⓵機動部隊によるHD-30数機とMMAVの自動車部隊で敵部隊の位置偵察を実行。
なお、全車両には多連装対戦車ミサイル「V-マルス」を搭載。
ヘリにはフレアやチャフ、対人戦闘で重機関銃を搭載しております。
→・ヘリ2機が撃墜、1機が不時着。ブラックホークダウン状態に
・フレア、チャフはMANPADSには効果があったものの無誘導のRPGには効果なし
・自動車部隊は対戦車ミサイルでバリケードを無理矢理切り開き突破、
部隊を救出してそのまま撤退。
2024年9月1日、早朝。
まだ市民が寝静まっている時、WOLF社側の本部では
指揮官たちがテーブルを囲んで話し合っていた。
「…攻撃時間はどうする?
写真を見るに、夜間戦闘は難しそうだが」
先ほどドローンから送られてきた航空写真には、明かりが1つも灯っていない町が写っていた。
灯火管制か、あるいは電気が通っていない設定なのか…
「…これ以上敵に時間を与えないほうがいい。午前に攻撃するのがベストだろう。」
「だとすると、準備は今からすることになるが…」
「そんなことで弱音を吐くな! 傭兵の意地を見せろ!」
「了解!」
ラン・アウェイ・ベイビー
2024年9月1日 AM8:30
機動部隊α‐1
グリーンランド ナルサルスアーク
チェコ軍のベテラン兵であるヴィンツェンツ・トゥチェクは、
出来るだけ実際の戦場と同じ商圏にするために民間人と同じ服装をして
見張りの為に無線機を握りしめながら遠くを眺めていた。
「…ん?」
地平線からヘリの音が近づいてくる。
彼はその音がチェコや他の部隊の物ではなく、
WOLF社のヘリコプターの音であることを瞬時に見抜いた。
すぐさま無線機を握りしめ、
近くに置いてあるタイヤに向かって走り出す。
「ヘリだ! ヘリが来てる!」
そう叫んで連絡しながら、狼煙を上げるために片手でライターを付けた。
「前方に敵影1! タイヤを燃やしてます!」
ゴムを燃やしたことによる独特な煙は、
展開している汎用ヘリからも容易に見えた。
「タイヤ? 何のためにだ?」
「狼煙だろう。 古典的な手段だ」
「そうか… 急げ! スピードを上げろ!」
民家の中に置かれたチェコ軍の本部では、兵士たちがあわただしく走り回っていた。
「…何だ、どうした? 敵か?」
「武装した汎用ヘリが数機来ました。 ヘリボーン部隊かと」
「…周辺に展開している部隊をすべて回せ! 15分以内にだ!」
「了解!」
そう言った途端、携帯無線機を持ちながら
一人の士官が外に飛び出した。
外には、大勢の兵士たちが市民に交じりながらくつろいでいた。
ただし、一般人とは違ってAK-47やRDG-5を装備しているが。
その中に向かって、士官は大声で命令した。
「敵がタンゴ地点に来てるぞ!急げ!」
「はい、少尉!」
テクニカルに乗りこんだ大量の兵士たちが、
ヘリの方向めがけて疾走していく。
彼らの手には、ノースコープのRPG-7が握られていた。
「こちら本部よりアルファ1へ。
敵の戦力を報告しろ。オーバー。」
「こちらアルファ1、民間人と敵の区別が付かない!
奴ら全員同じ服装だ!」
…そう交信しながら、彼らが市街地上空に達したときだった。
「RPG!」
空に向かって、大量のRPG-7が発射されていく。
空を覆いつくすような煙の網ができていき、時々ロケット弾がヘリの近くをかすめていく。
ヘリ群はチャフやフレアで対抗しようとするが、無誘導のRPGには効果がない。
「緊急回避!」
「駄目です! 間に合いません!」
…2機に命中した。
1機は墜落判定、もう1機は近くに不時着。
「クソったれが! アルファ1より本部へ、アルファ3と7が落ちた!オーバー!」
「こちらアルファ5より全機へ! 救出に向かう!」
機体を墜落地点に向けたが、こちらにも大量のRPGが迫って来る。
「俺たちだけじゃ無理だ! 陸上の車両隊も急げ!」
「分かってる!」
「RPG! RPG!」
「畜生!振り切れない!」
…失敗した。 アルファ2にもRPGが命中し、こちらも撃墜判定された。
幸いにも両機は近い場所にそろって墜落しているため、
乗員の救出は容易だろう。
……陸上部隊が間に合えばの話だが。
「行け!行け!行け!」
その時、車両隊はドローンが上空から
リアルタイムで送ってくる動画をカーナビ代わりに使いながら
全速力で突っ走っていた。
「前方にバリケード!」
「マルス撃て!」
対戦車ミサイルが発射され、バリケードが吹っ飛ぶ。
その隙間を縫って装甲車が駆け抜けた。
…装甲車部隊は、持てる性能をフルに発揮して戦った。
その優れた高速性と防御性能により、バリケードをいとも簡単に粉砕しながら
墜落地点めがけて突っ込んでいったのである。
途中、1両がテクニカルに搭載された重機関銃で撃破されたが
そのテクニカルも同じく重機関銃の集中砲火を食らって粉砕された。
「弾薬切れだ! 誰かマカジンを!」
「衛生兵はまだか!?」
墜落現場は大量の敵兵に包囲されつつあったが…幸いにもスピードが功を奏した。
「おい、大丈夫か!?」
全ての火器を乱射しながら、装甲車部隊が到着した。
大音量で繰り広げられる銃撃戦の中、お互いの部隊の指揮官が大声で会話する。
「何人生き残ってる!?」
「着陸はうまくいった!
ほぼ全員いる!」
「そうか!」
装甲車の中から兵員が飛び出し、
援護射撃を行いながらすぐさま友軍と共に装甲車に向かって撤退する。
負傷兵判定されているものは戦場救急車に積み込み、
無事だった兵は装甲車の中に押し込んだ。
各々が窓や銃座から撃ちまくって弾幕を貼り、
Uターンして本部へと戻っていく。
「戦車隊が来るまでの辛抱だ!
勝手にやられるんじゃないぞ!」
⓶敵と接敵、もしくは発見時には自動車部隊を撤収。
その後、後方に行いてきた戦車部隊を前線に。第一戦はV-1GRやV-2GRによる機甲部隊。
こちらの機甲部隊も「V-マルス」を搭載
→・戦車隊は道が狭すぎたこととRPG-7による物量攻撃、
そして随伴歩兵がいなかったことにより壊滅
その時、戦車部隊は友軍を救出するべく町へと突撃していた。
出せる最大の速度を出しながら、敵に向かって勇敢」に突っ込んでいく。
その光景を、チェコ軍の兵士は遠くからスコープ越しに眺めていた。
「…戦車だけだ。歩兵はいない」
「そうか… まるでイスラエル・タルだな」
「第四次中東戦争のオールタンク・ドクトリンか…
自殺行為だな」
…オールタンク・ドクトリン。
イスラエルのイスラエル"タリク"・タル将軍が考案したドクトリンで、
視界の開けた砂漠では、戦車の脅威となる物の隠蔽が困難であり、
さらに第三次中東戦争での「アラブの兵士は弱い」という認識があったため
「空軍の支援のもと、機甲(戦車)部隊は単独で突破戦力としての任務を十分に遂行できる」というもの。
このドクトリンは第四次中東戦争の緒戦において、
対戦車ミサイルを始めとする多種多様な対戦車火器によって粉砕された。
…そして、彼らはイスラエルの戦車部隊と全く同じ光景を見た。
大量のRPG-7が、先ほどと同じように車両に向かって文字通り突っ込んでくる。
速さを犠牲に装甲を薄くしたこともあり、戦車隊の半数が撃破判定された。
生存判定の乗員は僅かしか残っていない。
さらに彼らは不運なことに、狭い市街地に突入していった。
車体が建物にぶつかって身動きが取れなくなる。
「ベータ5よりガンマとアルファへ!
現在交戦中、既に戦闘能力を喪失した!
至急援護をー」
そこまで言ったところで通信は途絶えた。
「こちらアルファ1よりベータ5へ、応答しろ! 聞いてるのか!
…戦車隊が壊滅した! 進路を変えろ!
このままだと残骸のせいでこっちも身動き取れなくなるぞ!」
無線を聞いて、装甲車部隊は進路を後方に展開しつつある歩兵部隊に向けた。
「あと何両生き残ってる!?」
「9両やられてます! 残り3両!」
既に壊滅しかかっている部隊の周りで敵兵が走り回り、
高所や後方からRPGをぶっ放してくる。
戦車隊にとって、悪夢ともいえる光景が広がっていく。
「11時方向、RPG!」
「砲塔旋回!」
「駄目です! 主砲が壁に引っかかって―」
55口径120mm滑腔砲は確かに強力だったが、その長さが仇になった。
狭い市街地において、長い主砲はむしろ障害になる。
…実際、米軍のM1エイブラムスも
市街地戦の為にあえて砲の長さを短いままにしている。(他にも理由はあるが)
どうせ敵はろくな装甲車両を持っていないし、
砲弾の改良だけで容易に対処可能だからである。
次の瞬間、彼らの車両はもろに攻撃を食らった。
判定は撃破。生存者も居なかった。
さらに追い打ちをかけるように、他の車両も次々と撃破されていく。
車長は、撃破判定になった車両の中で小さくつぶやいた。
「畜生め…」
⓷敵部隊が機甲部隊に注意が向いている間、H-1・H-2の歩兵戦力が敵部隊の後方部に展開、
対戦車ミサイルや対空ミサイルで敵部隊の殲滅の実行。こっちも「V-マルス」を搭載()
→・対空ミサイルは航空戦力がなかったため効果なし。対戦車ミサイルは壁をぶち抜いて建物急襲に使用。
・戦車部隊が早々に撃破されたことにより、予想よりはるかに多い数の部隊と交戦
一方、歩兵部隊は装甲車部隊と合流するために計画を変更。
側面から市街地を強襲していた。
「突入しろ!」
対戦車ミサイルを使い、要塞化された家屋の壁をぶち抜いて急襲する。
「…エンゲージ!」
「撃て!」
お互いの叫び声を合図として、
建物内で銃声が飛び交った。
「いいぞ! 残った敵は後続に任せとけ!」
あっという間に辺りを制圧した後、部隊は煙幕手榴弾を
前方に向かって投げながら即座に家屋を突破していった。
「このままの勢いで装甲車部隊まで合流する!
止まるなよ!」
装甲車部隊もこちらに全速力で向かってきている。
彼らと合流すればこちらの勝ちなのだが…
「敵兵が予想よりも多い! テクニカルに乗ってきてるぞ!」
戦車隊が早々に撃破されたことで、予想よりも多い戦力と交戦する羽目になった。
どれだけ敵を倒しても波のように襲い掛かってくる製で、
たちまち歩兵部隊は後ろへと押し返されていった。
「倒しても倒しても来やがる! ゾンビ映画じゃあるまいしよ!」
「交代で撃ち続けろ! ここを死守するんだ!」
「この野郎! とっととどけ!」
さらに同じころ、装甲車部隊も同じく人の波をかき分けながら疾走していた。
重機関銃や個人携行火器による大量の弾幕が幸いして、
どうにかスピードを落とさずに進めている。
友軍部隊までもう少しだ。
⓸一撃離脱で時間を遅らせ、ICFの他国部隊が来るまで時間を絶えしのぐ
→・一応成功、部隊はどうにか撤退。
「8時方向に装甲車! 友軍です!」
「来たぞ! 総員撤退しろ!」
…装甲車が逃げる時間を稼ぎながら、全員で矢継ぎ早に撤退していく。
「こちらガンマ2より本部、装甲車部隊を撤退させた!
これより我々も撤退する! オーバー!」
「こちら本部、近くに汎用ヘリ部隊を向かわせる。
そこまで移動しろ。アウト。」
市街地を抜けた何もない平原の上空を、
2機の汎用ヘリがミニガンとロケット弾で辺りを掃射しながら飛び去っていく。
今回は全く遮蔽物がないため、兵士たちも簡単に殲滅されていった。
「こちらデルタ1よりガンマ2へ、到着地点に到達した。
とっとと乗り込め。 オーバー。」
「こちらガンマ2了解。 アウト。」
航空支援を受けながら、汎用ヘリに総出で乗り込んでいく。
その後はRPG-7や小火器弾の攻撃を受けることもなく、どうにか本部まで戻ることができた…。
結果:強硬偵察には成功するものの、WOLF社の損害甚大。
WOLF社側の戦略的勝利。
チェコ側:歩兵300名死亡、400名負傷
テクニカル11両撃破
WOLF社側:歩兵49名死亡、81名負傷
汎用ヘリ2機撃墜、1機撃破
装甲車1両撃破
戦車12台撃破(備考:全車両が撃破)
ということで、今回はWOLF社側の戦略的勝利でした。
敵は多くの損害を受けており、本体が攻撃を開始すればたちまち壊滅するでしょう。
しかし、WOLF社も高額な装備や優秀な人員を多数失いました。
どうにかして人員と兵器を補充しなければ、戦闘能力は大きく低下します…。
PMCが一般的に行う対ゲリラ戦の場合、エグゼクティブ・アウトカムズよろしく
旧式でも安価な兵器を採用するほうがいいです。
エグゼクティブ・アウトカムズ社ぐらいしか同程度の戦力ないけど…
どうせ敵はろくな装甲戦力を持っていませんし、(せいぜいテクニカルぐらい?)
バカ安いIEDで高額なMBTが破壊されるのは割に合わなすぎます。
模擬戦なので死者ではなく死亡判定みたいな感じにするかシュミレーション形式にするとか...?
これがきっかけで本社5KでもVシリーズファミリーの小型モデルや、より安価な量産型兵器の生産も可決されました()やはり市街戦や対ゲリラ戦闘では装甲車が強かったですか。今後は戦車部隊の予算を減らして自動車部隊の予算増やして軍拡しますか()
APSが要りそうですね()
ゲリラ戦術への対抗は私の得意分野ですなぐふふ…皆さんもいかが?()