真昼の迫真ランド

【SS】FREAK'S(フリークス) / 13

21 コメント
views
34 フォロー
13
相原ガガ美 2023/05/14 (日) 00:24:53

Hello papa.(こんにちは、お父さん)


そう言って何処からともなく現れた彼女は、つい数刻前まで私達を嬲り戯んでいた俊明(としあき)の元へ歩みを進める。
その危うげな足取りに私達は目を離せなかった。

彼女が何者か(・・・)知る必要があったから。

「…………………アリス?」
「…生きていたのかアリス!?」

「そう、そうだよパパ。"アリス"はね、あの汚ないネズミの巣から逃げてきたの。ずーーーっとね!パパに会いたかった!!」ニコッ

「…そうとも。私もあの日本当はお前を手放したくはなかった。相手があの西武街の厄介者(ネズミ)でなければお前を売るだなんてしなかった………」
「そして今、千夜の夢が現実になった…!!だが…しかし………何故、"今"なんだ………。」

どうやら私達が思っていたより、事は複雑に運んでいるようだった。
ただ一つ確信できたのは俊明(としあき)の顔にはこれ以上に似合う言葉はないであろう"葛藤"の二文字が浮かんでいるということのみであった。

「…どうしたの?早くいこうよ、それとも…パパはその子(・・・)たちと遊ぶほうが楽しいの?」

「違う!違うんだ…勘違いしないでおくれ…パパは………この子達の飯事(ままごと)に付き合っていただけだよ。」
「この子達は治安管理局員、自分達を正義の英雄(ヒーロー)役。そして私は犯罪者の悪役だと。その途中だよ。」ニタァ

「『お前達の言う"正義"とは何だ?私はそんな物を知らない。この世界にはそんな物最初から在りはしないからだ。』」

俊明が私の傍に落ちていた銃を拾い上げる。

「『それとも、お前達の言う"正義"は()の中にあるのかな…?』…なんてね。」カチィ

通報 ...