きくくち

sɔːlt

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わたしのおはようがあなたのおはようじゃなかった
ねているあいだにおにぎりつくっておきました。
ごはんがあつすぎて、つよくにぎれませんでした。
きっと、ぼろ、ぼろ、ぼろ、と、こぼれてしまうはずです。
両手でそっと掴んで、もう一度握りなおしてください。

キッチンのホワイトボードにはそんな書き置きが残されていた
きみはちゃんと反省ができる
油性ペンは使わなかった
ぼくはちゃんと先のことを考える
触れなければ消えることはない

めざめたら、いつもシャワーを浴びる
きみが使い切ってから、シャンプーは切らしたまま
シャワーを浴びたあとは
きみが置いてったおにぎりを眺め、
すこしだけ触る

はじめての海でずっと
しがみついてくれたときのここちよい爪痕
ぼくはいつからビート板になったんだい

ああ、もう飛びこんでしまおう

ふと息を止めたとき
遂にくらげがやってくる
ぼくはひとりで舟に戻る
そんなつもりじゃなかった

たべなければ
乾ききってしまう前に

ぼろ、ぼろ、ぼろ、
全然たべれないじゃないか
諦めようとしたところでドアがあく

「ただいま」なのか「召し上がれ」なのか
そんなことはいまはどっちでもいい
「わたしのおはようがあなたのおはようじゃなかった」
それはもうわかってるから
一人でごはんをたべさせないでおくれよ

触れなければ消えることはない

ぼろ、ぼろ、ぼろ、

両手でそーっと掴んで、もう一度握り直してください。

しき
作成: 2020/02/24 (月) 09:36:17
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1

こちらでははじめまして。
先日のポエトリー・ナイトフライトありがとうございました!
リクエストは特にないのですが、読んでいただけると幸いです。

2

投稿ありがとう。
 
拡げ過ぎずに収束がきれいだなとおもいます。
 
ビート板までの流れはすてきやねんけど、
くらげ、舟まで出すのはちょっと暗喩に暗喩を重ねすぎかも。
ここだけ全体のなかで浮いてるというか、
詩のにおいがちょっと違うかたちで立ち上がってる。
 
あと、句読点の使い方にちょいと引っ掛かり。
「ねているあいだに~」以降を書き置きとするなら
冒頭「わたしの~」は一行空けたほうがスマートかな。
(最終行に関してはこれで問題ないかと)

リライトしてみたいけどそれも微妙に良かれ悪しかれなんだよね…。

3

choriさん

時間をつくって読んでいただきありがとうございます。

浮いてるとご指摘の箇所、自分でも読んでて恥ずかしくなっていました。
直せば直すほど「違うな」となってしまいます。
まずは句読点・改行の扱いについてもう少し考えつつ、新しいものを書いてみようと思います。

4

うーん。他人行儀!
「noteにあげる気力なかったからきくくちに投げた」みたいなこと言ってたんだからそこは気にしないでほしいというか、気にされると自分がどんなけマゾプレイやねん…というかんじです(余談)。

さておき、句読点、改行、別に考えなくてもいいんじゃないかしら。
そういう(たとえば散文詩とか定型詩とか)ものじゃなくてこの詩では
たまたまそれが俎上にきただけだとおもうし、そういうのが書きたいなら別だけど。