真昼の迫真ランド

【SS】FREAK'S(フリークス) / 11

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相原ガガ美 2023/04/18 (火) 00:47:13

双葉俊明(ふたば としあき)、どこか聞き覚えのある名前だった。

「噂は本当だったんだ…」

「…玲羽?」

大監獄(パノプティコン)の囚人達の噂話を聞いたことがある。質の良い幼女だけを売り捌く奴隷商、通称 pousse Jardin(双葉の園)
「ただ…そこで扱っている商品は例外なくキズモノ(・・・・)だって、笑えない皮肉もね。」

「私の生業に興味があるようだね。中野玲羽、私は初めて君と目と目が合った時直感した。
混じり気のない純水に恋焦がれる濁り水の様な瞳で、あぁ、私と同類のソレだ…と。」
「私の罪を見過ごして双葉の園(こちら側)に来る気はないかね?純水の浸ったバケツに黒ずんだ雑巾の絞り汁を垂らす、純水が純粋にはもう戻れなくなった背徳は何事にも代え難い至高の快楽…君にはその素養がある…。」

「いいっすよ。双葉の園行きますよ。」
「但し、てめーを牢屋にブチ込んでから現場検証でゆっくり堪能させて頂きますよ。」ニコニコ

俊明が表情を変えるより先に、玲羽の体軀が先に動いていた。
肉体の老若を操る俊明でも生まれ培った反射神経だけは変えられない。
私が玲羽に俊明の断片(フラグメント)の仮説を教えた時、玲羽は既にその弱点を見抜いていた。

「…ふぅ、一丁あがり。」

「やはり…(いや)だな…(とし)をとるというのは…。」

押し倒されて馬乗りになった玲羽に背に手錠に掛けられた俊明はようやく観念したようで抵抗する様子もない、常人ならこの状況を打開する事は限りなく不可能に近い、ましてや老体の男では。


そう思った、その甘さが命取りになった。


生者の我儘(チャイルド・プレイ)」ピタッ

俊明の指が手錠に触れたその瞬間、全身の肉が溶ける様な感覚に陥る。
立つ事すら(まま)ならない私の目に飛び込んだ景色は想像しうる限り最悪な状況だった。

「肉体が若返るのはとても気分が良い…!君達もそう思うだろう?」

肉体の全盛期を取り戻した俊明が背中に乗った幼児と化した玲羽を跳ね除ける事は造作も無かった。

「さて、楽しい儘事(ままごと)を始めよう。」
「その命尽きるまで。」

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