名無しの旅人
2021/10/18 (月) 20:46:07
8f073@1ec35
長文で失礼しますが、英訳の方が精度が高いというのは必ずしも正しくないと思われます。現状の日本語版だと部分部分で違和感を覚える珍訳もある程度ですが、英語版だとキャラの関係性や性格自体が中国語版と違って捉えられることも少なくなく、むしろ日本よりも翻訳の質が問題として取り上げられることが多かったりします。
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キャラの関係性の英語版の誤訳(?)で向こうで一番有名なのはディルック・ガイアの義兄弟問題でしょう。これが英語版ではsworn brothers(本人同士の誓いによる義兄弟)ではなくadopted brothers(養子縁組による義理の兄弟)と訳されているのですが、どうも(全員ではないとはいえ)多くのアメリカ人の倫理観ではsworn brothersのカプはOKだがadopted brothersのカプはフィクションで描くのも禁忌みたいになっているらしくて、ガイディル・ディルガイの二次創作を描いた絵師が相当酷いメッセージ(○ねとか自○しろとか)を送られる被害にあったりと、向こうの界隈では笑えない深刻な問題になっています。
ガイアって養子だったはずなので誤訳ではないと思います 後述の文化の差はそれはそれで問題ですが…
英語版の独特な翻訳のニュアンスによるキャラの性格変更に関しては、リサは直球でドギツイ性的表現を使う下ネタエロキャラだと思われていたり(日中韓だと多少アダルトな雰囲気を匂わせる程度)、魈は短気で刺々しい性格のキャラだと思われてたりします。雷電将軍も日中韓だと武家や仏教の用語を多く使う求道者のような一面も持つキャラですが、この辺も英語版だと無慈悲な暴君・独裁者という雰囲気を全面的に押し出した感じになっています(「御前試合」が「神による処刑」(divine punishment)、元素爆発のボイス「無念断絶」(我執を断ち切り涅槃の境地に入ること、日本語訳では「無我の境地」)が「バラバラに斬り裂かれて死ね」(torn to oblivion)と訳されていたりするなど)。
上は違いをわかりやすくするため英訳の否定的な面ばかり取り上げましたが、もちろん英語版の翻訳チームが独自にかなり頑張っている面も多々あります(グノーシス神話関係の用語を使って雰囲気を出したりとか)。いずれにせよ、以上の点から、誤訳・珍訳とするのは中国語版との差に限り、英語版との差はあくまで参考や翻訳の違い程度に留めていた方が良いと思われます。
>> 28などは大変興味深いので各バージョンの海外版との翻訳の差異を記事中にまとめてもいいような気はします。