転倒した後、ご飯などは諦めることにし、なるべく動かないようにしていた
外では轟音が鳴り響いていた…
「大丈夫かな」
その時、おばさんが入ってきた
「レイちゃん…本っ当に申し訳ないのだけど、出撃できるかしら…」
「何でですか?」
「さっきの使徒の攻撃で防衛設備を担っている本部に攻撃が来ちゃってね…復旧まで時間がかかるの…」
「…」
「出撃できる?」
「…やってみます」
零号機は左腕が無かったけど使えるらしい
「しぬかな…」
いろいろな思いが込み上げてくる…
コアにの乗り込み、鎮痛剤を口に含み
「零号機、出撃します!」
通報 ...
意外と倒せるかも?いや無理か…とか考えながら地上に出る
弱そうだったが、使徒は使徒だ…侮ってはいけない
私はタクティカルナイフを装備し、使徒に向かっていった
「うおぉぉぉぉ」
この一撃で終わらせられなければ、私も零号機も危ない
私は思いっきりナイフを相手のコアに突き刺した
「…硬い」
私はただひたすらナイフを相手のコアに叩きつけた
警告音が鳴り響くのもお構いなしにただただ刺す、刺す、刺す、刺す
気づいたら使徒は爆散し、あたりに肉塊をばらまきながら崩壊していった…
零号機もきづいたらボロボロになっており、あったはずの右腕も消えていた
「…帰還は無理か」
私は救助を待つことにした…
あれから二週間が経過した…
私は運動ができるまでに回復した
しかし、零号機は大破したまま放置されている…
「レイちゃーん」
「こっちに来て…見せたいものがあるのよ」
やけに浮かれている
「はい」
格納庫に連れてこられた…
「見てこれ!壱号機よ!」
黄色い塗装がされている…
「すごい」
「でしょでしょ!」
「でもこれ誰が乗るんですか?」
「レイちゃんよ!」
「えぇ…」
「だから今からシンクロ率テストに付き合ってね」
「…わかりました」
せっかくの休日なのにテストって…最悪
「これから実際に搭乗するテストです」
シンクロ率などのテストが終わり、次のテストに入った
搭乗方法などは零号機とあまり変わらないようだ
「よいしょっと…」操縦レバーを握る
「…軽い」
とても操縦しやすかった
テストが終わった後、おばさんが近寄ってきて
「どうだった?」と聞いてきた
「…レバーが軽くて操縦しやすかった」
「それはよかったわ!」
その時、警報が鳴った
「使徒襲来!繰り返す 使徒襲来!」
「前に襲来した大型の使徒です!」
「レイちゃん できる?」
「やってみます!」
前に襲来した使徒…借りを返さなくては
「壱号機、出撃します!」
今回の作戦は狙撃だ…私は撃つだけ…調整はおばさんたちオペレーターがやってくれる
「狙撃ポイントに到着」
周りには大和共和国、東州連邦共和国の車両や航空機が護衛してくれている
私は一人じゃないんだ…などと考えながらも狙撃銃を構える
ロックオンに時間がかかる…もっとましな狙撃銃はなかったのか?
ロックオンが完了した…しっかりとコア部分を狙う
「これで終わりだ!」
バぁァァァン!
銃弾はまっすぐに飛んでいき…コア部分に直撃した…
やった…と思っていたのもつかの間、崩壊しながら使徒がビームを撃とうとしている!
「よけて!」おばさんの声がした
操縦レバーを思いっきり倒し、回避行動をとった
しかし戦闘車両などは移動が遅い…
ビームが放たれた…
目の前をかすっていったビームは…車両たちを次々と蒸発させていった…
使徒は崩壊した…
あの後、格納庫に戻ってきてからの話だがおばさんから、シンクロ率が高いパイロットが東州連邦共和国から来たという話を聞かされた…
「…あってみようかな」
私よりも五個ほど年齢が上らしい
格納庫で訓練を受けているらしいから、あいさつしに行った
なんか、射撃訓練?っぽいものをしていた
「…精度がいい」
彼の射撃訓練では、ほとんどが的の中心を撃っている
「すごい…」
私も射撃制度を上げなければ…などと考えていた
軽く挨拶をし、自室に戻った
これから共に戦う人になるなんてまだ思ってもいなかった
今日は新しくパイロットになったハルさんと訓練…
今日のスケジュールを確認しながらご飯を食べる
「ごちそうさま」
そしてthree arrowsに向かう これが私の日課になっている
「おはようございます」
「おはようございます」そう言って話しかけてくるのは東州連邦共和国のパイロット、五十嵐ハルだった
「今日は訓練ということで…よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」とても元気にしゃべりかけてくれる
「これより訓練を開始する」
まずは射撃テスト 相変わらずハルさんは命中率が高い…
私は命中率78% それに対してハルさんはなんと86%だった
「精度が高いですね」
「ありがとうございます 実はヘリのパイロットをしていたんです」驚いた
次に格闘戦テスト
お互いに戦い合うという、いわゆる模擬戦というやつだ
私が勝利した
「レイさん強いですね…全く敵わなかった…」
「ありがとうございます ハルさんも命中率がたかくてびっくりしました」
そんな感じの談笑も途中途中入れつつ、テストを終了した
ハルさんとは友達になれそうだ…
ハルさんとの訓練が終わった後、今まで襲来してきた使徒の資料を見せてもらった
あのデカい使徒はレベルが黄…あれで黄なの!?とか考えつつも他の資料も見てみる
私が来る前にも何度か使徒は襲来していたようで、そのたんびに防衛施設とかフルボッコにされていたらしい…
「ふーん」
ん?一つだけ倒されずに逃げていった使徒がいる
名前:ブレインウォッシング
レベル:赤
能力:洗脳
戦闘結果:職員の洗脳によって混乱が発生、使徒のntフィールドを破ることに成功するも、使徒が撤退
だってさ…
「…洗脳」
とても強そうだった
「赤」っていうのは最も危険なレベルらしい…しかも洗脳って…強すぎないか?
家に帰ってご飯などを食べた後、気晴らしに散歩に出た
また大和共和国だ…
おばさんから聞いたところ歩行兵器はルミナリアだけではないらしい
大和共和国から一式強化外骨格、東州連邦共和国からは三号機なるものが配備されているらしい
三号機はもう見たが、一式強化外骨格?というものはまだ見た事が無かった
「あれが一式強化外骨格か…」などとつぶやきながら街を歩く
街は安全を守るために要塞化していた…
しかしまだ公園などはあるようで、子どもたちが遊んでいた…笑顔だった
久し振りにみる純粋な笑顔…心が温まる感じがした
コンビニでささっと飲み物などを買い、家に戻り、お風呂に入り、就寝した…
「ううぅん」
毎日3:30の起床だけは苦手だ…
いつもの日課であるスケジュール確認をしてthree arrowsに向かった
格納庫に着き、しばらくの間ハルさんと談笑をする
「今日は早めの帰宅ですね」とか「今日は天気がいいですね」とか
いつも私は聞いている方だった
ただうなずいたりしているだけだった
だから今日は私から話してみることにした
「…あの」
「何ですか?」
「今日は早めの帰宅なので、カフェなどでお話をしませんか?」
「いいですよ!」
まずは誘うことに成功
初めてしっかりとしゃべることが出来たのかもしれない
私は謎の達成感で満たされていた…
ウィィィィン!ウィィィィン!
「使徒襲来! 繰り返す 使徒襲来!」
「出撃できる?」
「…はい」
「はい!」相変わらずハルさんは返事がいい
「それぞれ格納庫にて待機!作戦説明をするわ!」おばさんは走って資料を取りに行った
「僕初出撃なんですよね~不安です」
「…多分大丈夫だと思う」
などと話をしているとき、おばさんが戻ってきた
「今回の作戦説明をするわ!まず今回は初出撃であるハル君を援護する形でレイちゃんは出撃するわ!
ハル君には得意な狙撃を任せてもらうわ!所定の位置に到着した後、使徒に感ずかれないようにレイちゃんは動くの!戦わなくていいわ!ただ使徒をうまく狙撃場所に持ってこれたらあとはハル君の出番よ!」
「…わかりました」
「分かりました!」
「じゃあ出撃よ!生きて帰ってきてね!」
特殊スーツを着てコアに搭乗する
ディスプレイにはおばさんの他にハルさんが追加されていた
「壱号機、出撃します」
「三号機、出撃します!」
三号機と別れ、使徒のいる場所に向かう途中だった…
「!?」
なんと大和共和国の一式強化外骨格がこちらに飛んできた
攻撃されている!?
「…味方のはずじゃ…」どうやら洗脳されているようだった
「レイちゃん!はやく使徒のいる地点に向かって!」
「…わかってる」
私は「ごめん」といい一式強化外骨格の頭部分を吹き飛ばした
もう一機いる…かまってる暇はないのに…
その時ハルさんから、「狙撃地点に到着」という声が聞こえてきた
まずい状態だけど頭を狙う隙が無い…
「…」わたしはタクティカルナイフを取り出し、思いっきり相手の膝部分に突き刺した
ロボットとは言っても膝をやられれば動けなくなる…相手はガクッと倒れながら沈黙した
全速力で使徒のいる場所に機体を走らせる
私は使徒のいる場所に到着した
その瞬間、使徒から謎の光を照らされた…
何なの…これ
瞬時に視界がゆがみながら赤や黄色などになり、私は意識を失った…
ここどこ?
真っ黒い場所だ…
なんか私と似ている人がいる…右目はあるから別の人かな…
「…あの」
しゃべりかけても反応しない…
ただ、ボソッと何かを言っていた…
私は耳を澄ませ、私と似ている女の言っていることを聞いた
「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる!」
私は唖然とした
「…あの」
彼女はずっと「殺してやる」をくり返している…
しかし、次の瞬間、言っていることが変わった
「此処にいてはいけない」
私は目を覚ました…
目の前には三号機がいた
私は洗脳され、使徒を連れたまま三号機の目の前まで来ていたらしい…
「…わっ」
使徒はなぜか崩壊したらしい…三号機の目の前で…
私は何回も帰還後謝った
「…すいません」「…すいません」「…すいません」
ハルさんは
「いいよ…あの時は危険な状態だったし、何より使徒が目の前で崩壊したからね…結果オーライってやつだよきっと」と言って励ましてくれた
結局カフェの約束は後日にした…
あの使徒はなぜ崩壊したのか…あの真っ暗な空間にいた彼女は何者なのか…
「うーん」考えながらも家に帰る
「ただいま」おばさんはいなかった
適当にご飯を食べ、お風呂に入る…ところだった
「たっだいま~」「お邪魔します!」え?
「ハルさんだ…」と言いながら風呂を出る
ちゃんとタオルは巻いた
「なんですかレイさんその恰好!?」
「…タオル巻いてるよ」
なぜ動揺しているのかわからない…
「今日から泊まることになったハル君よ!仲良くしてあげてね!」
着替えた後おばさんから告げられた
「よろしくお願いします!」やはり返事は元気だ
「…よろしくお願いします」
歯磨きして就寝した
ある日の朝、私はいつものように格納庫へ向かい、訓練の内容やスケジュール確認をしていた
格納庫に着くと、変わった機体があった
「…零号機」
なんと大破して放置されていたはずの零号機があった
「驚いたでしょ」おばさんが後ろから声をかけてきた
「…驚きました」
「この零号機はねぇ、まだパイロットが見つかっていないのよ」
「…」
「テストの準備をしなさい」
「…分かりました」
この流れもうやめてほしいなと思いつつ、テスト場へ向かった
いつものとうりシンクロ率などのテストを終え、実際に搭乗してのテストをすることとなった
コアに乗り、零号機を起動させる
「…ひさしぶりだな」操縦レバーの硬さは相変わらずのようだ
そんな感じで起動し、テストを行っていた時、突然警告音が流れ始めた
最初の時の暴走と同じだ…いや違う
「…なにこのメッセージ」
ディスプレイには、「ruin」と書かれたものが大量に出てきていた
周りが見えなくなった
零号機を制御できない!?
零号機はテスト場を破壊し始めた
「denger]この警告音…うるさい
零号機はまっすぐ試験を見学する場所に向かっていった
そこにはおばさんの姿もある
「…まずい」
稼働時間は…あと1分
零号機は頭を試験見学スペースに打ち付けていた
痛みがリンクしているため、耐え難い痛みが始まった
「…うっ」鈍い痛みが頭に走ってくる…
気絶しそうになりつつも、稼働時間を確認した
「…あと40秒」
見学スペースが徐々にへこんできていた
頭が打ち付けられるたびに気が遠くなっていった
「…あと20秒」なぜだろう、時間が長く感じられた
零号機は頭を打ち付けるのをやめ、ビームキャノンの発射体制に移っていた
「denger]
「…あと5秒」
ビームキャノンは発射寸前だ
「…あと2秒」頼むから止まってくれ…
その時、急にディスプレイが暗くなり、操縦席全体が暗くなった
「…終わった」
稼働時間が終わり、強制停止した
戦闘中には厄介な強制停止だったが、今回は強制停止がありがたいものだと感じた
コアが射出され、地面に落ちる音がした
ドアが開けられ、私は病室へと運ばれた