きくくち

必ず線になる / 1

3 コメント
views
0 フォロー
1

投稿ありがとう。ご無沙汰です!
 
勢いがあって、要所のセンスのいい畳みかけも含め、個人的に好きな詩です。
 
気になる点をいくつか。
 
まず、冒頭二行のように
熱量の裏返しかすこし言い回しがごちゃついて
文意が奥に行っちゃっている部分。
 
たとえば「死に合っていっている様な時代」は
「死に合う様な時代」や「死に合ってゆく時代」
などとすると切れ味が増すのではないかしら。
 
これは第二連にも近いことが言えるけど、
こちらは言い回しというより書き方かなあ。
説明的な要素をシュッとさせるとよいかもです。
 
第三連はこの詩の白眉。
いちばんうつくしいところだなとおもう。
ただ「恨むこともやめた若者」が
話者が語りかける対象としてやや薄味な描かれ方で、
欲を言えば「衣服」を具体的にとか、「参考書」以外には何かなかったかななどと。
 
「辛いねって~」「辛いよって~」は初読時には違和感があって
(逆のほうが吐露→共感という流れとして綺麗)、
特に「言い合いたい」部分があるので引っかかるんだけど、好みかな…という気もします。
 
鬱屈や焦燥をセカイ系的に放出する詩はいっぱいあるけど
こういうプロレタリアな匂いのあるものは今の若手が書くものとして希少だし
これくらいの尺で全体の疾走感を雑にせず着地させるのも簡単なことじゃなく、
さすがやなとおもいました。
朗読でも聴いてみたい。

通報 ...