【注意】
「けものフレンズ」を題材とした二次創作のSSです
キャラクター崩壊の恐れや、一部オリジナルキャラクター、男性キャラクター、創作設定が登場します
BBSNEOや他の掲示板に掲載されているSSとは一切関係がございません
『アードウルフ』を主要としたフレンズと、飼育員の『サクヤ』たちが繰り広げるほのぼの日常系ラブコメとなっております
時系列や舞台設定などは詳しく設定していません
キャラクターの性格がアニメ版だったりアプリ版だったり漫画版だったりと入り乱れております
世界観的には、漫画版のように基本平和で、フレンズに飼育員が就くような形になっています
不定期更新、誤字脱字多数ですがご容赦願います
一応区切りはつけましたが、これからもちょいちょい更新して行きそうです
例えるならアプリ版メインストーリーが終わってキャラクエが更新されてる、みたいな感じで
メキメキッ バリバリバリィッ
かば「サクヤさんどうしましたか!?」
ガガッ ブツッ
かば「切れちゃった…」
ドシーンッ
アド「!!」
キキーッ
ユウ「まずいわ…!道が倒れた大木で塞がれてる!」
「うわぁぁぁぁッ」
アド「この声…サクヤさんッ!」
バタンッ
ニホ「アドちゃんどこ行くの!?」
サク「しまったッ…!木で右脚が挟まれて動けない…」
ズゴゴゴゴゴ
サク(ライフルは…ダメだ、あんな遠いところに…なら
サク「当たれぇッ!」
ダァーーーンッ!
パッカーーンッ
サク「や…やった!すごいぞこの銃!」
サク「まずは…このぉぉッ木をッ!どかさねばァァッ!!」
ググググッ ゴロンッ
サク「抜けた!」
ズモモモッ
サク「来たな、2体…!こいつらを倒せば…僕らの勝ちだ!」
グォンッ!
サク「うあッ!危なっ!」バッ
サク(相変わらず馬鹿みたいにデカイ個体だ!しかもあんな大量の触手に捕まったらひとたまりもない!)
サク「ぐっ…!」
ツツー
サク(この脚の怪我じゃ長期戦は不利だ…!ライフルじゃ何発かかるかわからないこの状況…)
サク「こいつで仕留める!」
ジャキ
サー「アードウルフが今来た道を…!?」
ユウ「ダメよアドちゃん!引き返しなさい!」
アド(私を…私のことを、命懸けで救ってくれた…!)
かば「アードウルフさん!」
アド(サクヤさんのことを…見殺しにするなんて出来ない…!)
サク「くらえセルリアン!」
バァーーンッ
ガバッ
ドズッ
サク「!?」
サク(触手を束ねて無理矢理軌道を変え、致命傷を防いだだと!?)
ガシィッ
サク「がっ!」
カシャーンッ
サク「しまった銃が…!クソッ、何て握力だ…!」ジタバタ
ブォンッブォンッ
サク「うわぁぁっ!」
バシィンッ
サク「ぐぇッ…!」ゲハッ
サク「痛ッ…叩き…つけられた…だけなのに…こんなダメージが……くッ…血まで…出てき…た…」
サク(だが…!場所が良くて手元に銃が戻った…!)
チャキ
サク「SSキャノンの弾はあと…1発…!どちらかに当てられれば…!」
カチャッ
サク「ぐぅッ…!」
サク(ダメだ…思った以上にダメージが大きくて狙いが定まらない…!)
サク「ガホッ!ゲホッ!」ビチャッ
バタッ
サク(ここまで…か…)
アド「サクヤさんッ!」
サク「アド…ちゃん…逃げ…ろ……」
ズゴゴゴゴゴ
アド「セルリアンの触手がサクヤさんを…!」
アド(嫌だ…!こんなところでサクヤさんが死んじゃうなんて…!こんなところでお別れなんて…!!)
アド「絶対に嫌ァァァァーーーッ!!」
バァァァァァッ
サク「!?」
バキィーーンッ!
サク(突然バリアーのようなものが…!セルリアンの触手がぶつかった瞬間に弾き飛ばした!?)
サク「今だッ!」
ガチャッ
サク(なるべく上めを狙い…至近距離でブチ込む!)
サク「くらえッ!」
ズギャーーーンッ!!
パッカァァーーーンッ
サク「ハァ…ハァ…やっ……た……」
バタッ
アド「ハァ…ハァっ…」
ガクッ
サク「!!アドちゃん……!あ…と…1体……ぅ……身体…が…うご…かない…」
ザシュッ! ザシュッ!
サク「…これは…!」
リカオン「大丈夫ですか!?」
セグロジャッカル「ここからはボクたちが相手だ、セルリアン!」
サク(オオカミ連盟の子たち…!)
サク「ダメだ…!2人だけじゃかないっこない…!」
リカ「私たちだけじゃありませんよ!」
BGM:名を冠するけものたち
「「「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」
ダイアウルフ「ほぉ、こいつは戦い甲斐がある…!」
ツンドラオオカミ「まったく、面倒なことを押し付けられたものだ!」
ディンゴ「私たちの仲間に手出しはさせませんわ!」
サク「他の子たちも…!」
タイリクオオカミ「オオカミ連盟だけじゃないよ!」
ヘラジカ「全軍突撃ぃぃぃぃぃぃッ!!」
ラーテル「助太刀に来たぞ!」
ブラックバック「私の闇の力を解放するときが来たようだな!」
イッカク「私も加勢する!」
カバ「私たちのパークで暴れようなど…いい度胸してますわね!」
クロサイ「多くの相手によくぞ耐え抜いた!」
ホッキョクグマ「あとは任せてもらおう!」
セルリアン討伐隊「我々セルリアン討伐隊もいるぞ!」
隊員A「遅くなってすまない!」
隊員B「今だ!一斉射撃開始!」
隊員C「撃て!反撃の隙を与えるな!」
ザシュッ!
ドゴッ!
ドスゥッ!
ダダダダダダダダダッ
パカァーーン!
タテガミオオカミ「やった、倒せた!」
サク「よ……よかったぁ…ゲホッガホッ!」
ギンギツネ「大変よ!サクヤ君が!」
ブロロロォ
ナナ「サクヤ君!アードウルフ!無事!?」
マレーグマ「あ、ジャパリバスだ」
キキッ
ユウ「アドちゃん!」
キンシコウ「アードウルフさんはこちらです、早く手当を!」
オオアリクイ「ケガ人を最優先で運び出せ!行き先はけもの病院だ!」
サー「サクヤ君、しっかりして!」
コアラ「応急手当をしてみます!」
ヒグマ「出血が激しい、先に止血からだ!」
BGM:キルラキル AdラLib
アド(あれ…ここは…?真っ暗な場所…)
サク「アドちゃん」
アド(サクヤさん…?あれ、なぜか…遠くに行って…)
サク「悪いけど、時間みたいだ。もう行くね」
アド(えっ?)
サク「それじゃあ…」
アド(そんな…待って…待ってください!)
アド(サクヤさん…!)
アド「サクヤさんっ!」
ガバッ
ブチ「ハッ!アードウルフ、目を覚ましたのね!」
アド「あれ…?あれ…?ここは…」
ブチ「病院よ。あなた、サンドスター不足で倒れて…」
ユウ「アドちゃん!意識が回復したのね!」ギュッ
アド「わっ!ゆ、夕さん…」
ユウ「もうっ…心配かけて…!あんな状況で野生解放するなんて、一歩間違えば命に関わるところだったのよ!」
アド「ごめんなさい…私、あのとき必死で…」
ブチ「そうね…わかってるわ、あなたはサクヤを助けようと…」
アド「!!」
ユウ「呼吸、脈拍…体内SS値もほとんど正常ね、よかった…」
アド「サクヤさん!サクヤさんはッ!?」
ユウ「え?おそらく隣の部屋だと…」
アド「サクヤさんッ!」ガバッ!
ユウ「アードウルフ!?」
ブチ「まだ安静にしないと…!」
タッタッタッタッ
アド「この部屋…!?」
ガララッ
アド「ッ!!」
サク「………………」
アド「そんな…!そんなぁ…っ!」
ガクッ
アド「サクヤさん…目を…目を覚ましてください…」
アド「う…ぁ…」
ポロ…ポロ…
アド「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
アド「サクヤさん…!サクヤさぁん…!!」
アド「嫌です…こんな形でお別れだなんて…!うわぁぁぁんっ…うわぁぁぁぁぁん!」
ガシッ
サク「うぉわああッ!?えッ!なに!?何事!?」ガバッ
アド「うわぁぁ……ふぇ…?」
サク「なっ、なに!?どうしたの…ってあだだだだだだ!」
アド「サクヤさんが…生きて…?」
サク「あ゛…アドちゃん目を覚ましたんだね、よかった…いだだだ!ごめんッ、1回離れ…ててて!」
ユウ「アドちゃん!」
ブチ「あー…やってしまったみたいね」
ナナ「くぁ…何の騒ぎ?」
サク「ええっと、寝てたらなんか急にアドちゃんが部屋に入ってきて…」
アド「眠って…!?あの…てっきり意識を失ったままかと思って…その…」
ナナ「意識を失うっていうか…そりゃそうよね、だって…」
ナナ「今夜中の2時だもん。誰だって寝てるよね」
アド「えぇっ!?」ガーンッ
ブチ「あれから6時間も寝てたからね、時計も見ないで飛び出してきたのはどうかと思うけど…」
アド「ご、ごめんなさい…」ペコペコ
サク「とりあえずアドちゃんの意識が戻って良かったよ…とりあえず遅いし、また明日にしない?」
アド「は、はい…」
~翌朝、サクヤの病室~
アド「サクヤさん、昨晩は本当にすみませんでした…」
サク「いいっていいって、それよりもアドちゃんの意識が戻ったことを確認できたことのほうが安心できたよ」
アド「お気遣いありがとうございます…」
カコ「アードウルフはもうほとんど正常ね、昨晩SSルームで過ごしてたから体内のSS値もかなり安定しているわ、検査を終えたら今日中にで退院できそうね」
アド「よかった…」
カコ「…で、肝心のサクヤ君だけど…」
サク「あれぐらいで大げさですよ、こんなに包帯とか巻くなんて。それで、退院はいつ頃になりそうですか?」
カコ「なに寝ボケた事言ってるのよ?」
サク「?」
カコ「切り傷打撲うちみ多数、頭に3針縫って…右足首と肋骨2本にヒビが入ってるわ…3週間ってところかしら?」
サク「うぇぇ!?」ガーン
カコ「内臓に刺さらなかっただけまだマシよ…大丈夫、労災降りるし入院費は問題ないから」
サク「はぁ…」
カコ「あなたのことはある程度落ち着いたら処理するとして…ユウ、ちょっと2人きりで話したいことがあるんだけど」
ユウ「ギクゥッ!」アセダラダラ
カコ「研究室にあったSSキャノン…なぜか無くなっていたのよね…」ドドドドドドド
サク(あ、やっぱりダメなやつだったんだ…)
ユウ「えーっと…先に胃薬飲んできま~す…」
ガララ
カコ「逃げ出しちゃダメよ…」ゴゴゴゴゴゴ
ガララ
BGM:キルラキル Till I die
サク「…行っちゃった」
アド「あ、あの…サクヤさん」
サク「ん?」
アド「ごめんなさい」
アド「私、あのときかばんさんを助けようって思った時には、もう身体が勝手に動いてて…」
サク「うんうん…」
アド「つい、かばんさんの前に…ニホンオオカミさんやサーバルさん、そして何より…サクヤさんを危険に晒してしまうなんて…」
アド「結果的に、あなたにこんな大ケガを負わせてしまうなんて…」
サク「アドちゃん…」
アド「やっぱり、私みたいな身勝手なフレンズが担当だと…あなたに…迷惑がかかってしまいます…だから…だから…私のことはもう…っ」メソメソ
サク「アドちゃん?」ヒョイヒョイ
アド「ぐすっ……え…?」
サク「おいで」
アド「はい…」スッ
サク「えいっ」
ギュッ
アド「!!」ドキッ
サク「ふはぁ~~…よかったぁぁ~……」ヘニャ~
アド「さ、サクヤさん…?」
サク「いやぁ…昨日の夜はなかなか眠れなかったよ、アドちゃんが意識を取り戻してくれないか本当に気が気じゃなくってさ…」
サク「僕が病院に運ばれて治療を受け終えた後、何度アドちゃんの病室に行かせてって頼んだことか…まぁ結局ダメだったんだけど」
アド「私の為にそこまで…」
サク「もしアドちゃんの身に何かあったら…記憶を失ってしまったら…最悪、フレンズの姿を失ってしまったら…僕はもうこのパークに居られなくなっただろう」
アド「そんな…」
サク「でも、こうやって無事に帰って来てくれた…それだけで僕は救われたんだ」
アド「サクヤさん…」
サク「こんな傷なんてどうでもいい、君が元気な姿で戻ってきてくれたことが何より嬉しい…!」
アド「…わっ…わたし…は……わたしはぁ…っ…」ポロポロ
サク「戻って来てくれてありがとう、アドちゃん…!」
アド「うぁ…サクヤ…さん……!」
サク「これからもずっと、そばに居てほしい…。だから、迷惑がかかるなんて寂しいことを言わないでくれ」
アド「…はい…ずっとそばに…居させてください……!」ギュッ
サク「いだだだだ強すぎ背中ががが」
アド「ごっ、ごめんなさい!」バッ
サク「だ、大丈夫…本当は僕だって、ずっとこんな風に抱きしめたいよ」
アド「…!」カァァ
サク「ありがとうねアドちゃん…」ナデナデ
アド「…サクヤさん」
サク「ん?」
アド「今あなたを抱きしめられないなら…なら、せめて…」
スッ
サク「ぁ…」ポッ
アド「目を、閉じて頂けますか…?」
サク「…」コクコク
アド「……失礼、します……」ドキドキ
サク「……」ドキドキ
アド「………」ドキドキドキ
ガラッ
ニホ「サクヤー!お見舞いに来たよー!」
サク「おわぁっ!?」ガタッ
アド「ニホンオオカミさん!?」
ニホ「ん?どうしたの、そんなに焦って?」
カラ「そりゃあ…男の人と口と口がくっつきそうなくらい顔を近づけてたら誰だって焦るわよね?」
サー「…あ!まさかそれって…」ピョンピョン
ナナ「こらカラカル、サーバル!病院で騒いじゃダメよ!」
アド「そっちですか!?」
かば「ごめんなさい、お邪魔してしまいましたか?」
ミラ「大丈夫ですよ、2人はいつもこんな感じだから」
サク「ミライさんまで!」
ミラ「ふふっ、ごめんなさい。あ、ドラゴンフルーツの差し入れです」
サク「あ、ありがとうございます…」
かば「サクヤさん、おケガの程はどうですか?」
サク「大丈夫ですよ、このくらい全然!」
ミラ(大丈夫そうには見えませんが…)
かば「そうですか…命からがら救ってくださり、本当にありがとうございました。お母さんも後程改めてお礼がしたいって言ってました」
サク「そっか…お母さんは今日来てるの?」
かば「先ほど、研究室で大事な話があるって…」
サク「研究室?大事な話って…」
アド「ユウさんことでしょうか?」
サク「ってことはもしかして…君の母親って」
かば「はい、ボクのお母さんはこのパークの副園長をやってる『杉田 華子 』です」
サク「…ってことは…園長と副園長は夫婦ぅ!?」
アド「そ、そうなりますよね…?で、でも苗字が…」
かば「結婚する際、このパークの役職の名義を変えるのが面倒だったらしく、そのままにしてるらしいです。今更変えても混乱するだけですし…」
サク「…マジ?」
ミラ「マジですよ」
アド「…これ、みんな知ってる感じなんですか?」
ナナ「一部の職員だけな感じだと思うよ?私は結婚式見に行ったから知ってたケド」
サク「そうだったんだ…」
ミラ「それより…アードウルフさん、悲しいお知らせが…」
アド「な、何でしょう?」
ミラ「先ほど各エリアを散策して被害状況を確認してみたんですが…アードウルフさんが寝床にしている穴が崩れてしまっていました」
アド「えぇっ!?」
ミラ「セルリアンが通ったときに埋もれてしまったのでしょう…プレーリードッグさんたちと協力して、中に埋もれてしまったものはある程度見つかったのですが…」
アド「でも、そんなに大事なものは置いてなかったから、それは大丈夫です」
ニホ「土の中だと汚れちゃうから、私の住み家とかサクヤの部屋で預かってたんだ」
ミラ「そうですか、なので新しい住み家を掘らないとですね。私たちでアードウルフさんの新しいお家を提供させていただきますね!」
アド「あの…そうしていただけるのはありがたいんですが…」
サー「どうしたの?」
アド「私、賃貸とか誰かが住んだことの家のほうが落ち着いて過ごせるというか…」
カラ「なんでなの?新しいのでも特に変わらないと思うけど…」
ミラ「アードウルフは元々他の動物の使っていた巣穴に住む習性がありますからね」
サー「そっか、たしかアードウルフの家は以前ミーアキャットが使ってた巣だったもんね」
アド「どうしよう…」
サク「他のフレンズに譲ってもらうのは難しいよね…」
ニホ「!」ピコーンッ
ニホ「良い事思いついた!」
かば「ニホンオオカミさん?」
ニホ「アドちゃんサクヤの部屋に住んじゃえばいいんじゃない?」
アド「!?」カァァッ
カラ「なるほど、誰かが住んだことあるってのは確かねー」ニヤニヤ
アド「で、でも…っ…サクヤさんの迷惑に…」
サク「えーっと…病院にいる間は全然問題ないと思う…」テレテレ
カラ「おおっと?肝心の本人は全然問題無さそうだけどぉ?」
ナナ「アードウルフにはどう?一応誰かが使ったことがあると言えるけど?」
アド「は…はい…でも…それだと…」
サー「2人で同じ屋根の下ってさ、恋人みたいだよね!」
アド&サク「!!」ポォォォォ
カラ「…おバカ、わかりきった事わざわざいうことないでしょ」
ナナ「みたいっていうか、恋人だけどね」
ミラ「以前もお話したように、基本的にフレンズさんはどこに居ても問題はありませんし、フレンズさんが住むことを申請すれば生活費の援助も出ます。さぁ、あとはアードウルフさん次第ですよ?どうしますか?」
アド「…じゃ、じゃあ……サクヤさん、新しい住み家が見つかるまでしばらくの間、お世話になってもよろしいですか?」
サク「“しばらく”じゃなくて“ずっと”も良いんだよ?」
アド「!!」
サー「おぉっ!」
カラ(ふふっ、こんなのもうプロポーズみたいなものじゃない?)
アド「よ、よろしくお願いします…!」
アド「よ、よろしくお願いします…!」
ナナ「でも、肝心の入院中はどうするの?部屋まかせっきりにするつもり?」
サク「なっ、アドちゃんは人のモノを盗んだりするような子じゃありませんっ!」
ナナ「そうじゃなくて、アードウルフだけだと部屋にある物勝手に使えないでしょ?」
サク「あ…どうしよう…」
かば「…そうだ!お父さんにちょっと相談してみます!」タッ
ガララッ
ミラ「私もついていきますね」
サク「あ、かばんちゃん!ミライさん!」
~数十分後~
ガラッ
ミラ「サクヤさん!うまくいきました!」
サク「あ、おかえりなさ…後ろの方々は?」
職員A「園長の命令で、君の病室を“君の部屋”に移すことになったよ」
サク「…ハイ?」
職員B「うらやましいな、わざわざ病院から医者が君のところまで問診してくれるみたいだ」
職員C「私は点滴を運ぶから、荷台の上にベッドごと乗っけて」
職員D「了解です。せーの、よっと!」
サク「うわっ!?」
かば「アードウルフさんも一緒についてきてください、荷物をサクヤさんの部屋に運びますよ」
アド「えっ、あっはい!」
『それから数週間、僕は自室で治療を受けることになった』
『食事に制限などは無かったので、毎日アードウルフに手作りの料理を振る舞ってもらった』
『夕さんのSSキャノン無断持ち出しの処罰は、ケガした僕の代わりに一時的にニホンオオカミたちの世話を任されることだった』
『ケガも回復に向かってきたある日、僕たちは園長に呼び出された』
~園長室~
トワ「すまないなサクヤ、ケガしてるのにわざわざ呼び出したりして」
サク「園長から車椅子を頂いたお陰で、だいぶ生活も楽になりました。あと2週間もあれば仕事に復帰できると思います」
アド「それに、私の部屋のことも…」
トワ「大丈夫さ、これもすべてフレンズの為だ。それで、本題に入りたいんだがいいか?」
サク「なんでしょう?」
トワ「この前のセルリアンが出現した際、君は5体もの大型のセルリアンを相手にすることができた…そうだよな?」
サク「いやぁそんな、最終的にはフレンズや討伐隊の皆さんに助けてもらって…」
トワ「それでも、君の実力は確かなものだ。そこで提案なんだが…」
トワ「サクヤ、セルリアン討伐隊に入らないか?」
サク「!?」
トワ「警戒レベル4のセルリアンを1人で相手できる隊員なんてまず居ない、君なら間違いなく活躍できるだろう。もし入隊してくれるなら昇給だって考える」
アド「…それって」
トワ「無論強制でもないし、君の意志を1番に尊重する。あくまで提案に過ぎない、どうだろう?」
トワ「結論を急かすつもりは全くないし、君のケガが治ってから答えを出してもらっても全然かまわない」
アド「…そうしたら、私とニホンオオカミさんの担当は?」
トワ「無論変わるだろう、だが佐久夜に代わる飼育員はすぐに用意しよう。もちろんアードウルフの住み家は彼女がしたいように任せるし、望む人を飼育員に…」
BGM:天元突破グレンラガン お前の×××で…
サク「お断りします」
アド「!」
トワ「そうか…別に引き止めるわけじゃないが、理由を聞かせてくれないか?」
サク「僕だって、飼育員の端くれです。せっかくフレンズと向き合える仕事を得たのに、それをわざわざ手放したくはありません」
サク「それに…これからもっとアードウルフのことを知って…大切な人と寄り添って生きていきたいんです。フレンズを守る飼育員として、1人の女性を守る1人の男として…」
アド「サクヤさん…」ウルッ
サク「お誘いは嬉しいのですが、本当に申し訳ありません。園長の提案を断ったんです、どんな処分も受ける覚悟はあります」
トワ「…ハァ……オレはとんでもなく失礼なことを言ってしまったみたいだな」
サク「え?」
トワ「謝らなくちゃならないのはこっちのほうだ。眼前のことに捕らわれていて、1番重要なことを見落としていた…園長失格だよ」
トワ「“飼育員”と“フレンズ”。大切な人のそばに居たい…誰だってそう思うハズなのにな」
サク「トワ園長…」
トワ「自分から言っておいて忘れてくれってのは虫が良すぎるよな…じゃあ」ガサゴソ
トワ「あった!こいつで手を打ってくれると嬉しいんだが、どうだ?」ピラッ
アド「これは…」
サク「パークセントラル遊び放題チケット!?しかもアトラクション優先搭乗権付!?」
トワ「ちょうど2枚ある、これで忘れてくれないか?」
サク「受け取れませんよ!たしかこれ1枚2万円以上したような…」
トワ「いいんだ、危機からフレンズを守った功績にしちゃ低すぎる」
サク「は、はぁ…ありがとうございます」
ガチャ
かば「あ、お父さん居た!」
トワ「おお遥にカコか、どうした?」
カコ「会議の時間。今後のセルリアンの対策とパークの復興についてよ」
トワ「ああわかった、すぐ行くよ」
サク「あの、園ちょ…」
トワ「『大切な人と寄り添って生きていきたい』その気持ち、ずっと忘れずにな」
カコ「課題は山積みだけど、悪い事ばかりじゃないわ」
トワ「SSキャノンの実用性についてだろ?運よく実戦データがとれたからな」
カコ「ええ、実用化にむけて制作コストと生産量を…」
サク「あのさ、アドちゃん」
アド「何ですか?」
サク「このケガが治ったら、コレ使って2人でパークセントラルに遊びに行かない?」
サク「今度は離れないように…ちゃんと、キミの手を取って…ね」
アド「はい!」
栄田 遥 (さかえだ はるか)女 5歳
ジャパリパーク園長の永久と副園長華子の娘
迷子になったときにサーバルと仲良くなり、リュックを持っていることから「かばん」というニックネームをつけてもらった
幼いながらかなりしっかり者
CV:内田彩
epilogue
もう1度、キミの手を取って
BGM:ようこそジャパリパークへ ~orgel ver~
サク「はぁ~、楽しかった~!」
アド「チケットのお陰でたくさんアトラクション乗れましたね!」
サク「そうだね!しかも夕焼けがキレイなタイミングで観覧車にも乗れて…」
ブーッブーッ
サク(ん?メール…?)
『To:SAKU@Kmail Tsuchi Okami@Kmail
件名:気になるウワサを聞いたよ!
本文:タイリクオオカミが言ってたんだけど「パークセントラルの観覧者の一番上で恋人同士でキスすると一生結ばれる」だって!試してみたら?』
サク(ニホンオオカミ…情報の出所が怪しすぎるでしょうが…)
サク「えーっと…アドちゃ…」
アド「……」ポォォォ
サク(あ、このメールアドちゃんにも送られてる…)
アド「…ぁ…さ……サク…」
サク「アドちゃん」スッ
アド「ひゃいっ!」ビクゥッ
サク「この前病室で出来なかったこと…今、してもいい?」
アド「…ハ、ハイ…」ドキドキ
サク「…っ…」ドキドキ
アド「~~~っ…」ドキドキドキ
サク「好きだよ、アドちゃん」
ちゅっ
~数分後~
ニホ「あ、降りてきた。おーい!」
アド「……」モジモジ
サク「……」テレテレ
タイ「ふふっイイ顔イイ顔、お楽しみだったようで…」
サク「た、タイリクオオカミが変なこと吹き込むから…!」
サー「そんなことないよ!だってカラカルもそうだって言ってたもん!」
カラ「ちょ、こっちに矛先向けないでよ!」
キタ「…またやってるよ、サーバルとカラカル」
ブチ「まぁまぁ、せっかくイイ雰囲気なんだから邪魔しちゃダメでしょ?」
アド「うぅ…」カァァ
ナナ「さ、オジャマ虫はもう失礼しましょ?」
ミラ「そうですね。2人とも、ごゆっくり…」
サク「は、はい…」
アド「…サクヤさん」
サク「ん?」
アド「みなさんも行ってしまったことですし…その、帰りだけでも…て、…手を…」
ギュッ
サク「言ったでしょ?『キミの手を取る』って」
アド「…うふふ、そうでした」
サク「へ、変だったかな?」
アド「いいえ…私、とっても幸せです!」ニコッ
サク「僕もだよ、アドちゃん!」