雨の水と同じ温度の花のにおい どこから、と四ツ辻を見わたす かぐわしさに気づいてからその姿に会うまでの こころの浮遊
持っていてはいられないものを持って ひさかたぶり、檻から出された男が書いていた 「沈丁花の香りが懐かしかった」
気のふれた妻と、溺れたのは誰、 それでも還ってきたひとと 木々に触れるように 暮らしを取り戻した男が書いていた 「中庭の」
「沈丁花を見るたびに今年も生き延びたとおもう」
沈丁花 この漢字三文字 じんちょうげ 弦をじいんと鳴らすような響き ジンチョウゲ科のジンチョウゲ 薄紅の差した 四弁花の小さなあつまり かさなりあってここで心音になる
男たちの安堵はこういうかたちで 春の窓に首をもたげる その輪郭と出会うまでの かたくもやわらかなこころの浮遊
あらら!ナイトフライト、以前というのは今年1月のでしょうか? ありがとうございます! しかしほぼ第一作というのはすごい。 それでバイアスかかる自分もどうかしら、とおもうけど、 さすがにほぼ第一作でここまで書ける方は20年以上の詩人生活のなかで久々に見ました。 おっしゃっているように、「痒さ」という感覚でしか語れないものがあって、 それをうまく使っている部分が多い詩だとおもいます。 アレクサを後から追加したのであれば、最終がそこになるのも何かおもしろいですね。 もしご都合あえばまたナイトフライトにもお越しください(エントリーも!)
うーん。他人行儀! 「noteにあげる気力なかったからきくくちに投げた」みたいなこと言ってたんだからそこは気にしないでほしいというか、気にされると自分がどんなけマゾプレイやねん…というかんじです(余談)。
さておき、句読点、改行、別に考えなくてもいいんじゃないかしら。 そういう(たとえば散文詩とか定型詩とか)ものじゃなくてこの詩では たまたまそれが俎上にきただけだとおもうし、そういうのが書きたいなら別だけど。
choriさん
時間をつくって読んでいただきありがとうございます。
浮いてるとご指摘の箇所、自分でも読んでて恥ずかしくなっていました。 直せば直すほど「違うな」となってしまいます。 まずは句読点・改行の扱いについてもう少し考えつつ、新しいものを書いてみようと思います。
ありがとうございます。 以前のナイトフライトで楽しませていただいてその際に、ウズウズして書いたものです。
ほぼ第一作なので、書いていただけて嬉しいです。ありがとうございます。 痒さ、というところは痛さというには弱くて、で無視できないところがいいと思っています。
元々アレクサはあとから追加したので、おばあちゃんと対比というか、かち合ってしまっているようになってしまったのは意図していないところでした。
改めて、ありがとうございます。
投稿ありがとう。 拡げ過ぎずに収束がきれいだなとおもいます。 ビート板までの流れはすてきやねんけど、 くらげ、舟まで出すのはちょっと暗喩に暗喩を重ねすぎかも。 ここだけ全体のなかで浮いてるというか、 詩のにおいがちょっと違うかたちで立ち上がってる。 あと、句読点の使い方にちょいと引っ掛かり。 「ねているあいだに~」以降を書き置きとするなら 冒頭「わたしの~」は一行空けたほうがスマートかな。 (最終行に関してはこれで問題ないかと)
リライトしてみたいけどそれも微妙に良かれ悪しかれなんだよね…。
投稿ありがとう。 ショートストーリー的な構成なので、 オチがわからないとちょっと厳しいかもしれない。 という前提があり。 そこは読者を選んでもいいとはおもうけど。 気になった点がふたつ。 ひとつは、改行は最大の武器だとぼくはおもっているので、 この詩の内容でチェンジ・オブ・ペースを ただ字句にゆだねるのはもったいない気が。 ひとつは、「その件で解決策を授かるタイミング」 「縋りたい色が~」など、ちょっと表現が堅苦しさに寄っている(個人的意見)部分。 なんとなく「3分以内に詠める」ってかんじもおぼえたし、 もうすこし伸ばしてしまうのもありじゃないかしら?
投稿ありがとうございます。 1ヶ月以上も、たいへんお待たせしてごめんなさい! 行分け詩の余白と、 散文詩の勢いのいいところを それぞれ拾った作品だなとおもいます。 すこし走って、止まったところで景色を変える。 身もふたもない言い方をすれば 皮膚炎の一夜を綴ったものなのだけれど (ぼくは脂漏性皮膚炎に悩まされてます。余談) そのギアチェンジの節々のことばが強い。 「身体は線になる。」 「取れた皮膚は文字にのらない。」等。 アレクサのくだりも含め、 「痒さ」という感覚が話者と世界との 絶妙な距離感を暗示しているふうにおもいます。 個人的に気になったのは、そこで登場する 「おばあちゃん」で、これはアレクサとの対比としてナシじゃないけど、 いかにも唐突なので、もうすこし拡げてもよかったかもしれません。 おそらく存じ上げない方で、 特に批評感想へのリクエストがなかったのもあって、 ひとまず探り探りではありますが、 もし見てくださって反応いただけたら もうすこし切り込めるとおもいます。
すみません、目を離しているうちに投稿が溜まっていたので、この5作品にレスポンスするまでは新規投稿禁止とさせていただきます。
こんにちは。お久しぶりです。 明るい感じのに挑戦してみました。 いかがでしょうか。
こちらでははじめまして。 先日のポエトリー・ナイトフライトありがとうございました! リクエストは特にないのですが、読んでいただけると幸いです。
遅くなりました。 レスありがとうございます。実は春に仲間内のみの出し物で朗読しようとおもってます! 言われた点を意識してブラッシュアップします。
そこそこ時間がたったので、一度あげておきますね。
たいへんお待たせしてごめんなさい! ・心臓←→泳ぐ/脳←→鰓 ここは好みもあるとはおもうのですが、 「わたしの心臓は/泳げているか」がとても綺麗だな、と感じたので、 その動的なイメージのあとに鰓という静的なことばがくるのが すこしスピードとしての違和感があったかもしれません。 「鰓」というワードチョイスについて どれくらい必然性があるのかって話にもなってくるのかなあ。 ・炭酸飲料 「同じ動作の似た漢字~」については ぼく個人としてはなるべく避けたいところです。 そこは作風もあるので一概に言えませんが、 代替案があるならそちらのほうがいいかなと。 「嚥下」自体がどう、というわけではなく、 「炭酸飲料」との合わせ技で、何か固いかんじに、 作者のなかに入り切れていない連なりにおもいました。
・13万 「それでも~」で不十分ということはないのですが、 具体的にどういった仕事をしているという描写がなく (「塾名」でいちおう想像できますが弱い)3回使ってしまっているので、 キメというよりはリフレインとしての役割が強くなっているので、ここは難しいです。 なにかこう、クリシェ的な(音楽用語としての) ギミックが入れられると(それが「が」だったりですね) 景色が変わるようにおもいます。
今>> 3のレスを読みました! 格調高い!もったいない言葉です…。
小躍りしております(^▽^)
思っていたより数倍丁寧な詩評で泣いてます。 割と迷ったところが指摘されているので、「あ~~やっぱりそこが粗になりますよね…」 と思いつつ、自分だけだと何が問題か?というところに気づいてなかったのでありがたいです。
お言葉に甘えて いくつか質問します! >心臓⇔泳ぐ、脳⇔鰓 ここのセレクトについてはもう少しお話聞きたいです。 正直「夜」については元々単独で書き上げようと思っていた下地があったので、 さらっと書いちゃったところはあります。 イメージの座り心地の悪さ、みたいにとらえていいでしょうか? 指摘を受けて考えたんですが、 「脳が泳ぐ、心臓に鰓がある」の方が直感的にイメージしやすいなって思ったので。
>炭酸飲料が狙いすぎ 言われて気づきましたが、これ本当にそうですね!(笑) 朝の描写から情動に向かうまでのひと呼吸にすごく悩み、 嚥下、も国語辞書引っ張り出して悩んで出して言葉なので、 その試行錯誤が見えてしまってるのかも。 最もしっくりする言葉として「飲み込む」があり、 「飲み干す夕べ」とのバランスをとって「嚥下」にしたんですが、 同じ動作の似た漢字の組み合わせを別々の連に、特に強い意味が生じる場所ではないところで使ってしまうのってやっぱりあまりよくないんですかね…?
最後に、13万という額が万人に共感してもらえる低賃金ではない、 というところのフォローは「それでもしあわせなほうだと君はいう」だと不十分でしょうか?
好意に甘え切って三つも質問してしまいましたが、 ゆっくりとお待ちしておりますので、時間があるときにでもお答えいただければと思います!
詩人とこの詩をあらためて合評して「格調高い」という感想になってます。
投稿ありがとうございます! すこしおひさしぶりです◎ 結論からいうと、好み込み(共感白的な。笑)ですが、 とても姿の良い詩だとおもいます。 ざっくり3パート、ABCの流れで、 過剰なギミックを入れて欲張らない感じがいいな。 おっしゃっていた「13万」関連のくだりは、 この風景を軸にするならこのままでいいかと。 シャカイやカイシャ、塾というワードがあるので ここは財布が空っぽよりずっと(当たり前ですが)客観としての持ち重りがします。 その突き放された地点から話者や「君」、両者の距離などを想像する。 リズムの観点でも「だけど現実は~」と「それでも~」がバランスを取れているのでそこは問題ないかな。 ただ、日本でも単純に13万の生きやすさ生きづらさって そこそこ地域とか世代によってくるので、 それが欄外で匂わされているとより肉感的かなとおもいます。 あるいはだいたいの一般論的なプールに放り投げちゃうか。 このあたりのひらき方は難しいんですよね…。 繰り返される「」内は単体でもとてもよくて、 一種近代詩的な世界とのつきあいかた (内向的と内省的の違いみたいな話になって長くなるので措きます)としても、 ことばのうつくしさとして際立っている。 「よぞら~」のくだりでアイコニックなものから 一気に収束してゆくのも文脈としていいですね。 ただ、個人的には「わたしの心臓は/泳げているか/わたしの脳に/鰓はあるか」を もうすこし言い方を変えてもいいかもとおもいました。 具体的には「心臓」←→「泳」ぐ、「脳」←→「鰓」の組み合わせ含めたセレクト。 それから、「炭酸飲料」があえて言うには ちょっと狙いすぎ(敷衍しすぎ)におもうので、 そこは銘柄を出すなりしていいとおもいます。 「嚥下」も温度感が違うかも。 「情動」へつながる道として綺麗なんだけど、 やはり日常で使う言葉でない分、そこに意図を勝手読みしてしまうので、 「置きっぱなしのサイダー、飲み下して」 (もっとも飲み乾すのか一~数口飲むだけの嚥下なのかでここも重点が変わってきますね) みたいなのでもいいのかもとおもいました。 もっともこれは多分に好みの問題か…。 構造はいいかんじのオルタナティヴロック的な成立をしているとおもうのですが、 基本的には足し算でポイントを稼ぐタイプの詩なので、 たとえば小手先の技ではありますが、最終連だけ「きみ”が”言う」にすると 突然世界が裏からまくられるかんじになったり、 小さく撞いて大きく鳴らせる手の加えどころはあるようにもおもいます。
追加での疑問質問ご意見等あればどんどんください! 好きな詩ですのでいくらでもつきあいたいです!!
お久しぶりです。 何度か詩人狼に参加させていただいてた立川です。 詩人狼きっかけにいくつか趣味で詩を書いているので、せっかくだから見てもらおうと思いました。
気になるところは 「だけど現実は手取り13万、それでも幸せなほうだときみは言う。」 →この一文のリズムがちょうどいいかどうか 「現実」を抜かしてみたり、貰える、にしてみたり、「13万」を「13万円」いっそ「財布の中は空っぽ」にしてみたり、 「それでも」を「でも」「まだ」に変えてみたり 「きみ」を「君」「彼女」「あなた」などに変えてみたり 色々した結果この文にしてみましたが、どうでしょうか。
あと、この文をそもそも最後一回だけにした方がよかったか?も気になってます。
他にもアドバイスいただける部分があればよろしくお願いします。
朗読、めちゃくちゃ合いそうなのでいつか聴いてみたいです。 定型詩、短詩を主戦場としているひとがどういうふうにひらくのかはすごく個人差があっておもしろいです。 またのお越しをお待ちしてます!
投稿ありがとう。 視線と語韻のスライドのさせかたが巧いなとおもいました。 (ひとつ前に白川ユウコさんが投稿した「透明な注射器」ともすこし似ている) ただ、全体として、 ちょっと狙いすぎな部分(「夜間」等)と 勢いが一回り半している部分(「建前の~」等)が あるようにおもいます。 お題を消化する動きのなかで、詩の背骨がちょっとぐらついている。 たとえば「パズル」は冒頭ですでに 一般の絵面じゃなくクロスワードを示唆しているから、 その伝で押していっていいし、 3つお題があるなら「テーマ」「モチーフ」「ギミック」をはっきりわけると着地させやすいかな。 ひとつひとつの表現であったり、 イメージの接続はやはり独特のものが あるとおもうのですこしもったいない気がします。
そして、これはわがままだけど、 個人的には、テーマ由来じゃないものも読みたいな、とおもう。 どうしてかというと、 テーマが(特に複数以上)あると 詩の評価として「いかにそれを咀嚼したか」 という切り口が出てくるので、 それこそパズルじゃないけど、 詩作がゲーム的になるんだよね。 (そのこと自体は何も悪くない) りっちゃんが素で書く詩に興味があります。 いろいろ言ってごめん。 今後もたくさん読ませてね。
choriさま
丁寧に読んでくださり、ありがとうございます。ご好評いただけてうれしい! 現代詩、口語自由詩の読み、批評の方法、たいへん勉強になります。 (旧態依然、だけ異質だったとか、指摘されるまで無意識だったり!)
言葉の扱いについて、トリミングと圧縮の癖が、特に韻文体では出てしまうみたい。もっとのびのび書いてよいのかしら。
こちらへの投稿、これよりも長いボリュームOKなのですね。またお出しいたします!
投稿ありがとうございます。 意識的なのか無意識なのか、 七五のリズム感が親戚のように顔を出すのが 興味ぶかく読みました。 おもしろいな、とおもったのは 「無神経」「残酷」「不躾」はともかく、 「旧態依然」と接し痛みを負うという部分が 話者(≠作者)がある程度年齢を重ねた (すくなくとも20代以上)目線と読めることで、 ちょっと牽強付会ですがオッサンオバハンと 女の子男の子の中間地点とも取れます。 それとこの詩全体のまとう、 明るい夜より暗い昼に近いサブカル感を つなげて読むと孤独の持ち重りがまた変わってくる。 (「前にあった慣れてる」や「帰り道~」の採り方ですね) 技術的なところではリフレインのずらし、ぶらしがさすがという印象です。 指運びが自然なのにフックがある。 終盤登場する「警察官」は一種アイコニックな存在で 「おまえ」から「あなた」へ敷衍してゆく流れも、 収束の過不足のない言葉際もうつくしいなとおもいます。 ただ、第五連からが具体的な描写に 隠喩をかけていくかたちになるので そこまでのモノローグ的なパートとの 温度差というよりは速度差がすこし気になりました。 もう一、二連挟んでゆるやかにしてあげてもいいかもしれないです。
先日の村のプロローグで<月下美人> <パズル> <夢見がち>をテーマに作成したものです。
こんにちは。 口語自由詩を発表する場が欲しかったところにこちらのサイトが。うれしいです。 書き言葉の場合や、朗読の場合など、びしびしいろいろ教えてくださいまし。
はじめまして。 きくくち、今日拝見して、こちらの「必ず線になる」、ああ、同じ時代を生きている方だ、という感覚を一番強く持ちました。
私もぽつぽつ書いてみたくおもいます。 ご挨拶にかえて。
choriさん 感想や批評文を書いてくださりありがとうございます。投稿させてもらっていながら変な言い方かも知れませんが、そもそも詩をご覧いただけたことがとても嬉しいです。ありがとうございます!
ご指摘いただいた箇所、とても勉強になりました。おっしゃる通りです。 個人的には、時勢にこの詩を間に合わせたいという感覚が強く、それにより文意が奥にいっているところもあると思います。まだまだ詩をより良くすることが出来ると知らせていただけて嬉しいです。 三連についても、具体化したり他の材料を探せる余地があると学ばせてもらいました。
「辛いねって〜」「辛いよって〜」の箇所はこちらもおっしゃる通りで、のちに続く「〜し合いたい」という双方向性や対話的要素の大切さを強く伝えるためにはご指摘の順番の方がより良いと感じました。 批評だけではなく、お気持ちとしての好意や肯定的な言葉までかけてくださってありがとうございます。
choriさんのご活躍ぶりはいつも拝見しています。浮かむ瀬さんの「静脈」と「1219」が特に好きで何回も何回も聴かせていただいています。過去のポエトリースラムジャパンの時のパフォーマンスも素晴らしく、とても勉強させていただいています。余談が多くすみません。 いつもありがとうございます。
投稿ありがとう。ご無沙汰です! 勢いがあって、要所のセンスのいい畳みかけも含め、個人的に好きな詩です。 気になる点をいくつか。 まず、冒頭二行のように 熱量の裏返しかすこし言い回しがごちゃついて 文意が奥に行っちゃっている部分。 たとえば「死に合っていっている様な時代」は 「死に合う様な時代」や「死に合ってゆく時代」 などとすると切れ味が増すのではないかしら。 これは第二連にも近いことが言えるけど、 こちらは言い回しというより書き方かなあ。 説明的な要素をシュッとさせるとよいかもです。 第三連はこの詩の白眉。 いちばんうつくしいところだなとおもう。 ただ「恨むこともやめた若者」が 話者が語りかける対象としてやや薄味な描かれ方で、 欲を言えば「衣服」を具体的にとか、「参考書」以外には何かなかったかななどと。 「辛いねって~」「辛いよって~」は初読時には違和感があって (逆のほうが吐露→共感という流れとして綺麗)、 特に「言い合いたい」部分があるので引っかかるんだけど、好みかな…という気もします。 鬱屈や焦燥をセカイ系的に放出する詩はいっぱいあるけど こういうプロレタリアな匂いのあるものは今の若手が書くものとして希少だし これくらいの尺で全体の疾走感を雑にせず着地させるのも簡単なことじゃなく、 さすがやなとおもいました。 朗読でも聴いてみたい。
そっちのほうが味がいいよね。>そのあとのこと それならひらがな表記でもいいようには。 「独り、」なるほど。 想像するしかできないんだけど、 体感として「独り、」(のときもある?)なんだな、っておもった。 世界が自分のなかにいるかんじって、どんな気分なんだろうってすごく興味津々。
「そのあとのこと」で読んでました。 タイトルですが、漢字2文字でしっくり来るのがなくて、「独り、」とか良いのではと思っています。登場人物が1人しかいないと言うのと、下記の様に文章の最初に「独り、」を付けても成り立つのが多いので面白いかなと(本文は付けないままが正です)。これは字面よりは声に出して読んだ方がしっくり来るのですが。
独り、息子の為に絵本を選んでいる 独り、息子の為に何かしたいと思う自分の為に絵本を選んでいる 〜 独り、当たり前を生きているはずなのに 独り、狂ってしまった後のことばかりが浮かんで 独り、たちくらみ 〜
コメントありがとうございます!
たしかに朗読向きの詩かもしれません。しばらく朗読続きだったので、そのモードでリズムに乗りながら書いていた気がします。「抱えきれない憎しみ」も「唇を抱いたひろい夜」のためにあったんですけど、その考えが朗読ぽいですね。
印象的なことばや台詞回しをクドカン的にくどいほど選んで使ってしまったきらいはあります。笑 神さま〜のくだりなんて、いま言わせてくれないか!って感じです。
いれば は詩の切断を望みました。笑
ブラッシュアップしてみます!!
なるほど。「たちくらみ」はいいチョイスかも。 そういえば「そのごのこと」なのか「そのあとのこと」かでも なんとなくうっすら印象は変わってくるよね。 わりと(いい意味でも)固い詩なので 漢字ふた文字とかのタイトルでも違和感はなさそう。
投稿ありがとう。 個人的に好きは好きなんだけど、 わりと極端に朗読向きの詩かなあ。 印象的なことばが多いわりに 脈絡のなかで上手に機能しきれていない部分があるから、 そこを詠み方なり間なりで埋めるイメージ。 「抱えきれない憎しみ」や 「許せない!」っていうのも 流れで読むとリアリティというか、 現実感が薄くおもえてしまう。 「神さま」なんかも便利ワードだけに、 そこから収束させるのは逆に難しいかも、 あと「いれば」がどうにもニートしてるというか…。 単純に早投げしたのだとしたらもったいない。 とはいえ空気の詩だとおもうので、 方向性としては間違ってないように感じます。 ひとつひとつのことばの重みを活かすか、 流れのなかで仕事させるか、 もしテキストとしてブラッシュアップするなら そのどっちかかな、と。
コメントありがとうございます。 「その後のこと」というのは、自分の為に行なっている行為(絵本選びにしろ、乳児遺棄にしろ)のその後の周りへの影響まで考えているのかい、という共通項を持たせたくて書いていました。 ただ確かに言葉自体は弱いので、ブラッシュアップします。(収まりが悪いので前後含めて書きます)
*** 狂ってしまった後のことばかりが浮かんで たちくらみ 今日も新聞の中のコインロッカーで乳児の死体が見つかる ***
目の前が真っ暗になる感じで語感は気に入っているのですが、新しいタイトルがまだ浮かんでません。
ああ、お題消化か…。なるほど。 ドブネズミは中世とかブルーハーツとか これまたいろんなイメージと紐つくからなあ。 馬馬虎虎! リライト、収束は段違いに綺麗になった気がする。 それでも「ヤクルト」「お茶(の間)」とか もはや意識か無意識かわからない部分でかぶせてくる病だよね。 なんかこう、両手で武器を3つ以上持てないから常に1つ以上は空中にあるんだけど それをこそどう見せるか、みたいなところが肝なのかな、とおもったりした。
あ、人狼。マジか。 ちなみに詩人狼村という企画を主宰してるんだけど、 文月悠光さんをゲストに招いたりけっこうガチで活動してるよー。 あ、香りがしてる~からの イメージの織り方はすごく自然でいいとおもう。 その自然さをメモや日記の(一種の)平坦さに しないようなギミックが何ヶ所かあると いい意味で気負わなさが映えるかなって。 急がないので、リライトたのしみにしてます!
リライトしたら今度は話者の視点が複眼になってしまった。 真っ直ぐ書けない病です。
《尾羽毛》
深海魚みたいな顔だったら 今でも普通に食べてると思うんだよね 天然イクラの隣、小さな小さなパック 平台を挟んだ飲料売り場に ホークス優勝記念の売れ残り 一九九三年、ダイエーはパリーグ最下位 ヤクルトスワローズが優勝したその年 お茶の間の主役は燕ではなく一羽の傷ついた鴨 突き刺さった矢は手術で摘出された あの矢ガモ、可愛くなかったら安楽死だったね 「おばけ」と書かれた赤いラベル 一社会人の良識として 可愛げを持てとは言わないが もう少し愛想良くしろ 耳に残るは総務課長のご指導 丁寧に包帯を巻かれる鳥かごの中の鴨 深海魚の顔をした私 小さな小さなパックに アルバイトらしい若者が 三割引きシールを貼って行く
批評ありがとうございます。
鳥類周りはお題消化で私にとっては必須だったのですが、作品として見た時に生物モチーフ群が多すぎる感はありますね。 矢ガモと鯨は私のなかでセットですがドブネズミは蛇足だったかもしれません。 (蛇足、でさらに生き物を増やす)
ちょっとリライトしてみます。
思わぬところ、というのはわたしにとって「思わぬ」だっただけですー。 たぶん人狼つながりなのだと思います。 びっくりさせたりこわがらせたり、ごめんなさい(笑)
留まっている、は、「とどまっている」と読んでいたので たしかに、ひっそりととどまっている、で横三発、そして縦にも連発 ことばのくどさは意識するようになったのですが 表現の置き方までは気が回っていなかったです。意識してみます。
金木犀の香りだけが楽しみな理由は、自分でもまだ疑問なところです(笑) 以前は、何らかの作品に仕立てなくては!という意識が強すぎて、せっかくの素材にも変に手を入れようとするところがあったと思うので、今回は
あ、香りがしてる、花が咲いたんやなー 「私ってなぜか毎年これを楽しみにしてるよなぁ、なんでやろか」 そういえば、生家や小学校に…… と思いながら金木犀を見上げようとしたらセミの脱け殻を見つけた
を、そのまま書くようにしてみようという試みでした。
でもたしかにここを奥行き出したら、面白くなりそう。 ちょっとやってみます。
雨の水と同じ温度の花のにおい
どこから、と四ツ辻を見わたす
かぐわしさに気づいてからその姿に会うまでの
こころの浮遊
持っていてはいられないものを持って
ひさかたぶり、檻から出された男が書いていた
「沈丁花の香りが懐かしかった」
気のふれた妻と、溺れたのは誰、
それでも還ってきたひとと
木々に触れるように
暮らしを取り戻した男が書いていた
「中庭の」
「沈丁花を見るたびに今年も生き延びたとおもう」
沈丁花
この漢字三文字
じんちょうげ
弦をじいんと鳴らすような響き
ジンチョウゲ科のジンチョウゲ
薄紅の差した
四弁花の小さなあつまり
かさなりあってここで心音になる
男たちの安堵はこういうかたちで
春の窓に首をもたげる
その輪郭と出会うまでの
かたくもやわらかなこころの浮遊
あらら!ナイトフライト、以前というのは今年1月のでしょうか?
ありがとうございます!
しかしほぼ第一作というのはすごい。
それでバイアスかかる自分もどうかしら、とおもうけど、
さすがにほぼ第一作でここまで書ける方は20年以上の詩人生活のなかで久々に見ました。
おっしゃっているように、「痒さ」という感覚でしか語れないものがあって、
それをうまく使っている部分が多い詩だとおもいます。
アレクサを後から追加したのであれば、最終がそこになるのも何かおもしろいですね。
もしご都合あえばまたナイトフライトにもお越しください(エントリーも!)
うーん。他人行儀!
「noteにあげる気力なかったからきくくちに投げた」みたいなこと言ってたんだからそこは気にしないでほしいというか、気にされると自分がどんなけマゾプレイやねん…というかんじです(余談)。
さておき、句読点、改行、別に考えなくてもいいんじゃないかしら。
そういう(たとえば散文詩とか定型詩とか)ものじゃなくてこの詩では
たまたまそれが俎上にきただけだとおもうし、そういうのが書きたいなら別だけど。
choriさん
時間をつくって読んでいただきありがとうございます。
浮いてるとご指摘の箇所、自分でも読んでて恥ずかしくなっていました。
直せば直すほど「違うな」となってしまいます。
まずは句読点・改行の扱いについてもう少し考えつつ、新しいものを書いてみようと思います。
ありがとうございます。
以前のナイトフライトで楽しませていただいてその際に、ウズウズして書いたものです。
ほぼ第一作なので、書いていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
痒さ、というところは痛さというには弱くて、で無視できないところがいいと思っています。
元々アレクサはあとから追加したので、おばあちゃんと対比というか、かち合ってしまっているようになってしまったのは意図していないところでした。
改めて、ありがとうございます。
投稿ありがとう。
拡げ過ぎずに収束がきれいだなとおもいます。
ビート板までの流れはすてきやねんけど、
くらげ、舟まで出すのはちょっと暗喩に暗喩を重ねすぎかも。
ここだけ全体のなかで浮いてるというか、
詩のにおいがちょっと違うかたちで立ち上がってる。
あと、句読点の使い方にちょいと引っ掛かり。
「ねているあいだに~」以降を書き置きとするなら
冒頭「わたしの~」は一行空けたほうがスマートかな。
(最終行に関してはこれで問題ないかと)
リライトしてみたいけどそれも微妙に良かれ悪しかれなんだよね…。
投稿ありがとう。
ショートストーリー的な構成なので、
オチがわからないとちょっと厳しいかもしれない。
という前提があり。
そこは読者を選んでもいいとはおもうけど。
気になった点がふたつ。
ひとつは、改行は最大の武器だとぼくはおもっているので、
この詩の内容でチェンジ・オブ・ペースを
ただ字句にゆだねるのはもったいない気が。
ひとつは、「その件で解決策を授かるタイミング」
「縋りたい色が~」など、ちょっと表現が堅苦しさに寄っている(個人的意見)部分。
なんとなく「3分以内に詠める」ってかんじもおぼえたし、
もうすこし伸ばしてしまうのもありじゃないかしら?
投稿ありがとうございます。
1ヶ月以上も、たいへんお待たせしてごめんなさい!
行分け詩の余白と、
散文詩の勢いのいいところを
それぞれ拾った作品だなとおもいます。
すこし走って、止まったところで景色を変える。
身もふたもない言い方をすれば
皮膚炎の一夜を綴ったものなのだけれど
(ぼくは脂漏性皮膚炎に悩まされてます。余談)
そのギアチェンジの節々のことばが強い。
「身体は線になる。」
「取れた皮膚は文字にのらない。」等。
アレクサのくだりも含め、
「痒さ」という感覚が話者と世界との
絶妙な距離感を暗示しているふうにおもいます。
個人的に気になったのは、そこで登場する
「おばあちゃん」で、これはアレクサとの対比としてナシじゃないけど、
いかにも唐突なので、もうすこし拡げてもよかったかもしれません。
おそらく存じ上げない方で、
特に批評感想へのリクエストがなかったのもあって、
ひとまず探り探りではありますが、
もし見てくださって反応いただけたら
もうすこし切り込めるとおもいます。
すみません、目を離しているうちに投稿が溜まっていたので、この5作品にレスポンスするまでは新規投稿禁止とさせていただきます。
こんにちは。お久しぶりです。
明るい感じのに挑戦してみました。
いかがでしょうか。
こちらでははじめまして。
先日のポエトリー・ナイトフライトありがとうございました!
リクエストは特にないのですが、読んでいただけると幸いです。
遅くなりました。
レスありがとうございます。実は春に仲間内のみの出し物で朗読しようとおもってます!
言われた点を意識してブラッシュアップします。
そこそこ時間がたったので、一度あげておきますね。
たいへんお待たせしてごめんなさい!
・心臓←→泳ぐ/脳←→鰓
ここは好みもあるとはおもうのですが、
「わたしの心臓は/泳げているか」がとても綺麗だな、と感じたので、
その動的なイメージのあとに鰓という静的なことばがくるのが
すこしスピードとしての違和感があったかもしれません。
「鰓」というワードチョイスについて
どれくらい必然性があるのかって話にもなってくるのかなあ。
・炭酸飲料
「同じ動作の似た漢字~」については
ぼく個人としてはなるべく避けたいところです。
そこは作風もあるので一概に言えませんが、
代替案があるならそちらのほうがいいかなと。
「嚥下」自体がどう、というわけではなく、
「炭酸飲料」との合わせ技で、何か固いかんじに、
作者のなかに入り切れていない連なりにおもいました。
・13万
「それでも~」で不十分ということはないのですが、
具体的にどういった仕事をしているという描写がなく
(「塾名」でいちおう想像できますが弱い)3回使ってしまっているので、
キメというよりはリフレインとしての役割が強くなっているので、ここは難しいです。
なにかこう、クリシェ的な(音楽用語としての)
ギミックが入れられると(それが「が」だったりですね)
景色が変わるようにおもいます。
今>> 3のレスを読みました!
格調高い!もったいない言葉です…。
小躍りしております(^▽^)
思っていたより数倍丁寧な詩評で泣いてます。
割と迷ったところが指摘されているので、「あ~~やっぱりそこが粗になりますよね…」
と思いつつ、自分だけだと何が問題か?というところに気づいてなかったのでありがたいです。
お言葉に甘えて
いくつか質問します!
>心臓⇔泳ぐ、脳⇔鰓
ここのセレクトについてはもう少しお話聞きたいです。
正直「夜」については元々単独で書き上げようと思っていた下地があったので、
さらっと書いちゃったところはあります。
イメージの座り心地の悪さ、みたいにとらえていいでしょうか?
指摘を受けて考えたんですが、
「脳が泳ぐ、心臓に鰓がある」の方が直感的にイメージしやすいなって思ったので。
>炭酸飲料が狙いすぎ
言われて気づきましたが、これ本当にそうですね!(笑)
朝の描写から情動に向かうまでのひと呼吸にすごく悩み、
嚥下、も国語辞書引っ張り出して悩んで出して言葉なので、
その試行錯誤が見えてしまってるのかも。
最もしっくりする言葉として「飲み込む」があり、
「飲み干す夕べ」とのバランスをとって「嚥下」にしたんですが、
同じ動作の似た漢字の組み合わせを別々の連に、特に強い意味が生じる場所ではないところで使ってしまうのってやっぱりあまりよくないんですかね…?
最後に、13万という額が万人に共感してもらえる低賃金ではない、
というところのフォローは「それでもしあわせなほうだと君はいう」だと不十分でしょうか?
好意に甘え切って三つも質問してしまいましたが、
ゆっくりとお待ちしておりますので、時間があるときにでもお答えいただければと思います!
詩人とこの詩をあらためて合評して「格調高い」という感想になってます。
投稿ありがとうございます!
すこしおひさしぶりです◎
結論からいうと、好み込み(共感白的な。笑)ですが、
とても姿の良い詩だとおもいます。
ざっくり3パート、ABCの流れで、
過剰なギミックを入れて欲張らない感じがいいな。
おっしゃっていた「13万」関連のくだりは、
この風景を軸にするならこのままでいいかと。
シャカイやカイシャ、塾というワードがあるので
ここは財布が空っぽよりずっと(当たり前ですが)客観としての持ち重りがします。
その突き放された地点から話者や「君」、両者の距離などを想像する。
リズムの観点でも「だけど現実は~」と「それでも~」がバランスを取れているのでそこは問題ないかな。
ただ、日本でも単純に13万の生きやすさ生きづらさって
そこそこ地域とか世代によってくるので、
それが欄外で匂わされているとより肉感的かなとおもいます。
あるいはだいたいの一般論的なプールに放り投げちゃうか。
このあたりのひらき方は難しいんですよね…。
繰り返される「」内は単体でもとてもよくて、
一種近代詩的な世界とのつきあいかた
(内向的と内省的の違いみたいな話になって長くなるので措きます)としても、
ことばのうつくしさとして際立っている。
「よぞら~」のくだりでアイコニックなものから
一気に収束してゆくのも文脈としていいですね。
ただ、個人的には「わたしの心臓は/泳げているか/わたしの脳に/鰓はあるか」を
もうすこし言い方を変えてもいいかもとおもいました。
具体的には「心臓」←→「泳」ぐ、「脳」←→「鰓」の組み合わせ含めたセレクト。
それから、「炭酸飲料」があえて言うには
ちょっと狙いすぎ(敷衍しすぎ)におもうので、
そこは銘柄を出すなりしていいとおもいます。
「嚥下」も温度感が違うかも。
「情動」へつながる道として綺麗なんだけど、
やはり日常で使う言葉でない分、そこに意図を勝手読みしてしまうので、
「置きっぱなしのサイダー、飲み下して」
(もっとも飲み乾すのか一~数口飲むだけの嚥下なのかでここも重点が変わってきますね)
みたいなのでもいいのかもとおもいました。
もっともこれは多分に好みの問題か…。
構造はいいかんじのオルタナティヴロック的な成立をしているとおもうのですが、
基本的には足し算でポイントを稼ぐタイプの詩なので、
たとえば小手先の技ではありますが、最終連だけ「きみ”が”言う」にすると
突然世界が裏からまくられるかんじになったり、
小さく撞いて大きく鳴らせる手の加えどころはあるようにもおもいます。
追加での疑問質問ご意見等あればどんどんください!
好きな詩ですのでいくらでもつきあいたいです!!
お久しぶりです。
何度か詩人狼に参加させていただいてた立川です。
詩人狼きっかけにいくつか趣味で詩を書いているので、せっかくだから見てもらおうと思いました。
気になるところは
「だけど現実は手取り13万、それでも幸せなほうだときみは言う。」
→この一文のリズムがちょうどいいかどうか
「現実」を抜かしてみたり、貰える、にしてみたり、「13万」を「13万円」いっそ「財布の中は空っぽ」にしてみたり、
「それでも」を「でも」「まだ」に変えてみたり
「きみ」を「君」「彼女」「あなた」などに変えてみたり
色々した結果この文にしてみましたが、どうでしょうか。
あと、この文をそもそも最後一回だけにした方がよかったか?も気になってます。
他にもアドバイスいただける部分があればよろしくお願いします。
朗読、めちゃくちゃ合いそうなのでいつか聴いてみたいです。
定型詩、短詩を主戦場としているひとがどういうふうにひらくのかはすごく個人差があっておもしろいです。
またのお越しをお待ちしてます!
投稿ありがとう。
視線と語韻のスライドのさせかたが巧いなとおもいました。
(ひとつ前に白川ユウコさんが投稿した「透明な注射器」ともすこし似ている)
ただ、全体として、
ちょっと狙いすぎな部分(「夜間」等)と
勢いが一回り半している部分(「建前の~」等)が
あるようにおもいます。
お題を消化する動きのなかで、詩の背骨がちょっとぐらついている。
たとえば「パズル」は冒頭ですでに
一般の絵面じゃなくクロスワードを示唆しているから、
その伝で押していっていいし、
3つお題があるなら「テーマ」「モチーフ」「ギミック」をはっきりわけると着地させやすいかな。
ひとつひとつの表現であったり、
イメージの接続はやはり独特のものが
あるとおもうのですこしもったいない気がします。
そして、これはわがままだけど、
個人的には、テーマ由来じゃないものも読みたいな、とおもう。
どうしてかというと、
テーマが(特に複数以上)あると
詩の評価として「いかにそれを咀嚼したか」
という切り口が出てくるので、
それこそパズルじゃないけど、
詩作がゲーム的になるんだよね。
(そのこと自体は何も悪くない)
りっちゃんが素で書く詩に興味があります。
いろいろ言ってごめん。
今後もたくさん読ませてね。
choriさま
丁寧に読んでくださり、ありがとうございます。ご好評いただけてうれしい!
現代詩、口語自由詩の読み、批評の方法、たいへん勉強になります。
(旧態依然、だけ異質だったとか、指摘されるまで無意識だったり!)
言葉の扱いについて、トリミングと圧縮の癖が、特に韻文体では出てしまうみたい。もっとのびのび書いてよいのかしら。
こちらへの投稿、これよりも長いボリュームOKなのですね。またお出しいたします!
投稿ありがとうございます。
意識的なのか無意識なのか、
七五のリズム感が親戚のように顔を出すのが
興味ぶかく読みました。
おもしろいな、とおもったのは
「無神経」「残酷」「不躾」はともかく、
「旧態依然」と接し痛みを負うという部分が
話者(≠作者)がある程度年齢を重ねた
(すくなくとも20代以上)目線と読めることで、
ちょっと牽強付会ですがオッサンオバハンと
女の子男の子の中間地点とも取れます。
それとこの詩全体のまとう、
明るい夜より暗い昼に近いサブカル感を
つなげて読むと孤独の持ち重りがまた変わってくる。
(「前にあった慣れてる」や「帰り道~」の採り方ですね)
技術的なところではリフレインのずらし、ぶらしがさすがという印象です。
指運びが自然なのにフックがある。
終盤登場する「警察官」は一種アイコニックな存在で
「おまえ」から「あなた」へ敷衍してゆく流れも、
収束の過不足のない言葉際もうつくしいなとおもいます。
ただ、第五連からが具体的な描写に
隠喩をかけていくかたちになるので
そこまでのモノローグ的なパートとの
温度差というよりは速度差がすこし気になりました。
もう一、二連挟んでゆるやかにしてあげてもいいかもしれないです。
先日の村のプロローグで<月下美人> <パズル> <夢見がち>をテーマに作成したものです。
こんにちは。
口語自由詩を発表する場が欲しかったところにこちらのサイトが。うれしいです。
書き言葉の場合や、朗読の場合など、びしびしいろいろ教えてくださいまし。
はじめまして。
きくくち、今日拝見して、こちらの「必ず線になる」、ああ、同じ時代を生きている方だ、という感覚を一番強く持ちました。
私もぽつぽつ書いてみたくおもいます。
ご挨拶にかえて。
choriさん
感想や批評文を書いてくださりありがとうございます。投稿させてもらっていながら変な言い方かも知れませんが、そもそも詩をご覧いただけたことがとても嬉しいです。ありがとうございます!
ご指摘いただいた箇所、とても勉強になりました。おっしゃる通りです。
個人的には、時勢にこの詩を間に合わせたいという感覚が強く、それにより文意が奥にいっているところもあると思います。まだまだ詩をより良くすることが出来ると知らせていただけて嬉しいです。
三連についても、具体化したり他の材料を探せる余地があると学ばせてもらいました。
「辛いねって〜」「辛いよって〜」の箇所はこちらもおっしゃる通りで、のちに続く「〜し合いたい」という双方向性や対話的要素の大切さを強く伝えるためにはご指摘の順番の方がより良いと感じました。
批評だけではなく、お気持ちとしての好意や肯定的な言葉までかけてくださってありがとうございます。
choriさんのご活躍ぶりはいつも拝見しています。浮かむ瀬さんの「静脈」と「1219」が特に好きで何回も何回も聴かせていただいています。過去のポエトリースラムジャパンの時のパフォーマンスも素晴らしく、とても勉強させていただいています。余談が多くすみません。
いつもありがとうございます。
投稿ありがとう。ご無沙汰です!
勢いがあって、要所のセンスのいい畳みかけも含め、個人的に好きな詩です。
気になる点をいくつか。
まず、冒頭二行のように
熱量の裏返しかすこし言い回しがごちゃついて
文意が奥に行っちゃっている部分。
たとえば「死に合っていっている様な時代」は
「死に合う様な時代」や「死に合ってゆく時代」
などとすると切れ味が増すのではないかしら。
これは第二連にも近いことが言えるけど、
こちらは言い回しというより書き方かなあ。
説明的な要素をシュッとさせるとよいかもです。
第三連はこの詩の白眉。
いちばんうつくしいところだなとおもう。
ただ「恨むこともやめた若者」が
話者が語りかける対象としてやや薄味な描かれ方で、
欲を言えば「衣服」を具体的にとか、「参考書」以外には何かなかったかななどと。
「辛いねって~」「辛いよって~」は初読時には違和感があって
(逆のほうが吐露→共感という流れとして綺麗)、
特に「言い合いたい」部分があるので引っかかるんだけど、好みかな…という気もします。
鬱屈や焦燥をセカイ系的に放出する詩はいっぱいあるけど
こういうプロレタリアな匂いのあるものは今の若手が書くものとして希少だし
これくらいの尺で全体の疾走感を雑にせず着地させるのも簡単なことじゃなく、
さすがやなとおもいました。
朗読でも聴いてみたい。
そっちのほうが味がいいよね。>そのあとのこと
それならひらがな表記でもいいようには。
「独り、」なるほど。
想像するしかできないんだけど、
体感として「独り、」(のときもある?)なんだな、っておもった。
世界が自分のなかにいるかんじって、どんな気分なんだろうってすごく興味津々。
「そのあとのこと」で読んでました。
タイトルですが、漢字2文字でしっくり来るのがなくて、「独り、」とか良いのではと思っています。登場人物が1人しかいないと言うのと、下記の様に文章の最初に「独り、」を付けても成り立つのが多いので面白いかなと(本文は付けないままが正です)。これは字面よりは声に出して読んだ方がしっくり来るのですが。
独り、息子の為に絵本を選んでいる
独り、息子の為に何かしたいと思う自分の為に絵本を選んでいる
〜
独り、当たり前を生きているはずなのに
独り、狂ってしまった後のことばかりが浮かんで
独り、たちくらみ
〜
コメントありがとうございます!
たしかに朗読向きの詩かもしれません。しばらく朗読続きだったので、そのモードでリズムに乗りながら書いていた気がします。「抱えきれない憎しみ」も「唇を抱いたひろい夜」のためにあったんですけど、その考えが朗読ぽいですね。
印象的なことばや台詞回しをクドカン的にくどいほど選んで使ってしまったきらいはあります。笑 神さま〜のくだりなんて、いま言わせてくれないか!って感じです。
いれば は詩の切断を望みました。笑
ブラッシュアップしてみます!!
なるほど。「たちくらみ」はいいチョイスかも。
そういえば「そのごのこと」なのか「そのあとのこと」かでも
なんとなくうっすら印象は変わってくるよね。
わりと(いい意味でも)固い詩なので
漢字ふた文字とかのタイトルでも違和感はなさそう。
投稿ありがとう。
個人的に好きは好きなんだけど、
わりと極端に朗読向きの詩かなあ。
印象的なことばが多いわりに
脈絡のなかで上手に機能しきれていない部分があるから、
そこを詠み方なり間なりで埋めるイメージ。
「抱えきれない憎しみ」や
「許せない!」っていうのも
流れで読むとリアリティというか、
現実感が薄くおもえてしまう。
「神さま」なんかも便利ワードだけに、
そこから収束させるのは逆に難しいかも、
あと「いれば」がどうにもニートしてるというか…。
単純に早投げしたのだとしたらもったいない。
とはいえ空気の詩だとおもうので、
方向性としては間違ってないように感じます。
ひとつひとつのことばの重みを活かすか、
流れのなかで仕事させるか、
もしテキストとしてブラッシュアップするなら
そのどっちかかな、と。
コメントありがとうございます。
「その後のこと」というのは、自分の為に行なっている行為(絵本選びにしろ、乳児遺棄にしろ)のその後の周りへの影響まで考えているのかい、という共通項を持たせたくて書いていました。
ただ確かに言葉自体は弱いので、ブラッシュアップします。(収まりが悪いので前後含めて書きます)
***
狂ってしまった後のことばかりが浮かんで
たちくらみ
今日も新聞の中のコインロッカーで乳児の死体が見つかる
***
目の前が真っ暗になる感じで語感は気に入っているのですが、新しいタイトルがまだ浮かんでません。
ああ、お題消化か…。なるほど。
ドブネズミは中世とかブルーハーツとか
これまたいろんなイメージと紐つくからなあ。
馬馬虎虎!
リライト、収束は段違いに綺麗になった気がする。
それでも「ヤクルト」「お茶(の間)」とか
もはや意識か無意識かわからない部分でかぶせてくる病だよね。
なんかこう、両手で武器を3つ以上持てないから常に1つ以上は空中にあるんだけど
それをこそどう見せるか、みたいなところが肝なのかな、とおもったりした。
あ、人狼。マジか。
ちなみに詩人狼村という企画を主宰してるんだけど、
文月悠光さんをゲストに招いたりけっこうガチで活動してるよー。
あ、香りがしてる~からの
イメージの織り方はすごく自然でいいとおもう。
その自然さをメモや日記の(一種の)平坦さに
しないようなギミックが何ヶ所かあると
いい意味で気負わなさが映えるかなって。
急がないので、リライトたのしみにしてます!
リライトしたら今度は話者の視点が複眼になってしまった。
真っ直ぐ書けない病です。
《尾羽毛》
深海魚みたいな顔だったら
今でも普通に食べてると思うんだよね
天然イクラの隣、小さな小さなパック
平台を挟んだ飲料売り場に
ホークス優勝記念の売れ残り
一九九三年、ダイエーはパリーグ最下位
ヤクルトスワローズが優勝したその年
お茶の間の主役は燕ではなく一羽の傷ついた鴨
突き刺さった矢は手術で摘出された
あの矢ガモ、可愛くなかったら安楽死だったね
「おばけ」と書かれた赤いラベル
一社会人の良識として
可愛げを持てとは言わないが
もう少し愛想良くしろ
耳に残るは総務課長のご指導
丁寧に包帯を巻かれる鳥かごの中の鴨
深海魚の顔をした私
小さな小さなパックに
アルバイトらしい若者が
三割引きシールを貼って行く
批評ありがとうございます。
鳥類周りはお題消化で私にとっては必須だったのですが、作品として見た時に生物モチーフ群が多すぎる感はありますね。
矢ガモと鯨は私のなかでセットですがドブネズミは蛇足だったかもしれません。
(蛇足、でさらに生き物を増やす)
ちょっとリライトしてみます。
思わぬところ、というのはわたしにとって「思わぬ」だっただけですー。
たぶん人狼つながりなのだと思います。
びっくりさせたりこわがらせたり、ごめんなさい(笑)
留まっている、は、「とどまっている」と読んでいたので
たしかに、ひっそりととどまっている、で横三発、そして縦にも連発
ことばのくどさは意識するようになったのですが
表現の置き方までは気が回っていなかったです。意識してみます。
金木犀の香りだけが楽しみな理由は、自分でもまだ疑問なところです(笑)
以前は、何らかの作品に仕立てなくては!という意識が強すぎて、せっかくの素材にも変に手を入れようとするところがあったと思うので、今回は
あ、香りがしてる、花が咲いたんやなー
「私ってなぜか毎年これを楽しみにしてるよなぁ、なんでやろか」
そういえば、生家や小学校に……
と思いながら金木犀を見上げようとしたらセミの脱け殻を見つけた
を、そのまま書くようにしてみようという試みでした。
でもたしかにここを奥行き出したら、面白くなりそう。
ちょっとやってみます。