真昼の迫真ランド

【SS】FREAK'S(フリークス) / 16

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相原ガガ美 2023/06/17 (土) 23:56:10 修正

「………!!それってどういう…」

体が反射的に立ち上がり迫真に詰め寄った。

「まぁまぁまぁまぁまぁ…本当に落ち着いて聞いてくれ」
「まずは君達がここに来るまでの経緯(いきさつ)から話そうか。」

迫真は俺をなだめるように俺の体を再びベッドへ寝かせて、呑気にコーヒーを啜りながら事の経由について語り始めた。

「君達の3人の部下から大方の話は聞いたよ、肉体年齢を操る断片者(フラグメンター)と対峙し、見事勝利した。だが、2人はその戦闘の最中に負った断片(フラグメント)の後遺症により意識を失った。」
「一般の医療機関では断片(フラグメント)の後遺症を適切に治すのは難しいだろう、3人の部下は頭を抱えたが偶然君は此処、
当病院(リゼロ)“の診察券を持っていた為3人はここに2人の身柄を運んだ。現状断片(フラグメント)治療の医療機関はここぐらいだからな。」
「そして君達の現在の症状だが…X線検査の結果、君達の体は少量の放射線を浴びていた事と極度の成長痛を患っていることが(わか)った。初めて見る症例だったよ。」

「放射線って…おれ達大丈夫なんですか?」

「心配は要らない。命に別状は無い(・・・・・・・)よ。肉体の形状を意のままに操り直接殺害するような断片(フラグメント)ではなかったようだ…命拾いしたな。」
「だが厄介なのは成長痛の方だ、子供と大人への肉体の変化を短時間で行き来した君達の肉体には今とてつもない負荷が掛かっている。人間は通常過度の痛みを一度に受けるとショック死してしまう。だから君達には麻酔(モルヒネ)を注射して経過を見ていたところだよ。」
「まぁ……要するに大水木君も君と同じようにもうじき起きる、ということだよ。」

「…そーなんですか」スゥ…

迫真の話を聞いて、張り詰めた気持ちが一気に(ほぐ)れて肩の力が抜けていった。

「はぁ~~~~~、んじゃ…二度寝します…迫真先生、色々ありがとうございました…おやすみなさい………。起きたらアボカド食べるんで皮向いといてください…」ムニャ

「はぁ…相変わらず気の抜けた奴だな君は。ハハハ」
「大変な上司を持って災難だったな、“君達“も。」

「全くです、こうも危機意識の欠けた班長を持つと俺達は尻拭いで手一杯ですよ。」

布団を頭まで被せても聞こえるこの声は海斗だ、ということは
ずっとそばに居たのか、こいつら

「…るせー、俺の眠りを妨げた奴は死刑だ…これは班長命令だ…」

「別にいつまで寝てても大丈夫っすよ~、病院だからベッドで寝れるし、実質有給だしまじうれぴ~~~( ◠‿◠ )」

「そのフルーツ盛り合わせ、僕の差し入れです…」

「そっか…ありがとう…ゆきだぅあ………おやす…」

その時、意識が遠のいて眠りかけていた俺の耳を消魂(けたたま)しい着信音が(つんざ)いた。

「………うっせーよ!!誰の携帯だよ!!マナーモードにしろよ、病院のマナー守れよ、死ねよ!!!!」

「いや…あの…これ…班長のスマホです………」

ゆきだるまの言う通り、着信音の発信源は俺のベッドの傍らのテーブルの上のスマホだった。

「…どうやら、上からの召集みたいですね。玲羽班長、上の連中全員死刑(・・)ですか?」

「………はぁ、今回は上訴かな。」バサッ
「行くぞ、バカチン共」




────#02「FIGHT CLUB」

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