真昼の迫真ランド

【SS】FREAK'S(フリークス) / 10

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相原ガガ美 2023/03/12 (日) 01:44:45

「へぇ、おもしろいね。でもそれ、僕に関係ある?」ギョロッ

「もちろん、あなたがこの事件に関与してますからね」
「さて、DNAの損壊が激しかった理由としてここで私の推論をいくつか述べます。」

「まず、放射線を浴びたことによるDNAの損傷。常識的に考えられる線としてはこれが一番あり得る線ですが…」
「遺体はおろか、現場からも放射線は検出されなかったことが当時の捜査資料から確認されています。」

「さて、勘のいいあなたならもう既にこの"奇妙な死体"を作り上げた力の正体気づいているのでは?」
「いーや、最初(ハナ)から全部知っていて私らを虚仮(コケ)してさぞかし愉快だったでしょうなぁー!?」
「…そうですよね?"裏虹虚空"さん♪」ニコッ


「…お見事、然し彩の輝き失っていない若人の目を欺くにはこの程度の変装、徒労に過ぎなかった訳ですかな。」ビリッ

眼前の男は連続殺人犯の皮を自ら破り捨て、かつて私達の前で「巨悪に立ち向かも心半ばに挫折した」哀れな治安管理局員を演じていた、"裏虹虚空"へと再び変身を遂げる。

「一応お尋ねしますがね、なぜ私が身元不明の被害者の事件へ関与したと推測されたのですかな?それは非常に興味が唆られる。」

「単刀直入に申し上げましょう、ぶっちゃけここからは私の憶測なんてますけど、まずあなたは風船の事件を捜査する過程で風船(並びに九龍)と密約を結んでいます。その密約の発覚を恐れてあなたは秘匿している自身の断片(フラグメント)を用いて同僚の2人を身元不明の子供の遺体として口封じを行った。」
「そしてあなたは東部街の一課ということもあり、優れた土地勘や東部街市民の生活ルーティンについて人並み以上に把握している、その為九龍に自身を替えの効かない人材資源(ヒューマンリソース)として売り込んだ、そこで交渉は成立した。」

「ご名答、私はそれからというものの東部街の子持ち世代の個人情報、子供の誘拐に適したタイミングを風船に教えた。そして私は風船が誘拐した子供(女児に限定して)の2割を私に引き回すことを条件とし、私は一つのビジネスを始めることにした…」

「…ビジネス?」

彼の口から予想もしなかった言葉が飛び出し、嫌な予感が全身を走った。

「どうやら"裏虹虚空"としての私のイメージが先行しているようだね、夢半ばに余生を諦観するだけの“裏虹虚空"が…」
「それでは僕の存在理由が本当に"虚空"になってしまうだろう?」


pousse Jardin(双葉の園)の館の主、双葉俊明(ふたば としあき)、私の本当の名前。本当の夢だ。」

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