療所前に次々に停車し、
バットや刀、銃火器で武装した、顔を隠した大勢の集団が車から降り立ち、診療所へ向かって来る姿……攻撃を仕掛けてきている事は、誰が見ても明らかだった。
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森野「あーあーあー……来てんじゃねえか!それも大勢居るぞ、武装した連中が……おい、銃くれ、拳銃一丁でもいいから(手の包帯と固定具を無理矢理外そうとしながら、庚と大澤を睨むように)」

大澤「(森野の傍に寄り、タブレットの画面を見ながら)……来てるな、ここまで露骨に来るとは……まあ、連中ならここまでやる、か……爆弾やガスをいきなり使ってこないだけ良心的かもな…(ホルスターから拳銃を抜き、森野に向かって渡し)包帯なんかは利き手で握るのに必要な部分だけ外して、もしもの時だけ使ってくれ。森野くんだって重症患者なんだから。それと、まず保護対象の二人は俺が一旦拘束を解いて、どうにかする。後は……」

メッセンジャー芹澤「(森野と大澤の話を聞くなり、その場で立ち上がって両手を身体の前に突き出し)"《固有霊装・現界》(デバイス・アクセラレート)" \ ギュゥゥィイイイィィィィィィィィン!! /(エレキギター型の《固有霊装》を現出させ、準備運動と言わんばかりにその場で派手に音を鳴らし) ……では、私は連中を全員骸にして来ますので……ランディ、中はお願いね(後ろのランディに一声だけ掛けて窓を開け、建物の外へと飛び降り……)」

メッセンジャー芹澤「数がかなり多い……しかも多分、本命はもう中に入ってきてそうですね……まあ、中はどうにでもなるでしょう、ランディも居ますし。(窓から飛び降りた瞬間に、診療所前に集まっていた兵士達から銃口を向けられ、発砲されるが…)ヴゥ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛――!!!!!(周囲に響き渡る程の音量のデスヴォイスを響かせると共に、固有霊装の弦を激しく弾き……暴力的なサウンドを掻き鳴らす。それに呼応して全身を包む様に固有霊装からバリア状の電磁波が展開され、飛来する銃弾を逸らす)」

ランディ芹澤「はあい!任せてください姉さまぁ!(目を輝かせながらメッセンジャーを見送った後、面々に向かって振り向き)今外にいる連中は姉さまがやっつけてくれるのでぇ!さっさとこっちは場所移すなら移しちゃいましょうねえ!中は私が姉さまに代わっ――」

ダン!ガァン!!ダン!!ダン!!ダン

―――ランディ最後まで台詞を言い終える前に、弾丸が扉越しに放たれ……直撃を受けたランディが反対側の壁まで吹き飛ばされた。

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庚「伐刀者……!最近よく見ますね、こういう世界だと珍しくないって事でしょうか(メッセンジャー芹澤を見送り、自身もいつ仕込んだのか床下から"ウインチェスターランダルM1892"を引っ張り出し) ダァンッッッ (同時にランディ芹澤が真横をすり抜け壁に叩きつける。一瞬だけ一瞥するが、すぐに扉へ銃口を向け)」

庚「親切ですねえ射殺のお題目をくれるとはッ!  バッ グォォン !! (片手打ち、小規模の爆発に匹敵する爆音を轟かせ板ごと吹っ飛ばす威力の散弾をドアへ直接ぶっ放す)」

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ながつき 2022/08/09 (火) 01:09:55

―――庚の放った銃声と共に、扉の大部分が破壊され……奥に居た男の顔面が弾ける。
扉前の射手が沈黙したものの、依然として窓の外では銃声と雷鳴、激しいギター演奏とデスヴォイスが響き、廊下からはガタガタと、如何にも物々しい、重い足音が鳴っている

岸波「おいおい、もう中まで……っていうか、一人撃たれとるやんけ!おい、これ何とか……ちょちょちょっ!?」

大澤「(手早く岸波の拘束具を外し、包帯だらけの彼女の身体を松岸のベッドに放り)説明している時間は無い!そのベッド使わせて貰うぞ!(岸波が転がっていた……床面を金属板で補強した、特殊仕様のベッドを部屋の入り口前まで放り、強引に簡易的な盾を作り)これで多少は作業時間が稼げる、後は…森野くん!大人しくしていろよ!(森野の身体に繋がれた管を外し始め)」

森野「さっそく一人やられてんじゃねえか!(拳銃を扉に向けて撃ちながら大澤に作業をさせ)この分だと別ルートで院内に入られてる!普通に包囲されててもおかしくねえぞ!」

松岸「あふうっ!?(飛来する岸波の身体を全身で受け止める形になるが、どさくさに紛れて獣化した腕で拘束具を引き千切り……岸波の身体を抱き止め)私は動けますので、ご心配なくう!それよりさっき撃たれたランディさんですけど…!」

先程の重い足音の主たち……体格が二回りほど大きくなる程の重装甲を身に付けた兵士達が、次々に部屋の前へと到着し、内二人が銃口を部屋に向ける。画像1

―――が

……銃爪が引かれる事は無く、代わりに病室から飛来した"鎖付きの苦無"が男たちの身体、装甲の隙間を綺麗に通り……奥の廊下の壁まで貫通していた。

ランディ芹澤「(苦無から延びた鎖はランディの両手に握られており…倒れたままの投擲で兵士達をぶち抜いたのは、誰の目から見ても明らかだった)痛ったぁぁいじゃないですかあああああ(被弾する直前に"召喚"した斧が頭部へのダメージを肩代わりして顔の傍に転がり、服に空いた穴からはひび割れた金属……体中に仕込んだ刃物が覗いている)それじゃあ!道を開けて来ましょうかめえ!!!(倒れたままの態勢から一気に跳び上がると共に両手の鎖を勢い良く引っ張り…廊下に布陣した兵士達と一気に肉薄する!)」

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庚「外部に味方がいれば逆方位でもしていただきたい状況ですね……い"ッ!?
(咄嗟に首を捻り背後から飛ぶ鎖付き苦無を回避。続けざまに敵陣へ突っ込んでいくランディ芹澤の動きに合わせ、自身も散弾銃を再装填)
いやほんと、規格の違いあれど異能っていうのは常識が通用しないようで……。これ終わったらゴムゴムの実でも探しに行きましょうかね
(ランディ芹澤の進行方向に対し、両サイドに向けて散弾をぶちこみ援護に回る)」

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ながつき 2022/08/19 (金) 00:38:05

ランディ芹澤「(跳躍の勢いのまま兵士の一人に両膝蹴りを浴びせると同時に、鎖から手を離して二振りの短剣を"召喚"し、両手に握って周囲の兵士達の急所を横薙ぎに斬り付け)危ない目に合わせちゃってごめんなさいめえ!それとぉ!援護ありがとうございまぁす!(庚に向かって首を曲げながら斬った兵士の背後に素早く回り込み、脇の下に短剣を深々と刺し入れて人間の盾を作り上げ)」

兵士「撃て、とにかく数を……ごぁっ(病室前でランディの攻撃から生き残った面々が銃を構えるが、庚の放った弾丸を受け、次々に倒れて行くが、倒されるよりも速いペースで次々に廊下へと展開を始め)」

大澤「……よし、外れた!(森野に繋がれた管の数々を外し終え、その小さな身体を肩に担ぎ)あの二人が道を開いてくれているな…!あの二人は一旦残す事になるが……俺が怪我人三人を連れて脱出する!松岸くん!どうやら普通にその拘束は外して動けるようだな!ならば岸波くんはそっちで運んでやってくれ、鍵が要るなら使え!こっちは手が一本塞がってる、手段を選んでられなくなった、そっちも怪我してる所悪いがなんとか着いて来てくれ(松岸に鍵束を投げ渡し、大型拳銃を抜きながら)」

森野「……一瞬で気分が悪くなってきた……やっぱベッドの上でちゃんと寝るの大事なんだな……(大澤に担がれたままの態勢で、小さな手で拳銃をなんとか視線の先に向け)」

松岸「はい、はい!任されましたぁ!(鍵束を手に取り、ややもたつきながらも岸波と自分の拘束具を外し、岸波を抱き抱え)なんか良く分からないですけどとにかくついて行けば良いんですよね、岸波ちゃんちょっと我慢してね…」

岸波「どさくさに紛れて何処触ってんだてめぇ!!(包帯だらけの身体で松岸に抱えられながらも松岸を軽く殴り)…おい、窓!来てる…っ!」

岸波が窓を指差した直後、ジャージ姿の青年……以前森野を襲撃した双子の片割れ、シャンがガラスを突き破りながら室内へと乱入…挨拶代わりに岸波の脇腹に突き蹴りを叩き込んで彼女の身体を廊下まで軽々と吹き飛ばし、続いてしゃがみ込みながら大澤の足首を薙ぐように回し蹴りを放つ

松岸「ごっぶ…!?(意識外からの蹴りに反応も遅れ、かろうじて岸波は抱きすくめたまま、廊下の壁まで強かに叩き付けられ)」

大澤「松岸くん!(吹き飛ぶ松岸を一瞬見遣るが、直ぐにシャンへと視線を戻し)あの伐刀者の彼女を避けて窓から来たか、また厄介な…っ!(踵でシャンの蹴り足を踏みつける様な形で防御し、すぐさまシャンに右手で拳銃を向けて発砲)ガァン!!ガァン!!」

ツィン「(シャンに続いて、軽やかな動きで窓から室内に乱入し……天井スレスレの高さまで跳躍し、大澤の頭部へと踵落しを放つ)」

森野「親分!上だ!!(叫びながら拳銃をツィンに向け、発砲)パン!」

しかし、シャンはしゃがんだままの態勢から即座に身を捻り、銃弾を避けながら大澤の右手へと蹴りを放つ事で銃を叩き落とし、ツィンに至っては腹部へと命中するも全く勢いは止められず…大澤の頭部へとそのまま蹴りが襲い掛かる!

大澤「(拳銃を叩き落とされた直後、襲い来る蹴りに合わせて素早く後方に下がり……脳天へと落ちて居た所を、踵が額を掠める程度のダメージまで抑え)っつ……話に聞いていたより随分と技が切れるじゃないか、骨が折れるな…」

シャン「っと……女の方は結構深く行ったな、ありゃもう放っといても動かないだろうから、あとは連れをぶっ飛ばして終わりってとこかぁ?そこのガキも今度こそ叩きのめしてやらないとだし、一仕事だよなあ!(余裕の表情で指を鳴らしながら立ち上がり、ツィンに向かって大きな声で)」

ツィン「全員殺すのが俺達の仕事だろ、兄さん……まあ、動ける奴だけ叩きのめしてやれば、後は他の連中がやってはくれるけど……せめてそこのピンクは俺達で片付けないとね("気導"と腹筋で止めた弾丸を投げ捨てながら)…前の俺達とは一味違う、って所も見せてやらないとだし、ね(堂々と歩き、シャンの隣に立ち) ――前みたいに助けは来ないだろう、まあ…精々頑張って抵抗してくれ」

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庚「いえいえこちらこそ、前線切らせてすみませんね臆病なもので……あ"ァ"ー肩にくるなこれッ!!」
 (射殺、射殺、射殺。散弾銃という事もあり照準を合わせる必要性なく大凡の方向へ飴玉をばら撒く単純作業の繰り返し。
敵影は減る事なく、寧ろ勢いを増し暖簾に腕押し。元より警察官という出自の彼にとって今日が最も多く命を奪った日であり、最も多くの死に際に直面した日でもある。
何より————————)

庚「早………もりのみy……森野さんをご丁寧に長期休暇にぶちこんだ二人組、奴らが……ッ ああくそ、キリがない! 」
 (二流の格闘経験者の目からしても、表の常識(ルール)が通用しない、実戦特化武術の一流(プロ)の動きだと理解できる。
このままではジリ貧だと諦め、潔くスーツ内ポケットに忍ばせた小型スタングレネードを雑兵に放り投げ、シャン・ツィンへ方向転換、散弾銃を片手打ちしようと銃口を向けつつ)

  ガァンッッッ  

 (銃口へ視線誘導させつつ、兵士が落としたライフルを回転を効かせ蹴り飛ばしシャン・ツィンいずれかの"顎"を狙う)

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ながつき 2022/08/21 (日) 03:02:47 修正

ランディ芹澤「流石にこの数相手だとちょっと圧され気味なの鬱陶しいですねえ!!お姉様が外を抑えてくれているのにめっちゃ来てますよぉ!!(沈黙した兵士達を次々に盾代わりに使いながら、手投げ斧や苦無……次々に刃物を召喚しては兵士達に投げ付けるが、廊下を進む事は出来ず後退し続け)」

重装甲を纏った兵士達が損耗を出し続けながらも動きを変えない訳も無く、ランディと庚から距離を離し、建物の壁、或いは味方の遺体を遮蔽物いとして利用しながら銃撃を行う作戦へと切り替え始める。
しかし配置転換中に庚にスタングレネードを投げ込まれ、一瞬多くの兵士達が硬直する中…

其れに反応した一人の兵士が、傍に居た別の兵士を蹴飛ばし……スタングレネードが起爆する前に、その上に身体を覆い被させる

「うわっ……!」

蹴飛ばされ、悲鳴を上げるまもなくその身体で爆発と共に閃光と爆音を一身に受けたその兵士は、本来人間に致命傷をもたらさない筈の爆発をその腹に受け、装甲越しに身体を焼かれて声にならない声を上げながらバタバタと悶え苦しむ。

その兵士を蹴飛ばした張本人が、悶え苦しむ様を見ながらヘルメットと覆面を脱ぎ捨て……背中に背負っていた"有刺鉄線を巻いた釘バット"を構え、呻き声を上げる兵士に向け……ゴルフのスイングの様にバットを叩き込み、男の身体を"割り"ながら庚達の方向へと吹き飛ばす。
吹き飛ばした兵士が撒き散らす血と肉片を目晦ましに用い……あまつさえ生きた別の兵士の身体をバットとは逆の手で軽々と目の前にぶら下げて盾とし始める。

「女連中は早い物勝ちで良かったよなあ、ガキ共!!今腹が減っててイラついてんだ、相方は怪我しやがるし雑魚共は大して役に立たねえしなぁ!?」

その男……ジャクリーヌ尾崎とピノ=ノワール兵頭を惨殺した二人組の片割れ、ゴーガンが片手で兵士を盾に、
もう片方の手で持ったバットで兵士達を無差別に"殺害対象"に向かって殴り飛ばしつつ歩き、苛立ちを声音に出しながら叫ぶ。

ツィン「全員が俺達の仕事だ!ちゃんとサボらず男も殺すんだな!」
シャン「終わったら外の女だな、厄介だから他全員殺して皆で輪姦してから殺してやろうぜ…なぁッ!」

シャンとツィン、二人が同時にショートジャブの様に小さく拳を突き出し……飛来するライフルを"砕く"

大澤「……間に合わんか、庚くんに森野くんは任せるべきかも知れんな…分かっていた事とはいえ中々苦しい目に遭わされたものだな(拳銃を双子に向けながら後退り、庚の傍まで寄り……倒れ伏す松岸と、彼女に抱えられる岸波に目を遣り)」

森野「妙な事考えてんじゃあねえだろうな……あんなガキ二人とクズ丸出しの中年野郎なんざに…(拳銃を双子に向けたまま、視線は動かさず)」

岸波「(血の混じった吐瀉物を口から溢れさせ、ぐったりと動かない松岸の腕から抜け出し)ちょっと待てよ、おい!話が……!私は良いから松岸はどうにかしてやってくれよ!おい!松岸!!」

ゴーガン「女連中は俺が腹の中で一緒にしてやるからよ、まあ頑張って抵抗してくれよなぁ!(手に持っていた兵士の遺体を投げると共に、異常なまでの速度で一気に踏み込み……バットを横薙ぎに振り被り)」

ツィン「そういう訳だ、最期にしっかり…」
シャン「味わいなァ!!」

ゴーガンに呼応するように、刀剣の様なキレを持つ旋風脚を二人で放ち、固まった面々を纏めて切り裂きに掛かる!
直撃すれば容易く生命を奪い去るであろう、その一撃が放たれようとした、その瞬間―――

――病室の窓側の隅、丁度誰も居なくなった部分の床が"爆発"し、続いて下の階から現れた、ミイラの様に顔面含む全身を包帯で包まれた二人組が下の階からジャンプして現れ、AA-12自動散弾銃を構える。

「少しばかり遅れてしまいましたが……借りを返す時が来たようですわね!!」

「ええ、全く持って、です。反撃開始と行きましょうか」

二人が揃って顔面の包帯を引っ張り、千切り取ると……
包帯の下には、先日脳も顔も纏めて叩き割られ、全身に銃弾を受けて死んだ筈のピノ=ノワール兵頭、そして…右目に眼帯こそ付いているが、生き生きとした表情のジャクリーヌ尾崎の顔がそこにあった。

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庚「不死身なんです…………?」
(怪我の状態を伝え聞いていたのか、目の前で伝説の傭兵よろしく生還を果たした尾崎の登場に、思わず目を丸くし口橋を釣り上げる
半ばドン引きするように双子はもちろん、尾崎からも距離を取りそれとなく森野を雑に肩へ担ぎつつ後退)

庚「ナリがナリとはいえエスコート……って柄でも間柄でもないですからね。どこぞのロリコンデカは知りませんが
  で、どれぐらい動けそうなんです? 場合によってはお一人で逃げていただきますけど、"はじめてのお使い"の記憶とか残ってますか」
(芳しくない状況下で平静を保とうと、虚勢一杯に軽口をかまし周囲一帯へ目配せ、脱出経路を探る)

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ながつき 2022/09/20 (火) 02:03:12

森野「……思ったより身体が動かねえ、特に足……なんとか少しなら真っ直ぐ歩けるかも、って感じだな……お使いは結構だが、今はちょっとしんどいかもな……薬なりで無理矢理動ければ、もしかしたら、って感じか……(庚に担がれ、弱弱しい力で庚に掴まる、というより腕を引っ掛ける形で身体を支えながら)」

ツィン「うわわ、っ......!ビックリはさせられたが、女が二人増えた所で何が出来る、このまま…(爆発の衝撃でバランスを崩し)」画像5

シャン「っと、大丈夫かツィン!お楽しみが増えただけだろ?ただあの二人……まさか生きてるとは。そこのゴーガンが叩きのめして、野次馬が動画まで上げてたのに……ぐちゃぐちゃだったじゃねえかよ…(バランスを崩したツィンを支え、爆発と共に現れた二人を見据え)」画像2

ゴーガン「…………バカな、そんな訳があるか…両方とも誰がどう見ても即死だったろうが!例え再生能力があったとして、あの状態で俺達が居なくなる迄再生が始まらないなんてありえねえ……少なくとも今二本脚で立って喋れる訳が…!」画像1

困惑する面々を他所に、兵頭が平然とした顔でどこからともなくボタンスイッチを取り出し、それを押した瞬間……爆音と共に廊下の壁の彼方此方に小規模な穴が開き、催涙ガスが廊下へと噴霧される!

ゴーガン「なっ……!イカレてんのかこいつら、何考え……グあああああっ!!クソっ、眼が、喉がァ!!!」

当然、廊下に居た兵士達とゴーガンは直撃を浴びる事になり、化学兵器の防護を考慮されていない装甲は何の役にも立たずに粘膜を焼かれ、次々に悲鳴を上げ始める。

ジャクリーヌ尾崎「ふっふっふ……この私が普段から誰に…日常的に暴力を受けていると思っているとお思いなのかしら。流石に少しばかり危なかったとはいえ……わたくしは未だ此処に!健在しておりますわ!!」画像3

ピノ=ノワール兵頭「こんな事もあろうかと…私は魔力の被膜でバイタルゾーンを保護し、液状保護剤の防弾ベストを着ておりました。……ジャクリーヌは特にそういった備えはしていなかった筈ですが、まあ、見ての通り頑丈なので。とは言え、こうして立っているのは社会死扱いとしてカモフラージュを行って頂き、迅速に治療をして頂いた結果です。痕は残りましたが、まあ治るでしょう」画像4

二人して微妙にドヤ顔っぷりが抑えきれていないポーズと表情で、更に語調のテンションが上がり続け……その先を更に続ける。

ジャクリーヌ尾崎「そしてこのガスはァ!私達以外の方々が逃げた時に準備させて頂きましたわ!!そぉい!!(魔力を行使し、大量のガスマスクが詰め込まれた大きな布袋を召喚。固まった面々へと袋ごとそれを投げ付け)急いでこれを付けてくださいまし!強行突破致しますわよ!」

シャン「何だ、こいつら…!俺達を置いて、やりたい放題やれると思ってんのかあ!?(兵頭と尾崎に向け、ベッドを一台蹴り飛ばす)射線の味方撃っちまうぜ、これじゃあなあ!」

ツィン「怪我人二人、殴り殺して御仕舞いだ!今度は飛び出した脳味噌まで踏み砕いてやるよ!!(シャンに合わせ、体制を一気に低くして二人に突っ込み…眼帯によって片側の視界が制限されているであろう、尾崎に向けて身体を伸ばすと共にアッパーカットの様に右突き上げを放つ)」

ピノ=ノワール兵頭「本来、悪魔祓い(エクソシスト
)
としての活動以外にこういう技術を使うのは……ご法度ではあるんですが、今回は少し腹が立っていますので」

飛来するベッドに向け、兵頭が拳を突き出し……拳から放たれた魔力の衝撃波が、ベッドを縦に叩き割る。
同時に尾崎がアッパーカットを下顎に受けて真上へと打ち上げられるが、アッパーカットの直撃を受けたと同時に尾崎が放った右前蹴りがツィンの喉に突き刺さる!

大澤「本当に滅茶苦茶やってくれるな!!大丈夫か!?動いていい状態なのか!?思考に異常は出てないか!?(慌ててガスマスクを回収し、周囲へと投げ渡しつつ)」

森野「イカレてんのは元からなのか頭打ったからなのかわかんねえよ……何だよアレ…」

ランディ芹澤「痛い!!痛い!!兵頭おぉぉぉぉぉぉぉぉこの馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!(廊下に居た為にモロにガスを吸ってしまい、既に激痛に悶えながらガスマスクを付けつつ窓から顔を出し)」

松岸「ガァ……!!ガァ―――ヒュ―――!!(能力が故か、ガスの噴射地点から離れていたにも関わらず激痛の余り声にならない悲鳴を上げながら痙攣を始め)」

岸波「痛い!!マジで痛い!!松岸ぃ!!しっかりしろ!!(慌てて大澤から受け取ったガスマスクを松岸から先に被せ)」

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庚「奇遇ですね初めて意見が合いましたよ。頑丈だからで済ましていい段階じゃないと思うんですよ。正負の研究機関に狙われたことありませんかッ!!(咄嗟にガスマスクをキャッチ慌てて森野の顔に押し当てた後、自らも装着)」

庚「あー思考に異常は出ているかもしれませんねえッ!!(姿勢を低くしながらも速度を落とし松岸の襟を雑に掴んで引きずり後退。)岸波さんは松岸さんをッ!!デスクワーク派ですよこっちはッ!!」