きくくち

《透明な注射器》 / 2

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投稿ありがとうございます。
 
意識的なのか無意識なのか、
七五のリズム感が親戚のように顔を出すのが
興味ぶかく読みました。
 
おもしろいな、とおもったのは
「無神経」「残酷」「不躾」はともかく、
「旧態依然」と接し痛みを負うという部分が
話者(≠作者)がある程度年齢を重ねた
(すくなくとも20代以上)目線と読めることで、
ちょっと牽強付会ですがオッサンオバハンと
女の子男の子の中間地点とも取れます。
それとこの詩全体のまとう、
明るい夜より暗い昼に近いサブカル感を
つなげて読むと孤独の持ち重りがまた変わってくる。
(「前にあった慣れてる」や「帰り道~」の採り方ですね)
 
技術的なところではリフレインのずらし、ぶらしがさすがという印象です。
指運びが自然なのにフックがある。
 
終盤登場する「警察官」は一種アイコニックな存在で
「おまえ」から「あなた」へ敷衍してゆく流れも、
収束の過不足のない言葉際もうつくしいなとおもいます。
 
ただ、第五連からが具体的な描写に
隠喩をかけていくかたちになるので
そこまでのモノローグ的なパートとの
温度差というよりは速度差がすこし気になりました。
もう一、二連挟んでゆるやかにしてあげてもいいかもしれないです。

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