テスト
名前変えた
どうやって画像添付するのこれ
>> 41ジーンズの膝の上に置いて撮ってんのか思った
写真って言っても通用しそうだよね
いや、イラストだよ! 実際に作れたらいいんだけどね…
これって本当に触れる状態で作ったの?
第五話「怖いぞ?!幽霊屋敷」 三葉町にも夏が訪れた。この町に住むぽぽは、親友のいんくと 町の隅っこにある廃屋敷「陽性邸」に肝試しにいく事を計画する。 怖いのが苦手な事を周囲に隠しているいんくは、内心行きたくなかったが ぽぽに誘われ仕方なく同行する。
しかしこの陽性邸には、「火之軋(ひのきし)」という化け物が いるという噂があり...
うーん、第四話はあとで修正します。
第四話「ロシアニキの巨大遊園地」 三葉町に新しい遊園地が出来た。その名も「ロシファーパーク」。 その影響力は絶大で、「三葉町は休日になると町から子供が消える」と言われたほどだった。
一方、ロシファーパークには ある不気味な噂があり...
第三話「熱き漢の頂上決戦!」 ポカポカした陽気に包まれている三葉町だが、この町には年中熱気がヤバい建物がある。 その名は「ミーバーゲームセンター」。 熱き漢(おとこ)達が集う場所である!
いつものようにナイヤガラと藤遊が「てぇこの鉄人」で遊んでいると、 突如として現れたアルティ~にスペースを横取りされてしまう。 アルティ~の非常識な行動に激怒する二人。しかしアルティ~は悪そびれもないように言い放った。 「俺との勝負に勝ったらこのスペースは譲ってやる。しかし、負けたらこのスペースは一生俺の物だ!」と...
第二話「とちまるの花見」 季節は春。三葉町の町人であるとちまるは、同じ三葉町の町人であるおうどん弁護士や 6×6=36と共に花見を企画していた。 ビニールシートや酒類等の買い出しに行ったとちまるだったが、帰る途中 5人のこそ泥グループ「RPG(RPGは株式会社バンダイの商標です)」に財布を盗られてしまった。 落胆するとちまる。するとそこへ、おうどん弁護士が通りかかった。 おうどん弁護士はとちまるから詳しい情報を聞き、三葉町の知り合いに協力を仰ぐよう決意。 かくしてここに、おうどん弁護士の知り合い(20人)と「RPG」との戦いが幕を開けた。
(弐の続き)
危うく機密(?)を漏らしかけた幹斗に雑に片手で謝罪し、懐かしいゲームのネタを交える。 「懐かしいな。でもそれなら白羽ひとりで倒せるだろ?」 「いつの話だよ。今じゃ腕が鈍ってて無理だって」 「その昔は何体狩ったんだ?」 「四、五十体くらい?」 「なら大丈夫だな」 「じゃあペアで狩ろうぜ」 「俺以外の人でよろ」 「俺の相棒はお前しかいないぜ!」 そこまで言って、フレンチトーストの最後の一切れを飲み込んだ時に、幹斗は何かを思い出したような仕草をした。 「ん、この前来た時にさ、何か相談してたおばあさんいたよな?あの件どうした?」 「ああ、あれな。丁度いい」 そこで言葉を区切り、意味ありげな(特に意味の無い)笑みを浮かべる。それを受け、何かを察したようにキリッとした顔をつくる。 「今日の夜、その件について動く予定なんだよ」 「ほう。家出少女だったっけ?」 「そうそう。今夜利玖と、件の少女が一緒にいるっていう不良たちの集会に凸る予定だ」 つい最近から町のコンビニの周りにたむろしている不良がいるという噂も耳に入っていたので、飛んで火に入る夏の虫、という具合だ。もう立秋は過ぎているが。 「危ないことにならないか?大丈夫か?」 心配しているのだろう。幹斗が問いかける。 「大丈夫。そんな事にはならんと思う」 「んー、でも心配だから俺も着いてくわ」 「えっ────暴力沙汰も噂される連中だぞ?危ないからよせよ」 「それなら尚更だ。俺も行く」 やれやれ、と白羽は思った。この顔をした幹斗の意思を曲げる────曲げさせるのは不可能に近い。幹斗と同じだけの熱量で言い合う気力は、今の白羽には無かった。よって妥協をする。妥協が良い結果に転ばないことを、白羽はよく知っているが、そこで白羽は妥協を選んだ。 ────選んでしまった。 「そこまで言うなら仕方ない。着いてきてもらうか。今夜九時にそこの階段の下に集合でいいか?」 「ああ」 言うと、空になったカップと皿をおもむろにカウンターに返してくる。「ありがとう」と返してシンクにそれらを置き、扉へ向かう幹斗を送るため、カウンターを回り込んで幹斗に近寄る。 「じゃあ、また」 「うん、また夜に」 短い挨拶を交わすと、幹斗は扉の向こうへ歩き、扉が閉まるとともに階段を叩く音も消える。 別れ際の幹斗は固い顔をしていて、何を思っていたか、白羽には伺い知れなかった。白羽は人より、他人の心情を察する能力に長けた男だったが、自分が関わると、途端に相手の心が見えなくなる。何か悪いことをしてしまっただろうか。白羽の胸は俄にざわつく。しかし、そう考え込むのは一瞬だった。再び階段を叩く音が聞こえてくる。幹斗の靴とは違う音だ。思考を止めて、カウンターへと戻る。 大丈夫、思考を止(や)めるのは得意だ。依然として騒ぐ胸に語りかけ────言い聞かせ、新たな来客のために笑顔をつくる。 扉がきぃ、と開いていく。 「いらっしゃいませ」
弐
大親友との思わぬ邂逅から幾日かが過ぎた日の昼間、白畑白羽は自ら切り盛りするカフェで、一人静かに本の世界に浸っていた。ドアの外には開店を示す看板をかけてはいるが、昼前のこの時間に訪れる客はまずいない。カウンターの横にあるアンティーク調の肘掛椅子に深く座り、文字の連なる頁(ページ)を捲る。彼の至福のひとときだ。 そこにふと、音もなく栗色の翼を持った常連客が訪れる。ちゅん、という小さな声で白羽は来客に気付く。 「いらっしゃい。今日もいい天気だね」 手をひらひらと振ってみる。問いかけの意味を知ってか知らずか、開け放った窓の枠にとまる小鳥は白羽を見て再び啼く。そのかわいらしい様子に思わず目尻が下がる。 「もう行くのかい。元気でね。また明日」 いつもと変わらない挨拶をすると、小鳥は窓の外に向き直り、色の変わり始めた街路樹の覗く青空へと飛び立った。 かんかんかん、と柔らかい靴底が鉄の段を叩く音が白羽の鼓膜を揺らしたのは、そんな時だった。腿の上に置いた栞を頁の隙間にさし、横目でカウンターのエスプレッソマシンの陰にある、山吹色の物体を載せた皿を確かめる。 きぃ、と控えめな音とともに扉がゆっくりと開けられ、奥からこちらを窺うように、見慣れた懐かしい顔が覗く。 立ち上がって本を椅子に置き、見知った来客に笑顔を見せる。 「いらっしゃいませ。今日は何にいたします?」 「え、えっと…じゃあエチオピアのフィルターで」 「かしこまりました」 自分の前で大人ぶろうとしている幹斗に、ついつい口元が緩む白羽だった。前の時のふゆの注文を真似したのだろう。 「にやにやすんなよ白羽ぁ」 「ふふっ。なんか可笑しくてついな」 恥ずかしそうにこちらを睨む幹斗は、先日とは違い、ラフな黒いTシャツにジーンズ、それに何より目を引く真っ赤なスニーカーに身を包んでいる。 「今日は非番でさ、暇だったから来てやったんだよ」 拗ねたような口調で幹斗は話を逸らす。コーヒー豆を挽きつつ、カップやサーバーを用意しながら幹斗に応じる。 「そうだったのか。相変わらず赤いの好きだな」 「そう。何だかんだ赤が一番好きだな」 「お前が変わってなくて安心したよ」 「そっちも大して変わらないな」 「なら良かった。でも見た目は随分大人っぽくなったよな」 「大人になったんだよ。もう何歳だと思ってるんだ。つーかこの会話前にもしたろ」 「そうだっけか。俺が永遠の144歳って話か」 「なんで数日見ないうちに年齢が二乗されてんだ────」 実に阿呆らしくて楽しい会話だった。そこで出来上がったコーヒーをカップに注ぎ、味見用のカップにも少し注いで、素早く呷って出来を確かめる。満足のいく味に口角を上げ、フレンチトーストの載った皿とともに幹斗のもとへ運ぶ。 「!また気を使ってもらって悪いな」 「ええよ。俺が好きでやってる事だから」 幹斗の両の眼は揃って運ばれてきた山吹色のトーストに釘付けになっている。今にも涎を垂らしそうだな、なんて思った。 「そういえば、何で時々方言っぽい話し方なんだ?地方にでも行ってたのか?」 フレンチトーストにがっつきながらも、白羽に話を振ってくる。自分には無いその自然な気遣いと明るさは幹斗の魅力のひとつだ。特に親しい仲でないでない限りは、用事でもないと自分から他人に話しかけることができない白羽にとっては、とてもその気質は羨ましい。白羽はいつも、自分は他人によく思われていないと意識してしまうので、友人と思っていても、自分からは一定以上に距離を縮めない。それで誤解されることも無きにしも非ずなのだが。 「今読んでる本の登場人物の影響かな。特に好感の持てるキャラだと、方言ってよう伝染るやん?」 肘掛椅子に置いたハードカバーの本を指し示す。 「おぉーん。なるほど」 「お前本読まないやろ」 「失敬な。本ぐらい読むさ、三冊くらい…」 「週に?」 「月に!」 予想通りの反応だ。昔から、白羽は学校の授業中も読書をするくらいに読書家だったが、幹斗は正反対のタイプだった。 「まあ、警察官だとそんな時間ないのか?」 「まあな」 「まだ組対の人と聞き込みしてんのか?」 「そんなところ。悪い人じゃないんだけど、暴力団と日頃相対する人だからさ、なかなか心臓に優しくないんだわ」 「あー、想像できるな」 何人か警察に知り合いがいる身として、組対の人々の異質さを想像するのは難しくない。あくまで想像だが。 「他の部に人借りるほど人手が足りないって、何があったんだ?」 「この辺りの組────なんだっけ?黒龍会?が武器の製造とか輸出をしていて────って捜査情報じゃん」 「おっとすまねぇ。あとそれ白竜会な。黒龍じゃあ国が滅びちまう」
ごまかしの色リザ(ぐぐかす時代の) >> 29 今コメに気付いたから今週中には描く!スルーしててごめん!ありがと!
適当に描いた仮面ライダーWの二次創作(?) 仮面ライダーシャドウ ロストドライバーで変身する奴 厨二臭くて今更恥ずくなった
第一話「ようこそミバちゃんねるへ!」 ミバ派生サイトが集まる不思議な地方「ミーヴァハッセイ地方」。 そこに迷い混んだ少女シルフィーは、突如として表れたロシファーに案内され 三葉町へとたどり着く。 陽性かまってちゃん、ミッキーといった個性の強い人達との交流を経て、 シルフィーはこの町に定住することにした。
だが、ここで事件が発生。河原でくつろいで冬将軍がとある凶悪事件の犯人に捕まってしまったのだ。 犯人の要求するのは「1000000ハムゴールド」。もちろん払える筈もなく、 なすすべのないナイヤガラ達。 そこでシルフィーが「犯人との交渉役」を買って出、交渉のかいあって犯人は降伏し、冬将軍は解放された。
アクキー風
輪廻転生ーーーいえーーい そんな暇あったら活動せい
おめです!
替え歌から始めようと思う!
そろそろ活動してこか、、て思うのだがまだ何もやってない。。。
やるぅ 私は色アイアントでたー
よろすくぅーー 47連鎖目で色オクタンでたぁ
38はミバってことですハイ(今更感)
よろにゃ
不十分だったところをきちんと直してくれました。感謝!
原画 トチ 画 6×6=36さん
総合広場ってことでタグを全てつける、という、、 これからはこのトピに住み着くかも?他のトピにもちょくちょくお邪魔しまぁーす。 引き続き、よろすく!
ヌメルゴン描いて欲しいなぁ。 俺氏が情報広場をつくったことにより、、、例の小説が、ねぇ、、、?(意味深) いつでも見れるっしょ?俺がいなくなっても。
色つけるの苦手なもので、塗ってない。。。
別トピからもってきました! トチ 画
半年くらい放置してたゼノ・ジーヴァ ラスボスだけど幼体、という性質的に、あえて書ききらないことにした(めんどかった)。 自信作
(壱の続き)
「そうだ、さっきおばあちゃんがお辞儀しながらこの店を出るのを見たわ。あんたら、また変なことに首突っ込もうとしてんじゃないでしょうね?」 「ご想像にお任せしますよ」 「────ったく。怪我はしないでよ。いちいちあんたらの治療とか看病すんの、面倒なんだから」 トゲのある事を言っていても、彼女の目はとても優しげで、本気でふたりを心配している事が幹斗にも見て取れた。そこまで言うと、彼女はすぐに前に向き直り、扉の奥に消えた。かつかつかつ、というヒールの音がフェードアウトする。店は、幹斗と白羽のふたりのみとなる。 「すまんな。騒がしくて」 「いやいや、明るいのはいいことだよ」 幹斗は白羽にそう返すと立ち上がり、空になったコーヒーカップと皿を持ってカウンターに歩き、白羽に返す。 「もっと話してたいのは山々なんだが、そろそろ集合の時間なんだ」 左手首に巻いた腕時計の文字盤を見ながら、ペアを組んでいる組織犯罪対策部の刑事の言った、休憩後の集合時間を思い出す。あと15分ほどだった。 「そうか。がんばってな。また来てくれよ」 「ああ、勿論だ」 白羽は幹斗から受け取った食器を洗いにかかりながら、幹斗は椅子にかけたジャケットを腕にかけて、出入り口に向かいながら、会話を交わした。言葉数は少なかったが、ふたりにはこれで十分だった。また会える。また話せる。そのことを思えば、余計な言葉は不要だった。 外に出て、背後で扉の閉まる音を聞き、幹斗は空を見上げる。 鮮やかな色を纏った雲が浮かんでいた。 高い空に輝く太陽は、やけに柔らかな光で幹斗を包んだ。
「はは、俺のことだな!俺は利玖。ここで居候してて、暇なときは大体ここにいて、人々の悩みや相談に乗る、心優しき────」 「馬鹿だ」 店全体に響くような大きな声で得意げに自己紹介を始めた半袖シャツの男────利玖のセリフに、白羽が被せるように言った。 「ひどいこと言うなよ白羽~。俺とお前の仲だろ」 「最初は近所のお爺さんの家出した猫探しだったんだが、いつのまにか噂が広がって、こんな風に大きめの話まで来るようになった。しかも何故か俺に」 軽口を叩く利玖をスルーして、白羽が言う。普段は人の話を最後まで聞く白羽にしては珍しい行動だ。 「俺としては迷惑もいいところだ。威力業務妨害で訴えてやろうかと思っててな」 「ひぇっ」 辛辣な言葉を並べていても、白羽がそれを本気で言っているのでないことは、その表情を見れば幹斗でなくとも容易に分かるだろう。どうやら、この利玖という男と白羽は随分親しい関係のようだと幹斗は感じた。それを少し面白くないと思う自分を頭の隅へと追いやって。 割り切れない笑みを浮かべる幹斗をおいて、白羽は 「まあでも、そこのコンビニの店長が、不良がたむろするようになったって言う時期と重なるし、多少は動いたほうがいいかもな」 とひとりごちる。 かつかつかつ、と早いテンポで階段を叩く音が聞こえたのは、その時だった。 音がして間もなく、店の扉が勢いよく開く。扉の奥から現れたのは、三人と同じくらいの歳の女だった。肩までの黒髪をストレートに垂らし、髪の黒色と対照的な白を基調とした服を着こなす、整った顔をした小柄な女は、幹斗の目を引き付けるには十分な魅力を持ち合わせていた。 「エチオピアをフィルターでいただけるかしら?」 「かしこまりました。550円になります」 高めの声音で優雅に注文を済ませると、女は流れるように次の言葉を繋ぐ。 「ツケといて頂戴」 「いやどこに」 間髪を入れずに白羽が真顔ででつっこむ。 「いいじゃない、居候させてやってんだからツケぐらい。なんなら私の可愛さに免じてタダにしてくれてもいいのよ」 「こっちも商売なもんで。ちゅーか、なんで値引きを目論む人がそんな上からなんですか」 急に低めの声で女は白羽と会話を交わす。幹斗はひとまず、後からの方が彼女の素だろうということと、彼女がこの建物の所有者、あるいは関係者だろうということを把握した。なんだかんだ言いながら、バッグから財布を出しながら女は応える。 「はぁ。あんたは相変わらずケチね。550円ね────ってぇ!ここのコーヒー、一杯450円でしょうが!なんでさらっと100円多くかっぱらおうとしてんのよ!」 「あ、ばれたか」 「ばれたか、じゃないわよ!まったく────」 言いあうふたりを尻目に、見飽きた光景だと言わんばかりの顔をして、利玖がその場を離れる。自らの席に戻る途中で幹斗の横に止まり、幹斗に話しかけた。 「あの人は麻澤(あざわ)ふゆっていって、この建物の所有者。それとここのマスターの孫だ。アイドルみたいなことやってて、時々テレビにも出てる。この光景はいつもの景色」 「なるほど。というと、彼女が白羽の大学の友達ですか?」 「いや、それは弟のほう。俺とそいつと白羽が大学の同期。あ、俺バイトの時間近いしお暇するわ。それと、俺ら同い年だろうしタメ口でいいよ、幹斗クン。じゃあな!」 「・・・」 立て板に水にそう口にすると、幹斗に口を挟む隙すら与えず、自席にあったスマホを取ると、まだなにやら言いあっている白羽とふゆと、手持無沙汰な幹斗を置いて、足早に店の出入り口とは違う扉の奥へと消えていった。ここに居候していると言っていたし、自分の部屋に行ったのだろうか。幹斗が呆気にとられていると、 「あなたが白羽のお友達?可愛い顔をしてるわね」 いつのまにか近付いていたふゆが、幹斗に話しかけた。赤っぽい色の目が幹斗を覗く。しばらく男ばかりの職場にいる幹斗は、久しぶりに女性と話すことに緊張しながらも、会話に応じる。 「あ、はい。はじめまして。未井幹斗といいます」 「こちらこそはじめまして。麻澤ふゆです」 綺麗な笑顔でそういうものだから、なおさら幹斗の心臓は早鐘を打つ。 「俺の大切な友達なんだから、食おうとしないで下さいよ」 「そんなことしないって。私のことなんだと思ってるのさ」 カウンターの向こうで食器を動かしながら、白羽が軽口を挟む。 「なんでしょうね?はい、できましたよ」 そう言いながら、てきぱきとした手つきで、コーヒーカップをカウンターに差し出す。 「はぐらかすなよ・・・。カップは後で返すわ」 「了解です」 「幹斗くんも、また会いましょう」 「あ、はい」 呆れたような声でカップを受け取ると、ふたりを一瞥してから、ふゆは利玖が消えていった扉の向こうへ去ろうとする。しかし、ふと立ち止まってこちらを振り返った。
出た、、、インスタ映えの空w
壱
白羽は変わらないな。幹斗はそう思った。実に10年ぶりの邂逅だというのに、白羽も幹斗もまるで10年前、いやそれより前の、同じ教室で机を並べていた頃のように、気負うことなく会話を交わした。 「へぇ。お前が警察か。しばらく見ないうちに立派になったなぁ」 「年明けに会う親戚のおじさんかお前は」 「随分大きくなったねぇ」 「今度はおばあちゃんか。いったい何歳なんだよ。同い年じゃん。つーかお前の方がよっぽど背高いだろ」 「俺は永遠の12歳だよ。ちなみに身長は185ないくらい」 「いい歳して何言ってんだ。やっぱ背高いな────」 幹斗は白羽に会わなくなってからもしばらく成長していたが、それでも白羽に比べて10cmほどの開きがあった。 少し会話に間隙ができたので、今度は幹斗から白羽へ、この店について質問を投げる。 「あー、この店はもともと大学でできた友達のお爺さんの店だったんだけど、継ぐ人がいなくてさ。そこでその友達伝いで俺に話が来て。当時からコーヒー屋で働いてたから、願ってもない話だと思って働かせてもらってたん」 「なるほど。じゃあそのお爺さんは?」 幹斗は言いながら店内を見回してみるが、相変わらずテーブルにスマホだけ置いて、何をするでもなく窓の外をぼんやり見つめている赤い半袖シャツの男以外、視界に入る人物はいない。 「うん、まあ、あそこにいるはいるよ」 曖昧な返答をしながら、白羽はカウンターの奥を指し示す。 「あ・・・」 白羽が指し示したカウンターの奥の棚にある、小綺麗な縁に入った柔らかな顔をした壮年の男性の写真を見て、幹斗は言葉を詰まらせる。 「そう。矍鑠としたお爺さんだったんだが、去年に脳をやっちまってな。それ以来あそこで呑気に笑ってるよ」 「・・・すまない」 「構わんよ。遅かれ早かれ、誰の身にも訪れることだし、そのお陰といっちゃなんだが、それからはこの店は俺がやらせてもらってるからな」 そういって白羽は、一瞬見せた暗い影を落とした顔を、無機質な笑顔で上塗りする。その笑顔は、10年会わなかったといえども大親友である幹斗ですら、一瞬分からないほどに精巧に作られていた。 「えっと────」 「あ」 気まずい沈黙に耐えられなくなって口を開けようとした幹斗を制するように、白羽が声を零して幹斗が先ほど入ってきた扉に目を向ける。つられて幹斗も同じ方向を見やると、扉の奥から、こつんこつん、とのんびりとしたテンポで靴底が階段を叩く音が微かにするのを感じる。 「すまんな、また後で」 そう言って片手で謝罪の形を作ると、足早にカウンターへ戻る。すると、タイミングを図ったように緩やかにドアが開けられ、全体的に地味な色の服を着、重ねた月日の分だけ頭を白く染めた女性の姿が現れる。 「いらっしゃいませ」 自然な笑顔で女性を迎えると、女性もそれに応え、カウンターの席に座りながらなにやら話し始めるが、その控えめな声は、幹斗の耳には、明瞭には届かない。 カウンターの様子を窺うのを諦め、幹斗は思い出したように、目下でまだ湯気をたたえるコーヒーカップとフレンチトーストに目を向ける。なにも考えずにコーヒーを頼んでしまったが、コーヒー飲めないじゃん、と数分前の自分を責める。しかし、大親友が淹れてくれたコーヒーだし、飲めないことは無いはず、と自分を奮い立たせ、白磁のコーヒーカップの取っ手を掴みあげ、勢いよくその中に満ちる艶のある黄櫨染にも似た色の液体を口に含んだ。 「!」 意外にも美味しかった。口を通る液体は、高めの温度と心地のよい酸味と甘み、仄かな苦みを伴って舌を包み込む。やがて飲み下すと、街中で嗅いだ芳醇な香りが再び鼻腔をくすぐりながら通り抜ける。調子の付いた幹斗は、続いて右手をフォークに持ち替え、黄金色のフレンチトーストを食しにかかる。フレンチトーストは、適度なはちみつの甘みがよくパンの味を引き出していて、とても幹斗好みの味に仕上がっていた。パンの程良いしっとり感が堪らなく味覚を刺激する。 流石に、そのフレンチトーストが初めから幹斗のために作られていたと思うほど、幹斗は自惚れていなかったが、その慣れ親しんだ美味と新しい美味は、確かに幹斗の疲労を癒し、五分もしないうちに、ふたつの器は空気を載せるのみとなった。 空腹と疲労を失い、満足感に浸っていた幹斗は、なんとはなしに、再びカウンターの話し声に耳を傾ける。 「────ということなんです。なんとかお願いできませんか?」 「なるほど・・・えっと────」 体力の回復からか、先ほどよりは、明瞭に会話の断片が聞こえてくる。白髪の女性が何かを白羽に頼みこんでいるようだ。白羽は困ったように曖昧な笑みを浮かべている。 がた、と唐突に椅子を無遠慮に動かす音が、静かな店内に響く。音のした方向は、最初から店内にいた半袖シャツの男のいた辺りだ。不思議がって幹斗がそちらを振り向くより早く、男は幹斗の横を通り抜けて、カウンター席に向かい、ふたりに話しかける。横を通る瞬間、幹斗は男が笑みを浮かべていたように見えた。 「すみません、お話、横から聞かせてもらいました。俺が力になりますよ」 「えっ?あなたは・・・?」 男の突然の言動に、女性も驚かされているようだ。そこにやれやれ、といった笑顔で、白羽が助け船を出す。 「こいつは荒田利玖(あらたりく)、噂が独り歩きしてる部分があると思いますが、ここに寄せられる相談を受けているのは、私ではなく、主にこいつなんです」 「そうなんですか!どちらにしろ、孫をお願いします!」 「任せてください!」 「善処します」 素性が分かると同時に、女性は嬉しそうな声で、もう一度ふたりに何かを頼みこむと、「ありがとうございます。お願いします」と重ねて言って、慌ただしく席を立つ。 「ありがとうございました」 白羽はそう言って、帰る客を見送る。女性は再び謝辞を重ねてお辞儀をすると、扉の向こうへと消えていった。こつんこつん、と軽やかな音が遠くなり、再び店内が静かになったところで、幹斗は白羽に今のやり取りについて尋ねた。 「さっきのお客さんのお孫さんが、家出して不良みたいな連中とつるんでるから家に連れ戻してほしいってさ。いつからか、どこかの物好きの所為で、ここは街の人たちの相談所────万屋みたいになってるんだよ」 白羽はそう言って、となりで満足げな笑みを浮かべる男を見やる。
「会社作るときは、20万円近くかかると聞いたんだが...そんな大金何処にある?」 「あー...その辺は安心しろ。なんとかして見せるさ」 「(...大丈夫かな)」
とりあえず、続きの話はメールですることにしてその場を後にした。
やべ、久しぶりに続き書こうとしたらその後の展開忘れたw
『フレンチトーストの香りとともに(仮)』
零
────あの出会いは、偶然か。必然か。
「はぁ・・・」 残暑を感じさせる日差しの中、未井幹斗(いまいみきと)は疲れを滲ませた溜息を零しつつ、昼下がりの街並みを歩いていた。若干着られている感のある真新しいジャケットを脱ぎ、休息の場を求めて彷徨う。 念願の刑事部に配属されて早五日。人出が足りないとして組織犯罪対策部にレンタルされている幹斗は、連日聞き込みを手伝わされていた。やけに眩しい太陽の所為か、僕は何部になったんだっけか、と自分の記憶すら曖昧になってくる。 吹き抜けるそよ風が、街路樹のまだ夏の色を残した葉を揺らす。 そこで、ふと微かな香りが、アスファルトの匂いに辟易していた鼻腔をくすぐる。 これまで趣味の時間を多く持ってこなかった幹斗には、その香りが焙煎されたコーヒー豆のものだとは、まるで分からなかったが、その芳醇な釣り糸は確かに迷える魚を手繰り寄せた。 僅かな糸を頼りに、しばらく道を歩いた。 そして香りの源はここだろうと思しき、少し年季の入った煉瓦造りの建物に辿り着き、足元の「Cafe Asanoha 2F」という看板に従って側面の階段をのぼる。赤茶けた段のきぃ、という抗議のような音にも耳を貸さずに、幹斗は、開店を示す小さな看板のかかる木製のドアを開けた。 ドアを開けるとともに、芳醇な香りが奔流となって幹斗を包み込む。 そのささやかな幸せに体を預けるのもそこそこに、幹斗は店内を見やる。 向かって左手のすぐ手前には大仰な機械やコーヒーカップの置かれたカウンター、右手にはいくつかのシンプルな椅子とテーブルが並んでいて、窓に近い席には、二十歳くらいの男が一人窓の外を見るように座っている。 男は、入ってきた幹斗をちらりと一瞥したが、すぐに視線を戻した。短く刈られた頭と濃い赤色の半袖シャツは、落ち着いたこの空間にはやや不釣り合いにも見えた。 そしてもう一人。カウンターの奥にある、他とは違うアンティーク調の肘掛椅子に腰掛け、ハードカバーの本を読んでいる。幹斗とさして変わらない年齢に見えるが、綺麗にアイロンがけされているであろうシャツと、錫色のベストとズボンが誂えたように似合う男だ。 小さめの眼鏡をかけて本を読んでいた彼は、客の来訪に気付くと、一瞬、目を丸くしたが、すぐに本を閉じて立ち上がり、分厚い本を椅子の座面に重ね、柔らかな笑みを浮かべて幹斗に声をかける。 「いらっしゃいませ。お好きな席にお座り下さい」 「あ、はい、コーヒーひとつ」 「かしこまりました。フィルターでよろしいですか?」 「はい」 おざなりに返事と注文をすまし、近くの椅子に座る。コーヒーなど成人してから飲んだ試しもなかったが、とにかく今は、身体が水分を欲していた。 ようやく座って一息ついて、幹斗はたった今自分の注文を受けた男の顔をぼんやりと眺める。 整髪料で適度に撫でつけられた黒髪に、落ち着いた顔つき。細長い両手が、きびきびと器具を動かす。 「どこかで・・・」 彼の顔に要領を得ない懐かしさを感じ、ぼそっと呟いた幹斗の声は、彼がコーヒー豆を引く音にかき消された。 しばらくして、 「お待たせ致しました」 こと、と上品な音を奏でて、白い湯気をたたえたコーヒーカップがソーサーと共に着地する。 「あっ────」 儀礼的に礼を言おうと顔を上げて、固まる。幹斗の脳内に疑問符が飛ぶ。 彼の細長い左腕の先には、コーヒーを机に置いたにも関わらず、まだ白い皿が載っていた。 もう一人の男が何か頼んでいたようにも思えない。そう考え、彼の目を見やると、彼もその視線に気付いたように、 「あぁ、この皿ですね。お疲れのようだったので、不躾ながら軽食を、と思いまして」 そういって皿に載ったフレンチトーストを幹斗に見せる。鮮やかな山吹色の表面に、栗色の焦げ目が控えめながらもよく映えていた。その甘美な香りは、コーヒーよりも強く幹斗の鼻腔を惹きつける。 フレンチトーストは、幹斗の大好物だった。 「余計なお世話でしたら、すぐにお下げします。好物かと思ったのですが、違いましたか?」 幹斗の瞳を見返して、そんなことを口にする。 「えっと・・・あなたは・・・」 「何でしょう?」 「いえ────」 違う。僕がこの人に呼びかける名は、そうじゃない。 柔らかい細目。少し高めの声色。細長い手指。回りくどい気遣いと少し意地悪な笑み。何もかもが懐かしく、幹斗の脳細胞を心地よく刺激する。 意を決して、呼吸を整え、再び彼のチョコレート色の瞳に目を合わせ、できる限りの笑顔をつくり、こう口にする。
「久しぶりだな、白羽(しらは)」
白羽と呼ばれた男も、先程の様に柔らかに、しかし先程よりも快活に笑って応えた。
「そうだな、幹斗」
こうして、かつて大親友と呼びあった未井幹斗と白畑(しらはた)白羽は、10年振りに再会を果たした。
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テスト
名前変えた
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写真って言っても通用しそうだよね
いや、イラストだよ!
実際に作れたらいいんだけどね…
これって本当に触れる状態で作ったの?
第五話「怖いぞ?!幽霊屋敷」
三葉町にも夏が訪れた。この町に住むぽぽは、親友のいんくと
町の隅っこにある廃屋敷「陽性邸」に肝試しにいく事を計画する。
怖いのが苦手な事を周囲に隠しているいんくは、内心行きたくなかったが
ぽぽに誘われ仕方なく同行する。
しかしこの陽性邸には、「火之軋(ひのきし)」という化け物が
いるという噂があり...
うーん、第四話はあとで修正します。
第四話「ロシアニキの巨大遊園地」
三葉町に新しい遊園地が出来た。その名も「ロシファーパーク」。
その影響力は絶大で、「三葉町は休日になると町から子供が消える」と言われたほどだった。
一方、ロシファーパークには
ある不気味な噂があり...
第三話「熱き漢の頂上決戦!」
ポカポカした陽気に包まれている三葉町だが、この町には年中熱気がヤバい建物がある。
その名は「ミーバーゲームセンター」。
熱き漢(おとこ)達が集う場所である!
いつものようにナイヤガラと藤遊が「てぇこの鉄人」で遊んでいると、
突如として現れたアルティ~にスペースを横取りされてしまう。
アルティ~の非常識な行動に激怒する二人。しかしアルティ~は悪そびれもないように言い放った。
「俺との勝負に勝ったらこのスペースは譲ってやる。しかし、負けたらこのスペースは一生俺の物だ!」と...
第二話「とちまるの花見」
季節は春。三葉町の町人であるとちまるは、同じ三葉町の町人であるおうどん弁護士や
6×6=36と共に花見を企画していた。
ビニールシートや酒類等の買い出しに行ったとちまるだったが、帰る途中
5人のこそ泥グループ「RPG(RPGは株式会社バンダイの商標です)」に財布を盗られてしまった。
落胆するとちまる。するとそこへ、おうどん弁護士が通りかかった。
おうどん弁護士はとちまるから詳しい情報を聞き、三葉町の知り合いに協力を仰ぐよう決意。
かくしてここに、おうどん弁護士の知り合い(20人)と「RPG」との戦いが幕を開けた。
(弐の続き)
危うく機密(?)を漏らしかけた幹斗に雑に片手で謝罪し、懐かしいゲームのネタを交える。止 めるのは得意だ。依然として騒ぐ胸に語りかけ────言い聞かせ、新たな来客のために笑顔をつくる。
「懐かしいな。でもそれなら白羽ひとりで倒せるだろ?」
「いつの話だよ。今じゃ腕が鈍ってて無理だって」
「その昔は何体狩ったんだ?」
「四、五十体くらい?」
「なら大丈夫だな」
「じゃあペアで狩ろうぜ」
「俺以外の人でよろ」
「俺の相棒はお前しかいないぜ!」
そこまで言って、フレンチトーストの最後の一切れを飲み込んだ時に、幹斗は何かを思い出したような仕草をした。
「ん、この前来た時にさ、何か相談してたおばあさんいたよな?あの件どうした?」
「ああ、あれな。丁度いい」
そこで言葉を区切り、意味ありげな(特に意味の無い)笑みを浮かべる。それを受け、何かを察したようにキリッとした顔をつくる。
「今日の夜、その件について動く予定なんだよ」
「ほう。家出少女だったっけ?」
「そうそう。今夜利玖と、件の少女が一緒にいるっていう不良たちの集会に凸る予定だ」
つい最近から町のコンビニの周りにたむろしている不良がいるという噂も耳に入っていたので、飛んで火に入る夏の虫、という具合だ。もう立秋は過ぎているが。
「危ないことにならないか?大丈夫か?」
心配しているのだろう。幹斗が問いかける。
「大丈夫。そんな事にはならんと思う」
「んー、でも心配だから俺も着いてくわ」
「えっ────暴力沙汰も噂される連中だぞ?危ないからよせよ」
「それなら尚更だ。俺も行く」
やれやれ、と白羽は思った。この顔をした幹斗の意思を曲げる────曲げさせるのは不可能に近い。幹斗と同じだけの熱量で言い合う気力は、今の白羽には無かった。よって妥協をする。妥協が良い結果に転ばないことを、白羽はよく知っているが、そこで白羽は妥協を選んだ。
────選んでしまった。
「そこまで言うなら仕方ない。着いてきてもらうか。今夜九時にそこの階段の下に集合でいいか?」
「ああ」
言うと、空になったカップと皿をおもむろにカウンターに返してくる。「ありがとう」と返してシンクにそれらを置き、扉へ向かう幹斗を送るため、カウンターを回り込んで幹斗に近寄る。
「じゃあ、また」
「うん、また夜に」
短い挨拶を交わすと、幹斗は扉の向こうへ歩き、扉が閉まるとともに階段を叩く音も消える。
別れ際の幹斗は固い顔をしていて、何を思っていたか、白羽には伺い知れなかった。白羽は人より、他人の心情を察する能力に長けた男だったが、自分が関わると、途端に相手の心が見えなくなる。何か悪いことをしてしまっただろうか。白羽の胸は俄にざわつく。しかし、そう考え込むのは一瞬だった。再び階段を叩く音が聞こえてくる。幹斗の靴とは違う音だ。思考を止めて、カウンターへと戻る。
大丈夫、思考を
扉がきぃ、と開いていく。
「いらっしゃいませ」
弐
大親友との思わぬ邂逅から幾日かが過ぎた日の昼間、白畑白羽は自ら切り盛りするカフェで、一人静かに本の世界に浸っていた。ドアの外には開店を示す看板をかけてはいるが、昼前のこの時間に訪れる客はまずいない。カウンターの横にあるアンティーク調の肘掛椅子に深く座り、文字の連なる頁 を捲る。彼の至福のひとときだ。
そこにふと、音もなく栗色の翼を持った常連客が訪れる。ちゅん、という小さな声で白羽は来客に気付く。
「いらっしゃい。今日もいい天気だね」
手をひらひらと振ってみる。問いかけの意味を知ってか知らずか、開け放った窓の枠にとまる小鳥は白羽を見て再び啼く。そのかわいらしい様子に思わず目尻が下がる。
「もう行くのかい。元気でね。また明日」
いつもと変わらない挨拶をすると、小鳥は窓の外に向き直り、色の変わり始めた街路樹の覗く青空へと飛び立った。
かんかんかん、と柔らかい靴底が鉄の段を叩く音が白羽の鼓膜を揺らしたのは、そんな時だった。腿の上に置いた栞を頁の隙間にさし、横目でカウンターのエスプレッソマシンの陰にある、山吹色の物体を載せた皿を確かめる。
きぃ、と控えめな音とともに扉がゆっくりと開けられ、奥からこちらを窺うように、見慣れた懐かしい顔が覗く。
立ち上がって本を椅子に置き、見知った来客に笑顔を見せる。
「いらっしゃいませ。今日は何にいたします?」
「え、えっと…じゃあエチオピアのフィルターで」
「かしこまりました」
自分の前で大人ぶろうとしている幹斗に、ついつい口元が緩む白羽だった。前の時のふゆの注文を真似したのだろう。
「にやにやすんなよ白羽ぁ」
「ふふっ。なんか可笑しくてついな」
恥ずかしそうにこちらを睨む幹斗は、先日とは違い、ラフな黒いTシャツにジーンズ、それに何より目を引く真っ赤なスニーカーに身を包んでいる。
「今日は非番でさ、暇だったから来てやったんだよ」
拗ねたような口調で幹斗は話を逸らす。コーヒー豆を挽きつつ、カップやサーバーを用意しながら幹斗に応じる。
「そうだったのか。相変わらず赤いの好きだな」
「そう。何だかんだ赤が一番好きだな」
「お前が変わってなくて安心したよ」
「そっちも大して変わらないな」
「なら良かった。でも見た目は随分大人っぽくなったよな」
「大人になったんだよ。もう何歳だと思ってるんだ。つーかこの会話前にもしたろ」
「そうだっけか。俺が永遠の144歳って話か」
「なんで数日見ないうちに年齢が二乗されてんだ────」
実に阿呆らしくて楽しい会話だった。そこで出来上がったコーヒーをカップに注ぎ、味見用のカップにも少し注いで、素早く呷って出来を確かめる。満足のいく味に口角を上げ、フレンチトーストの載った皿とともに幹斗のもとへ運ぶ。
「!また気を使ってもらって悪いな」
「ええよ。俺が好きでやってる事だから」
幹斗の両の眼は揃って運ばれてきた山吹色のトーストに釘付けになっている。今にも涎を垂らしそうだな、なんて思った。
「そういえば、何で時々方言っぽい話し方なんだ?地方にでも行ってたのか?」
フレンチトーストにがっつきながらも、白羽に話を振ってくる。自分には無いその自然な気遣いと明るさは幹斗の魅力のひとつだ。特に親しい仲でないでない限りは、用事でもないと自分から他人に話しかけることができない白羽にとっては、とてもその気質は羨ましい。白羽はいつも、自分は他人によく思われていないと意識してしまうので、友人と思っていても、自分からは一定以上に距離を縮めない。それで誤解されることも無きにしも非ずなのだが。
「今読んでる本の登場人物の影響かな。特に好感の持てるキャラだと、方言ってよう伝染るやん?」
肘掛椅子に置いたハードカバーの本を指し示す。
「おぉーん。なるほど」
「お前本読まないやろ」
「失敬な。本ぐらい読むさ、三冊くらい…」
「週に?」
「月に!」
予想通りの反応だ。昔から、白羽は学校の授業中も読書をするくらいに読書家だったが、幹斗は正反対のタイプだった。
「まあ、警察官だとそんな時間ないのか?」
「まあな」
「まだ組対の人と聞き込みしてんのか?」
「そんなところ。悪い人じゃないんだけど、暴力団と日頃相対する人だからさ、なかなか心臓に優しくないんだわ」
「あー、想像できるな」
何人か警察に知り合いがいる身として、組対の人々の異質さを想像するのは難しくない。あくまで想像だが。
「他の部に人借りるほど人手が足りないって、何があったんだ?」
「この辺りの組────なんだっけ?黒龍会?が武器の製造とか輸出をしていて────って捜査情報じゃん」
「おっとすまねぇ。あとそれ白竜会な。黒龍じゃあ国が滅びちまう」
ごまかしの色リザ(ぐぐかす時代の)
>> 29 今コメに気付いたから今週中には描く!スルーしててごめん!ありがと!
適当に描いた仮面ライダーWの二次創作(?)
仮面ライダーシャドウ ロストドライバーで変身する奴
厨二臭くて今更恥ずくなった
第一話「ようこそミバちゃんねるへ!」
ミバ派生サイトが集まる不思議な地方「ミーヴァハッセイ地方」。
そこに迷い混んだ少女シルフィーは、突如として表れたロシファーに案内され
三葉町へとたどり着く。
陽性かまってちゃん、ミッキーといった個性の強い人達との交流を経て、
シルフィーはこの町に定住することにした。
だが、ここで事件が発生。河原でくつろいで冬将軍がとある凶悪事件の犯人に捕まってしまったのだ。
犯人の要求するのは「1000000ハムゴールド」。もちろん払える筈もなく、
なすすべのないナイヤガラ達。
そこでシルフィーが「犯人との交渉役」を買って出、交渉のかいあって犯人は降伏し、冬将軍は解放された。
アクキー風
輪廻転生ーーーいえーーい
そんな暇あったら活動せいおめです!
替え歌から始めようと思う!
そろそろ活動してこか、、て思うのだがまだ何もやってない。。。
やるぅ
私は色アイアントでたー
よろすくぅーー
47連鎖目で色オクタンでたぁ
38はミバってことですハイ(今更感)
よろにゃ
不十分だったところをきちんと直してくれました。感謝!
原画 トチ
画 6×6=36さん
総合広場ってことでタグを全てつける、という、、
これからはこのトピに住み着くかも?他のトピにもちょくちょくお邪魔しまぁーす。
引き続き、よろすく!
ヌメルゴン描いて欲しいなぁ。
俺氏が情報広場をつくったことにより、、、例の小説が、ねぇ、、、?(意味深)
いつでも見れるっしょ?俺がいなくなっても。
色つけるの苦手なもので、塗ってない。。。
別トピからもってきました! トチ 画
半年くらい放置してたゼノ・ジーヴァ
ラスボスだけど幼体、という性質的に、あえて書ききらないことにした(
めんどかった)。自信作
(壱の続き)
「そうだ、さっきおばあちゃんがお辞儀しながらこの店を出るのを見たわ。あんたら、また変なことに首突っ込もうとしてんじゃないでしょうね?」
「ご想像にお任せしますよ」
「────ったく。怪我はしないでよ。いちいちあんたらの治療とか看病すんの、面倒なんだから」
トゲのある事を言っていても、彼女の目はとても優しげで、本気でふたりを心配している事が幹斗にも見て取れた。そこまで言うと、彼女はすぐに前に向き直り、扉の奥に消えた。かつかつかつ、というヒールの音がフェードアウトする。店は、幹斗と白羽のふたりのみとなる。
「すまんな。騒がしくて」
「いやいや、明るいのはいいことだよ」
幹斗は白羽にそう返すと立ち上がり、空になったコーヒーカップと皿を持ってカウンターに歩き、白羽に返す。
「もっと話してたいのは山々なんだが、そろそろ集合の時間なんだ」
左手首に巻いた腕時計の文字盤を見ながら、ペアを組んでいる組織犯罪対策部の刑事の言った、休憩後の集合時間を思い出す。あと15分ほどだった。
「そうか。がんばってな。また来てくれよ」
「ああ、勿論だ」
白羽は幹斗から受け取った食器を洗いにかかりながら、幹斗は椅子にかけたジャケットを腕にかけて、出入り口に向かいながら、会話を交わした。言葉数は少なかったが、ふたりにはこれで十分だった。また会える。また話せる。そのことを思えば、余計な言葉は不要だった。
外に出て、背後で扉の閉まる音を聞き、幹斗は空を見上げる。
鮮やかな色を纏った雲が浮かんでいた。
高い空に輝く太陽は、やけに柔らかな光で幹斗を包んだ。
(壱の続き)
「はは、俺のことだな!俺は利玖。ここで居候してて、暇なときは大体ここにいて、人々の悩みや相談に乗る、心優しき────」麻澤 ふゆっていって、この建物の所有者。それとここのマスターの孫だ。アイドルみたいなことやってて、時々テレビにも出てる。この光景はいつもの景色」
「馬鹿だ」
店全体に響くような大きな声で得意げに自己紹介を始めた半袖シャツの男────利玖のセリフに、白羽が被せるように言った。
「ひどいこと言うなよ白羽~。俺とお前の仲だろ」
「最初は近所のお爺さんの家出した猫探しだったんだが、いつのまにか噂が広がって、こんな風に大きめの話まで来るようになった。しかも何故か俺に」
軽口を叩く利玖をスルーして、白羽が言う。普段は人の話を最後まで聞く白羽にしては珍しい行動だ。
「俺としては迷惑もいいところだ。威力業務妨害で訴えてやろうかと思っててな」
「ひぇっ」
辛辣な言葉を並べていても、白羽がそれを本気で言っているのでないことは、その表情を見れば幹斗でなくとも容易に分かるだろう。どうやら、この利玖という男と白羽は随分親しい関係のようだと幹斗は感じた。それを少し面白くないと思う自分を頭の隅へと追いやって。
割り切れない笑みを浮かべる幹斗をおいて、白羽は
「まあでも、そこのコンビニの店長が、不良がたむろするようになったって言う時期と重なるし、多少は動いたほうがいいかもな」
とひとりごちる。
かつかつかつ、と早いテンポで階段を叩く音が聞こえたのは、その時だった。
音がして間もなく、店の扉が勢いよく開く。扉の奥から現れたのは、三人と同じくらいの歳の女だった。肩までの黒髪をストレートに垂らし、髪の黒色と対照的な白を基調とした服を着こなす、整った顔をした小柄な女は、幹斗の目を引き付けるには十分な魅力を持ち合わせていた。
「エチオピアをフィルターでいただけるかしら?」
「かしこまりました。550円になります」
高めの声音で優雅に注文を済ませると、女は流れるように次の言葉を繋ぐ。
「ツケといて頂戴」
「いやどこに」
間髪を入れずに白羽が真顔ででつっこむ。
「いいじゃない、居候させてやってんだからツケぐらい。なんなら私の可愛さに免じてタダにしてくれてもいいのよ」
「こっちも商売なもんで。ちゅーか、なんで値引きを目論む人がそんな上からなんですか」
急に低めの声で女は白羽と会話を交わす。幹斗はひとまず、後からの方が彼女の素だろうということと、彼女がこの建物の所有者、あるいは関係者だろうということを把握した。なんだかんだ言いながら、バッグから財布を出しながら女は応える。
「はぁ。あんたは相変わらずケチね。550円ね────ってぇ!ここのコーヒー、一杯450円でしょうが!なんでさらっと100円多くかっぱらおうとしてんのよ!」
「あ、ばれたか」
「ばれたか、じゃないわよ!まったく────」
言いあうふたりを尻目に、見飽きた光景だと言わんばかりの顔をして、利玖がその場を離れる。自らの席に戻る途中で幹斗の横に止まり、幹斗に話しかけた。
「あの人は
「なるほど。というと、彼女が白羽の大学の友達ですか?」
「いや、それは弟のほう。俺とそいつと白羽が大学の同期。あ、俺バイトの時間近いしお暇するわ。それと、俺ら同い年だろうしタメ口でいいよ、幹斗クン。じゃあな!」
「・・・」
立て板に水にそう口にすると、幹斗に口を挟む隙すら与えず、自席にあったスマホを取ると、まだなにやら言いあっている白羽とふゆと、手持無沙汰な幹斗を置いて、足早に店の出入り口とは違う扉の奥へと消えていった。ここに居候していると言っていたし、自分の部屋に行ったのだろうか。幹斗が呆気にとられていると、
「あなたが白羽のお友達?可愛い顔をしてるわね」
いつのまにか近付いていたふゆが、幹斗に話しかけた。赤っぽい色の目が幹斗を覗く。しばらく男ばかりの職場にいる幹斗は、久しぶりに女性と話すことに緊張しながらも、会話に応じる。
「あ、はい。はじめまして。未井幹斗といいます」
「こちらこそはじめまして。麻澤ふゆです」
綺麗な笑顔でそういうものだから、なおさら幹斗の心臓は早鐘を打つ。
「俺の大切な友達なんだから、食おうとしないで下さいよ」
「そんなことしないって。私のことなんだと思ってるのさ」
カウンターの向こうで食器を動かしながら、白羽が軽口を挟む。
「なんでしょうね?はい、できましたよ」
そう言いながら、てきぱきとした手つきで、コーヒーカップをカウンターに差し出す。
「はぐらかすなよ・・・。カップは後で返すわ」
「了解です」
「幹斗くんも、また会いましょう」
「あ、はい」
呆れたような声でカップを受け取ると、ふたりを一瞥してから、ふゆは利玖が消えていった扉の向こうへ去ろうとする。しかし、ふと立ち止まってこちらを振り返った。
出た、、、インスタ映えの空w
壱
白羽は変わらないな。幹斗はそう思った。実に10年ぶりの邂逅だというのに、白羽も幹斗もまるで10年前、いやそれより前の、同じ教室で机を並べていた頃のように、気負うことなく会話を交わした。荒田利玖 、噂が独り歩きしてる部分があると思いますが、ここに寄せられる相談を受けているのは、私ではなく、主にこいつなんです」
「へぇ。お前が警察か。しばらく見ないうちに立派になったなぁ」
「年明けに会う親戚のおじさんかお前は」
「随分大きくなったねぇ」
「今度はおばあちゃんか。いったい何歳なんだよ。同い年じゃん。つーかお前の方がよっぽど背高いだろ」
「俺は永遠の12歳だよ。ちなみに身長は185ないくらい」
「いい歳して何言ってんだ。やっぱ背高いな────」
幹斗は白羽に会わなくなってからもしばらく成長していたが、それでも白羽に比べて10cmほどの開きがあった。
少し会話に間隙ができたので、今度は幹斗から白羽へ、この店について質問を投げる。
「あー、この店はもともと大学でできた友達のお爺さんの店だったんだけど、継ぐ人がいなくてさ。そこでその友達伝いで俺に話が来て。当時からコーヒー屋で働いてたから、願ってもない話だと思って働かせてもらってたん」
「なるほど。じゃあそのお爺さんは?」
幹斗は言いながら店内を見回してみるが、相変わらずテーブルにスマホだけ置いて、何をするでもなく窓の外をぼんやり見つめている赤い半袖シャツの男以外、視界に入る人物はいない。
「うん、まあ、あそこにいるはいるよ」
曖昧な返答をしながら、白羽はカウンターの奥を指し示す。
「あ・・・」
白羽が指し示したカウンターの奥の棚にある、小綺麗な縁に入った柔らかな顔をした壮年の男性の写真を見て、幹斗は言葉を詰まらせる。
「そう。矍鑠としたお爺さんだったんだが、去年に脳をやっちまってな。それ以来あそこで呑気に笑ってるよ」
「・・・すまない」
「構わんよ。遅かれ早かれ、誰の身にも訪れることだし、そのお陰といっちゃなんだが、それからはこの店は俺がやらせてもらってるからな」
そういって白羽は、一瞬見せた暗い影を落とした顔を、無機質な笑顔で上塗りする。その笑顔は、10年会わなかったといえども大親友である幹斗ですら、一瞬分からないほどに精巧に作られていた。
「えっと────」
「あ」
気まずい沈黙に耐えられなくなって口を開けようとした幹斗を制するように、白羽が声を零して幹斗が先ほど入ってきた扉に目を向ける。つられて幹斗も同じ方向を見やると、扉の奥から、こつんこつん、とのんびりとしたテンポで靴底が階段を叩く音が微かにするのを感じる。
「すまんな、また後で」
そう言って片手で謝罪の形を作ると、足早にカウンターへ戻る。すると、タイミングを図ったように緩やかにドアが開けられ、全体的に地味な色の服を着、重ねた月日の分だけ頭を白く染めた女性の姿が現れる。
「いらっしゃいませ」
自然な笑顔で女性を迎えると、女性もそれに応え、カウンターの席に座りながらなにやら話し始めるが、その控えめな声は、幹斗の耳には、明瞭には届かない。
カウンターの様子を窺うのを諦め、幹斗は思い出したように、目下でまだ湯気をたたえるコーヒーカップとフレンチトーストに目を向ける。なにも考えずにコーヒーを頼んでしまったが、コーヒー飲めないじゃん、と数分前の自分を責める。しかし、大親友が淹れてくれたコーヒーだし、飲めないことは無いはず、と自分を奮い立たせ、白磁のコーヒーカップの取っ手を掴みあげ、勢いよくその中に満ちる艶のある黄櫨染にも似た色の液体を口に含んだ。
「!」
意外にも美味しかった。口を通る液体は、高めの温度と心地のよい酸味と甘み、仄かな苦みを伴って舌を包み込む。やがて飲み下すと、街中で嗅いだ芳醇な香りが再び鼻腔をくすぐりながら通り抜ける。調子の付いた幹斗は、続いて右手をフォークに持ち替え、黄金色のフレンチトーストを食しにかかる。フレンチトーストは、適度なはちみつの甘みがよくパンの味を引き出していて、とても幹斗好みの味に仕上がっていた。パンの程良いしっとり感が堪らなく味覚を刺激する。
流石に、そのフレンチトーストが初めから幹斗のために作られていたと思うほど、幹斗は自惚れていなかったが、その慣れ親しんだ美味と新しい美味は、確かに幹斗の疲労を癒し、五分もしないうちに、ふたつの器は空気を載せるのみとなった。
空腹と疲労を失い、満足感に浸っていた幹斗は、なんとはなしに、再びカウンターの話し声に耳を傾ける。
「────ということなんです。なんとかお願いできませんか?」
「なるほど・・・えっと────」
体力の回復からか、先ほどよりは、明瞭に会話の断片が聞こえてくる。白髪の女性が何かを白羽に頼みこんでいるようだ。白羽は困ったように曖昧な笑みを浮かべている。
がた、と唐突に椅子を無遠慮に動かす音が、静かな店内に響く。音のした方向は、最初から店内にいた半袖シャツの男のいた辺りだ。不思議がって幹斗がそちらを振り向くより早く、男は幹斗の横を通り抜けて、カウンター席に向かい、ふたりに話しかける。横を通る瞬間、幹斗は男が笑みを浮かべていたように見えた。
「すみません、お話、横から聞かせてもらいました。俺が力になりますよ」
「えっ?あなたは・・・?」
男の突然の言動に、女性も驚かされているようだ。そこにやれやれ、といった笑顔で、白羽が助け船を出す。
「こいつは
「そうなんですか!どちらにしろ、孫をお願いします!」
「任せてください!」
「善処します」
素性が分かると同時に、女性は嬉しそうな声で、もう一度ふたりに何かを頼みこむと、「ありがとうございます。お願いします」と重ねて言って、慌ただしく席を立つ。
「ありがとうございました」
白羽はそう言って、帰る客を見送る。女性は再び謝辞を重ねてお辞儀をすると、扉の向こうへと消えていった。こつんこつん、と軽やかな音が遠くなり、再び店内が静かになったところで、幹斗は白羽に今のやり取りについて尋ねた。
「さっきのお客さんのお孫さんが、家出して不良みたいな連中とつるんでるから家に連れ戻してほしいってさ。いつからか、どこかの物好きの所為で、ここは街の人たちの相談所────万屋みたいになってるんだよ」
白羽はそう言って、となりで満足げな笑みを浮かべる男を見やる。
「会社作るときは、20万円近くかかると聞いたんだが...そんな大金何処にある?」
「あー...その辺は安心しろ。なんとかして見せるさ」
「(...大丈夫かな)」
とりあえず、続きの話はメールですることにしてその場を後にした。
やべ、久しぶりに続き書こうとしたらその後の展開忘れたw
『フレンチトーストの香りとともに(仮)』
零
────あの出会いは、偶然か。必然か。
「はぁ・・・」未井幹斗 は疲れを滲ませた溜息を零しつつ、昼下がりの街並みを歩いていた。若干着られている感のある真新しいジャケットを脱ぎ、休息の場を求めて彷徨う。
残暑を感じさせる日差しの中、
念願の刑事部に配属されて早五日。人出が足りないとして組織犯罪対策部にレンタルされている幹斗は、連日聞き込みを手伝わされていた。やけに眩しい太陽の所為か、僕は何部になったんだっけか、と自分の記憶すら曖昧になってくる。
吹き抜けるそよ風が、街路樹のまだ夏の色を残した葉を揺らす。
そこで、ふと微かな香りが、アスファルトの匂いに辟易していた鼻腔をくすぐる。
これまで趣味の時間を多く持ってこなかった幹斗には、その香りが焙煎されたコーヒー豆のものだとは、まるで分からなかったが、その芳醇な釣り糸は確かに迷える魚を手繰り寄せた。
僅かな糸を頼りに、しばらく道を歩いた。
そして香りの源はここだろうと思しき、少し年季の入った煉瓦造りの建物に辿り着き、足元の「Cafe Asanoha 2F」という看板に従って側面の階段をのぼる。赤茶けた段のきぃ、という抗議のような音にも耳を貸さずに、幹斗は、開店を示す小さな看板のかかる木製のドアを開けた。
ドアを開けるとともに、芳醇な香りが奔流となって幹斗を包み込む。
そのささやかな幸せに体を預けるのもそこそこに、幹斗は店内を見やる。
向かって左手のすぐ手前には大仰な機械やコーヒーカップの置かれたカウンター、右手にはいくつかのシンプルな椅子とテーブルが並んでいて、窓に近い席には、二十歳くらいの男が一人窓の外を見るように座っている。
男は、入ってきた幹斗をちらりと一瞥したが、すぐに視線を戻した。短く刈られた頭と濃い赤色の半袖シャツは、落ち着いたこの空間にはやや不釣り合いにも見えた。
そしてもう一人。カウンターの奥にある、他とは違うアンティーク調の肘掛椅子に腰掛け、ハードカバーの本を読んでいる。幹斗とさして変わらない年齢に見えるが、綺麗にアイロンがけされているであろうシャツと、錫色のベストとズボンが誂えたように似合う男だ。
小さめの眼鏡をかけて本を読んでいた彼は、客の来訪に気付くと、一瞬、目を丸くしたが、すぐに本を閉じて立ち上がり、分厚い本を椅子の座面に重ね、柔らかな笑みを浮かべて幹斗に声をかける。
「いらっしゃいませ。お好きな席にお座り下さい」
「あ、はい、コーヒーひとつ」
「かしこまりました。フィルターでよろしいですか?」
「はい」
おざなりに返事と注文をすまし、近くの椅子に座る。コーヒーなど成人してから飲んだ試しもなかったが、とにかく今は、身体が水分を欲していた。
ようやく座って一息ついて、幹斗はたった今自分の注文を受けた男の顔をぼんやりと眺める。
整髪料で適度に撫でつけられた黒髪に、落ち着いた顔つき。細長い両手が、きびきびと器具を動かす。
「どこかで・・・」
彼の顔に要領を得ない懐かしさを感じ、ぼそっと呟いた幹斗の声は、彼がコーヒー豆を引く音にかき消された。
しばらくして、
「お待たせ致しました」
こと、と上品な音を奏でて、白い湯気をたたえたコーヒーカップがソーサーと共に着地する。
「あっ────」
儀礼的に礼を言おうと顔を上げて、固まる。幹斗の脳内に疑問符が飛ぶ。
彼の細長い左腕の先には、コーヒーを机に置いたにも関わらず、まだ白い皿が載っていた。
もう一人の男が何か頼んでいたようにも思えない。そう考え、彼の目を見やると、彼もその視線に気付いたように、
「あぁ、この皿ですね。お疲れのようだったので、不躾ながら軽食を、と思いまして」
そういって皿に載ったフレンチトーストを幹斗に見せる。鮮やかな山吹色の表面に、栗色の焦げ目が控えめながらもよく映えていた。その甘美な香りは、コーヒーよりも強く幹斗の鼻腔を惹きつける。
フレンチトーストは、幹斗の大好物だった。
「余計なお世話でしたら、すぐにお下げします。好物かと思ったのですが、違いましたか?」
幹斗の瞳を見返して、そんなことを口にする。
「えっと・・・あなたは・・・」
「何でしょう?」
「いえ────」
違う。僕がこの人に呼びかける名は、そうじゃない。
柔らかい細目。少し高めの声色。細長い手指。回りくどい気遣いと少し意地悪な笑み。何もかもが懐かしく、幹斗の脳細胞を心地よく刺激する。
意を決して、呼吸を整え、再び彼のチョコレート色の瞳に目を合わせ、できる限りの笑顔をつくり、こう口にする。
「久しぶりだな、白羽 」
白羽と呼ばれた男も、先程の様に柔らかに、しかし先程よりも快活に笑って応えた。
「そうだな、幹斗」
こうして、かつて大親友と呼びあった未井幹斗と白畑 白羽は、10年振りに再会を果たした。