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罪業の刻印 -ブリーフィング-

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(前掲示板からの引き継ぎ 罪業の刻印関連)

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作成: 2022/06/04 (土) 00:28:28
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ミッション04後
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*(カセットテープに吹き込んだ音声ログのイメージ)

ーーーー 1Day After ーーーーー

ーーゴトッーー

メイヴィス「??????えと、報告では『ブラックノイズは交渉の結果”解散”。設備、情報、人員を譲渡しGATEへ吸収合併?される。 引き換えに支配人であるココ・ラヴィエベル氏には今後非干渉を確約する』とのことでしたが」

ジギー「クロサワにはそのまま報告したな」

メイヴィス「え、ええ……。ジギーさんに申しつけられた通り世紀スタッフとして私が前線基地への査察という目的でお伺いしております」

ジギー「よし。相手が相手だ、あれは『冷静に会話できる』人間じゃぁない。確証もなく意図せず誘導尋問へ走り出す」

メイヴィス「冷静に会話……確かに、もし本当に『罪業の刻印』と名乗り合わせたのが事実とすれば私も心持ち穏やかではいられないのですが……」

ジギー「割り切れ、戦場の取引はそんなものだ。 ーーーーそちらさんの準備はいいか、”元”支配人さんよ」

ラヴィエベル「構わないわぁ。荷物はまとめてあるし『徒歩』でトンズラするから、空港に急ぐ必要もないもの。都合のいいタイミングで初めてちょうだい。何でも聞いていいのよ ただし私が約束するのは『嘘をつかない』ということダケ」

ジギー「『黙秘権』を行使すると……許容するかは内容次第すけど……。 さて、俺からも聞いとくことは山ほどあるが、旦那方はなんかあるかい」

*【質問パート】

2

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>>ヒント<<

メイヴィス(ちなみに我々が欲してる情報は以下になります。
      ただ情報価値が高いので何かとはぐらかされたりするので、
      カマをかけたり、かr……彼女?に揺さぶりをかけるようなな
      何かがあるといいかもしれません。
      私? 私はちょっと……)

・リトルベニスについて(街の状況、特徴など)
・リトルベニスの勢力図(警戒すべき勢力など GATEは情報を保持していない)
・リトルベニスから輸送されている『核』について
・『罪業の刻印』について
・火の国を占領している『組織』について
・オズワルドについて(こちらの内部分裂を狙われている可能性もある)
・『首都』の状況
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3

陸也「ところでラヴィエベル殿や、俺がバックパッカーなのは見てくれの通りだけどよ。実は火の国に来るのは久しぶりでさあ……前来た時はあンなやたらデカい上に発展した都市は見たことなかったのよ。あれどうしたの?もしかして新しい観光名所?その辺詳しく知りたいンだけど旅人として。」

陸也「それと行き先はなんだっけ?水の国?風の国?だったら俺最近あそこ行ってたからいい観光名所を知ってんだ、代わりにあのデカい都市の事教えてくれると嬉しいかなァ~って俺は思うわけなのよ。」

陸也「あーそれとそれとさ、シハナって子のこと知ってる?そう……罪業の刻印って言われてたもんだからつい。例えば……ちょうどその子があのデカい都市に関わってるとか、さ。」

4

ミハイ「ココ殿、私はこの国をより人々にとって住みよい世界にしたいと思いこの組織に注力している。どうかアナタの知識をお貸しして頂きたい。リトルベニスと呼ばれる都市について、だ。」

ミハイ「差し当たっては……あの都市はあまりに発展しすぎている、火の国の文明発展の度合いを物差しとしても異常で異質だ。あまつさえ、あそこからは"核"さえ売り物にしている。戦争の引き金のバーゲンセールだ。」

ミハイ「火の国で核開発など、難儀な話であろう。でありながらあそこはそれを実現している……あそこには、"火の国由来の人々"……"だけではない"のではないだろうか?あれが明らかな外部介入であることは想像に易い、そもそも火の国由来の人々はただの労働力に成り下がっている危惧さえもあるのだ。」

ミハイ「それに首都だ。あのような大都市が形成されている以上、移り住もうとする者達もいるだろう。あそこは今、一体どうなっているのか存じていないだろうか?もしも苦境にあるのであれば、私は今すぐにでも参上したい。」

ミハイ「あとは、だが。ココ殿はオズワルド殿に良い印象を持っていない様子だが、彼に何か問題点があるのだろうか?差し支えないのであれば、でいいが教えて頂きたい。組織が一枚岩でないという世の常は、悲しいけれども理解している。」

ミハイ「あと、これは本当に個人的な話だ。……そ、その。砂嵐でも肌荒れを防げる化粧水とか、知らないだろうか。辛いのだ、肌が荒れて。どうしても……か、代わりにと言っては何だが、私が愛用している化粧品についてもお教えしよう!」

5

ジギー「俺からも質問が幾つかあるが……リトルベニスについてはお二人さんと重なるから割愛しよう」

ジギー「現在火の国に駐屯している『多国籍部隊』についてだ。政府の最新装備をチラつかせて我が物顔で街を闊歩している連中だよ。あれとあんた達との関係はあるのか。無いにしても情報があれば全て聞かせて頂きたい」

6

 回答① リトルベニスについて

ラヴィエベル「OK、まずはリトルベニスについてレクチャーしましょう。まっかせて☆バッチリグルメから観光までガイド顔負けのレジャーニュースをあなたに独占でお届け!ーーーーーだなんて大見得切れたら今頃はあそこにブラックノイズの支部を置いていたところ。情報は外部、世界政府の諜報部でさえ殆どが解明されていない。私も一応あそこの『会員』だけれど、共有できる情報は少ないわね」

ラヴィエベル「陸也ボーイやミハイちゃんが指摘した通り、リトルベニスという商業都市が開いたのはごく最近、精々3年前のことよ。御察しの通り外部の『一個人』を起点に、多国の闇市場を巻き込み急速に拡大したわ。枯れ果てた首都を遥かに凌ぐ程にね」

ジギー「国内に商業都市を開ける程の資源はないっしょ。13世紀じゃあるまいし、十字軍の進軍後を再利用して資本が成立するわけがない。塩なんてガキのお小遣いで買えるんだから。 奴隷マーケットか?」

ラヴィエベル「ミハイちゃんの危惧している現地民の労働力化でしょ?……『データ』と『リソース』の循環過程で商品がやりとりされるこの界隈では『奴隷』も『労働力』もあまり価値がないの。本人が選択する意志さえあれば、一端の傭兵として育成してくれる施設もあるようだけど」

ジギー「情報にリソース……? ネットは既に世界を覆っている、物理的に移動する必要があると」

ラヴィエベル「成り立ちから聞かせないといけないようねぇ……。リトルベニスは、ある男が世界各国から人脈のある商人を集め『アウターガーデン』を名乗る極小規模の『商業国家』の建国を宣言したの。商会の拠点の一つとして、火の国にリトルベニスを開いたことが始まりね」

ラヴィエベル「商会代表の名は『J』 世界政府加盟国の資本に取り込まれない、全く新しい治外法権的市庭……『世界政府という肥大化しすぎた市場』から脱出するための『楽園』よ。ちなみにブラックノイズはこのリトルベニスから国外へ積み荷を搬出する運び屋の一旦を担っていたわ。」

ラヴィエベル「情報資源を最大限に有効活用した『J』は火の国を中心に商会を一国家規模にまで拡大。火の国が誰からも見放された荒野であることを逆手に取り、国際法の外で存分に力を発揮する商人や起業家、傭兵を招き様々なビジネスに手を出している」

ラヴィエベル「世界中に散らばり各自の利権を巡って同業者への疑心から上手く手を結べない、故に世界政府へ対抗し得るコミュニティを持たない。だから『J』の開いた市庭は非常に魅力的だったの。文字通りなだれ込んだが、街灯に群がる蛾のように」

ジギー「なぜ世界政府をそこまで警戒している。確かに目の上のたんこぶのような存在だが、闇市場の同業者にとって共通の認識だ。同業者というのはビジネスパートナーじゃないとすれば、世界政府というセーフティをパートナーとして取り込んでしまえばりライバルに差をつけることができる。自分の商売に免罪符がつくしな」

ラヴィエベル「利益だけに生きられるほど商人は守銭マシーンではなかったというコト。そもそも今現在闇市場に参入している組織は元々、世界政府の庇護下には入れず、飢餓に喘ぎ止むを得ず違法組織となった者が多いのよ。この火の国を見れば想像に難くないはずよ」

ジギー「火のないところに煙は立たない……」

ラヴィエベル「貧民国……だった組織達は安定した資金源を求めているわ。『全く新しい資源』よ。資源の名は『プルトニウム』と『イントュリウム』……それぞれ『科学』と『魔術』の両面において文字通り『爆発的』エネルギー資源とされる物質。 ライフラインのエネルギー源にもなるし相反して死の大地を生み出す災厄にもなり得る」

ラヴィエベル「同じく世界政府は『プルトニウム』と『イントュリウム』に次世代兵器……いえ、抑止力に可能性を見出していたわ。当然、優秀な情報網を持つ世界政府は多くの犯罪勢力が両資源の獲得競争状態にあることを察知。資源を独占した上で希少価値を確保し売り込もうとしていた彼らの心境は穏やかではなかった。武力に任せ競合となる敵対勢力を排除すれば国際世論の非難を浴びかねないのだから」

ラヴィエベル「だから彼等は対テロという虐殺を正当化する上で最も安直ながら確実な方便を使うことにした。 2015年、マイテイ反乱軍にテロを可能とする武器が渡ったことを受けて国際間の物資輸送における取り締まりが強化されたのは知っているわね。当然ながらこれは表向きよ」

ラヴィエベル「テロリストとされた組織の殆どは兵器運用にする気は無く、あくまで原材料のまま売り込むつもりだった。ただそれを持つ、それだけの理由で大量破壊兵器を開発していると報じ、国際世論という追い風を得た世界政府は、非加盟国の『プルトニウム』と『イントュリウム』所持自体を重罪とし合法的に排除した」

7

ラヴィエベル「これらの物資を世界政府がテロ抑止の名目で独占。でっち上げた『架空のテロ組織』を結成し加盟国を程よく『威嚇』する為独占した核兵器・魔術兵器の開発、打ち上げ実験をフェイクニュースの電波に乗せてほのめかし『政府軍』の需要を強固にしようとしている」

ラヴィエベル「けれど、それが本当の『対世界政府組織』を結成させるきっかけになるなどとは想像していなかったわ」

ジギー「対世界政府……バカな、それこそ自殺行為だ。商人の集合体が一国を単独で滅ぼし得る将校を複数人抱えた勢力に太刀打ち出来る筈がない」

ラヴィエベル「今世の戦争は情報戦よ、事実世界政府が打った『先手』は『テロリスト』というレッテル、情報ソースをクリエイトし全世界の攻撃対象とすることができた」

ラヴィエベル「『J』もまた、同様の手口で対世界政府を企てている。鯨が飲み込んだものがゼペット爺さんとは限らない、胃袋に巣を張り栄養源を横流しする毒蜘蛛であったとしても……それが腹から脳を食い潰したとしてもおかしくはないのよ」

ジギー「自分の腹はかっ捌けないからな……。それで、リトルベニスの連中は何を仕込んだんだ。毒にしたって種類があるだろう」

ラヴィエベル「『需要』の喪失よ。各国は世界政府に何を求めている?防衛費を払ってまで政府軍からの派兵を求める? 推測でしかないけれど、おそらく国内に自衛力がないから、或いは世界政府が可能性を示唆する『仮想敵』に怯えているからか。何にせよ、必要がなければ世界政府を……いえ政府軍を求めない」

ラヴィエベル「だから『J』は、自らの領土を脅かす不浄なる族に怯える国には、それらを焼き尽くすインドラの矢(核)を与えた。 自らを守る強固な兵士に恵まれない王には、報酬さえ与えればへり下る優秀な猟犬を与えた。 世界政府の与える供物より、使者、卯より、安価で強力な『非世界政府製』の『抑止力』を分け与えることで『政府軍』の需要を奪うこととした」

ラヴィエベル「公的秩序への依存が、恐怖に突き動かされてのものであるならばその恐怖を取り除く。この際虚勢でもいい、一国家が『世界政府の庇護は必要ない』そう声を上げるのを待っている。世界政府は不要な武器で、不要な戦力で、不要に富を搾取し秩序を取り仕切るだけの暴君だ。そのように、国際社会の要という概念を揺るがそうとしている」

ラヴィエベル「と、言われているわ。実際のところ『J』の真意はどうあれね」

ジギー「まるで地球の東インド会社だ……。信仰を上回る富、企業によるカトリック支配への打倒といったところか。時代錯誤もいいところだが……なるほど、武力制圧よりは有効な手段かもしれない。つまり、『J』が火の国に市庭を開いたのは……」

ラヴィエベル「この国が『非世界政府加盟国』の代表格であり、そのネガティブなネームバリューの被害者として最も知名度が高いから。リトルベニスには、同じ境遇にある各国……いえ、国だった部族達の拠り所でもあり、打倒世界政府という経済戦争にビジネスチャンスを見出した目ざとい商人達が集っている」

ラヴィエベル「以前にも世界政府に反旗を翻したノーマッドという傭兵部隊はいたわ。代表は『ジョン・ワイズマン』……だったかしら。彼に比べて、Jは『もっとうまくやる』でしょうね」

ジギー「やれやれ……つまりあれか?今から俺たちが接触しようとしているのは……世界政府が恐怖に駆られ抑止力を求める国家の集合体であるならば、それらを脅かそうと集まった『反政府商人』の集合体というわけか。先が思いやられるな」

ラヴィエベル「そうそう、リトルベニスへ用向きがあるのだったわね? 物資の出入荷共にブラックノイズの梱包材が扱われる。輸送車に荷物として侵入するのが有効ね」

ラヴィエベル「ただ、先に説明した通りリトルベニスは『独立商業国家』。国である以上そこには秩序が存在し、これに反する者は袋小路の中で商会の人間全てを敵に回すことになる。だから予めリトルベニス国内のルールを教えておかないとね」

ラヴィエベル「ルール①『情報共有による取引に重きを置く』。リトルベニス商会に加盟する商人は様々な裏取引などの情報の共有を義務付けているわ。これによって『J』は多額の投資をしながらも商人から『情報』という利益を得ているの。 金銭による取引が可能な商品もあるけれど殆どがリトルベニス外部の情報を提供し、代わりに商品を受け取るという仕組みね」

ラヴィエベル「情報で得られる商品は物品に限らず『通貨』も含まれるわ。商人は裏社会でのみ有効な『データ』を外部で適応可能な『リソース』ヘ変換。リトルベニス側はデータを元に様々な手段を講じて収益を上げる。 一見割食っているように見えるけど、データを有効活用できない商人が、活用できる『J』へそれを提供し、リトルベニス全体の繁栄に貢献できる。もちろんリターンは品物として商人へ還元される。ウィンウィンな関係だし、これを実際に可能とするのが『J』の手腕というわけよ」

ラヴィエベル「ルール②『リトルベニス内の武力行使を禁ずる』 例外を挙げたらキリはないのだけれど……商人の安全を保障することで情報共有を確立しているリトルベニス内で武力行使を行えば、『J』の私設部隊をはじめとした商会に登録する傭兵や私兵全てを敵に回すわ。リトルベニスは聖域、この禁を犯した場合この星の反対側まで移動しても追ってくるでしょうね」

ラヴィエベル「『ただし防衛行為を例外とする』。 まあ無論よね、警備兵の目がないところで万が一何者かの襲撃を受けた場合には身を守ることが何より優先されるもの」

ラヴィエベル「ルール③『リトルベニス国内では世界政府を初めとする外部国家機関との連絡はできない』。これに関しては破りようがないわね、何重にも複雑に掛けられた情報防衛機構が施されている。外部との連絡は完全にシャットアウトされているわ」

ジギー「一度侵入すれば外部からの支援は期待できないな。 一度内部から状況を確認し、一度帰投するのが最適か……」

ラヴィエベル「私はあくまで黒い箱に梱包する運び屋。スパイじゃないもの、お届けした後のお荷物のことは考えてらんないわ~~」

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 回答② 罪業の刻印について

ラヴィエベル「うふふ、『ノーコメント?』 シハナとは面識があるわ、けれどそれ以上のことは教えてあげられない。嘘はつかない、しかし教えてあげられない。ともすれば黙秘しかできることはないわね」

ラヴィエベル「ただそうね……あの子個人のことはまだしも『罪業の刻印』について、当たり障りのない範囲ならヒントをあげちゃうわ。いずれは『出会う』のだろうし」

ラヴィエベル「『構成員』は私を含めて『7人』……。例えば『ツチノコ工場の王様』みたいに各自で許いる力者を得てる場合があっても、メンバーとして数えられるのは指の数にも満たないの」

ラヴィエベル「国家による干渉はないわ、何より私達は『不干渉』という共通の約定に基づいてお互い必要以上の接触はせず『好き放題やってるだけ』 事実、私は『罪業の刻印』である故に培った『恩恵』にあやかって、この国のどうしようもなく困ったちゃん達を一箇所に集めてやりくりしてきたのだもの」

ラヴィエベル「だからそうね……シハナのことに関しては『顔見知りだけど詳しくは知らない』ということにしておいてとうだい?既に因縁めいた何かがあるのでしょうけど、生憎と『不干渉』の約定がある限り、あなた達との関係に力添えもできないのだし」

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回答③ ニコラについて

ラヴィエベル「今は話すべきでない……と言っても納得はしないでしょうね。だから細やかなヒントと余計な警告だけ」

ラヴィエベル「あれは『一つの目的』にしか執着のない、『心無しの』機械よ、比喩でもなんでもなく。心あるよう振る舞っているのは、かつてそれがあった記憶を反芻しているだけ、記憶と知識というマニュアルに基づいた受け応えの一端に過ぎない。信じるかどうかはあなた達次第だケド」

ラヴィエベル「だから決して信用してはならない。システムは常に、最優先事項というタスクをクリアする為、他のタスクを順位に基づき取り捨て選択し、最短かつ確実な方法をとるのだから」

 回答④ 化粧品について

ラヴィエベル「化粧ならそれこそリトルベニスに山程あるわー!私そこの常連さんだもの。リトルベニスからは、情報を対価にしないと何も買えないかもだけど、そこに集まっている商人からはキャッシュによる取引が時と場合によってできるかもね? 私もお得意さんだもの」

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回答⑤ 多国籍部隊について

ラヴィエベル「ーーーーー ハウンドドッグ部隊……聴いたことないかしら」

ジギー「ありふれた名前だが現在一致する部隊は存在しなかった筈だ。それが?」

ラヴィエベル「伝説上の存在とされているけれど、実在している。私のこの体術、東洋でとあるお爺様……いえ師匠から習ったのだけれど、彼の若い頃はその構成員と何度も何度も渡り合ったのだとか」

ラヴィエベル「『国境のない軍隊』……或いは『国境の境目を縄張りとするサイレントライン』。 国家の利権ではなく思想に基づいて、形ある事実を食い、民衆に形無き真実を与え規律を保つ。 有り体に言ってしまえば秘密結社よ」

ジギー「フィルムの中だけにしてほしいものだ。思想犯、それこそ十字軍の類か? なら政府軍の装備を所持しているのはどう説明する」

ラヴィエベル「『J』が……私達『罪業の刻印』が、そして『ニコラ』が……ある意味利益を超えた『執念』に身を焦がしてまで表舞台に引きずり出そうとしている存在、そこに帰結するわ。さっき聞かせてあげたでしょう?」

ジギー「『J』……リトルベニス商会が対立する組織……。………」

ジギー「政府軍……世界政府に、そのハンドドッグ部隊と接点が……」

ラヴィエベル「そもsも世界政府という組織の資産運用は?正確には『国家でさえない』世界規模の巨大組織はどのようにして成り立ったのか考えたことがある? 無論、確証はない。けれどそれで『ハウンドドッグ・バスカヴィル』の存在証明には筋が通るわ」

ラヴィエベル「ーーーーーー私達は『世界』そのものを敵に回している。 人か、国家か……世界か。 人類は選ばなければ先へ進めない、進まなければ生き残れない。その段階にまで至った。我々の『王』はそう言っていたわ」

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回答⑥ 首都の状況

ラヴィエベル「さて、首都の状況……まあこれは芳しくないわね、言うまでもないケド。問題はその程度ね」

ラヴィエベル「事実上首都は『政府軍西武前線基地』よ。 外務大臣アブラハムだったかしら、せっせとアルセニオ二世を売り飛ばし政府軍に統治を丸投げ……こうすることでボルカノクスを世界政府の庇護下に置こうとしたの」

ジギー「というと、事実上統治権は世界政府に委託されたと」

ラヴィエベル「アブラハム、ひいては王宮が守ろうとしたのは国ではなく世界一のかわい子ちゃんよ。つまるとこ自分達、保身、自らの利益ってこと。あくまで火の国は『非世界政府加盟国』を継続、それも半永久的に。政府主導の元ボルカノクスに徴兵制の整備が成され、一般人世界各地の戦場に駆り出され資本に組み込まれても『非世界政府加盟国』という負の烙印が『世界政府の干渉はない』という免罪符を裏付けてしまう」

ジギー「加盟国の国際世論批判を回避しつつ、非正規戦力として補充か。先の話に関連づければ『必要悪』としてボルカノクス兵をテロリストに仕立て使い潰し、政府軍兵士という需要を開拓、『戦争経済』を永久機関にしようといったところか。因果な『商売』だ」

ラヴィエベル「鳥の血に悲しめど魚の血に悲しめず。非世界政府加盟国の『民族』を『人間と認めない』とする層も存在する。上流階級には特にこれが多い。 『歩兵テロリスト』という非論理的な時代錯誤且つ程のいい悪党を、最新鋭の装備を整えた政府軍が難なく鎮圧する。 ロマンスにしてロジカル、大した損失もなく世界の警察をプレゼンできる」

ラヴィエベル「ただし、ボルカノクスで徴兵された兵士はあくまで『国家に帰属しない部隊』として扱う。こうしてボルカノクス『王宮』はこれに干渉しなかったとし身の保全を保てる。 政府軍としても、王族としてもwin-winの関係ってワケ。最も、割食っているのは王宮だけど」