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*
昼過ぎ、休日、薄雲が滲む、青空が、黄昏の街を、彩る。
今日も、家族連れが、賑わう、この公園で、僕は、日課に励む。
子どもたちの、はしゃぐ姿は、眩しい、僕はいつも、つい見惚れてしまう。
特に、噴水広場で、水遊びをする、あの子たちは、どうしてか、とっても、輝いて、見える。
目眩がする、くらいに。
僕は、ぞくぞくするのを、ぐっと、ガマンして、子どもたちに、目星をつける。
「…今日は、あの子にしよう。」
砂場で1人、退屈そうに、絵を描く、女の子を他所に
父親は、煙草をフカして、母親は、通話に夢中だ。
なんて、不幸な子、なんだろう。
だけどもう、大丈夫。僕が君を、退屈から、救ってあげる。
僕は、そっと、物陰から、顔を出して、彼女に、背中に隠し持っていた、風船 を、差し出す手振りを、見せる。
不思議そうに、僕を伺いながら、一歩、また一歩、僕に近づく、その姿は
自ら、誘い込まれる様に、炎の中に飛び込む、羽虫に似ていて、とても、愛らしい。
「おいで、もっとたのしい遊びを、僕が教えてあげる、から。」
───── File:1「Serial Serious」
*
「…はよ〜ごぜいま〜す…。」
「おはよ、玲羽」
「おはようございます。」
「おはよーーーっす( :⁍ 」 )」
「え、あ…おはよう…ござい」
「うん、おはよ。」
「…………いや。」
「おれ1年ぶりに懲戒処分から帰って来たんだけど、1ミリも触れないってお前ら冷たくないか?せめておかえりだろそこは。」
「っるせ〜〜〜〜!!ボゲ!!😭」
「お言葉ですが班長、俺達は今そんな"社交辞令"に構う程暇じゃないので。」カチカチ…
「へぇ。(こいつらの首輪爆破してぇ〜)」
「ぼ、ぼくはさっきひさしぶりですって…言おうとしたんですけど」
「あのさ!玲羽、海斗の言う通りウチら今過労死寸前でさ…ごめんね〜おかえり〜」
「そんなに忙しいのか?MⅢ班 って駐禁注意 か上の部署からたらい回しにされた面倒事の処理ぐらいしか仕事無ぇーはずじゃん。」
「東部街の連続誘拐事件、MⅢ に下りてきたんだよ!」
「…連続誘拐??ヤバくね、ていうか上で手に負えない事件 を俺らで処理できる訳ねぇだろ。」迷宮入り で済ませるつもりか…。嫌 な仕事に就いちゃったな。」
「さては…上の奴ら
本当、
「まぁ、迷宮入り にさせたい気持ちも少しは判りますがね。何せ、この事件の犯人 と目されている人物が彼 の九龍月華会 の幹部、風船(暫定レート:S)と
"東の業厄"
くれば、治安管理局も手をこまねく訳ですね。」
「…ふーん、なるほどね。要は警察が大物ヤクザ相手だから手出しできないって訳か。」
「けど、それじゃあ子供を誘拐された親族の気持ちは浮かばれない。相手が何者でも犯罪者に変わりはない、その罪を白日の下に晒すのが俺達の責務だ──。」
「「「「おぉ〜…。」」」」
「…いや、今のはちょっとカッコつけすぎたけど気持ちは本物 だから…。」上官 共と反社会勢力 に一泡吹かせるぞーーー!!」
「…おれの出所祝いに高みの見物決め込んでる治安管理局の
「「「「おぉ〜〜!!」」」」
「…フッ(決まった…。)」
「いや〜!玲羽もしばらく見ないうちに変わったな〜!!私も見習わなきゃ…」
「……………あ、そういえば大水木に言いたい事あったんだ。」
「………?何?」
「あれ…」
「何も…思い出せない……?」
――――――――
―――――
――…
【ミーバネルチャ治安管理局東部街 支部】
「"泥棒猫"の件以来だな、この街に来るのは」
「まさかあれだけ大事 になるなんて私も思わなかったよね〜」
「…あぁ〜大水木 のせいで嫌 な事思い出しちゃったなぁ〜!野蛮あいつマジで覚えとけよ。」
「それは思い出せるのに私に言おうとした事は思い出せないんだ。」
「いや、今ほんのちょっとビビっと来た。野蛮に撃たれた時より少し前のこと思い返してたら少し記憶の核心を擦 った感覚があったし」
「へぇ」
「ま、もう大体予想付いてるけどね」
「………あ?」
「あーー!はいはいはい!それよりさ!ちゃっちゃと本題の"風船"の捜査資料貰って仕事済ませようぜ!」
「私は早くお家に帰って、ぽ酒飲んで、布団でぐーたらして、眠剤飲んで、半日くらい爆睡したいんすよね!!!」
「終わってる人間の1日の過ごし方じゃん…。てか風呂入れよ」
「まぁどっちにしろ今日はどうせ夢見が悪いし、俺は最初から徹夜上等だけどな。」
「…夢見が悪いって?」
「これから会う捜査一課の"裏虹 虚空 "って人の同僚が2人、詳細は公にされてないが恐らく”九龍 ”絡みで殉職した。」
「消された…ってコト!?」
「俺達も九龍の縄張りに足を踏み入れた、龍の顎に掛けられる次の犠牲者は俺達かもしれない、けれど今は怖くないんだ何も。」
茗夢遊戯 の時、助けてくれたの思い出したよ。嬉しかった。」
「
「だから、これからも頼りにしてるよ、大水木。」
「…へぇ、えへへ…照れ臭…」
「まぁ物理的に臭いのは大水木なんだけど」ガチャッ
「マジで死ね」
「本当に今回死んだらお前呪い殺すからな。」
ミーバネルチャ治安管理局東部街 支部、ミーバネルチャ東部街を管轄とする治安管理局員の支部であり中央街に配属された局員が立ち入ることもしばしば、勿論ここに用件があるのは"関係者"か"犯罪者"の2択だが俺は先日の夜宵エマ "の一件の断片者 対策法第4項違反の処罰の際に御用になったから後者にも当て嵌まる。
"
そのせいか支部内を行き来する局員からは怪訝な目線を配られる、手短に用件を済ませて帰りたい。
今回用件のある裏虹虚空 のいる捜査一課は支部の2階、エレベーターを出て手前の事務室 を渡ってさらにその奥、ガラス材の間仕切り で隔たれた窓際に位置していた、成果が得られず死人と辞表だけが残った部署がそこへ追いやられた "ようにしか映らないが。
「こんにちは、裏虹さん…ですよね。先程連絡した中野玲羽です。隣の間抜け面は大水木あきらっていいます。」
「私が裏虹です、ははっ、何せ私1人しか残っておりませんので。」
「中央街から遥々足を運んで頂き恐縮です…さぁさぁ2人ともお掛けになって…」
「単刀直入に用件を言います、裏虹さん達が担当していた"風船"に関する捜査書類を見せていただけませんか?」
「…ということは、あなた達が"風船"の事件 を引き継いだ班の…」
「お察しが早くて助かります、この度の"風船"の連続誘拐事件の捜査で裏虹さんのお力添えが必要だと考え連絡した次第です。」
その瞬間、裏虹と目が合った、裏虹の瞳は濁った水槽の様に光を失っていて生気を感じられなかったが、俺と視線が合わさったその瞬間驚いたのか興奮状態の猫のように瞳孔がカッと開いたのに思わず驚いて視線を裏虹の足元に鎮座する2段重ねの段ボールに移してしまう。
「…成程…いいでしょう、幸先の無い私に断る理由などありませんので。」
「ちょうど捜査資料が手元に残せるのが今日で最後だったんですよ。」
「失礼ですが、捜査一課は解体に?」
「えぇ、やはりこの一室の段ボールの山を見れば察しは付きますかね。ですがお見苦しいかもしれませんが私はこの場所が名残惜しい物です…」然 し、貴方の瞳を見て私は揺らいだ。未だ全貌も分からぬ巨悪に立ち向かおうとするその決意がその瞳からは窺える。」
「今はなき同僚と共にかつて罪人と戦った記憶が刻まれた場所なんです、ここは。だから私はその象徴とも言える捜査資料を今日まで手放せなかった…。
他国なら、"刑事の勘"と言うものか。この瞬間裏虹が洞察力に優れた人間だということは証明されたようだ。
「誠に勝手な願いにはなってしまいますが…私と、かつての同僚達の晴らせなかった悔いを、貴方達に託しても良いのでしょうか…」
「えぇ、一向に構いません…いや」
「…被害者の親族と裏虹さん達の無念を必ず晴らします、俺達だって死ぬ時まで局員やる覚悟で来てます、だから約束しますよ。」
「俺達が絶対に"風船"を捕まえてみせます。」
「…ははっ、まるでひと昔の私の生き写しを見てるようだ…。おっと、本題に移りましょうか。」
「たしか…この段ボールに、纏めて…無い…?これはデスクトップPC…か…。Mindows8…」
「裏虹さん、3人で手分けして探しましょうか?」
まるで耄碌した老人を介護してるような気分にさせられる。
「いえ、思い出しました…風船の捜査資料は纏めてこの棚の下の段ボールに梱包していたことを…」
裏虹が咳き込みながら段ボールから取り出した捜査資料を机に広げていく、資料は長年日陰に置かれていたようで少しカビ臭く、埃を被っていた痕跡があった。
「私見ですが…この四つの事件が特に風船の猟奇的倒錯が顕著に現れている事件だと思います。」
「俺も同感です。裏虹さん、本日は貴重な時間まで頂きご協力ありがとうございました。」
「あとは本部のデーターベースの近年の風船絡みの事件と照会してプロファイリングを進めてこうかと思います。」
「ははっ、それは頼もしい限りですね。また私如きに力になれることがあればいつでもご相談ください。」
「えぇその時は遠慮なく裏虹さんの力、貸してもらいますよ。」
「それじゃ、失礼します。帰るぞ〜大水木ー。」
「…んー、あぁごめん考え事してた。」
――――――――
―――――
――…
「ただいま帰りましたよ、ガキんちょ共」
「お戻りですか、班長。収穫は?」
「裏虹さんから拝借した東部街一課の捜査資料、報道機関にも嗅ぎ尾けられていない情報まで事細かに記されてる。」
机仕事組 は収穫ナシで手詰まりだったので。」犯罪統計 の"風船"絡みと思われる事件全てに閲覧規制が覆 っています。連続誘拐から"監獄破り"に至るまで全てに。」
「未解決事件wikiなんかに載っていない事件の全貌もな。」
「班長が(最低限の)仕事ができる人で助かりました、
いかんせん
「
「それも多分規制が掛けられたのはつい先刻 、班長達が帰ってくる少し前ですよ…"監獄破り"の捜査資料がいきなり閲覧不可なったので…」
「玲羽班長の名前も載ってたな…☃️」
「へぇ、陰謀臭い展開じゃん。あの会話も盗聴されてたかもな。戦力外 、ゲームしてる暇あるならこの部屋調べろ。」
「給料でますか⁉️ 😮」
「やり甲斐なら出るよ」
「ひどい世の中になったもんや…🥺」
「わかるよ、おれ達でいい世の中を作っていこう(T_T)」
あれっきり、大水木は物思いに耽ってどこか取り留めのない様子で閉口している。
思えば東部街であの会話を交わしたきりこんな調子だ。
おれの記憶のどこか、欠落した何かに関わりがあるとすれば全てに合点が行くがどう切り出せばいいかも検討が付かない。
「…あ。」
重い口を開けた大水木の第一声だった。
「仮にうちらが"九龍"を突っつくのが面白くない公安だか管理人 だかが情報規制をしてるなら…」カタカタ…
大水木が徐 に自機のPCのキーボードを打ち込む、その血走った目にモニターのブルーライトと偏執の狂気が映る。
「閲覧規制 を掛けるのは"九龍"構成員全員の捜査資料のはず…だけど。」ピタッ
「他の構成員が関与した事件に規制は掛かってない、つまりこの情報規制は"風船"に関わる情報だけを局所的に規制した…ってところでしょ!」
「…へぇ」
「…成程。」
「…😮❓」
「…それ僕も思ってました」
「でも、そのピンポイントな手回しが却って事の黒幕を分かりやすくしてるな。」
「治安管理局内部で"風船"の関与した事件を嗅ぎ回られると困る人物、或いは」
「"風船"の関与した事件に絡んでいる本当の黒幕か。」
――――――――
蔓 や蔦 が今にも文明の痕跡を今にも覆い隠してしまいそうなこの廃墟は、捜査資料の一件の現場だった黒木場山のその敷地内だ。
―――――
――…
東部街9区2丁目
来客を待っていた、その来客の前で私は神妙な顔付きで突飛な話をし出すどうかしてるとしか思えない役を演じようとしてる。
それでも私は柄にもなく今回に限ってこの役を買って出た。
決して昔見ていた刑事ドラマに触発された訳じゃないから、決して、大事なことなのであと一十一回は言いたい。
「やぁ、こんばんは、仕事熱心な、治安管理局員」
暗闇から気配を察知させず現れたその男の風貌は白のパーカーを羽織り、坊主頭で白眼を向いた坊主頭の同じ人間とは思えない怪物の様相を成していた。
「…始めまして、連続殺人犯 さん」
「私は大水木あきら、あなたの正体は十分把握してるから名乗らなくても差し支えないけど」
「ふふっ、ぼく、そこまで有名になってたんだね、鼻が高いような、ちょっと照れるような…」
「…ところで、君は、なぜここに、いるのかな?」ニヤッ
「東部街の連続誘拐事件のその真相について、あなたに話しておきたかったことがあるから」
「そっか、それは、興味が、唆られるお話だね、じゃあ、早速、話して、もらおうかな」
「まず、これは東部街の旧捜査一課がプロファイルした捜査資料のコピー」
そう言って私は捜査資料を天高く舞い上げた。
目の前の怪物は廃墟の床中に散乱した捜査資料を律儀に一枚一枚拾い上げた割に、興味なさげに一枚一枚ペラペラと捲っては我慢できなかったのかつい吹き出す。
「事件、のことは、僕が1番、知ってる、に、決まってるよ」
「こんな、資源ゴミ、目を通さなくたって、僕の脳みそが、事件の思い出を、名作脱法ポルノ映画のフィルムのように、鮮明に、思い出させてくれる、からね」
「本当にそうでしょうか?」
「え?どうして、かな」
「この捜査資料の2018年9月11日、同年12月15日の事件、被害者はどちらも身元不明のまま捜査が打ち切りになっています。」
「僕は飽きた玩具のことは、よく覚えてない。丸焼きにしたか、蛆の餌になるまで発酵させたか、それとも身寄りがないスラムの子供を弄りすぎたかな、ははは、やっぱり覚えてないや」
「それがあり得ないんですよ、この二つの事件」
「…え?」
「司法解剖ってぶっちゃけた言い方をすれば肉が残ってればほぼ例外なくDNAは検出できるので身元は特定できるんですよ、例え腐敗が酷くても。遺骨だけ残ったケースでも僅かにDNAが付着していたり、歯型なんかで特定できるけど」
「そして身寄りのない子供の線ですが、本来DNA鑑定から血縁者を特定することが可能なんです、ですが今回それができなかった…つまり…」
「遺体の損壊はそれほど激しくなかったのにDNAだけ損壊が激しかった奇妙な死体が2つもこの連続事件に存在したっつー訳ですよ、連続殺人犯さん。」
「へぇ、おもしろいね。でもそれ、僕に関係ある?」ギョロッ
「もちろん、あなたがこの事件に関与してますからね」
「さて、DNAの損壊が激しかった理由としてここで私の推論をいくつか述べます。」
「まず、放射線を浴びたことによるDNAの損傷。常識的に考えられる線としてはこれが一番あり得る線ですが…」
「遺体はおろか、現場からも放射線は検出されなかったことが当時の捜査資料から確認されています。」
「さて、勘のいいあなたならもう既にこの"奇妙な死体"を作り上げた力の正体気づいているのでは?」最初 から全部知っていて私らを虚仮 してさぞかし愉快だったでしょうなぁー!?」
「いーや、
「…そうですよね?"裏虹虚空"さん♪」ニコッ
「…お見事、然し彩の輝き失っていない若人の目を欺くにはこの程度の変装、徒労に過ぎなかった訳ですかな。」ビリッ
眼前の男は連続殺人犯の皮を自ら破り捨て、かつて私達の前で「巨悪に立ち向かも心半ばに挫折した」哀れな治安管理局員を演じていた、"裏虹虚空"へと再び変身を遂げる。
「一応お尋ねしますがね、なぜ私が身元不明の被害者の事件へ関与したと推測されたのですかな?それは非常に興味が唆られる。」
「単刀直入に申し上げましょう、ぶっちゃけここからは私の憶測なんてますけど、まずあなたは風船の事件を捜査する過程で風船(並びに九龍)と密約を結んでいます。その密約の発覚を恐れてあなたは秘匿している自身の断片 を用いて同僚の2人を身元不明の子供の遺体として口封じを行った。」人材資源 として売り込んだ、そこで交渉は成立した。」
「そしてあなたは東部街の一課ということもあり、優れた土地勘や東部街市民の生活ルーティンについて人並み以上に把握している、その為九龍に自身を替えの効かない
「ご名答、私はそれからというものの東部街の子持ち世代の個人情報、子供の誘拐に適したタイミングを風船に教えた。そして私は風船が誘拐した子供(女児に限定して)の2割を私に引き回すことを条件とし、私は一つのビジネスを始めることにした…」
「…ビジネス?」
彼の口から予想もしなかった言葉が飛び出し、嫌な予感が全身を走った。
「どうやら"裏虹虚空"としての私のイメージが先行しているようだね、夢半ばに余生を諦観するだけの“裏虹虚空"が…」
pousse Jardin の館の主、双葉俊明 、私の本当の名前。本当の夢だ。」
「それでは僕の存在理由が本当に"虚空"になってしまうだろう?」
「
連日、東部街 で起こる連続誘拐事件唐錦風船 の足取りを追うべく、玲羽率いるMIII班はかつて風船の事件を追っていた裏虹虚空 の協力を仰ぎ捜査に乗り出す。裏虹虚空 が連続誘拐事件に加担しているという信じ難い物だった。
その犯人と目される
東部街治安管理局一課の
しかし、残された物証から大水木が導き出した結論は
大水木によってその獣の様な正体を暴かれた彼は彼女達も予想だにしなかったその本性を表し始める───。
「噂は本当だったんだ…」
「…玲羽?」
「大監獄 の囚人達の噂話を聞いたことがある。質の良い幼女だけを売り捌く奴隷商、通称 pousse Jardin 」キズモノ だって、笑えない皮肉もね。」
「ただ…そこで扱っている商品は例外なく
「私の生業に興味があるようだね。中野玲羽、私は初めて君と目と目が合った時直感した。双葉の園 に来る気はないかね?純水の浸ったバケツに黒ずんだ雑巾の絞り汁を垂らす、純水が純粋にはもう戻れなくなった背徳は何事にも代え難い至高の快楽…君にはその素養がある…。」
混じり気のない純水に恋焦がれる濁り水の様な瞳で、あぁ、私と同類のソレだ…と。」
「私の罪を見過ごして
「いいっすよ。双葉の園行きますよ。」
「但し、てめーを牢屋にブチ込んでから現場検証でゆっくり堪能させて頂きますよ。」ニコニコ
俊明が表情を変えるより先に、玲羽の体軀が先に動いていた。断片 の仮説を教えた時、玲羽は既にその弱点を見抜いていた。
肉体の老若を操る俊明でも生まれ培った反射神経だけは変えられない。
私が玲羽に俊明の
「…ふぅ、一丁あがり。」
「やはり…厭 だな…齢 をとるというのは…。」
押し倒されて馬乗りになった玲羽に背に手錠に掛けられた俊明はようやく観念したようで抵抗する様子もない、常人ならこの状況を打開する事は限りなく不可能に近い、ましてや老体の男では。
生者の我儘 」ピタッ
そう思った、その甘さが命取りになった。
「
俊明の指が手錠に触れたその瞬間、全身の肉が溶ける様な感覚に陥る。儘 ならない私の目に飛び込んだ景色は想像しうる限り最悪な状況だった。
立つ事すら
「肉体が若返るのはとても気分が良い…!君達もそう思うだろう?」
肉体の全盛期を取り戻した俊明が背中に乗った幼児と化した玲羽を跳ね除ける事は造作も無かった。
「さて、楽しい儘事 を始めよう。」
「その命尽きるまで。」
「…クソっ、ロリコン野郎がっ!!」蹣躯屍骸 !!」ピキキ…
「──
「君達の噂は聞いているよ、中野玲羽。君の断片 が外骨格を形成する物だという事も。」
「…だがねぇ、子供の骨という物は存外脆い、例えばこんな風に」パシッ
「足蹴に小突いてしまえば硝子細工の様に粉々になってしまう。」バキィッ
「そして大水木あきら、君が断片 を持たざる者である事も知っている。」
「…やめろっ!!大水木には手を出すな!!」
「やめろと言われると嗜虐心をくすぐられてしまうじゃないか…」
俊明の若返った肉体、私と玲羽の今の現状から考えるに私達3人の肉体の年齢は皆"20歳程若返った"様だ。
子供2人で肉体の全盛期を取り戻した成人男性にに立ち向かう事がどれだけ無謀か痛感した。
「子供だからって…舐めんな…!!」
私は腰元から拳銃を取り出し俊明に銃口を向ける。
ダメだ、子供の握力じゃ撃鉄を引くこともできない。
「大水木あきら、君もまだ自分の立場を明確に理解していないらしい。今君じゃ、それも断片 も使えない君じゃあ…」
「子供にも分かりやすく立場を分からせてあげよう。」
俊明の手が私の後ろ髪を引っ張る、そして何度も
何度も何度も何度も、顔を力任せに地面に叩きつけられる。
「やれやれ…こんなものか…おや?」
「廃墟の壁面に見張りが2人…否3人待機させていたのか。」
「差 し詰 め、下手に動けば上官の命が危ない、と下手に動けぬか。結構結構…。」クスッ
「聞こえているかね???見張りの者達、私は君達の上官を連れてこの場を後にしてもらうよ。」首輪の付いた犬 といったかな。管理人 もつくづく悪趣味な道具を思いつく物だ…。」
「妙な動きを見せればこのスイッチで首輪の爆弾を起動する。しかし…
一縷の希望だった見張りの3人も手出しができなくなった。
私達の形勢逆転の鍵は尽く潰されていった。
このまま私と玲羽はこの人の皮を被った獣に嬲られる運命 を受け入れるしかないのだろうか。
コツ…コツ…
俊明の背後から刻々と迫る足跡が無音だった廃墟中を支配し、その場にいた誰もがそこに目をやった。
「忠告したはずだが…どうやら聞こえていなか………」
俊明の言葉が詰まった、足跡の主が海斗でもるるたでもゆきだるまでもなかった。
Hello papa. 」
そこにいたのは─────
「
目を引くほどに綺麗な銀髪で、水晶の様な碧眼の純朴な少女だった。
「Hello papa. 」
俊明 の元へ歩みを進める。
そう言って何処からともなく現れた彼女は、つい数刻前まで私達を嬲り戯んでいた
その危うげな足取りに私達は目を離せなかった。
彼女が何者か 知る必要があったから。
「…………………アリス?」
「…生きていたのかアリス!?」
「そう、そうだよパパ。"アリス"はね、あの汚ないネズミの巣から逃げてきたの。ずーーーっとね!パパに会いたかった!!」ニコッ
「…そうとも。私もあの日本当はお前を手放したくはなかった。相手があの西武街の厄介者 でなければお前を売るだなんてしなかった………」
「そして今、千夜の夢が現実になった…!!だが…しかし………何故、"今"なんだ………。」
どうやら私達が思っていたより、事は複雑に運んでいるようだった。俊明 の顔にはこれ以上に似合う言葉はないであろう"葛藤"の二文字が浮かんでいるということのみであった。
ただ一つ確信できたのは
「…どうしたの?早くいこうよ、それとも…パパはその子 たちと遊ぶほうが楽しいの?」
「違う!違うんだ…勘違いしないでおくれ…パパは………この子達の飯事 に付き合っていただけだよ。」英雄 役。そして私は犯罪者の悪役だと。その途中だよ。」ニタァ
「この子達は治安管理局員、自分達を正義の
「『お前達の言う"正義"とは何だ?私はそんな物を知らない。この世界にはそんな物最初から在りはしないからだ。』」
俊明が私の傍に落ちていた銃を拾い上げる。
「『それとも、お前達の言う"正義"は頭 の中にあるのかな…?』…なんてね。」カチィ
あの"アリス"はどうやって廃墟の3人の監視を抜けてここまでやってきたのだろう。
「この子達もこれで飯事 には懲りた様だ。さて…我が家に帰ろうアリス。他の子供達もお腹を空かせてパパを待っている。」
「待って」
「…どうした?アリス?」
"アリス"はばっと両手を広げて、無邪気な笑みを浮かべて言った。
「"ただいま"のハグがまだだよ。」
その瞬間、俊明は右手に握っていた銃を捨て去り、理性を忘れた獣の様に血走った目でアリスの元へと駆け寄った。
俊明が私達の元を離れると子供に退行していた体がどんどん元の大きさに戻っていく。
私は彼が手放した銃が地に落ちるより先に掴んで"正義の英雄役"らしい台詞を叫んだ。
「『てめーらの悪の親玉はそこ にいるんだろ』…なんてね。」パァンパァンパァン
急所を撃ち抜かれた俊明は去勢された豚の様な悲鳴を発した後、横向きに地面に転がり込んで泡を噴いて草原を走る夢を見る犬の様に足をジタバタさせているだけで、これ以上悪役の台詞を呟く事も無くなった。
「…大水木、や、やるじゃん。」
寝惚けたような声で玲羽が言った。
「ヘヘッ、これでまた私のキルレが…」
「…ぁっ。」フラッ
正気に戻った頃、私の体はどうやら頭で制御できる程健康ではなかったようで、そんな事に気づいたうちにそのまま意識が蕩 けて、蹌踉 た体が地にぶつか…
「…局員さん。」トッ
「………ぁ、アリス………?」
アリスが私を抱き抱えてくれた。
「…俊明 をやっつけてくれて……」ポロッポロッ…
「……ありがとう。」
私の目蓋が閉じる寸前、最後に見た光景は
子供を演じていた"アリス"の、堰が切れた様に涙が溢れ出して止まらない───
──幸せそうな彼女の、満面の笑みだった。
―――
―――――…
*
――――――――
―――――
――…
────知ってる天井だ。
「お目覚めかい?玲羽君。」
「…迫真先生。」
迫真学、自称開業医のヤブ医者。
俺の記憶が正しければ彼と最後に会ったのは“水際作戦“の前日以来になる。
「君が意識を失ってから…15時間は経つかな。まぁ…色々積もる話はあるだろうが…」
「腹が減ってるだろ?フルーツ盛り合わせ、食べるかい?君の大好きなアボカドもあるよ。」
アボカドが何故かフルーツ盛り合わせに入っていたことよりカーテンで仕切られた奥の隣のベッドが気にならずにはいられなかった。
カーテン越しに見える微かなシルエットと心電図の規則的なアラームに胸騒ぎを覚える。
「あぁそうだ…1つだけどうしても言わなければならないことがあったな。」
恐る恐るカーテンに手を伸ばし、息を呑む。
「落ち着いて聞いてくれ。」
カーテンを捲ったその先には、おびただしい数のチューブが繋がれていた大水木が安らかな顔で眠っていた。
「君の同僚、大水木君はしばらく目を覚まさないだろう。」
「………!!それってどういう…」
体が反射的に立ち上がり迫真に詰め寄った。
「まぁまぁまぁまぁまぁ…本当に落ち着いて聞いてくれ」経緯 から話そうか。」
「まずは君達がここに来るまでの
迫真は俺をなだめるように俺の体を再びベッドへ寝かせて、呑気にコーヒーを啜りながら事の経由について語り始めた。
「君達の3人の部下から大方の話は聞いたよ、肉体年齢を操る断片者 と対峙し、見事勝利した。だが、2人はその戦闘の最中に負った断片 の後遺症により意識を失った。」断片 の後遺症を適切に治すのは難しいだろう、3人の部下は頭を抱えたが偶然君は此処、当病院 “の診察券を持っていた為3人はここに2人の身柄を運んだ。現状断片 治療の医療機関はここぐらいだからな。」解 った。初めて見る症例だったよ。」
「一般の医療機関では
“
「そして君達の現在の症状だが…X線検査の結果、君達の体は少量の放射線を浴びていた事と極度の成長痛を患っていることが
「放射線って…おれ達大丈夫なんですか?」
「心配は要らない。命に別状は無い よ。肉体の形状を意のままに操り直接殺害するような断片 ではなかったようだ…命拾いしたな。」麻酔 を注射して経過を見ていたところだよ。」
「だが厄介なのは成長痛の方だ、子供と大人への肉体の変化を短時間で行き来した君達の肉体には今とてつもない負荷が掛かっている。人間は通常過度の痛みを一度に受けるとショック死してしまう。だから君達には
「まぁ……要するに大水木君も君と同じようにもうじき起きる、ということだよ。」
「…そーなんですか」スゥ…
迫真の話を聞いて、張り詰めた気持ちが一気に解 れて肩の力が抜けていった。
「はぁ~~~~~、んじゃ…二度寝します…迫真先生、色々ありがとうございました…おやすみなさい………。起きたらアボカド食べるんで皮向いといてください…」ムニャ
「はぁ…相変わらず気の抜けた奴だな君は。ハハハ」
「大変な上司を持って災難だったな、“君達“も。」
「全くです、こうも危機意識の欠けた班長を持つと俺達は尻拭いで手一杯ですよ。」
布団を頭まで被せても聞こえるこの声は海斗だ、ということは
ずっとそばに居たのか、こいつら
「…るせー、俺の眠りを妨げた奴は死刑だ…これは班長命令だ…」
「別にいつまで寝てても大丈夫っすよ~、病院だからベッドで寝れるし、実質有給だしまじうれぴ~~~( ◠‿◠ )」
「そのフルーツ盛り合わせ、僕の差し入れです…」
「そっか…ありがとう…ゆきだぅあ………おやす…」
その時、意識が遠のいて眠りかけていた俺の耳を消魂 しい着信音が劈 いた。
「………うっせーよ!!誰の携帯だよ!!マナーモードにしろよ、病院のマナー守れよ、死ねよ!!!!」
「いや…あの…これ…班長のスマホです………」
ゆきだるまの言う通り、着信音の発信源は俺のベッドの傍らのテーブルの上のスマホだった。
「…どうやら、上からの召集みたいですね。玲羽班長、上の連中全員死刑 ですか?」
「………はぁ、今回は上訴かな。」バサッ
「行くぞ、バカチン共」
────#02「FIGHT CLUB」
――――――――
―――――
――…
文字通り、この国の治安を管理する実力組織の中心地点
おれ達MⅢ班の任地も例外なくこの本部に置かれている。
「玲羽班長、懲戒処分といい緊急召集といい人気者なんですね。」
3歩後ろで腕組みしている海斗が皮肉混じりでぼやいた。
「…あぁ、ムカつくけどそれは否定できないな。」
「良くも悪くも気に入れられてるっていうか…」
「はんちょー❗️今日は迷路みたいな廊下を歩き回ってボロい階段を何千段も
「今日用事があるのは上階の方だから寄らないぞー」スタスタ
「えっ、ぼく用事ありました…。ゲーム置きっぱだから取りに…」
俺が目線をやると恥ずかしげに俯いて目線を逸らすゆきだるまの顔を見てふと思い出した。
「あっそうだ。」
「雪だるまこれ、しばらく預かっててほしい。」パシッ
俺がそれを懐から取り出した時、海斗が苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
「え、これ…首輪爆破するスイッチじゃ…」
「大水木がいつ復帰できるかわかんないし、監視役を任せられるのお前しかいないんだよ。」
「…えーーー……………やります。」
「(俺は試したことないけど)指紋認証式だから誤作動はしないはずだし、そんな緊張しなくていいよ。」
「俺たちの命 が掛かってるからそう弛緩されても困りますけどね。」ギロッ
「ヒィッ…」
「ゆきだるま❗️そのスイッチ、わたしに託してみる気はねーか❔❗️^^^^^_^」
「うわ」
「はい、ダメ。俺だったら今のタイミングで押すね。特にるるたは危険だから舐めらないようにな。」
「…見習います。」
*
箱の中に閉じ込められた気分だ。
木目の霞 んだ机、時折明滅 を繰り返し今にも消え入りそうな電灯、体勢を少し変えるたびに軋 るパイプ椅子無骨 な空間に一人待たされて、落ち着かずにはいられない。
風貌 。
この
顔を上げると正面の防音ガラス越しに各々の面持ちで俺を静観するMⅢ班の三馬鹿の面々が並んでいる。
時折何かを話している様子だったが、防音ガラスに隔たれたこの部屋からはこれ以上外界の情報を得るのは諦めた方が良さそうだ。
「…緊急召集って、結局また取り調べかよ…」
「………………。」
「………素数でも数えるか。2、3、5、7…」
『11』
「…13、ん?え…?…えっ!?」
『驚いた?ン〜?驚いたよねぇ?』
人型のロボットに灰色のトレンチコートを着せたような、1度見たら忘れられない
頭部に備わったモニターから2次元の美少女が意地悪そうに微笑んだ。
「…マジでビビりました、背後取られるのは心臓に悪いっすよ。」
「…ルドロス局長。なんで局長直々に取り調べを?」
『
ボイスチェンジャーを通して話す局長の
『
飄々とした仕草でブロンドの銅線のようなツインテールを靡かせながら正面のパイプ椅子に局長が腰掛ける。
『先日の裏虹虚空…じゃなくて、
『あのロリコンヤロー、大水木クンにキンタマを撃たれたショックで半日間昏睡状態だったんだってネ。大水木クンGJ〜👍だから昨日、ヘタルくんの取り調べで大方のコトは吐いてもらったんだヨネ〜😙』
「…マジすか、どこまで聞いたんですか?」
『ンー😕いつから治安管理局に潜入していたのか…とか🕵️♂️部下を殺害した手段…🔪やら彼の
『"アリス"は何者だ?』
『アリスは何者だ?』
声色が重くなった。室内の空気が一気に張り詰めて、呼吸の仕方を忘れたように息が苦しい。
「……おれにも分かりかねます。最初は何処からか迷い込んできた野次馬かと思いましたが、俊明と"アリス"が親子のように接していたことは確かです。」
双葉俊明 じゃ嫌〜な想像しちゃうヨネ〜🚸』
『…親子、ねェ。相手が
局長の声色がいつもの調子に戻って少し肩透かしを食らった。
『それと、覚えてる限りでいいから容姿の特徴を教えて欲しいナ〜🥺』
「たしか…乱れた灰髪のセミロングで服も長い間洗濯していない様な白地のワンピースでしたね、瞳の色は碧眼で身長は目測で大水木と同じくらいで体型は俺と同じくらい痩せこけてやつれてるようにも見えましたよ。あー…あとリスカ跡だいぶあったんで完全にメンヘラすね。」
『クソ記憶してるけど、玲羽クン…ひょっとしてスケベ?私も大概だけどさ。』
「いや違くて、それは違くてですね。あの、これは、あの時割と死にかけてたから走馬燈みたいにあの瞬間を鮮明に覚えてただけなんですよ。」
『😀』
局長の頭部のモニターには何か言いたげそうな表情の美少女が映っている。
「なんの表情なんすかそれ」
『このアバターのデフォルトの無表情だヨ😀』
『君の答えた"アリス"の特徴と先日捜査したpousse Jardin っていうキショい物件で押収した顧客リストのデータを照合していてネ、ビンゴだったヨ✌️』
Chocola terrier の一味と同行していた正体不明の少女の特徴と符号していることがわかったヨーン👉』
『なんと去年の3月に"アリス"をあの溝鼠が買い取った記録があった🐭そして同年、君もよく知る"監獄破り"で
「…溝鼠?」
局長の口から溢れ出た情報の濁流の中で、一つだけ処理できない言葉が俺の頭の中で詰まった。
『玲羽クン…寝惚けてる?』
「あ、いや最近多いんすよね。なんて言うか…記憶の中に不自然な空白があるような感覚があるんすけど…若年性アルツハイマーかもしれないすね。」
『フーン、記憶の混濁…ネ…』
局長がそう呟いた途端何やら意味ありげな沈黙が流れた。
管理人 のお偉いさんが来てるから気を引き締めてネ〜✌️✌️』
『…ヨシ‼️😺👉取り調べは以上ダヨ😃』
「おっ、待ってました。じゃあもう帰っても…」
『その事なんだけど👉👈実は緊急召集は別件なんだヨネ😅今、第3会議室で緊急会議を開いているんだけどキミ達MⅢ班もそこに合流してほしいナ🥺』
「えーーーーーっっ、まぁ断れる立場じゃないんでそりゃ行けと言われたら行きますけど。」
『今回の作戦には"水際作戦"に比肩する程の威信がかかっちゃってるから錚々たる面々と
『それじゃ、改めてご苦労サマ。外まで見送るヨ😃』
「この部屋の外って、3歩先のすぐそばじゃないっすか」
「私の手の届く範囲で部下に降り掛かる火の粉を見過ごす訳にはいかないからネ👌」
「いや〜最高にかっこいいっすね、局長…」ガタッ
おれが呆れながら取調室のドアノブに手を掛けたその時、局長が耳元で囁いた。
管理人 と公安の連中を味方だと思うな。』
『
『私の見たてではガラスの向こうの3人の部下の中に彼らに通じている不届き者がいる、忘れるなよ。』
振り向いたその時には、局長の姿は部屋から消えていた。