真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 120

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相原ガガ美 2021/10/20 (水) 00:22:24 修正

「…さて、次に眠りにつくのは貴様だ、骸骨男(スクレット)。」

全身を廃塵と化すほどに焼き尽くされても蘇った教祖が弾丸一つでいとも簡単に無力化されたこと、そしておれがお尋ね者としてこれから公安の奴らに捕らわれの身になること。
おれには全てを真実として受け入れられなかった。

今まで泥棒猫の事件を捜査する為に奔走して、真実を掴んで、茗夢遊戯(絶望)にも抗ってきたことも全部、無碍にされるような気がして。

「…大水木准将の保護を最優先しろ!そして、近くにいると思われる"鍵"の断片者(フラグメンター)も炙り出せッ!!」

班員に命令を下すクソアマ(レミート)の声も、路地裏から姿を現した4、5人の黒スーツの公安員の足音も、半ば力付くでおれから引き剥がされた大水木の泣き声も、全ての音が遠退いて、目に映るこの情景も全てがスローモーションに再生されているような感覚に陥った。
無力なおれはただ呆然と、受け入れ難い事実を突き付けられて、立ち尽くすしかなかった。

背に大きな衝撃が加わって、ゆっくりと熱を帯びていく、徐々に全身の力が抜けていって、それが泥棒猫と教祖を眠らせた弾丸と同じモノだと分かった。
おれはそのまま意識が闇に沈んでいくように、そのまま深い眠りに付いた。




――――――――
―――――
――…


『泥棒猫、教祖、骸骨男、計3名の鎮圧を確認した。"鍵"の断片者(フラグメンター)は以前捕捉できないが、成果は上々だ。』
『これにて公安対断課Ⅲ班の任務終了を通達する。捕縛した断片者(フラグメンター)共は速やかに"パノプティコン"に移送せよ。』

「さて、それでは私は一足先に帰らせて頂こう。イェ・バン殿、本日はご過労頂き感謝する、それではお先に失礼。」

「あぁ…」

「…ったく。こんな胸糞の悪ィ事件(ヤマ)の後始末を殆ど俺一人に任せやがって、上の連中の薄情さにはやばんちゃんもびっくりドンキーだぜ、なんてな。」

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