ヒグマ
「誰だか分からんが、ありがたい」
ダイア
「・・・」
返事も、名乗りもしないどころか言葉も発せず、
睨まれている気がするが、気にしていられない。
ヒグマ
「見たところセルリアンはしばらく動けそうにない。
今のうちに避難を完了するんだ」
キンシコウ・リカオン
「分かりました、と言いたいところなんですが・・・」
現場はそれだけ混乱を極めていた。
そこへマーゲイがメガホンを持って駆け寄ってくる。
マーゲイ
「かばんさん、これを 📣
それから・・・」
建物の方を指差す。
見るとツチノコとスナネコが手を振っている。
ツチノコ
「おーい! こっちこっち・・・・・・」
ΛΛ”
かばん
「サーバルちゃん、なんて言ってるか聞こえた?」
サーバル
「こっちに避難できる道があるって」
ツチノコは状況から、事態を察してくれたらしい。
あとはそれに応えるだけだ。
かばん
📣<皆さん!
フレンズたちの注目が集まる。
かばん
📣<1次審査の『逃げ惑う群衆』は合格です。
続いて2次審査の『避難する演技』に移ります。
キンシコウさんの指示に従って速やかに避難してくださーい!
ざわざわ…
「合格だって」
「やったじゃん」
「でもまだ終わってないみたいよ」
かばん
「じゃ、キンシコウさん、お願いします」
キンシコウ
「でもどこへ?」
かばん
「建物の中からどこかに避難できるルートがあるようです。
ツチノコさんたちに付いていってください」
リカオン
「まだセルリアンは動けません。
今なら大丈夫です」
ヒグマ
「よーし、整列しろ」
キンシコウ
「2列でお願いします。
揃った列から出発しますよ」
かばん
📣<避難訓練の極意は『#おかしも』です。
押さない、駆けない、喋らない、戻らないですよ。
これも審査対象に入ってますからね!
モブフレたちが整然と建物に吸い込まれていく。
回収されていない謎や伏線が、まだまだ残されている気がするが、
ひとまず危機は脱したようだった・・・
第3章 ~完~