カオスドラマX 検索除外

-深淵- 668層

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――――――――曰く、夢と現実の境は曖昧な物らしい。

千里眼
天眼
魔眼

血と肉と骨、肉体という牢獄を通して見る視点の他に、
人は万象に属しながら認識し得ない『異なるモノ』を俯瞰する視点を持つことがある。
曰く、夢とは空想のみならず、こういった視点と混ざる事が多々ある。
夢遊を経て万象を俯瞰するその時、果たして意識は此方側にあれるのか、堺を超えて漂うのか……
それを現実において確かめる術はない。己の属する世界において、俯瞰という概念は理想論に過ぎないのだ。

名前なし
作成: 2023/10/13 (金) 01:12:54
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宇宙、語れば二文字。
無数の光源、瓶に詰めた砂金を散りばめたような星空。
それらは常に存在する、ただ陽光に照らされた層というベールに見え視認できないだけだ。
だがその空間において、それらは頭上に、視認できる距離に存在した。
果のない砂漠、延々と色彩のない粒の塊が平たく続く。

延々と無彩色が広がる空間において、唯一の色彩が咲いていた。
灼熱を宿す赤が絶えず爆ぜる。それは炎熱と同じ赤の衣に身を包む少女の片手から絶えず放たれている。
少女は走りながら常に爆炎を発し続けている。小刻みに、がむしゃらに。
その足跡は視認不可能な距離から続いており、全力疾走しようものならいかな超人であろうと息の一つは切れそうなものだ。

だが少女は呼吸の乱れを微塵も感じなかった、それどころか"酸素を接種していなかった"。
しかし呼吸は成立シている、その動作だけで心臓は鼓動していた。

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炎熱を向けられる対照は言うまでもなく敵だった。
しかしそれに悪意はない、殺意もない、ただ揺らめき、空間の歪みと同化し漂っている。
通用しない、尽くすり抜けていく。蜃気楼のように実態を失っては少女の目の前に再生性され続ける。

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キャロル「 今のはメロゾーマではない!全力メラゾーマだ!オラァ!!

掌と口から爆炎と覇気の乗った叫びを上げる。
だがそれは実態のない存在に触れることなく四散していく。しかし――――――

■■■■■「 ■■■■■■■■■■■■■■■ (生物の振りかざす腕のような"腸"の先端がキャロルの頬を掠める。触れた部位にはキャロルの皮膚片が付着しており、それが色を失って同化していく。生物は一方的にキャロルに干渉し、吸収していた)

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キャロル「うーーーーーーーーーーーーーーーーん……クソゲー!!(スライディングで紙一重にやり過ごす。吸収された箇所からは鮮血が飛び散り、痛みに目元を細めながら叫んだ)」

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キャロル「(殴る、焼く、沸騰させる、閉じ込める。全部試したけど効かない……うーん、うーん……この理不尽よ……それになんか走ってる感じがしない、なんかふわふわする……もしかしてこれ……)」
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キュ オ  ッ

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―――――――そんな彼女の思考を遮るように、彼方から大気を引き裂いて赤い三日月、否、斬撃が飛来する。
それはキャロルの頭上を見事にすり抜け、背後に迫っていた異なる生物へ届き……
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■■■■「■■■■■■■!!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」(絶えず歪む金属音のような断末魔を上げ、生物は半身と泣き別れ。一刀の元両断され、砂のように崩れ……屍は砂場の一部となって地に取り込まれた)

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ザ ザ ァ ァ ァァァァ……
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――――――五月雨の音が湿気と熱を運んでくる。キャロルが足を止めるとそこに先までのような砂漠はなかった
踵を返しても広がるのは石畳の床。
四方八方を東洋の建造物が囲み、雨水が跳ね続け、濡れた足場は街明かりを乱反射し絶えず瞬く。
だが人の気配はない、ただ一つの"例外"を除いては。
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?「―――――――――ほう、業症の穢とは異なる我を気取って来てみれば……。斯様な童とはな」
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――――――雨の中にあっても跳ねた黒髪、血濡れた瞳、東洋…中華の黒衣に身を包み"錆びついた黄土色の両刃剣"を携えたその男は、
獲物を斜めに振り払いこの場における唯一の"住人"としてキャロルと相対した。
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?「しかし解せんな、あのような異形は浮世における雑草に過ぎん。それらに苦を強いられるとは……ここに至るような戦士でも業症の穢でもあるまい」

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**太字**画像1
キャロル「うわぁ、謎のミキシンがあらわれた▼(相対した男の尋常ではない気配、それを前にしてぽかんと口を開け平然と応対する。)もしかしてさっきのクラゲもどきやっつけたのあーた?わるいのぅ、わしとしよりだから新しいギミック都県買ったんじゃよぉ~~」

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?「……………。(先まで屍があった砂漠、その残骸である砂粒が雨水に溶けていくのを横目に見届ける。次いで再びキャロルに神妙な面持ちで視線を戻し) 妙な感覚だ。童……貴様は心は愚か、肉体さえもここにないな? 夢遊者か

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キャロル「………????(男の問いかけに首を傾げる。だが意味自体は理解しているようで、自身の耳たぶをつまんで引っ張るなどし……)………いたいゆぅ。目も覚めないし……でもまあ言いたいことはわかるんだけどさぁ~~……。 それで?目を覚ますにはどうしたらいいのよさ。ここハンバーガーもピタもなくってぇ……お腹は空かないけどペコペコな気分でぇ……」

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?「(平然と、状況を理解しながらも常人然とあり続ける。あくまで自然体に振る舞い、適合する幼い少女を見、その本日を視界に収めると瞳孔がわずかに震える) クク…… (目元を手で覆い、露になった口は横たわる三日月のような笑みを浮かべる。喜びか、或いはおかしき故か)ハハ、クハハハハ……!  ガキが、その齢で相当に狂っていると見える……ただ夢見ただけで、深淵に魅入られるとはな……!」

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キャロル「HEY HEY HEY ~~笑ったり笑ったりげーらげらして、どうしたんだい~~(中指二本立て、左右に状態をゆらゆら揺らす。煽り行動とも取れるが、割と本気で言葉通り罵倒していた)ぷっつんしちゃった?やだなぁ~もしかして知らん間にしゃぶしゃぶ吸って頭おかC人と夢共有しちゃってる?」

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?「ククッ………当たらずとも遠からずといったところか(手を放す、顕になった赤い瞳には"漢剣"の文様が刻まれており……) 無意識に利害が一致したのだろう。退屈していただろう? 俺もだ…… 浮世の民草が為とはいえ芝刈りばかりでは腕も鈍る……たまには」

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?「 キュ オ  オ  オ  (手にした両刃剣に指を添え、刃を謎るように腕を動かす。すると龍鳴が轟くような高音を立てて、錆が鱗のようにひび割れて剥がれ落ちる。さながら代謝、脱皮のように) 人の血と肉の味を刻みつけてやらねばな 童、名乗れ。我が愛刀には贄の名が必要だ」

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キャロル「(これは避けて通れないね…… ていうかあれかっKな……私もできるかな、できねえとおかしいよなぁ) サラマンドラ (そう思い込み、傍らに手をかざす。すると"彼女が思い描いた大剣"が彼方から飛来し床へ突き刺さる。剣の持ち柄は丁度、彼女の手に収まっていた) 拙者、アルティメットフリーダムつよつよ剣術当主、キャロライン・ヴァンシュタイン」

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?「クク…… 決闘の礼節を知るか、益々面白い不快なガキだ……生憎名は捨てたが……否、礼は返さねばな。」

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?→劔「余人にはこう呼ばれていた。  華仙鳳剣 "劔 <ツルギ>" 推して参る** (灼血の赤を帯びた剣を携え、彼という存在が移動した事で生じる空間の歪を残し、キャロルの視界から消滅)

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劔「――――――――――――――(彼女と音もなく、幽鬼のように背合わせに立ち、背から心臓を刳り抜こうと逆手持ちにした刃を突き立てる)」

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キャロル「 ガッ  シュ  ボ  ッッ ウ" ッッッッ  (振り向ことなく両手持ちにした大剣を床石に突き立てる。火打ち石のようにして生じる火花が一気に広がり、彼女を囲うように渦巻いて劔の刺突を遮る)

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劔「温い、無駄だ――――――!!(しかし気休めの炎に過ぎない。袈裟斬り、返しの薙ぎ、逆袈裟、これを同時に三閃。熱、大気、空間さえも切り裂き歪めるそれは炎を切り裂くばかりか、そこに生じた空間の歪みに吸い込み無力化)  シ ェ 了 ァ ッ  !!!!!(喉笛を狙い、上体の筋肉を圧縮・開放と同時に振り下ろすゼロ距離の唐竹割りで早い幕引きを成そうとする)」

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キャロル「 ど ォ る ル ァア!!!!! (しかし先の炎は時間稼ぎのみにあらず。一瞬の怯みを利用し、同じく全体重を載せた力任せの唐竹割りの予備動作に入り、貯めていた。 それを脳天めがけ振り下ろし……)
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ギ ィ   イ   ン  ッッ  
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正面からかち合った刃が火花を散らし、周囲の建造物が燃え地獄を映し出す。
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.  VS【 深淵に彷徨える剣鬼 華仙鳳剣 】
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