名無しのフレンズ
2019/07/13 (土) 14:31:35
b652b@9a4dd
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第3章 5話 ~混乱~
アミメキリン
「ハンターさんたちは大丈夫でしょうか?」
タイリクオオカミ
「信じるしかない。
だが『最悪のこと』を想定してこそ大切なものを守れる。
君はすぐに『ろっじ』に戻るんだ。
今後、アリツさんの機動力が必要になるかもしれない。
『としょかん』に連れていってもらって、博士たちに このことを伝えるんだ」
アミメ
「え? オーディションはどうするんです?」
タイリク
「そうか! 今日だったか。
マズいな・・・
アミメ
「どうしました?」
タイリク
「セルリアンは『みずべちほー』に向かった。
そこには多くのフレンズが集まっている・・・」
アミメ「なるほど! つまりy…
タイリク「とにかく!
君は急いで戻るんだ。 私も このまま『へいげん』に向かい、助力を仰ぐ」 …走
アミメ
「y…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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ヒグマ
「なんだ!? どうしてこんなにフレンズが居るんだ!
おい、お前ら、すぐに解散しろ!
セルリアンがすぐにやって来るぞ!」
モブフレ
「え? セルリアン!?」
「急にそんなこと言われても・・・」
「せっかくPPPと競演できるかもしれないのに」
「フルル、フルルと同じ舞台に…」
ヒグマ
「そんなこと言ってる場合か!」
キンシコウ
「ヒグマさん、落ち着いて下さい」
セルリアンを殲滅できず、
現場に着くと、いつも以上にフレンズが居るという想定外の事態に、
私は焦っていたらしい。
ヒグマ
「そうだったな、おい、お前ら整列だ。
避難訓練を思い出せ。 2列でまっすぐに並ぶんだ」
モブフレ
「なんか並べって言ってるぞ」
「やっとオーディションが始まるの?」
「いや、避難訓練がどーのこーの…」
「え~? 私やったことない。 どうしたらいいの?」
「ちょっと割り込まないでよ。 私が先に来てたんだから」
「別にいいじゃない。 オーディションは逃げないし、後も先も関係ないでしょ」
ナルカ
「私たちは大丈夫ですから、
ハンターさんたちを手伝いに行ってあげた方がいいんじゃないかしら?」
イッカク
「いえ、本来ならハンターは、セルリアンの殲滅を優先するはずです。
それが避難勧告ということは・・・」
マルカ
「それだけ事態が切迫しているということ?」
ドルカ
「でもこんなに混乱してちゃぁ…」
トキ
「この騒ぎじゃ、オーディションどころじゃないわね…」
ショウジョウトキ
「せっかくPPPと またコラボしてあげようと思ったのに」 どやぁ
アナツバメ
「・・・」
現場は、どったんばったん大騒ぎだ。
そこにリカオンがやってくる。
リカオン
「ヒグマさん、セルリアンがもう そこまで!」
ヒグマ
「なに!? 想定より早いじゃないか!」
キンシコウ
「どうしましょう?」
ヒグマ
「仕方ない。 お前たちは何とかフレンズを落ち着かせて避難させろ。
応援が来るまでは、私がなんとか足止めする」
キンシコウ「・・・ 分かりました」
リカオン「・・・ オーダー了解です」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フレンズの悲鳴で我に返ったコウテイは、
セルリアンの咆哮を聞くと同時に走り出していた。
イワビー「おい!」
ジェーン「何事ですか?」
フルル「ふぐぐぐ…」
イワビー「お前はお前で食うか喋るか、どっちかにしろ!」 (*`Д´)っ))
・・・ フルルは何かに呪われてるんじゃないだろうか…
少し気にはなったが、今はコウテイだ。
遅れて私も追いかける。
思わず「コウテイ!」と叫びそうになるが、
息が切れるほど走ることで、それを抑える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
外に出ると、そこは阿鼻叫喚・・・
ーとまでは言わないまでも、結構なパニック状態になっていた。
モブフレたち
「何アレ? セルリアン!?」
「え、本物? 着ぐるみか何かじゃないの?」
「もしかしてオーディション始まってる?」
キンシコウ「落ち着いてください。 こちらに並んで…」
リカオン「こっちは危険です。 キンシコウさんの指示に従って…」
ヒグマ「くっ! 大丈夫か?」
モブ「は、はい。 なんとか」
フレンズとハンターとセルリアンが入り乱れて、しっちゃかめっちゃかだ。
ーと、1人のフレンズが転ぶ。目敏 くそれを見付け出すと、ヒグマを振り切り、触腕を伸ばす。
そのポケットから何かキラキラしたものが零れ落ちた。
セルリアンが
コウテイは そこに走り込み、ダイヤリアンの前に立ちはだかる!
倒れたフレンズを庇うように・・・
プリンセス
「❗」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かばん
「すっかりプリンセスさんたちを見失っちゃったね」
サーバル
「ごめんね、かばんちゃん。 私がもたもたしてたから…」
かばん
「そんな・・・ 僕こそツチノコさんと話し込んじゃったし」
サーバル
「早く早くぅ!」
かばん
「ちょっと待って…」
2人が「としょかん」を出ようとすると・・・
スナネコ
「お? 出掛けるんですか?」
サーバル
「スナネコ。 ・・・あ!」
スナネコ
「今日、一緒に遊びましょって約束は・・・?」
サーバル
「・・・忘れてた」
スナネコ
「じゃあ僕も付いて行っていいですか?」
サーバル
「いやぁ、それはちょっと・・・ ごめんね」
スナネコ
「そうですか。
でもツチノコは『ぱそこん』ばっかりやってて相手してくれないし…」
ツチノコ
「お前が勝手に付いて来るんだろ?
相手するなんて言ってねぇよ!」
かばん
「スナネコさん、こんにちは。
ツチノコさん、ずいぶん熱心なんですね」
ツチノコ
「いや、バイパスに変なヤツが棲み着いててだな・・・
あんまり あそこには居たくないから、つい…な。
でもまあ、おかげで『ぱそこん』の解析が進んでなぁ。
いいところまで行ってんだよ。
もしかしたらパーク中のラッキービーストを掌握できるかもなぁ!」
スナネコ
「ア、ハイ…」
サーバル
「・・・ リカオンなら喜ぶかも…」
ツチノコ
「ただ『ヒト』が許可しないと入れない階層みたいで・・・
せめてオレが『パークガイド』の権限を持ってたらなぁ…」
かばん
「・・・」
ΛΛ”
かばん
「どうかした?」
サーバル
「フレンズの悲鳴が聞こえた! 急ごう、かばんちゃん」
かばん
「わかった! ...って、あれ? これって…」 🌿
ふと、地面に生えていたクサが視界に入った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スナネコ
「せっかくサーバルで遊ぼうと思ってたのに...つまらないですね。
早口すぎてツチノコの話にも付いていけないし・・・
また『としょかん』の探検でもしましょうか…」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
博士「ハンターを持ってして・・・ 一体どんn…
助手「とにかく、すぐに応…
キンシコウ「ありがとうございます。 避n…
ツチノコ
「・・・なんだか立て込んでるみたいだな。
しょうがない。
今日は『ぱそこん』の調査は諦めて、たまにはスナネコの相手でもしてやるか。
ピット器官!」
そのまま ぐるりと館内を見渡す。
スナネコらしき人影を発見した。
ツチノコ瑕 』なんだよなぁ…」
「ん… こっちは初めて来る場所だな・・・
アイツもなんだかんだ好奇心は旺盛だから探検家向きだと思うんだが、
飽きっぽいのが『玉に
ーと、突然スナネコの影が床に伏せ、身悶える。
ツチノコ
「❗❓
スナネコ!?」
角を曲がると、廊下の突き当りで、スナネコが床にうずくまっているのが見える。
ツチノコ
「スナネコ! 大丈夫か!?」
スナネコ
「おかしなモノを見つけたので、まんぞく…」 ~(⌒(´・ω・`)
床だった部分には、1m四方ほどの地下への入り口が、ぽっかり口を開けていた。
ツチノコ
「ここで!?
探検は『これから』だろ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士
「そう言えば、そろそろツチノコたちが来てもおかしくない時間なのですが」
助手
「ああ見えてツチノコも そこそこ優秀ですからね。
セルリアン対策会議にも参加させようと思ってたのですが」
一向に現れないツチノコに痺れを切らし、一同は「ぱそこん」室に向かって移動していた。
ランペ
「何かと『IQが溶ける』と言われがちな作品ですけど、
実はIQの高いフレンズも何げに多いですよね」
ロティ
「メタいぞ…」
博士「我々は賢いので」
助手「そろそろ強調するまでもなく、周知の事実でしょうが…」
アライ
「そうなのだ! アライさんも賢いフレンズの筆頭なのだ」
フェネック
「そだね~」 (棒)
ランペ&ロティ
「・・・」
フェネ
「あれ~? あそこに居るのはツチノコさんとスナネコさんじゃないかな~?」
別の通路の先で、2人が地下に降りていくのが見える。
博士
「あんな所に地下へ続く道が?」
助手
「どうやら『としょかん』には我々の知らない秘密が、まだまだありそうですね」
アライ
「アライさんも行ってみたいのだ」
フェネ
「はいよ~」
ランペ&ロティ
「・・・(帰ろうかな)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
💡パパパパッ💡
人の存在を感知して、自動で明かりが点く。
スナネコ
「おー 『としょかん』の下にこんな面白空間が…」
ツチノコ
「先がどうなってるか分からないし、セルリアンが潜んでいるかもしれないからな・・・
ピット器官!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
正面には、ほぼ真っ直ぐに続く道。
左右にも、いくつか部屋のような空間が広がっているらしいが、
セルリアンの影は見当たらない。
ツチノコ
「取り敢えず、どこまで続いているかを確認しようぜ」 wktk
スナネコ
「しょうがないですね…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士
「すっかり見失ってしまいましたね」
助手
「これだけ広いと見つけるのは骨が折れるのです」
アライ
「この真っ直ぐな道は何なのだ?」
博士
「恐らく『地下鉄』になるはずのもの、だったと思われます。
パークには幾つもの交通手段が建設されていましたし、
作られる予定もあったと言われています。
ロープウェイ、鉄道、モノレール、そして地下鉄です。
現存するのは『ジャパリバス』と『ばすてき』くらいですがね」
助手
「恐らくここは地下を掘り、線路を引こうとする前に、打ち捨てられたのでしょう」
アライ
「ん? それだと車輛はどこから入れるのだ?」
フェネ
「確かにそうだね~
このままだと天井を壊して、車輛を入れて、また作り直さないといけないもんね~」
アライ
「アライさんはこういうことが気になりだすと、夜8時間しか寝れなくなるのだ」
フェネ
「十分じゃないかな~」
博士
「きっとどこかに先に車輛を埋めてあって、後からトンネルを繋げようとしたのでしょう」
アライ
「なるほど。 さすが長なのだ!
これでグッスリ寝れるのだ!」
フェネ
「でも今となっては、どこに埋まってるか分からないよね~
プレーリーさんみたいに闇雲に掘って穴だらけにするわけにもいかないしさ~」
アライ
「つまりアライさんはトトロに乗れないのか。 がっくし…」
助手
「それを言うならメトロでしょう」
フェネ
「アライさ~ん、またやってしまったね~」
ランペ&ロティ
「・・・(#地下鉄漫才かよ…)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ツチノコ
「おい、勝手にその辺触るなよ? 貴重な遺跡なんだからな」
スナネコ
「ツチノコ、この箱は何でしょう?」
ツチノコ
「言ってるそばから・・・ って、ん?」
フレンズ一人が入れそうなくらいの大きさの箱だ。
ツチノコ
「結構大きいな。
ーて『封』って書いてあるじゃねぇか。
触らぬ神に祟りなしだ。 放っておk…」
スナネコ「カリカリ…」
ツチノコ
「こら! 壁で爪を研ぐな!
貴重な地下遺跡だって言ってんだろぉ!?
ったく、これだからネコ科は・・・」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
横道に入ると・・・
幾つか部屋があり、その中には広い空間が広がっていた。
博士
「これは結構な人数が収容できそうですね」
助手
「会議には持ってこいの場所ではないですか?」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ツチノコ
「随分歩いたな。 今どの辺りだ?」
スナネコ
「あそこに上に登れそうな階段がありますよ?」
ツチノコ
「おし、いっちょ上がってみるか。
せーの! ってお前も一緒に持ち上げろよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どこからか悲鳴や咆哮が聞こえた気がする。
そしてレッスン場のドアが開閉する音と、2人分の足音が走っている?
イワビー「おい!」
ジェーン「何事ですか?」
フルル「ふぐぐぐ…」
イワビー「お前はお前で食うか喋るか、どっちかにしろ!」
マーゲイ
「何の騒ぎでしょう?」
事務室での作業を中断して、立ち上がろうとすると・・・
床の一部が持ち上がり、
ツチノコ
「ん? なんだ? ここは」
スナネコ
「お?」
不審者が顔を出した。
ーと思ったら、
マーゲイ
「ツチノコさんにスナネコさん?」
ツチノコ
「マーゲイ? ってことは『みずべちほー』か、ココは?」
スナネコ
「❗ ツチノコ、あれ・・・」
得意の好奇心で、いち早く部屋を見回していたスナネコが、
窓の外の様子に気付いて指差す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぶーーーーーん!
触腕が地面に落ちたダイヤ目掛けて伸びる。
コウテイが倒れたフレンズの前に飛び出し庇おうとする・・・
コウテイは いつもそうだ。
私が前しか見ない分、コウテイは視野が広く左右や後ろをフォローしてくれる。
だから安心して(それに甘えて)突っ走ってしまう。
言葉も穏やかだ。
人をキズつけるようなことを言ったこともない。
きっと考え抜いて、選んで発言しているに違いない。
思ったことを、つい口にしてしまう私とは大違いだ。
でも困難が訪れると一転、前に出て守ってくれる。
コウテイは自覚が無いようだが、これほどリーダーに相応しい人はいないと思うし、
私には絶対できないことだと思う。
世界はスローモーションのようだった。
コウテイが飛び出してから20分は経っただろう。
「危ない」と叫びそうになったが、飲み込む。
そんな言葉にどんな意味があるだろう?
もっと。 もっとコウテイを助けらるような言葉は無いのか?
❗ 1つあった。
でも、あの時とはシチュエーションが違う。
どれだけの効果が見込めるか・・・
いや、このままじゃ確率はゼロだ!
プリンセス
「ダイヤモンドダスト・ロイヤルストレートフラッシュ・らぶらぶぅ」
キーーーーーン!
一瞬で場が凍り付いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みずべちほーは大混乱 だった。
フレンズたちが右往左往してる。
ハンターさんたちが四苦八苦しているが、一向に事態は収まりそうにない。
サーバル
「どうしたの? 何の騒ぎ?」
逃げ惑うフレンズの一人に話を訊く。
モブフレ
「PPPのオーディションに来たら、ハンターさんたちが逃げろって言って・・・」
本人も何が何だか分からないらしく、要領を得ない。
サーバル
「見て! セルリアンだ!」
遠くにセルリアンが見えた。
かばんはリュックを下ろし、中から一枚の紙を取り出す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みずべちほーは、蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。
建物からコウテイとプリンセスが飛び出してきた。
その前でフレンズの一人が転ぶ。
そのフレンズを庇うように、コウテイが
#弁慶の立ち往生よろしくセルリアンの目の前に立ちはだかる。
かばんは手早く紙飛行機を折ると、
かばん「サーバルちゃん! お願い!」
サーバルに手渡す。
サーバル
「OK!」
受け取ったサーバルが投擲する!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プリンセス
「ダイヤモンドダスト・ロイヤルストレートフラッシュ・らぶらぶぅ」
キーーーーーンっ!
一瞬で場が凍り付いた。
コウテイ
「シャベッタァァァァーーー!?」
フレンズが一斉にこっちを見る。
ハンターたちの唖然とした顔が見える。
ダイヤリアンも、その場にあるものすべて、物理的には何も変化は起こっていなかった・・・
そんな中、ダイヤリアンは動きを止めて いた。
心なしか怯えているようにも見える。
そこに長距離を飛んできた紙飛行機が通り過ぎる・・・
一瞬、セルリアンが そちらに気を取られた。
更にアナツバメが、もの凄いスピードで飛び込んできたかと思うと、
転んでいたフレンズを抱えると離脱する。
モブフレ
「ふわぁぁ~ トンデルトンデル―」
アナツバメ
「お、重い…」
モブフレ
「・・・」 (白目)
その場の空気を❄ヒエッヒエに❄してしまったことについては罪悪感を覚えたが、
事態は好転しつつある。
ピンチとチャンスは背中合わせなのだ。
プリンセス
「コウテイ、逃げましょう! ・・・て」
プリンセス
「今かよ!」 (*`Д´)っ))
タイミングが悪すぎて「いい気味だ」とは思えない。
こんなサプライズにする予定では無かったし…
そうしてチャンスを逃していると、ピンチに反転してしまう。
フリーズしていたダイヤリアンが我に返った。 ・・ように見える。
マズい。 この機を逃しては・・・
ダイアウルフ
「カバハメハ! ハー!」」
プリンセス
「ダイアウルフ!?」
夢でしか会ったことのないフレンズに、現実で実際に会うのは不思議な感覚だった。
ダイアウルフの(?)技がダイヤリアンの両脚を撃ち抜く。
バランスを崩したダイヤリアンは大量の水を零しながら倒れた。
カバ
「あなた、強いのねぇ…」
ダイア
「・・・」
なにはともあれ、
ダイアウルフのおかげで、文字通り足止めは成功したのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒグマ
「誰だか分からんが、ありがたい」
ダイア
「・・・」
返事も、名乗りもしないどころか言葉も発せず、
睨まれている気がするが、気にしていられない。
ヒグマ
「見たところセルリアンはしばらく動けそうにない。
今のうちに避難を完了するんだ」
キンシコウ・リカオン
「分かりました、と言いたいところなんですが・・・」
現場はそれだけ混乱を極めていた。
そこへマーゲイがメガホンを持って駆け寄ってくる。
マーゲイ
「かばんさん、これを 📣
それから・・・」
建物の方を指差す。
見るとツチノコとスナネコが手を振っている。
ツチノコ
「おーい! こっちこっち・・・・・・」
ΛΛ”
かばん
「サーバルちゃん、なんて言ってるか聞こえた?」
サーバル
「こっちに避難できる道があるって」
ツチノコは状況から、事態を察してくれたらしい。
あとはそれに応えるだけだ。
かばん
📣<皆さん!
フレンズたちの注目が集まる。
かばん
📣<1次審査の『逃げ惑う群衆』は合格です。
続いて2次審査の『避難する演技』に移ります。
キンシコウさんの指示に従って速やかに避難してくださーい!
ざわざわ…
「合格だって」
「やったじゃん」
「でもまだ終わってないみたいよ」
かばん
「じゃ、キンシコウさん、お願いします」
キンシコウ
「でもどこへ?」
かばん
「建物の中からどこかに避難できるルートがあるようです。
ツチノコさんたちに付いていってください」
リカオン
「まだセルリアンは動けません。
今なら大丈夫です」
ヒグマ
「よーし、整列しろ」
キンシコウ
「2列でお願いします。
揃った列から出発しますよ」
かばん
📣<避難訓練の極意は『#おかしも』です。
押さない、駆けない、喋らない、戻らないですよ。
これも審査対象に入ってますからね!
モブフレたちが整然と建物に吸い込まれていく。
回収されていない謎や伏線が、まだまだ残されている気がするが、
ひとまず危機は脱したようだった・・・
第3章 ~完~