キングコブラ 「それでは第◯◯回、ヘビフレ集会を始める。 今回はツチノコからの相談だ。 ーって珍しいな」
ツチノコ 「相談・・・てのはちょっと違うな。 議題が無いとすぐに乱パだ、ハーレムだ、と誰かさんがうるさいからな」
アカニシ |( ̄3 ̄)|〜♪
ツチノコ 「・・・ パークは今、神に溢れている」
ブラックマンバ 「お、マジメそうな話?」
ツチノコ 「四神に始まり、キツネの神オイナリサマ、ウシの神ゴシンギュウサマ、 オオカミのマカミ、ウサギのツクヨミノシンシ・・・ 次当たりヘビの神が実装されるんじゃないかとオレは睨んでいる」
ハブ 「あり得なくはない話だがメタいな…」
ツチノコ 「そこで、どんな蛇神が来るかみんなで予想してみよう、 ってのが今回の趣旨だ」
アマボア 「軽っ!」
エメボア 「もっとヘビぃ話かと思って損したわ!」
キングコブラ 「まあまあ、たまにはこんな回があってもいいじゃないか。 誰か意見はあるか?」
アカニシ 「う〜ん、急に言われてもねぇ… ヤマタノオロチさんは強いけどダメなの?」
ツチノコ 「アイツは神っていうより怪物だろ? フレンズ化してかなりトグロ巻いたけど」
ブラックマンバ 「丸くなった、って言いたいのか? えー…じゃあ、神龍はどうだ?」
ハブ 「今度はDBとコラボするのかよ? せめて角◯系列の版権をだな…って、だからメタいんだって」
ツチノコ 「あれは龍だから却下」 アマボア 「キビシッ!」
エメボア 「一刀龍断ってか?」
ツチノコ 「お、新人の・・・」
キングコブラ 「ボリエリアボアくんだね。 忌憚の無い意見を聞かせてくれたまえ。 ツチノコも頭ごなしに否定してばかりじゃダメだぞ」
ツチノコ 「あ、あぁ…」
ツチノコ 「お前だけはぜってぇ認めねぇ! あと後ろの誰だよ!?」
ヘビフレたち ʅ(◞‿◟)ʃ (やれやれ・・・)
ー終ー
※イラスト協力:高飛車さま
ある意味実装してほしくはあるw
アピリッツ 「ボリエリアボアちゃんだけならなんとか・・・」
アピリッツ見てるぅー!?
世界観が完膚なきまでに壊れそうw
蛇足(物理)
絵の上手いパークスタッフ (ヘビフレみんな生やしてもうたけど…)
SS第2弾 思ったより長くなったので前後編になりました orz まずは前編
隊長 「博士!」
博士 「なんです? 騒々しい…」
助手 「博士、お茶です お前も飲みますか? 落ち着きますよ」
隊長 「ありがとうございます」
博士 「ーで、どうしたのです? と言ってもどうせドール絡みなんでしょうが・・・」
隊長 「はい、実はホワイトデーのお返しで悩んでまして…」
博士 「まあ、ずいぶん気の早い話ですね。 まだバレンタインも始まってないでしょうに」
隊長 「甘い! 甘すぎます!」
助手 「マシュマロが時代遅れ、ぐらいのことは我々も知っていますよ。 長なので。 ーとは言ってもクッキーかマカロンか・・・ なんならジャパまんでもやっておけばいいんじゃないのですか? 我々は大盛カレーを所望しますが…」
隊長 「バレンタインはくれたことないのにお返しだけは要求するんですね・・・ ーじゃなくて、それじゃあ他の義理返しとの差別化が図れないじゃないですか」
博士 「そこまで言うなら何か考えがあるのですか?」
隊長 「ええ、まあ一応… でへへ…」
博士 「なんとなく想像が付きました」 ( ̄Д ̄)
助手 「鼻血を拭きなさい、鼻血を」 〜(~_~;)
博士 「ーで、決まってるなら何を我々に求めるのです?」
助手 「衣装ガチャを引くためにキラキラを貸せ、と言うのなら トイチからの交渉スタートになるですよ」
隊長 「えぐ… いや、そうではなく、 アピリッツにホワイトデーイベントをしないよう掛け合って欲しいんです」
博士 「またメタいことを・・・」
助手 「ーというか、かなり難しいですよ? これは給料3ヶ月分くらい貰わないと割に合わない仕事なのです」
隊長 「それくらいの蓄えはあります!」
博士 「・・・なぜそこまでして・・・?」
隊長 「サプライズです! ものすごく喜んでもらえると思うんです!」
助手 「やれやれ」 ʅ(◞‿◟)ʃ
隊長 「あれ? なんですか、その反応」
博士 「女心の分かってないお前に1つ物語を読み聞かせてやりましょう。 助手、例の本を」
助手 「はい、博士」 つ
【かしこい贈り物】
〜つづく〜
イラスト協力:超最強神ぷにぷにD・O・Cさま
〜後編〜
博士 「違う世界線でのパークの話です。 とあるちほーにヒトとフレンズが暮らしておりました・・・
カラカル 「はぁ… 今日もこれっぽっちか・・・ これじゃあ大したクリスマスプレゼントも買えないなぁ。 あんなチビた鉛筆じゃなくて、もっと・・・ こうなったら危険の伴う探検隊に入るか、 いっそハンターチームに入って大型セルリアンを・・・ でもアイツと一緒にいる時間が減るんじゃ本末転倒だしなぁ」
・・・・・・・・・・・・・・
キュルル 「ふぅ… こんな絵ばっかり描いてていいのかなぁ? カラカルは身だしなみにも気を遣えずに、 自慢の房毛もボサボサになりながら働いてくれてるのに。 せめて僕にも何か出来ることがあれば・・・そうだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラカル 「ただいまー! 見て見て! 24色入りだよ? これで『カラカルを描くに相応しい色が足りない』なんて言わせないよ! 他にも好きなだけ描け・・・ってどうしたの? 嬉しすぎて声も出ない?」
キュルル 「・・・カラカル、その耳…」
カラカル 「ああ、これ? とあるちほーのハンターにたまたま出会ってね。 そしたら私(原作)の房毛って旅や狩りのお守りになるんだって。 カラ狩ルーって? だから・・・売っちゃったw そんな深刻な話じゃないからさ。 遠慮なく… ん? 何、そのブラシ」
キュルル 「クリスマスプレゼント…のつもりだったもの」
カラカル 「あぁ… そうか、ごめんね。 せっかく買ってくれたのにムダにしちゃって。 ・・・高そうね、これ。 どうやって手に入れたの?」
キュルル 「ターパンに売ったんだよ。 まだ描いてないページはもちろん、僕の描いた絵も勉強になるからって。 スケッチブック丸ごと・・・」
カラカル 「はあ!?」
キュルル 「これからは・・・僕も働こうと思って!」
カラカル 「アンタに何が出来るってのよ! ・・・ ・・・!」
キュルル 「カラカルこそ・・・! ・・・ ・・・!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
隊長 「ひと昔前のアンジャッシュみたいなことになってますね」
博士 「残念ながら笑えないことに、この後も2人は聞くに耐えない口喧嘩の末、 別れることになります」
助手 「余談ですが、 アフターストーリーとしてカラカルはVtuberデビューするようですが、 真偽のほどは定かではありません」 博士 「それはまあ置いとくとして、 この物語から得られる教訓は・・・ サプライズなんて自己満足でしかない、です。 女性がそういったドラマチックな展開を求めるのはフィクションの中でだけ。 現実は欲しいものは本人にしか分からないものなです」
隊長 「そうだったんですね! ありがとうございます! さっそくドールと話し合います」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜2月15日〜
博士 「なんです? 隊長、ニヤケすぎですよ?」
隊長 「実は昨日、ドールがサプライズで逆バニー姿でチョコをくれまして・・・ その後も・・・ぐへへ」
博士 「過シコい贈り物ですか・・・ ドールもやりますね」
助手 「オトコって単純な生き物なんですね。 末長く爆発してろ、なのです」
ー終わりー
※物語中、主張されている意見はあくまで個人の感想です 現実に実行して失敗(成功)しても責任は負いかねます m(ーー)m
「かしこい贈り物」元ネタ
なるほど…こうしてけもvカラカルが生まれたわけか… それでああなっちゃったんですね(違
助手 (隊長(キュルル)・・・変われば変わるものですね…) ーというアナザーストーリーもあり得た?
やはりスケベ スケベは全てを解決する
愛(スケベ)は地球(パーク)を救う
アライさん 「そんなに気に病まなくてもいいのだ」
目の前には型のジャパリまん1つとノーマルのジャパリまん2つ。
フェネック 「でもさ~ アライさん、あんなに楽しみにしてたじゃないか~」
そう、今日はバレンタインデーということで限定品の型ジャパリまんの配布日 ・・・のはずだった。
フェネック 「私が寝坊したばっかりに・・・」
アライさん 「元はと言えばアライさんが1人で起きられれば・・・」
明け方近く、極秘任務に出掛ける予定だったアライさんはフェネックに起こされて出発。 フェネックは時間までまだ余裕がある、と二度寝してしまい 配布場に着いた頃には品切れで入手できなかったのだ。
フェネック 「いっそ限定ジャパリまんを探す旅に出ようかと思ったよ~ 路地裏の窓 向かいのホーム・・・」
アライさん 「そんなところにあるはずもないのだ!」
フェネック 「それか、この両こめかみから垂れる『謎の房毛』を売ってでも手に入れようかな~ なんてことも・・・」
アライさん 「どっかで聞いたような話をダイマするのはヤメるのだ」
フェネック 「私がブロークンハートしてるように見えたのかな~?」
ボス 「こんなので良かったら1つ余ってるからあげるヨ。 訳アリ品だけド…」 つ
フェネック 「ってね~ なんでも配達中にどこからかツチノコの怒鳴り声が聞こえてきて、 驚いた拍子に落としてしまったらしいんだよね~」
アライさん 「それもどこかで聞いたようなメタい話なのだ・・・」
フェネック 「ーというわけで、はい。 完全体じゃなくて申し訳ないけどね~」
フェネックは3つあるジャパリまんのうち、 割れた限定品とノーマル、2つのジャパリまんをアライさんに手渡した。
アライさん 「そんな・・・受け取れないのだ」
フェネック 「どうしてさ~ アライさん、食べたがってたじゃないか~」
アライさん 「そうじゃないのだ。 食べたいけどこれではあまりに不公平なのだ。 だから・・・せめてノーマル2つはフェネックが食べるといいのだ」
フェネック 「それこそ不公平だよ~ とにかくこれはアライさんが~」
2人の間でジャパリまんが何度か行き来する。 そうこうするうち、 「フェネック…」 割れたジャパリまんの片割れ(少し大きい方)とノーマルジャパリまん1つを差し出しながら アライさんが提案する。 「ちょうど半分こにするのだ」
フェネック 「・・・」
そして、いつになくマジメなトーンでアライさんが語り出す。
アライさん「アライさんはフェネックに感謝しているのだ」 フェネック「アr…」
アライさん 「いつも寝起きの悪いアライさんを起こしてくれて、 今日もアライさんの欲しがっていた限定ジャパリまんをもらいに行ってくれて・・・」
フェネック 「アライさん!」
アライさん 「ん?」
フェネック 「そう言えば今日の任務はどうだったんだい~?」
Mission impossible.. 😂 pic.twitter.com/OtDWEIlmBA— Buitengebieden (@buitengebieden) January 25, 2023
Mission impossible.. 😂 pic.twitter.com/OtDWEIlmBA
アライさん 「今回のみっしょんは潜入捜査だったのだ。 コーハイにいいところを見せようと思ったのだが・・・」
「大失態を冒してしまって・・・ いんぽっしぶるに終わってしまったのだ。 そうなのだ。 同じアライさんのワガママに付き合ってもらうなら、任務のフォローの方を頼めば良かったのだ」
フェネック (やぶへび~)
アライさん 「思えばフェネックはいつもアライさんを見守ってくれていたのだ。 アライさんは今回、フェネックがいつもそばにいてくれることのありがたみというものを・・・」
フェネック 「ア、アライさん!?」
アライさん 「どうしたのだ?」
とある世界線のパークでのことさ~ オイナリサマ、アカギツネ、ギンギツネ、キタキツネがいたのさ~
オイナリサマ つ△△△△△△△△△△△△ 「はい、このイナリ寿司を3人で分けなさい。 アカギツネが1/2、ギンギツネには1/4、キタキツネは1/6でね」
そう言うとオイナリサマは1つ摘まんで去っていったのさ~
アライさん 「つまり・・・12-1でイナリ寿司は11ヶになったのだ?」
そうだね~ 残された3人は揉めに揉めたのさ~
アライさん 「確かに2でも4でも6でも割り切れないのだ。 12のままなら分けられたのに・・・」
そこへチベットスナギツネとキュウビキツネが通りかかったのさ~
チベスナ 「お困りのようですね。 では、こうしましょう。 キュウビさん」
つ & △△△△△△△△△△△
キュウビ 「???」
チベスナ 「まずアカギツネさんに12÷2で6ヶを」 つ△△△△△△
キュウビ 「!?!?!?」
アカギツネ 「あ、ありがと…」
チベスナ 「ギンギツネさんには3つ」 つ△△△
ギンギツネ 「え、えぇ…」
チベスナ 「キタキツネさんは2つ」 つ△△
キタキツネ 「・・・」
チベスナ 「余ったキュウビさんは返してもらいますね」 ( ̄― ̄) つ
キュウビ 「・・・」
チベスナ 「では」
そう言うとチベスナは颯爽と去っていったのさ~
キュウビ 「ちょっと! 今のどういうこと? 私をなんだと思ってるの!? ねぇ、何か言いなさいよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライさん 「なんだかキツネにつままれたような話なのだ」
フェネック 「アカギツネたちもキツネにつままれたような顔をしてただろうね~」
アライさん 「思いつくだけでもオイナリサマにつままれたイナリ寿司とか、言イナリになるキュウビとか・・・ って、そう言えば何の話をしてたんだったのだ? とても大事な話をしてたと思ったのだが・・・」
フェネック 「さ~ なんだったかな~?」
アライさん 「まあ、いいのだ。 ジャパリまんを食べたら出掛けるのだ。 今日もパーク中にアライさんの名を轟かせるのだ!」
フェネック 「はいよ~ アライさんに付いてくよ~」(今でも十二分に響き渡ってると思うけどね~)
イラスト:貴月ナオさん
元ネタ
アライさん 「ところでタイトルの『イナイレ』ってなんのことだったのだ? サッカー要素はカケラも無かったのだ」
フェネック 「あ~ それはね~ アカギツネたちが揉めてたのは、どうしてだった~?」
アライさん 「確かイナリ寿司が11ヶしかなかったからなのだ」
フェネック 「そ~ つまりイナリ寿司イレブンってことさ~ 納得した~?」
アライさん 「割り切れないのだ…」
―終わりー
アカギツネに6個は多いので3つづつわけて余りは俺が食おう
チベスナ 「1人だけ2ヶですか? キュウビも付けます?」
ツッコミ隊長さん&スナドリさんコラボSS(脚本:愛知) 芸ー1グランプリ
マーゲイ 「おはようございます!」
コウテイ「おはよう」 イワビー「オッス」 ジェーン「おはようございます」 プリンセス「おはよ、気合入ってるわね」
マーゲイ 「当然です! なんせ今日はライブ会場リニューアル公演の初日ですから! では打ち合わせを始めましょう」
マーゲイ 「・・・と、ここまでが前半パートになります」
コウテイ 「うむ、良い構成じゃないか?」
マーゲイ 「ありがとうございます」
ジェーン 「幕間(まくあい)はMCパートですか? それだったらこの間フルルちゃんねるにお邪魔した時のお話をしようかと思うんですが・・・」
マーゲイ 「それは是非聞きたいですけど、明日以降に取っておいてもらえますか? 今日はお客様の間でも好評の『芸-1グランプリ』にしようと思ってます」
イワビー 「あぁ、あの『アニメで見たオーディション企画』から派生した実質フレンズたちの隠し芸大会だな。 いいねぇ! オレも好きだぜ」
マーゲイ 「読者に優しい説明セリフ、ありがとうございます。 気軽に参加しやすい形にしてみたんですけど中には未来の逸材がいたりして、 私的にも一石二鳥の企画なんですよね。 ではステージが暗転したら上手の方に移動して頂いて、審査員席に着席して頂けますか?」
プリンセス 「それはいいとして・・・ さっきから気になってたんだけど、あなたは誰?」
プリンセスの視線の先にはステージの下でかぶり付くように見ていた雪子の姿があった。
<雪だるまのフレンズ、雪子です!
イワビー 「そういうこと言ってんじゃねぇよ、部外者なら立ち入り禁止だぞ? 今、大事な打ち合わせ中なんだ」
コウテイ 「それとも気の早いお客様かな? 入場時間ならまだ先だから・・・」
マーゲイ 「いえ、関係者なので大丈夫です。 今、ものすごく人気のアイスクリーム屋さんなんでスカウトしたんです。 イベント告知をしたら秒でチケットが売り切れちゃったんですよ。 あ、もちろんPPPの皆さんのネームバリューがあってこそ、ですけど」
ジェーン 「そう言えば・・・ もしかしてエジプトガンさんから口コミで広がって、評判になったっていうアイスですか? とってもクセになる味らしいんで、ライブが終わったらみんなで頂きましょう」
プリンセス 「あんたたちって相変わらずアンテナ広いのね。 じゃあ話を戻しましょうか。 今回の賞品は何を用意してるの? 実は私、それも楽しみの1つなのよね」
マーゲイ 「今日はコレです!」
イワビー 「なんだこりゃ!?」
コウテイ 「大きいな・・・」
ダルマ落としはかなりの高さで、 コウテイが腕を伸ばしてやっと頂上に鎮座するダルマのヒゲ辺りに届くくらいある。
ジェーン 「おうちに持って帰っても置き場所に困りそう…」
プリンセス 「これにした理由って何かあるの?」
マーゲイ 「はい、ヒトの世界では建物が新しくなると『柿落とし』というイベントを行なうと聞きまして。 なんでも木槌で破壊したお酒を振る舞いながら落としたダルマに目を入れるんだそうです」
プリンセス 「何かいろいろ混ざり過ぎておかしなことになってる気がするんだけど・・・」
イワビー 「あー!? いつもなら謎うんちくブッコんでくるフルルがいねぇじゃねぇか!」
ジェーン 「本当です」
コウテイ 「また寝坊か・・・ ジェーン、悪いが起こしに行ってくれるか?」
ジェーン 「分かりました」
プリンセス 「こんな調子でVtuberは勤まってるのかしら?」(ぷりぷりプリンセス)
イワビー 「それが、なぜか視聴者にはウケてるらしいぜ」
コウテイ 「それならいいが・・・」
その時だった!
イワビー 「おい、アレ!」
空から降ってきたセルリウムがダルマ落としに接触し・・・ 「ぐぉぉおおおーー!」 ダルマ落としがセルリアン化したのだ!
コウテイ 「これは・・・今年もパークに黄砂、いやセルリウムの季節がやって来たか!」
マーゲイ 「そんな・・・このままではせっかくのライブ初日が」
イワビー 「なんか変なマジナイでもしたんじゃねぇのか!? ーなんて言ってる場合じゃねぇな。 プリンセス、例のヤツ! イケるか!?」
プリンセス 「OK、やりましょう!」
そう言うと2人はコウテイの両脇を抱えると・・・
コウテイ 「おい、なんだ? なんのつもりだ!?」
身もだえるコウテイを無視して、それぞれ足も抱える。 ーとコウテイの体は、大の字かつ水平な体勢になる。 さながらミッションインポッシブルのイーサンのように・・・
プリンセス 「せーの!」
ゆうえんちのバイキングのように後方に勢いを付けて振ると、今度は前方に向かって・・・ 投げ放つ。
イワビー 「必殺! カタパルトボカンアターック!」
コウテイの体は地面を這うように射出され、ダルマリアンの胴体部を1段弾き飛ばすと どんがらがっしゃーん! そのまま舞台袖に消えて行った・・・
一方のダルマリアンは胴が1段ぶん短くなったとはいえ、まだまだ健在だ。
その隙にキャットウォークによじ登っていたマーゲイが叫ぶ。 「ありました! へしは頭頂部にあります。 そのままダルマ落としの要領で胴体部を抜いて手も足も出なくさせてください! ダルマだけに」 ジェーン「了解です」 フルル「これでも食らいなさい!」
戻ってきたジェーンとフルルは(マーゲイのボケをスルーして)手を繋ぐと、 そのまま二人三腕でダルマリアンに向かって走っていく。 ダルマリアンの両サイドを駆け抜けついでにまた1段胴を素抜く。
フルジェンのツープラトンラリアットを食らってもまだ余力のあるダルマリアンは 辺りを見回すと狙いをステージ下の雪子に定める。
マーゲイ 「危ない、逃げて!」
しかし雪子は怯まない。 チャーム(魅了)を受けたダルマリアンは行動不能に陥った!
ここぞとばかりにPPPの4人はダルマリアンを囲み、フリッパーで往復ビンタを見舞う。 ダルマリアンの胴が1段、また1段と弾き飛ばされる。
PPP最後の1人、コウテイは 「ふふ… ふふふふ…w」 鼻血を垂らしながらゆらりと起き上がり、 恍惚とした表情をしながら誘うようにダルマリアンに流し目を送る。
ぞわ… ダルマリアンはドン引きしている。
そのダルマリアンに向かおうと1歩踏み出したコウテイは、 自らの鼻血で足を滑らし盛大にすっ転ぶと、そのままの勢いでダルマリアンにスライディングしてしまう。 足を刈られる形になったダルマリアンは最後の段を失い、頭を残すだけになる。
一方コウテイは どんがらがっしゃーん! 逆の舞台袖に消えていった。
プリ・イワ・ジェ・フル 「今よ!」「今だ!「今です!」「…今だよ~」
隙を見てキャットウォークに登っていたマーゲイがダルマリアン目掛けて頭から飛び降りる! ・・・しかし本能が勝ったのか、宙で体をよじると綺麗に足から着地する。 ーと同時に瓦割りのようにダルマリアンの脳天をネコパンチチョップ!
雪子 「パンチなのにチョップ…?」
そんなもっともなツッコミをよそに ぱっかーーーん! ダルマリアンの頭部はブロック状に雲散霧消した。
コウテイ 「よくやった」
ボロボロのコウテイがイワビーとプリンセスに両脇を支えられながらねぎらう。
イワビー「お手柄だな」 プリンセス「一時はどうなることかと」
フルル 「美味しいね~ これ」
雪子 「ありがとう」
いつの間にか雪子からアイスを貰ってご満悦のフルル。
ジェーン 「どうしました?」
消えずに残っていたダルマ落としの胴体部を集めていたジェーンが、 ダルマリアンを倒した体勢のまま様子のおかしいマーゲイに声を掛ける。
マーゲイ 「このままではダルマ落としになりません。 芸ー1グランプリの賞品はどうしましょう・・・」
開場時間は目の前に迫っていた・・・
~後編に続く~
【すぺしゃるさんくす】 ツッコミ隊長さん スナドリさん(スナドリネコ・サモエドの出番は次回までお待ちください)
柿じゃなくて杮なんだよね~ 実は。 あとお酒をふるまうのは鏡開きで~ ダルマの目は左から入れるのが正式なんだよね~ まあ、どれもハレの(おめでたい)儀式には違いないんだけどね~」
イワビー 「つまりオレの『変なマジナイ』って指摘もあながち間違ってなかったのか…」
「すみません! 私が至らなかったばっかりに・・・」 マーゲイは香箱座り 土下座で謝った。
コウテイ 「そこまで恐縮しなくても・・・誰もマーゲイを責めてるわけじゃないから。 反省してるなら次に生かせばいいさ。 それよりイベントの賞品はどうしたものか…」
雪子 「私に出来ることがあったら言ってね?」
プリンセス 「ありがとう、気持ちだけもらっておくわ。 ねぇ、芸―1を後日に延期するっていうのは?」
マーゲイ 「そういうわけには・・・ 都合で出場出来なくなる人もいるでしょうし」
ジェーン 「もう時間です。 お客さんが続々入って来てますよ」
マーゲイ 「仕方ありません。 こけら落とし・・・改め、ダルマ落としはダルマ無しでやってもらって 賞品は別で用意しましょう」
「う~ 緊張するなぁ」
「いっぱい撮るから頑張ってね」
ライブ会場に向かう大勢の客の中にスナドリとサモエドの姿もあった。
\わー!/\きゃー!/\コウテイさま~!/\わー!/\ふるるー、ふるるー!/ 会場は大盛り上がり。
ライブステージ上のマーゲイ 「ではここで前半戦は終了。 続いて皆様お待ちかねのイベント、芸―1グランプリです」
\待ってました!/\今日は誰が出てくるのかな?/
マーゲイ 「トップバッターは初出場、オイナリマカミのお2人です、どうぞ!」
(BGM~)
舞台上では曲に合わせて踊りながら何もない空間から稲荷寿司とおにぎりを取り出すマジック? ーを披露するオイナリサマとマカミ様。
舞台袖の審査員席では、 どうにかトリックを見破れないかとコウテイ・プリンセス・イワビーが凝視している。 ジェーンは「どうなってるのかしら?」とばかりに首を傾げている。 そして、先ほどのテーブルマジックパートでもらった稲荷寿司とおにぎりを前にご満悦のフルル。
観客席からは \いつもの!/ \あれって芸でいいの?/ などの声が上がっている。
(BGM)
2人目はスナドリネコ。 ダンサブルな音楽と明滅する照明の中、ヨーヨーを披露する。
\お~!/ \こっち向いて~( パシャパシャ)/
イワビーは審査員席から身を乗り出すように食い付き、 プリンセスとコウテイは「いいんじゃないかしら」「うんうん」という感じで話している。 そして頬笑みながら拍手しているジェーンと鼻ちょうちんを膨らませながら居眠りするフルル・・・
\きゃ~!/ \私と散歩して~/ クライマックスに差し掛かった場面で披露された技が元で、場に緊張が走りかけたが、 スナドリネコは最後までミスすることなくやり切ったのだった。
3人目はVtuberのジェネット。 得意のバイオリンを披露する。
\うま~い/ \すっご~い/\帰ったらすぐチャンネル登録しよーっと/
コウテイ・プリンセス・イワビーが思い思いに聞き惚れる中、 巨匠フルルは一見、けもVの先輩として鷹揚な態度だが、焦りは隠せていないようで、 隣のジェーンが気に掛けている。 下手ではマーゲイがスカウトする気満々で目を輝かせていた。
マーゲイ 「え? あ、はい」
審査員席に呼ばれていたマーゲイが舞台中央に戻ると戸惑い気味にアナウンスする。
「本当なら出場者は以上のはずなんですが、どうしてもフルルさんも参加したいということで・・・ エントリーナンバー4! フルルさんです!」
\審査員が飛び入りってw/ \フルル~! 頑張ってー!/
(予告BGM)
フルル「マーゲイの泣き真似。 げ~」
「マーじゃねぇのかよ!」 すかさずイワビーが野次る 。 \芸ー1だけに?/\フルルらしい~w/\フルル、結婚してー!/ 観客席からもツッコミを入れられる。
コウテイとプリンセスは苦笑い、ジェーンは 「やっぱり気にしてたんですねw」と呆れている。 マーゲイは(°ㅁ°)ポカンとしていた。
薄暗い舞台上にはこれまでのパフォーマー(イワビーに羽交い締めにされているフルルを除く)が並んでいた。
マーゲイ 「優勝は・・・」
ドラムロールと共にスポットライトの光がステージで∞の字ダンスを踊る。
「ヨーヨーを披露してくれたスナドリネコさん!」
スポットライトがスナドリネコを照らして止まる。 「やったぜ!」
\こっち向いて~( パシャパシャ)/
昇竜拳のように飛び上がって喜ぶスナドリネコと撮影に余念のないサモエド。
マーゲイ 「では優勝者にはダルマ落としをしてもらいます」
スナドリ 「は!? なんで!?」
戸惑うスナドリを無視して、花束贈呈のような流れで渡されるハンマーと撮影に余念のないサモエド。 ステージ中央にはスナドリネコより頭1つは大きいダルマ落とし(ただし最上段のダルマは無い) が運び込まれる。
\肝心(頭ですけど)のダルマはどうしました?/ \これでは未完成の慣性の法則なのです/
カレーの鳥の華麗(?)なツッコミが炸裂!
マーゲイ 「つい先ほど1度セルリアンになっちゃって。 なんとか『ぱっかーん!』したんですけど、戻ったのがこれだけなんですよぉ…」
自分で手を下しただけにしどろもどろになるマーゲイ。 PPPたちはどうしたらいいかを協議している。 「こけら落としの説明からする?」 「私は覚えてないぞ?」 「時間もかなり押してますし…」 「そもそもどうやって話を落とすんだ?」
一方、何かを思い付いたフルルが観客席の方を向いて手招きしていた。
このあと見事に着地を決めた雪子とスナドリネコは拍手喝采を浴びた。
マーゲイ 「では、ここからはライブ後半! 1曲目はアラウンドラウンドです!」
こうしてPPPライブ初日は大盛り上がりの中、幕を閉じた。
このあとスナドリネコは商品としてジャパリまん(甘王(あまおう)味)1年分を贈られ、 サモエドとむちゃくちゃ散歩するこになったというが、 それはまた別のお話である・・・
【すぺしゃるさんくす】 セルリアン転生シリーズのツッコミ隊長さん アルパカ大好きスナドリさん
ついに完成 おめでとうございます 感慨深いものがあります
ダルマリアンとの戦闘シーンを漫画に描く力があればなぁ~ 雪子の登場シーンは親の気持ちさながらドキドキハラハラしながら読みました (セリフ噛むんじゃないぞ~ヘマするんじゃないぞ~) あらためてみるとやはりものすごいボリューム感で圧倒されました 臨場感のある丁寧な描写で読んでいて引き込まれました 雪子を使ってくれてありがとうございます これからもおもしろい作品楽しみにしてます
読んで頂きありがとうございます
当初はオチにしか出番のなかった雪子ちゃんも 積極的に動いてくれて、存在感を出してくれました
あと書いて行くうちに雪だるま式に分量が増えてしまうのは 僕の悪いクセでして・・・ (^^;)
例のお話に繋がるようなエピローグとなっております
なにっ スナドリが優勝しただと…!?久々のSS制作おつかれさまでした(`・ω・´)ゞ
もしかしたらイヌフレの組織票がPPPを動かしたのかも? 久々の楽しい疲労でしたw お読み頂きありがとうございました
[ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]スピンオフSS 【よかれはひとのためあらず】 1話
<ヨカレ> 鳥綱スズメ目タイランチョウ下目マイコドリ科ヨガレ属ヨガレ レッドリスト 絶滅危惧CR(IA類)
普段は単独で生活。 繁殖期において、交尾が終わった日の晩にはパートナーと別れることから夜離れ(ヨガレ)と名付けられたが、 忌み言葉(縁起の悪い言葉)を避けるためとして一般にはヨカレ(俗称)と呼ばれることが多い。 (抱卵・孵化後の世話も行われないためヒナの自立は早い)
渡りを行う際には群れを作るがその結束は緩く、迷鳥として各地で散見される。
ヨガレ(正式名)と名付けられた理由には上記以外にも諸説あり、 夜にその地を離れる(渡りを始める)ことから、という説。 生態が人間からは独り善がりに映ったことから(ヨガリ→ヨガレに転じた)という説などがある。
ヨカレ 「ただいま…」
ハル 「おかえり~って顔色悪いよ? 大丈夫?」
ヨカレ(顔色? そうかな…) 「大丈夫。 けど晩ご飯は要らないかな」
ハル 「ダメだよ。 後でお粥作って持ってってあげる。 明日のコンサートも行くのやめとく?」
ヨカレ 「行くよ。 ハルちゃんが僕のためにわざわざチケットを取ってくれたんでしょ? 早めに寝れば明日は大丈夫だから」
ハル 「そう・・・無理しないでね」
今日、僕はずっと気になっていた『あのあばら家』を約1年ぶりに訪れた。 屋根こそ無事なままだったが窓は一部割れていて、当然のことながら室内は汚れ放題だった。 それ自体は仕方ない。 忙しさにかまけて放置していた僕が悪いのだから。
それよりショックだったのは人形たちが跡形もなく、居なくなっていたことだ。 ドアが開け放たれたままだったところを見るに、誰かが持って行ってしまったのかもしれない・・・ (床や椅子に埃が積もっていたので最近のことではないだろう)
???「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」 ???「キミってほんとお節介だよね」
・・・かつて投げ掛けられた言葉が蘇る。 それにつられて、これまで何度も陥ってしまいそうだった考えに囚われそうになる。
僕のしたことはまったくのムダだったのだろうか? 僕がよかれと思ってしてきたことなんて誰のためにもなってないのじゃないか?
だめだ、だめだ。 こんな時は考えるのをやめて早く寝るに限る。 ハルちゃんと出会って明日で1周年。 せっかくの日に暗い顔をしてはいられない。
そんなことを思いながら、やがて僕は眠りに落ちて行った・・・
2話~夜離れ(よがれ)1~に続く
今回の作品の位置づけとしては [ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]の前日譚(二次創作オリジナル設定)となりますので、 ↓こちらを先にお読みいただくと、より楽しんで頂けると思います。 1話 2話 3話 4話
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
リンクありがとうなのだ
あくまで借り物ですし、そこは持ちつ持たれつ、ということで
よかれ鳥のファンSSなのだ! 続き待っているのだ
やっと目処が付きました(完成しているとは言ってない) 頑張ります
【よかれはひとのためあらず】 2話
僕は仲間内では浮いた存在だった。 コミュ障だった・・・のではなく、むしろ逆だ。
そもそも仲間は(という言い方が合ってるのかも僕の中では疑問だが)同胞にも無関心だ。 「そういう習性だから仕方ない」と思い悩むこともないくらい、とにかく冷めている。
ある時僕は、よかれと思って仲を取り持とうとしたことがある。 しかし両者から「余計なことはしなくていい」と言われてしまった。 その様子を見ていた別の仲間からは「お節介」とも称された。 僕は仲間のために動くことは二度となくなった。
ある日のこと、僕は1軒のあばら家を見つけた。 ーというか、窓際で佇む人形が目に留まったのだ。 いつも通り掛かっていたはずなのに気付いたのは今日が初めてだった。
どうしても好奇心が抑えきれなかった僕は、意を決して足を踏み入れることにした。 「おじゃましますよ…」 鍵が掛かっていなかったとはいえ、不法侵入であることには違いない。 悪気がないアピールのための挨拶を誰にともなくしながら・・・忍び込む。
屋根の一部に穴が開いているせいで日光が差し込み、意外と明るい室内を見回してみると、 外から見た時は分からなかったが、人形は思ったよりたくさんいる。 窓際に立って外を見ている者、椅子に座っている者、床で寝っ転がっている者など。 造形のモチーフはどれも鳥・・・のようだ。 (1羽はまんま鳥だったし) もしかしたら自分がここまで惹かれるのはそのせいかもしれない。
夜のとばりが下りるまで探索した僕は、 「今後やるべきこと」を頭に思い浮かべながら、そのあばら家を後にした。
3話 ~夜離れ2~に続く
鳥の人形たくさん・・・不思議なあばら屋なのだ 関係ないけど短めで細かく更新してくれるの読みやすくて助かるのだ
( ̄∀ ̄)ふふ… 今回もいろんなところに伏線を撒いてるのでお楽しみに
ふぉ~待ってましたなのだ! 読むほどに引き込まれる面白さがありますね 続きが楽しみなのだ!
ほんと気を持たせるだけ持たせておいてお待たせして申し訳ないです その分しっかり(作品の内容で?)返していく所存であります
【よかれはひとのためあらず】 3話
「つめたっ」 頭に落ちてきた粒が雨にしては冷た過ぎる気がして空を見上げてみると 白いふわふわした綿のようなものが降ってきていた。
「雪だ」 仲間の誰かが言った。
「そろそろ旅立ちの時が来たようだ」 「そのうちもっと激しくなる。 早い方がいいな」 「しかし集めるには時間が遅い。 今日は知らせるだけにしておいて・・・」
僕も急がないといけない。 こんな時だけは団結力を発揮する仲間たちを尻目に1人、例のあばら家へ向かった。
いつものようにダチョウの羽で作られたという箒で鳥人形たちをはたく。 (なんとなく面白い取り合わせだ。 トリだけに…) 部屋の中をひと通り掃除し終わって外に出たところで声を掛けられた。
「お、こんな所にもいた。 近いうちに出発するってよ」 「何やってんの? 早くしないと大雪になるらしいよ」
僕は板を抱え、はしごを登りながら答える。 「だからだよ。 これまでだって雨が降り込んでただろうし、雪ならなおさら寒いだろうし・・・」
「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」 「キミってほんとお節介だよね」
ヨカレ 「・・・」
ぱたっ ぱたぱたっ 風に乗って、複数の羽音が聞こえてきた。 仲間たちは気が変わって、今夜旅立つことにしてしまったらしい。 「これでよし、と」 なんとか本格的に降る前に修理の終わった屋根の上で、 僕はその音をぼ~っと聴いていた。 置いてけぼりを食らった形になったわけだが、そのことに後悔はまったく無い。 ただ、彼らにすぐ言い返せなかったことが喉に刺さった魚の小骨のように引っ掛かっていた。
さすがに人形たちは仲間たちのように「余計なお世話」なんて言わない。 そして礼を述べることもない。 そもそも僕のことさえ憶えていないだろう。 それもこれも彼らが人形だからだ。
もちろん『笠地蔵』が夢(に至るまでの)物語であることは重々承知している。 恩着せがましいことを言うつもりはさらさら無いが、それでも思ってしまうことはある。 だったら僕は何のために・・・?と。
雪は相変わらずやまない。 加えて風も強くなってきた。
ふと、このちほーに伝わるなぞなぞを思い出した。 『吹雪がやんだら何になる?』 ーというものだ。
その答えを聞いた当時の僕は、感心…を通り越して感激したものだったが、 仲間たちの反応は一様に「だから何?」という冷めたものだった。
冷静になって考えてみれば、これまでの『春』は僕のために来たものでもなければ、 具体的に何かを与えてくれるものではなかったのは確かだ・・・ すると僕の心を突き動かしたものとは何だろう?
びゅーー~~っ!
「あ・・・」 そんなとりとめのないことを考えていたら雪交じりの突風が吹き、 すっかり油断していた僕は抗うことも出来ず、吹き飛ばされるしかなかった。
4話 ~出会い1~に続く
ヨカレちゃんは人形たちに何か特別なものを感じているのだ 続きもがんばってなのだ
ヨカレの想いは届くのか…? こうご期待
【よかれはひとのためあらず】 4話
気が付くと、吹き飛ばされた先は一面の銀世界だった。 幸いなことに雪はやんでいるし、風もほとんど無い。 ただ右も左も分からない場所なので、とりあえず進んでみることにした。
・・・が、しばらくして失敗に気付く。 明らかに「登って」いるのだ。 しかも『山の天気は変わりやすい』とはよく言ったもので さっきまでとは打って変わって風も雪も強くなってきている。 さらには最近起こったと思われる雪崩の形跡さえ見られる。
わずかな希望は天気が崩れる前に見えた、山頂の方で立ち上っていた煙(蒸気?)だ。 行けば誰かが居るかもしれないし、道中で山小屋などが見つかるかもしれない。 無事にそこまで辿り着ければ、だが・・・
しばらく進むと洞穴が見つかった。 いや、よく見ると雪だけで出来たドーム状の・・・かまくらだ。 山小屋ほどしっかりした作りとは言えないかもしれないが 差し当たって吹雪を凌ぐには十分だ。
恐る恐るかまくらの中を覗き込んでみる。 先客、それこそクマなどが居たらいつでも逃げれる態勢で。 果たして・・・?
居た! しかし幸いなことに奥まった場所でこちらに背を向け横になっている。 タヌキやムジナのたぐいだろうか。 「お邪魔しますよ」 どうやら危険は無さそうだと判断し、 害意が無いアピールのための挨拶を恐らく聞こえていないであろうタヌキ(?)にしながら忍び込み、 やっと一息ついた。
冷たい風が時折流れ込んでくる。 僕は少し寒いのを我慢しながら入り口付近に陣取り、 できれば先客が目覚めないうちに吹雪がやんでくれないものかと、やきもきしながら待った。
「くしゅん」 僕は一瞬身構え、声の主の様子と外の吹雪とを交互に窺う。 場合によっては飛び出さなければならないが、吹雪は先ほどと変わらずやむ気配がない。 一方の先客も起きる気配はなく、その代わり冬場のトイレの後のようにブルルっと体を震わせた。 僕は先ほどまでの警戒心もどこへやら、一計を案じた。
ぺた ぺたぺた… ぎゅ、ぎゅ… 「これでよし、と」
入り口を完全に雪で塞ぐと満足げに独りごちた。 冷たい風は完全にシャットアウト出来たので、そのうち室温も上がってくるだろう。 ただ・・・ 「外の様子が分からないな。 さすがにやりすぎたか?」
その不安はすぐに違う形となって的中した。 「う… なんだか息苦しい気がする… せめて空気穴を残しとくんだったか。 それに、もし襲われたら逃げ場もないし・・・」
「う~ん… う~~ん」 唸り声につられ、奥に目を向けると・・・
????? 「!? いつの間にか入り口が塞がってしまってるのだ?」
ついに目を覚ましてしまった先客は思いもよらぬ行動に出る。 「誰かー! 助けてー! なのだ」 叫び出したのだ。
????? 「う・・・ ゴホッゴホッ!」
当然かまくら内の空気は大量かつ急激に消費されることになる。 当の本人も息苦しくなったのか噎(む)せている。 「だ、誰かー! たす・・・のだ、フェ…」 ドンドン… それでも諦めずに声を振り絞り、出なくなったらなったで今度は壁を叩いて救助を求める。
マズい。 止めたいのはやまやまだが、こちらもほぼ酸欠状態だ。 意識も薄れてきてブラックアウト寸前だった。
フェネック 「う~ん、アライさんのことだから、この辺りで行き倒れてると思ったんだけどな~」
物騒な発言が気になるが、いつものように先走ってやらかしたアライさんのフォローをしているようだ。
・・・てー! なのd・・・
フェネック 「! アライさんの声キャッチ~」
居場所を特定しようと大きな耳に全神経を集中するフェネック。
・・・フェ」 ・・・ンドン…
フェネック 「!」
声や音・・・ というよりむしろアライさんの微弱な生体磁気をキャッチしたらしいガチックは北東方向にジャ…ンプ! 雪の壁にしか見えない場所に頭から突っ込んだ。
ヨカレ 「た、食べないでくださーい!?」
突然、かまくらの壁を突き破って現れたキツネ(?)の生首にパニクるヨカレ。
フェネック 「アライさ~ん、アライさんは~・・・?」
その悲鳴…どころか存在すら認識していないかのような態度で 生首と視線を上下左右にせわしなく移動させるフェネック。
ヨカレ 「コワイコワイコワイ…!」
フェネック 「も~、そんなところにいたんだね~ ・・・と体が抜けないね~」
アライさんは酸欠で失神して突っ伏しているのだが、 フェネックはマイペースなまま、身動き取れなくなってしまった体をもどかしげに揺する。 そして、その状況に堪え切れなくなったのか、 「灼熱砂漠のオアシス~」
謎に奇跡な力(けものミラクル)の発する熱でかまくらを溶かしてしまうと、 倒れていたアライさんの隣にそっと添い寝した。
ヨカレ 「キマシタワーヽ(*´∇`)ノ ・・・とか言うとる場合か!」 ((ꐦ ゚Д゚ノ)ノ
主人公を差し置いての茶番劇に、ついにキレちらかすヨカレなのであった。
5話 ~出会い2~に続く
意外すぎる展開なのだ!
ストーリーの「転」に当たる部分なので思い切りました ここから更に転がします
まさかのあらふぇね参戦!
けもフレ(本家時空)からの友情出演です ヨカレくんのアドバイザー役としてオファーしたはずなんですが なぜかお笑い要員に・・・w
【よかれはひとのためあらず】 5話
前回の砂漠化はバンク演出 瞬間的なものだったらしく、今は元の銀世界に戻っている。
互いに自己紹介を済ませた後、2人に話を聞いたところによると・・・
・カニクイアライグマ・オジロスナギツネと交代する形で探検隊から外れる (最近、労基の指導が入ったせいでシフト制になったそうだ) →有休消化のために温泉に訪れたが、突然お湯が止まる →常連客も困っている →従業員に掛け合うも 「じきに(ゲームの)タイムイベントが始まるのでそれが終わるまで待って欲しい」と断られる →そんなの待ってられないから自分が行く、とアライさんが申し出る →もう1人の従業員(どうやらこちらは責任者ポジらしい)が 「装備を整えないと危ない。 今から準備するから」と言われるが、話半分で飛び出してしまう →案の定遭難し、たまたま見つけたかまくらで雪がやむのを待っていたら寝てしまった
ーということらしい。
僕は僕で事情を説明。 特にかまくらには避難のために侵入したこと、 入り口を塞いだことに悪意は無かったことを熱弁した。 必死過ぎて逆に怪しまれそうなくらいに・・・
対する2人の反応は拍子抜けするくらいあっさりしたものだった。 「こうやって行き違いにならずに合流できたんだから、むしろお手柄だよ~」 「フェネックの言う通り結果オーライというやつなのだ」
えぇ… ポジティブシンキング過ぎない?
フェネック 「もしかして、アライさんを助けて恩を売ろうとした~? それとも人命救助でジャパリ警察に表彰されるためなのかな~? そうじゃないよね~」
アライさん 「アライさんが寒そうにしてたから・・・さっきそう言ってたのだ」
ヨカレ 「そ、そうなんだけど・・・」
自分を断罪したいのか弁護したいのか、よく分からなくなってきた。
フェネック 「・・・ じゃあさ、罪滅ぼしってわけじゃないけど、一緒に行って手伝ってくれないかな~?」
ヨカレ 「え? 温泉施設の修理を?」
かえって足を引っ張ったりしないだろうか?
アライさん 「それは名案なのだ。 旅は道連れ余は情けねぇ、というのだ」
フェネック 「アライさ~ん、自己紹介乙だね~」
アライさん 「ふぇねっく~!? いつものように訂正ツッコミしてもらわないとアライさん渾身のボケが台無しなのだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
町に帰ったところでコレといってすることも無い(あばら家の様子は気になったけど)、 というのもあって僕も同行することになった。
3人で山頂の温泉管理施設に向かう。 今は吹雪もやんでいて、フェネックさんが従業員から借りたという携帯カイロもあってヌクヌクだ。
ズズ…
ヨカレ・フェネック 「!」
アライさん 「? どうしたのだ?」
ヨカレ 「今、なんか… 揺れなかった?」
この頃には2人のやりとりと人となりに感化され、いつの間にかすっかり打ち解けていた。
フェネック 「そうだね~ 地磁気の乱れも気になるね~ そろそろサンドスター山の噴火も近いのかもしれないね~」
フェネックの見やる方につられて目を向けると、不可思議な山がそびえていた。
アライさん 「じゃあ、また仲間が増えるかもしれないのだ? どんなフレンズなのか楽しみなのだ」
そんな呑気なことを言ってる場合だろうか? 地震と言えば雪崩の心配が付き物だし、噴火と言えば被害の程度は想像も付かない。 ただ、彼女らが仲間を大事に思う人たちだ、ということは伝わってきて好感が持てる。
フェネック 「お湯が止まる前も地震があったしね~」
アライさん 「そうだったのだ? ぜんぜん気が付かなかったのだ」
フェネック 「結構揺れたと思うけどね~ 装置が止まったのも地震を感知して自動停止したんだろうって言ってたし」
アライさん 「そんなこと言ってたのだ?」
どうやらアライさんは後先考えずに動くタイプらしい。 なんとなく親近感が湧く。 対するフェネックさんはアライさんよりは周りが見えるタイプなようだ。 (時々アライさんしか見えてない疑惑はあるが…)
なんにしても『いいコンビ』だと言えるだろう。 2人のことをそう分析していると・・・
フェネック 「アライさんはいつも『誰かのため』に動くからね~」
アライさん 「なんなのだ? 改めて・・・ でも、その通りなのだ。 フレンズのために粉骨砕身するのは当たり前なのだ。 パーク一の人気者としては」
フェネック 「ほんと、体張ってるよね~ 誰もちやほやしてくれないけどさ~」
アライさん 「ふぇねっく~!? それは言わない約束なのだ」
フェネック 「ヒトの国に良かれは他人のため非ず。 恩は着るもの着せぬものっていうのがあってね~ アライさんのためにあるような慣用句なんじゃないかなと思うよ~ 報われてるようには見えないけどさ~」
アライさん 「アライさんはフェネックが居てくれればそれで十分報われているのだ」
かなりバカップルっぽいが お互いをリスペクトし合ってるのが伝わって、てぇてぇ気分になる。
フェネック 「まあまあ。 慌てなくてもそのうちヨカレさんにも・・・」
そんなことを話していると山頂に到着した。 ・・・しかし様子がおかしい。 山頂だけが、まるでスイッチが切り替わったかのように吹雪いているのだ。
フェネック 「あれ~ おかしいね~」
視線の先には人影・・・ いや、よく見るとその人物の周りでだけ吹雪いている。
アライさん 「お前は・・・! なぜこんなところにお前がいるのだ?」
待ち構えていたのは吹雪を纏うように佇む、 本来ここには居るはずのないオジロスナギツネの姿だった。
6話 ~出会い3~に続く
先行きが気になるのだ もどかしいのだ~
ふふ… ( ̄∀ ̄) 狙い通りですね このために今週頑張ってここまで持ってきました 次の更新(明後日)までは悶々としておいて下さい そこで一気に・・・と、誰かな? こんな時間に・・・
人影・・・な、何者なのだー!?
只者ではないですね、恐らく…
【よかれはひとのためあらず】 6話
オジロスナギツネ(?) 「ねよすまりなくなが要必るすに気とろいろいうも、ばせ倒えさんさクッネェフ」
そう言ってファイティングポーズをとる。
アライさん 「な! ・・・なんて言ったのだ?」
フェネック 「・・・逆から読めばいいんじゃないかな~?」 アライさん 「えーと・・・ フ… ェ、ネ・・・」
ヨカレ「フェネックさんさえ倒せば、もういろいろと気にする必要がなくなりますよね、ですよ」
アライさん 「通訳ありがとうなのだ。 えっと…オジロスナギツネはそんなこと、たぶん言わないのだ! つまりお前はニセモノのはず?なのだ!」
フェネック 「う~ん、もしかしてセーバルと似た感じの 『外見をコピーするタイプのセルリアン』なのかな~?」
アライさん 「つまりセジロスナギツネなのだ?」
フェネック 「いやぁ~、そういう『原作』に居そうなネーミングはやめた方が・・・ あ、もしかしたら ホッキョクウサギや ケープライオンが言ってた [しろすぎるひと]かな~?」
それを聞いていたのからなのか、偶然なのか、 [しろすぎるひと]を取り巻く吹雪が激しさを増したかと思うと今度はカニクイアライグマ?の姿に変わった。 「ーさのるなくなもとこるれわ違間ばせ倒をんさイラア」
アライさん 「う~・・・」 ヨカレ「アライさんさえ倒せば間違われることもなくなるのさー」
アライさん 「読みにくいのは何とかならないのだ?」
フェネック 「作者もなんとか『原作』に寄せようと、鏡文字のコピーを試みてみたけど上手くいかなかったみたいでさ~ そこは大目に見てあげようよ~」
メタ発言も甚だしかった。
[しろすぎるひと] 「ーさのいなくたき聞てんな訳い言いし々白 ーさのるけ付ロシロシろそろそ」
お話が終わるのを待っていてくれた[しろすぎるひと]だったが、ついに襲い掛かってくる。
ヨカレ 「白々しい言い訳なんて聞きたくないのさー そろそろシロシロ付けるのさー ・・・か。 白すぎでしょ」
アライグマ 「もう通訳なんてしてる場合じゃないのだ! フェネックと一緒に先に行け、なのだ!」
[しろすぎるひと]の攻撃を体を張って食い止め マトモに食らいながらアライさんはそう言う。
フェネック 「うん、ここはおまかせしたよ~ さあ行こうか、ヨカレさ~ん」」
フェネックも当たり前のようにアライさんを置いて先に進もうとする。
ヨカレ 「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」
フラグをダブルで立てられるとさすがに心配になる。
フェネック 「ゲームでも後発で出てくる亜種は上位互換、つまり私たちより格上って決まってるもんだよ~ ましてやケープライオンでも手こずった敵ポジションのキャラだからね~ たぶん2人掛かりでも厳しいと思うよ~」
ヨカレ 「だったら僕も・・・」
この際メタ発言には目を瞑ってそう提案する。
フェネック 「ヨカレさんだって戦闘向きじゃないでしょ~ アライさんじゃないけど『このフェネックさんにおまかせ』なのさ~ マトモにやりあって勝てないならココ、を使わないとね~」
トントンと自らのこめかみを指差す。 そしてスタスタと温泉管理施設に向かって歩いて行く。 終始押され気味のアライさんに後ろ髪を引かれながら、僕はフェネックさんに付いて行くしかなかった。
フェネック 「まず、そっちの放水バルブを締めてくれる~? 次に元栓を締めてっと…」
フェネックさんはメモ用紙とにらめっこしながらテキパキと指示し、自らも操作する。
アライさん 「行かせない…のだ」
アライさんはボロボロになりながらも[しろすぎるひと]をこちらに近付けないよう食い止めている。
ヨカレ 「フェネックさん、アライさんが・・・」
僕はフェネックさんを手伝いながらアライさんの様子が気が気でない。
フェネック 「分かってるよ~」
そうは言うが、奥まった場所に居るフェネックさんからはアライさんの様子は見えないはずだ。
フェネック 「あとはこの震動センサーをリセット・・・ もうちょっとだけ地震は収まっててよ~」
実はさっきからひっきりなしに微震は起こっている。 そんな中、共同作業をするうちにフェネックさんの『狙い』はなんとなく察したが、 それはいろんな意味で一か八かの方法だ。
「ヨカレさん、私が合図をしたらお願い」 フェネックさんは給水用の元栓を開きながら言う。
ヨカレ 「あ・・・!」
アライさんが雪に足を取られバランスを崩す。 ここぞと[しろすぎるひと]が飛び掛かるが、 アライさんは体勢を立て直すのではなくあえて転ぶことで攻撃を躱す。 ホッとしたが、見ているこっちはヒヤヒヤものだ。
フェネック 「アライさんなら大丈夫だから、ヨカレさんはこっちに集中しててくれる~?」
2人の間で具体的な作戦の打ち合わせは一切されてはいない。 なのに、まるでリアルタイムで見ているかのようなフェネックさんのセリフ。 一方のアライさんも攻撃をわざと受けたり、受け流したりしながら 徐々にお温の放水口付近に[しろすぎるひと]を誘導している。 以心伝心とはこの2人のためにある言葉なのかもしれない。
アライさん 「ぐにゅにゅ~」
今、アライさんと[しろすぎるひと]は向かい合ってそれぞれの右手と左手を握り合っている。 いわゆるプロレスの力比べ(手四つ)で組み合っている状態だ。 当然のことながら[しろすぎるひと]の方が押している。 一方のアライさんはブリッジの態勢でこらえてはいるが、水路に後頭部が押し付けられそうだ。 見ているこっちにも力が入る。
その瞬間(とき)だ。 「今だよ!」 フェネックさんからの合図が出されたのは。
なまじ状況を把握していた僕は一瞬、躊躇してしまった。 当然反応は遅れてしまう。 次の瞬間アライさんは足を滑らせ、2人のパワーバランスが崩れた。 [しろすぎるひと]が前方につんのめるような体勢になったところに、 アライさんが巴投げを打ったような形になり、背中から水路の中に投げ出される。
慌ててバルブを開いたものの時すでに遅く、 お湯が来る前に[しろすぎるひと]は体勢を立て直して水路を脱出。 「待つのだ!」 それを追い掛けるように水路に踏み込んだアライさんをお湯が直撃。
「のだーーー!?」 そのままアライさんは流されていってしまった。
ヨカレ 「アワワワ…」
フェネック 「またやってしまったね~ アライさ~ん でも最低限の仕事は果たせたんじゃないかな~」
警戒を解いたフェネックさんに促されて外に出る。 [しろすぎるひと]は憑き物が落ちたように崖っぷちで呆然と突っ立っている。
フェネック 「どうやら魔力(?)は使い果たしたようだね~」
確かに、先ほどまで纏っていた吹雪が消えている。 つまり最初から時間稼ぎをして消耗させるのが目的だったのか・・・
「お湯は当てられたらラッキーくらいの作戦だったんだけどね~ それで倒せる保証も無いしさ~ 限界まで闘えて満足もしたんじゃないかな~」 そうフェネックさんは見立てていたが、
しろすぎるひと 「いなせ出が雪吹 ・・・いなれ帰うも」 ブツブツ…
一方の[しろすぎるひと]は途方に暮れているように見える。
「大丈夫?」 そう声を掛けようと近付きかけた瞬間、
どーーん!
音のした方を振り返るとサンドスター山が噴火(?)していた。 火柱こそ上がっていないが、虹色に輝くオーラが立ちのぼり、 小石やそれより大きめの火山弾のようなものが勢いよくどこかへ飛んで行ったりしている。 そして、この雪山にはダイヤモンドダストのようなものがキラキラ降り注いでいる。
フェネック 「ありゃ~ またやり直しだね~」
フェネックさんにとっては噴火は珍しいものでもないらしく、 お湯が振動で止まってしまったのを見て、温泉管理施設に戻ろうとする。 僕も手伝った方がいいのだろうか? 噴火の被害が今後どうなるかも気になるし、なにより[しろすぎるひと]の様子が気になるんだけど・・・
しかし、ある光景が目の端に入って来て思考は中断された。 そして次の瞬間には体の方が先に動いていた。 「危ない!」 そう叫ぶより先に[しろすぎるひと]の体を突き飛ばす。
崖下で雪崩が起こっていた。 [しろすぎるひと]の立っていた場所に倒れ込んだ形になった僕は、崩れた足場もろとも滑落する。
雪崩に巻き込まれながらも僕は、山頂の様子を窺う。(本当に見えていたのかどうかも疑わしいが) [しろすぎるひと]はフェネックさんに羽交い絞めをされながら、 膝立ちでこっちを見ながら必死に手を伸ばそうとしている。
良かった・・・ 無事を確認できた僕が意識を手放す寸前に見た光景は、 [しろすぎるひと]に虹色の火山灰が降り掛かり、 眩い光を放つ瞬間だった・・・
7話に続く
しろすぎるひとがフレンズ化するのだ・・・!
手に汗握るバトル!さすがのコチコチアライでも連れていかれるかと思いきや! 予想を覆す展開につづきが待ち遠しくなるのだ
>> 1122 もちろん、それだけで済むはずもなく・・・?
>> 1123 臨場感が伝わったようでなによりなのだ そしてここから更にもうひと転がしするよ~
【よかれはひとのためあらず】 7話
「・・・ゃん」 誰かの声が聴こえる。
ハル 「よかれちゃん」
声の主は寝ぼけまなこの僕を心配そうに覗き込むハルちゃんだった。
ヨカレ 「おはよ」
ハル 「おはよ~ ・・・顔色良くなったね。 よく眠れたからかな?」
ほっとした様子でそう言う。 やはり心配を掛けていたようだ。
ハル 「朝ご飯できてるから早く起きてね」
そういって部屋を出る。
ヨカレ 「夢、か・・・ なんか1週間くらい寝てた気がするけど。 それにしても懐かしい夢を見たな」
あの後、雪崩に巻き込まれた僕は死を覚悟したが、 フェネックさんと麓の温泉旅館の従業員、計3人の捜索によりあっさりと救助された。 (探索の得意なフレンズなんだね)
ーと言っても発見時は低体温&昏睡状態で、かなり危なかったらしい。 そんな僕を彼女らは雑に温泉に放り込み、もう少しで息を吹き返す前に窒息するところだった。 溺れそうになりながら、なんとか湯船から這い出した僕を [しろすぎるひと]はおろおろしながら心配そうに見ていた。
ちなみに、そんな騒ぎの中でもマイペースに湯船に浸かっていた常連客のカピバラさんは 「ゆっくりしていけばいいのににに…」 などと言っていた・・・
一連の騒ぎがひと段落して落ち着きを取り戻した僕は、 [しろすぎるひと](今はアカギツネの姿をしている)と畳の部屋で並んで座っていた。
そこでギンギツネさんが出してくれた風呂上がりの牛乳を飲みながら聞くところによると、 新しく生まれたフレンズは皆[としょかん]の長に挨拶に行く、という慣習があるらしい。 UMA?である[しろすぎるひと]も例外ではないそうで、 その案内を僕にしてもらえないか、という話だった。
当然のことながら「なぜ僕が?」という疑問が浮かぶ。 それをぶつけてみると、
・カピバラさんはあくまでお客さんなので頼むわけにはいかない。 (それはそうか) ・ギンギツネさんとキタキツネさんは温泉施設での仕事がある。 (キタキツネさんは僕たちの話してる横でダラダラげぇむをしてたけど…?) ・アライさんとフェネックさんはすでに旅立ってしまって、すでに居ない。 (相変わらず鉄砲玉のようだ・・・)
ーということで僕にお鉢が回ってきたらしい。
それもフェネックさんからの推薦だと言うのだ。 僕になら任せて大丈夫さ~と太鼓判を押していったらしい。 買いかぶりすぎな気もするが、乗り掛かった舟だ。 僕はその任を受けることにした。
ほどなくして僕たちは[としょかん]に出発することにした。 ギンギツネさんには簡単な地図と、 フェネックさんから託されたというメッセージを受け取った。
この時の僕にはまだピンと来ない話だったが、 アライさんとフェネックさんのような『素敵なコンビ』には憧れたし、 彼女らは今でも僕の目標だ。
博士と助手が絵本片手に言うには[しろすぎるひと]の原作は UMA(妖怪)の一種: 雪女の類ではないか、ということだった。 ただ、妖怪としてはまだ若い(幼い?)個体で、 「遊び相手」としてフレンズたちにちょっかいをかけていたのだろう、という見立てだった。
博士 「ところで、その姿はどうにかなりませんか?」
[しろすぎるひと]は、今はメンフクロウの姿をしている。 道中でも出会うフレンズ、声を掛けてくるフレンズに関連した姿を取っていたのだ。 (彼女なりのコミュニケーション手段なのかもしれない)
助手 「すでに実在するフレンズの姿をされると何かと混乱を招いてしまうのです」
そう言われた[しろすぎるひと]は並べられていた 絵本から一冊を手に取ると、 その表紙に描かれた『雪ん子』をカジュアルにしたような外見になった。
フレンズになってからはすっかり素直で従順になっている。 一言も喋ってないのは気になるけど・・・ (もともと人見知りな性格なんだろうか?)
博士 「いいでしょう。 ところで名前はどうします?」
助手 「シロスギルヒトは我々が勝手に付けたニックネームようなものですし、 その姿になったのならユキンコでもいいですし。 それとも原作準拠でユキオンナとかユキジョロウとか・・・?」
[しろすぎるひと] 「ヨカレに付けて欲しい」
ヨカレ 「・・・ふつうにしゃべったーー!?」
文字反転していなかったことで反応が遅れたが、いろんな意味で驚かされた。
博士 「ほう…」
助手 「われわれ長を差し置いてのご指名ですよ。 さぞセンスの良い名前を付けてやるんでしょうね?」
プライドを刺激されたのか目を細めながらチクチク煽ってくる。 それを差し引いても大役であることには違いない。
・・・
しばし考える。
・・・!
つい最近まで住んでいたちほーに伝わるなぞなぞが頭に浮かんだ。 3話のラスト付近に出てきた「吹雪がやんだら何になる?」というものだ。
僕は彼女に『ハル』と名付けた。
8話に続く
予想を超えた展開で未知の世界を進んでいく面白さがあるのだ
ハルちゃんがヨカレのご飯を作ってる!意外過ぎて笑ってしまったのだ しろすぎるひとの本能である[向こう側に連れて帰る]が フレンズ化して消えてるのか一時的に忘れているだけなのかが今後気になるところ ハルちゃん誕生につながるとは意外過ぎる展開なのだ
それが二次創作を読む醍醐味なのかも? こちらも反応を想像(ニヤニヤ)しながら創らせてもらってますw
ハルちゃんが生まれたのだー!
ヨカレくんのところにも長い冬を越えて遂に『ハル』が来た瞬間ですね
【よかれはひとのためあらず】 8話
フレンズ化したことで寒さにある程度の耐性が付いているとは言っても元は雪の妖怪だ。 そう考えると住むに適しているのは[ごっかんちほー]辺りではないか。 地図を広げ指し示した場所は、偶然にも僕が最初に仲間たちと居た町だった。 (そう言えば、やけに寒い土地だなぁとは思っていた) 博士と助手は当然のように「お前が送り届けてやるのです」と要請 命令すると僕らを追い出し、 そそくさと出掛けて行った。 (早くしないとカフェの 限定クレープが売り切れてしまうのです、とかなんとか言ってた)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無事[ごっかんちほー]に着いた後もいろいろあった。 ハルには社会常識や生活能力というものがまったく無かったからだ。 博士たちによるとフレンズには原作時代をはっきり憶えているタイプとそうでないタイプがいるそうで、 ハルは(変身能力以外)後者だったというのもある。 (覚えていたところでUMAの常識が通用するとも思えないが・・・) 必然的に僕が(放っておけない性格だったこともあり)何かと世話を焼くことになる。 そうこうするうちに一緒に暮らすまでになっていた。
なんとなく、流されるまま、という感じで始まったハルとの縁だったが、 仲間と一緒にいた頃には感じたことのない充実感に満ちていた。
そんなある日のことだった。
ヨカレ 「真冬の楽団?」
ハル 「そう」
あと1週間で私たちが出会って1年になるから、と言い出したのはハルだった。 もうそんなになるのか・・・ 僕の頭にはまったく無かったアニバーサリーを祝うために どこからか(なぜかボカしてたのが気になるけど)コンサートチケットを手に入れた、とハルから聞いた時は 成長したもんだなぁ…と、しみじみしてしまった。
ヨカレ 「聞いたことないなぁ・・・有名なの?」
ハル 「それはもう! 結成3ヶ月で『あの芸―1グランプリ』に参加して優勝。それがマーゲイさんの目に留まってPPPのバックバンドに採用されて。その傍らでオリジナル曲を発表したらオリコン1位にまでなっちゃったの。すぐPPPの新曲に抜かれちゃったけどね」
ヨカレ 「そ、そう…」
ハルがオタク特有の早口みたいになってる・・・ (芸―1グランプリってのも初耳だし、オリコンのチェックもしていたとは!) ハルの熱弁に圧倒されて、こっちは若干ゃ引き気味だった。 だけど・・・
ハル 「その真冬の楽団が凱旋公演をすることになったの。 もうすぐ結成1周年だしね」
僕たちも出会ってもうすぐ1年になるけど(偶然ってのはあるもんだ)、 そこまで何かに入れ込んでるハルちゃんを見るのは初めてで、とても新鮮だった。
ハル 「なんでも音楽を始めたのは、生みの親とお世話になった人に・・・」
ヨカレ 「わかったよ」
なんだか話が長くなりそうだったので、悪いとは思いつつ話を遮った。
ヨカレ 「必ずその時間は予定を空けとくから」
自分でも喋り過ぎたと思ったのか一瞬バツの悪い顔をしたが、すぐに気を取り直して 「うん、絶対だよ。 きっとヨカレちゃんもびっくりするよ」 ーと喋り過ぎた。
ヨカレ 「それ・・・言っちゃたらサプライズにならないんじゃない?」
ハル 「あ…」
1年付き合って気付いたことだが、ハルは少し(かなりの)イタズラ好きだ。 しかも、たまにシャレにならないレベルのものもあるので侮れない。 (原作だった頃の本能がうっかり顔を出しているのだろうか?)
しかしここは 「まあ、大抵のことじゃ驚いたりしないけどね。僕は」 ーと(そこはかとない不安を押し殺しながら)あえて強気な態度で受けて立ってみる。
「それでも、びっくりすると思うんだけどな・・・」
一方のハルは声こそ弱気だが、内容に関しての自信には揺るぎがないようだ。 お手柔らかにお願いします、と頼むんだったかと少しばかりの後悔をしながら、 せめて[ボギャー(>◇<)レベル]で済めばいいな、と思う僕であった・・・
この後、僕はハルがもたらした『思わぬ再会』を経て [よかれはひとのためあらず]の真の意味を実感することになる。 ーとは言え、あまりのことに驚いてどんなシチュエーションでどんな話をしたかも覚えていない・・・ ので、読者の想像に任せたいと思う。
とりあえず彼女らとの後日談(一部前日譚)を置いておく。 [真冬の楽団シリーズ] 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話
次回、最終話!
ハルちゃんとヨカレ鳥は良い友達になったのだ 次回、真冬の楽団も出演して役者がそろうのだ
最終回も頑張ってくださいなのだ
ハルヨカレも『良いコンビ』だね!
最終回までもうひと踏ん張り!
ついに満を持して真冬の楽団が登場するのだ 出ないかと思ってたのでワクワクなのだ そして最初はものすごい分量だなと思っていたのに 読みやすく改良してくれたおかげで もう最終回!?と思ってしまうのだ
いやぁ〜、正直ものすごい分量ですよw 話を膨らませすぎたと反省してますのだ (読みやすいと言ってくれたのはタスカル)
真冬の楽団×ヨカレにこれ以上踏み込まないのも この物語のメインはあくまでハルヨカレ、ですから! ーというわけで最終回はしっかり2人のエピソードで〆ます
【よかれはひとのためあらず】 最終話
ここまで長い回想に付き合ってもらったが、ようやく話は現在に戻る。
ハル 「…ちゃん、 ・・・ちゃん!?」
ヨカレ 「あ、ごめん。 何?」
いかんいかん、考え事をしていたら朝ご飯とハルを目の前に、ぼ~っとしてしまった。
ハル 「もう。 顔色よくなったけど、何か『良いこと』でもあったのかな?って聞いたの!」
ーと、勢いよくフォークの先を人の眉間に向かって突き出しながら尋ねる。 話を聞いてなかったのは全面的に僕が悪いけど、目つきも相まってめちゃくちゃ怖いからやめなさい。
ハル 「それとも私の勘違い? まだどこか調子悪い?」
打って変わって心配げな顔になる。 これだかたら憎めないんだよなぁ…
ヨカレ 「そんなことないよ。 体調は元々悪くないし、気分がスッキリしたのは確かだし・・・ っていうかよく分かるね」
ハル 「まあね。 いつも一緒にいるからね」
いつかの(ギンギツネさんに託された)フェネックさんのメッセージが蘇る。
「ヨカレさんのことを分かってくれる人は、そのうちきっと現れると思うよ~ だから諦めずに頑張って~」
[僕のしてきたことには意味があったんじゃないだろうか?] [僕がよかれと思ってしてきたことは・・・]
今ならそう思える…ような気がする。
ヨカレ 「良いことっていうか、改めて自分のするべきことが分かったというか・・・」
ハル 「ふ~ん?」
ヨカレ 「ハルちゃんは? ハルちゃんの方こそ最近何か『良いこと』があったりしないの?」
ハル 「えぇ…? 良いこと? うーん、そうだな・・・」
しばらく思案顔をしていたかと思うと目を輝かせてズイッ!と顔を近付ける。 僕が思わずのけぞると花が咲いたように屈託なく笑うと言った。
「ヨカレちゃんと出会えて・・・いつも一緒に居てくれること、かな?」
クリティカルヒットだった。 文字通り面食らってしまった僕は、思いっ切り顔を背ける。
ハル 「なんてね。 照れてる? あれ、よかれちゃん照れてる??」
ハルは右から左から僕の顔色を覗き込もうとステップを踏む。 さすが元[しろすぎるひと]だけあってフットワークが異様に軽い。 僕はフクロウ並み(?)の首の振りでハルから顔面をガードしながら いつものように、と自分に言い聞かせながら、諭すような口調で反撃を試みる。
ヨカレ 「ほら、早く支度しないと。 真冬の楽団が待ってるよ」
保護者ムーブ?をかますことでなんとか場を濁そうとした・・・
ハル 「きゃー! もうこんな時間~ ってもう準備は3日前に出来てるよ。 ヨカレちゃんこそモタモタしてると置いてくよ?」
・・・が、向こうの方が1枚上手だった。
ヨカレ「わかったわかった。 すぐ用意するから」 (ホントは1週間前、ハルからこの話を聞いてすぐに準備は終わらせてるけど)
お茶目なノリツッコミを軽くあしらいながら僕も出掛ける用意をする。 ・・・振りをする。
こうして、いつものように『どったんばったん大騒ぎ』のうちに2人の時間は過ぎてゆく・・・
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僕はこれからもよかれと思うことを迷うことなく、していくだろう。 ハルちゃんに『良いこと』が続くように、と・・・
【すぺしゃるさんくす】 ツッコミ隊長さん お借りした作品:ハルとよかれ鳥シリーズ、しろすぎるひとシリーズ、真冬の楽団シリーズ
ふぉ~面白かったのだ!! ハルちゃんしぐさがかわいくてたまら~んのだ ほっこりさせていただきましたのだ 大長編おつかれさまでしたのだ あらためてありがとうなのだ
な、泣いてない…だと?(最終行の灰色文字) ーというのは半分冗談として、最後までお読み頂きありがとうございました
「一番最初に思い付いて描きたかった」のは最後の2行だけだったんですが、 どうしてこうまで長くなってしまったのか・・・w 何はともあれ、ここまで辿り着けてことらもホッとしました
良い話だったのだ ヨカレ鳥とハルちゃんの日々は続いていくのだ! 遅くなったけど完結おつかれさまでしたのだ~
こちらこそ こんな長い話に最後まで付き合って頂いてありがとうございますm(ーー)m
情景が目に浮かんでくるかのようなのだ いろいろ今後の展開を想像しつつもワクワクしながら読ませてもらいましたのだ
いつもは会話劇→今回は情景・心理描写多めでお送りしております 読むのも大変でしょうけど頑張ってついてきて下さい (なんとか伝わっているようで安堵 Σ=(´∀`)
ファンアートSS第二弾!
PRRR… PRRR…
雪子「はい、雪… キジ「初めましてこんにちは。こちら月刊Icetuzteの編集長キジと申すものです。ついてはあなたのお店の取材をしたいのでこれからそちらに向かいますね。では後ほど」
ガチャ… ツー ツー ツー・・・・・・
雪子 「え…」
雪子 「いらっしゃいませ~ あ、博士。 今日も一番乗りですね。 何になさいますか?」
博士 「カレーライスミックスを寄越すのです」
雪子 「ミックスですね。 助手さんも一緒でよろしいですか?」
助手 「もちろんなのです」
雪子 「はい、では少しお待ちください」
アライさん 「博士さんたちに詰め寄られた時は不安だったけど作ってみて良かったなぁ…」
ちらっとポスターの方を見る。
ヒトの世界のチョコバニラミックスにヒントを得て開発した新商品で、 チョコ部分→カレー、バニラ部分→米粉で作ったソフトクリームだ。 今のところ買っていくのはあの2人だけだが・・・
雪子 「今度はシマウマさんをイメージしてゴマバニラミックスでも作ってみようかな?」
エジプトガン 「全球凍結をくれ」
雪子 「あ、はい。 いつもありがとうございます。 いらっしゃいま・・・」
キジ 「こんにちは。 大盛況ですね。 ではさっそく取材を始めさせてもらいますね。 こっちはライターのヘビクイワシとカメラマンのコトドリです」
雪子 「え、え?」
ヘビクイワシ 「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
雪子 (私なにも言ってないのに何書いてるの?)
コトドリ 「ジーカシャ、ジーカシャ… ジーコジーコジーコ・・・」
雪子 (こっちはこっちでカメラも持たずにずっと口でジコジコ言ってるし…)
Icetuzteの面々は自分たちのペースでどんどん話を進める。
アライさん 「アライさんはこの後、探検隊の仕事があるから巻きで頼むのだ。 フェネックも同じでいいのだ?」
フェネック 「はいよ~ WATAGASHI2つね~」
そうこうしてる間にも客は増えていく。
雪子 「ソフトクリームのことですね。 あとアライさん、そのネタをこするのは出来ればヤメてもらって・・・/// フェネックさん、注文のフォローありがとうございます あ、博士さん助手さん、ミックスお待ちどうさまです」つ
博士 「待ってましたです!」
キジ 「あなたにとってアイスって何ですか?」
雪子 (インタビューの〆で聞きそうなことを最初に聞かれた!?)
助手 「む… お前、ちょっと狭いのですよ」
そうでなくても小さいお店のカウンター越しでのインタビューなので お客さんとぶつかりそうなほど距離が近い。
雪子 「すみません、出来ればあの~インタビューは後にしてもらった方が… 他のお客様もおられることですし」
雪子 (よく見たら何も書いてない? ゴーストライターってやつ?)
雪子 (やっぱり撮ってないよね? 雑誌は一体どうやって作ってるの!?)
アリゾナジャガー「激!ミント味を1つくださいな~」 キジ「いろんなオリジナルメニューがあるみたいですけど、どんなこだわりで・・・」 ヘビクイワシ「メモメモ メモメモ」φ(・△・`) コトドリ「ドゥルルルル…ギュリギュリ! ピシュンピシュン・・・」 雪子(チェーンソーとレーザー砲・・・? もしかして飽きた!?)
ひっきりなしにお客が来る中、キジも矢継ぎ早に質問をぶつけてくるので雪子はてんやわんやだ。
雪子 (こんなことならスマトラトラちゃんにヘルプ頼むんだったかな・・・)
雪子 「大変お待たせしました。 全球凍結とWATAGASHI上がりました~!」
エジプトガン「よしきた!」 アライさん「・・・のだ。 あ…」
「あなたたちはこのお店をどこで知りましたか?」 勢いよく録音機を向けようとしたキジの腕が、アライさんの肘を小突いてしまう。
フェネック 「おっと~…」
幸い2つのソフトクリームの内1つはフェネックがなんとか空中でキャッチして事なきを得たが、 もう1つは地面に落ちてしまった。
雪子 「すいません、お客さま! すぐにもう1つお作りしますね!」
アライさん 「大丈夫なのだ。 ちょっと洗えば食べれ… わ~ 溶けちゃったのだ~」
雪子 「お客様ぁ!?」
フェネック 「アライさ~ん、またやってしまったね~ あ、アライさんには私のを半分あげるから雪子さんは気にしなくていいよ~」
それでも雪子は何度も頭を下げ、返す刀でIcetuzteの面々を睨(ね)めつける。
キジ「アワワワ…」
雪子 「ん!」
ヘビクイワシ「めm…」 コトドリ「ウ~ウ~(警戒音)」
雪子 「お客様がたはご注文されないんでしょうか?」
キジ 「え? あ、じゃあ・・・ この『夏のオススメ』を3つ」
そう言うと店先の目立つところにあった立て看板(潮を吹いているクジラの涼しげな絵が描かれている)を指差す。
雪子 「分かりました。 少々お待ちください」
????「私もそれを」
雪子 「はーい!」
ラッシュタイムが終わった。 残っているのはキジたち4人だけだ。 そこにソフトクリームを持った雪子が店から出てきて手渡す。
キジ 「怒ってないんですか? 失礼なことをした私たちを・・・」
雪子 「それがあなたたちのお仕事なんでしょう? でもこちらも仕事ですから。 Icetuzte(アイスを待っている)お客さまがいる限り・・・」
キジ 「雪子さん・・・」
雪子 「ほら、溶けないうちに食べて下さい。 この夏の自信作『母なる海の潮流すミルクアイス』です。ホルスタインさんのレシピと許可を頂いて、そこに私なりのアレンジを加え、ナガスママさんの全面協力のもと、潮と搾りたてミルクをふんだんに使うことで熱中症対策と甘さを両立させ、ほのかなしょっぱさとまろやかな甘さのハーモニーが混然一体となって…」
キジ・ヘビクイワシ・コトドリ 「「「つまり潮対応! 美味しいけど」」」
雪子 「え・・・いえいえ、決してそんなつもりじゃなくって・・・」
シマナメ 「溶ろける美味しさ~~」 (´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: ドロドロ…
雪子 「ヒア゛ア゛ア゛ア゛~~~~!」
結局、この取材記事はお蔵入りになったという・・・
tuzteとは コトドリ元ネタ
【雪子のアイス屋さんシリーズ】より 元ネタⅠ 元ネタⅡ 元ネタⅢ 元ネタⅣ 元ネタⅤ
【アライさんクイズシリーズ】より 元ネタⅥ
いやぁ笑わせてもらいましたのだ! 雪子のアイス屋のカオスすぎる、とある日を垣間見た気がするのだ Icetuzte 今月号はどうなることやら・・・
楽しんでもらえたようで良かったです ホラー(体験談)雑誌に鞍替えしてるかもしれませんね
虫喰いでないフレンズ
「君達は、強い魂と聞いて何を思い浮かべるか?どの様な魂が強い魂であると思う?」
「私は、強い意志を持つ者こそが強い魂を持つと考えます」
「そうか。そう考える理由を聞こうか」
「強い意志を持つ者は、大いなる使命を帯びて周囲を巻き込み、集団を成します。そのような集団とは何人にせよ一人以上の力を発揮するものです。周囲の意志はより強い意志に魅了あるいは翻弄されて、惑星の引力に導かれる衛星のように付き従うでしょう。 つまり、強い魂を持つ者は運命を歪める力が強く、強い意志をもって一人以上の力を発揮しようとすると考えるからです」
(……なんでこんなにすらすらと…よくわからないことを………)
何の前置きもなく、悪の秘密結社の幹部が手下に忠誠心を確かめるような問答が始まった。 圧倒的場違い感に竦み上がる。
「強い魂……そう。 さも問いに多様な答えがあるかのような問いかけをしたが、これから話すことは、私が言う固有名詞としての『強い魂』だ。 強い魂とは何か? 強い魂を持つ者は、 スタンド使いのことだ。 スタンド使いの間では次のような言葉が語られている。 『スタンド使いとスタンド使いはひかれあう』 この言葉が知られていることが、君の言う引力が発揮されている証拠だ」
「スタンド使い………?主任、質問がありますが、“スタンド使い”とは?まさか、特殊能力が実在すると……?」
「知らなかったの?コノシマ研にいるのにねェ?『珍しいこと』もあるものですね主任」
何とか理解しようと質問を投げたのにも関わらず、状況は悪化してゆく。 同僚が、自分が知らない意味を含むのであろう単語を、自分が知らないこと自体について『珍しいこと』と呼んだというのは、もはや脳の処理の優先順位の遥か遠くに追いやられてしまった。
「君は周囲にスタンド使いが居なかったようだな。それで気付けなかったのだろう。ーーーーーー、これからその力を私に貸してくれないか」
一方、フレンズ・オランウータンの貨物船内部に閉じ込められたドブネズミは、脱出の手掛かりを探すため、壁に耳(ヒト耳と獣耳両方)を当てて音を聴いていた。 聞き慣れない低いうなり声の正体に少しでも心当たりがあればと聞き続けていたが、聞こえるのがうなり声だけではないことがわかる。 甲高い笑い声に足踏み、何かしらの単語の羅列を叫び続けるといったことも聞こえてきた。 しかしこれらの音を結び付けるだけの知識が、ドブネズミにはない。
「くそッ、これ以上聞いてると頭がどうにかなりそうだ。 上で私たちがオランウータンに抵抗してる間も下の部屋でこんなドンチャン騒ぎやってたとすると、オランウータンの趣味か何かが放置されてるといったところか? まあ、こんなことを聞き続けて平気でいられるとは恐れ入ったものだ。 それはさておき、もっと詳しく聞くには隣に突入するしかなさそうだな」
ラットを構えながら壁を叩き、叫んで壁の向こうの相手に存在を知らせる。 そして、スタンドを構えて壁破壊と壁向こうからの奇襲に備える。 敢えて位置を教えることで、来るかもしれない攻撃を受けやすくするためだ。 見えない空間の『視える』だけのところから、できるだけ対策するのがドブネズミのやり方である。
「壁破ったら敵が現れると思ってやるが………そうでないならどうするか考えとかないとな。 『ラット』!まるく形をえがけ!」
ラットの毒針は、発射されてから物体に当たった後何メートルも進み続けるほどのパワーを持たない。 しかし、金属のように硬いものに跳ね返されても着弾点はしっかり溶かされた。 このように毒の強さという点においてドブネズミのドス黒い精神性が露わになっている。
円形状に切り取られた壁の断面に手をかけ、ゆっくりと引いてこちら側に倒す。 鉄板の下敷きにならないよう後ずさりつつ、開けてゆく視界に注目すると、得体の知れない影が寝そべる様子が飛び込んできた。
「GOOOOH………」
「おい………何なんだ………?あ、セイウチ!セイウチか?」
「……………」
「OGH? GOAAA?」
「…………ぇ…」
「え?おい、なんだあれは?そもそも、なんでおまえがここにいるんだ?」
「………………気にしないで、敵じゃない」
「なに?すると、あれはもしかしておまえのスタンドか?」
「………あれは確かに私のスタンド」
「海岸の岩場から動こうともしなかったにおまえが、どうしてここにいるのか知りたいが、答えてくれるか?」
「……………なんでか知らないけど連れてこられた。何が私を連れてきたのかわからないけど」
「なるほど。ありがとう。 こんなことになったワケを知ってそうな、あのエテ公に問い詰めてやるよ。 そのつもりでわたしはここにいる。 そう、おまえはどうしたい? ここにずっといる気は無いよな?」
「そうね。出なくても良いなら出ない」
「は?出ないって、おかしくないか? お前、こんな何もないところでずっと生きられんのかよ」
「出る必要があるか、確かめてきて。 あなたが」
「え?おい、流石にそれは無っ、、、、!?」
34話の決定版となります。 先日の投稿の内容に満足いかず、再投稿となりました。 予告なく削除してしまい、申し訳ありません。 返信へ↓
「!??」
ドブネズミが反論を諦めたように見えたが、自らの身体の異変を感じ取ると、その訳を理解した。
二人の全身から吹き出す光が部屋を照らす。
面倒くさがりのセイウチでも、こればかりは焦らずにはいられない。
「なんだ!?アイツの攻撃か!?いや、ありえん………」
「なに………これ…………」
「何なんだ、これは!ああ、このままだとマズいぞ。確証はないがマズい!」
「どうなるの?私たち………」
「何するにも、まずここから逃げ出すしかない!もう何と言われようとお前を連れ出す!来い!」
船外に脱出するべく、部屋を出て廊下を走り抜ける。 だが、ドブネズミが感じた通りに、不安は現実となる。 力が抜け、勢いのまま転倒した。 連れてきたセイウチに弾き飛ばされ
「ギャアス!」
被ダメージボイスを出す。 セイウチの安全を確認するべく立ち上がろうとするも、やはり抗う術もないまま、床に伏した。 「どこだ、セイウチ!、脚(うで)にも力が入らん………」 身体を捩り周囲を見ようと振り返ると、頭上からセイウチでない誰かが声を掛けてきていることに気がついた。
「たすけ………て………せっかく……アフリカゾウを手に入れたのに……こんなの………」
「待て…っっ!お前にはみんなの安全を守る義務がある………」
「ハヤブサ!」
「おまえは……よくも!、いややめだ。オランウータン、外に助けを求めるんだ!空飛んでるフレンズいるかどうか探すとかしろ!」
「それができたらこんなことなってないよう!うぅっ…」
壁に身体を預けどうにか立っていたオランウータンも、ついに臥した。 意識の狭間に沈みゆく中で、壁そのものが溶けるように崩れる。 船そのものを支配するオランウータンの意識が消えつつあるからだ。 何も予兆なく訪れた危機のなか、オランウータンは寝言のようなことを口走った。
「遠……すぎた……… 捕ま…りたくな…いから……… 島………離れると………ダメなんて…知らなくて……」
「……!?」
<アニマルガールの身体は島から離れれば離れるほど不安定になり、最後には元の動物に戻る>
研究所の廊下に研究内容を説明した掲示物があった。 学術的なことに疎い自覚がある者なら目を背けそうな堅い内容のそれに、その一文が含まれていた。 ドブネズミは、そんな青天の霹靂に打たれた。
わたしにはそんなこと言わなかったぞ。 アフリカゾウは知ってるのか? 知ってたらこんな所来ないんじゃあないか? 知ってるとしたら、こうなることを覚悟してオランウータンを追いかけて…… それならアフリカゾウを助けなくては! 耐えてくれ、この身体! こんなところで終わってなるものか! 死体であったはずのネズミの執念が燃え上がる。 そうして、姿を保とうとする意志に応えるかのように、救世主は現れた。
「お前達が消えると俺が困るからな。俺のためだ」
消えゆく意識の幕切れに、捨て台詞を残しながら半透明の物体を纏いつつある虫喰いの姿が残された。
━━━━━━━────── ━━━━━─ ━━━─ ─
「おまえに借りができたな」
「俺はお前と貸し借りをしたつもりはない」
「おまえは、本当はそうやってフレンズ助けしてきたんじゃあないのか」
「誰に聞いても答えは同じだ 俺が乱入して勝手に手出しただけのこと」
「ね、ねえ!虫喰い………さん。 ありがとうね。セルリアンを使ってフレンズを襲ったりしてないのは私達が体験した事実だから。私からもイエネコちゃんに言っておくね」
「…………」
ドブネズミたちはセルリアンに包まれながら地中に潜る虫喰いを、帰省先から実家へ帰る親戚を見送るように名残惜しそうに見守り続けた。
「しかし、どうやって虫喰いがわたしたちを助けたのか、見てたか?だれか知らないか?」
「しらない………みてない」
「どうやってあんな所から5人も同時に………」
「ま、アイツ以外考えられないけど」
「こっちの『寝そべり』はいいの?」
「むにゃ………ぐふふふふ………おねーさん?おれとあそばなーい?」
「「「………」」」
「こんなの連れてったらどんなメに遭うか知ったことじゃあないな。セイウチはそこで寝転んでるし、ズラかろう。イエネコ拾わねーとだしな」
「ー!なーにしてたのよー!あんたたちはー!」
「噂をすればなんとやら、だね」
「あれー?アフリカゾウまでそんなタイドなんて、私はやっぱり邪魔者なのね」
「わ、悪かった。そんなつもりは!な、アフリカゾウ!」
「そそ、その通りだよ!」
「ふん、せーぜー私のご機嫌とりに精を出すことね」
やがて一団が浜辺を発ち、セイウチも安眠場所を求めて去る。 最後に寝そべり昆布を被った酔っ払い擬きが残された。 そこに、一人の人影が舞い戻り、見下ろしながら独り言(ご)つ。
「俺自身が一番大事なんだ。セルリウムを制御する、俺だけが使える、あの守護けものにすら許されない力がな」
to be continued………
決定稿更新おつかれさまでしたのだ
(イラスト:風龍さん)
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS 【ホワイトアウト】
アルマー 「ねぇ、寝てるだけってことはないの?」
外では季節外れの暴風雪が吹き荒れる洋館:ろっじアリツカ。
センちゃん 「いいえ、アミメキリンさんは警戒心が強いので横になって寝ることはありません。 これだけ人が集まってるのにちっとも目を覚まさないのもおかしいですし時間も長すぎです。 そもそも廊下ですよ? ここは。 つまり外的要因によるもの、と言わざるを得ません。 ライイングメッセージも持ってますしね」
アルマー (dyingじゃなくてlying・・・確かにウソはついてないよね)
一同の目の前ではアミメキリンが俯せに倒れている。 白紙の原稿用紙を持って・・・
「この中に犯人はいる!」(ババーン)
アルマー 「え、なになに!?」
センちゃん 「どこから出てきたんです!?」
突然の登場に集められた容疑者たちも目を白黒させている。
アルマー (さっき館内を捜索した時には確かに居なかったはずだけど・・・)
雪子 「袖で出るタイミングを見計らっていました!」
アルマー (袖・・・って?)
センちゃん 「いきなり出てきて根拠のない推論を語るのはやめてください。 まだ外部の犯行の可能性も残されてるんですよ?」
「ちっちっち」 人差し指を立て、左右に振りながら雪子は自慢げに反論する。 「あなた方が入館し、ハクトウワシさんが退館したあと、 私はけものミラクル:嵐雪遮界(ホワイトアウト)をすみやかに発動しておきました。 これは吹雪を起こすことで戦闘時には敵の攻撃命中率の低下を引き起こしますが、 今回は結界(密室状態)に転用させていただきました。 効果は12時間。 その間はセルリアンどころかアリリアンの出入りする隙もありません! ちなみに、この技名とタイトルが同じなのは伏線です!!」
アリツさん 「あの風と雪はあなたの仕業でしたかぁ・・・」
アルマー 「どっちに転んでもセルリアンなんだね」
博士 「時短とはネタバラシをすることではないと思うのです。 核心は突いてないので物語的にセーフだとは思いますが・・・」
助手 「探偵のくせに推理モノのお約束も知らないのですか? セリフは長尺ですし・・・」
タイリク先生 「伏線とは撒いておくもので、開始と同時に巻き取るものではないよ」
口々に容赦ないツッコミが入った末に、無慈悲な宣告が告げられる。
センちゃん 「・・・するとあなたも容疑者ということですね」
雪子 「ぎゃふん!」
容疑者たちの供述(※任意の事情聴取)は以下の通りである。
博士(長1) 「我々は限定ジャパリm… 締切間近だというのに原稿を持ってこないので催促に来ただけです。 ちなみに今回、私はアミメキリンとは話してもいませんよ」
助手(長2) 「ここに来た理由は博士と同じです。 タイリクオオカミがたるんでいるのはアミメキリンのマネージングにも問題があるのではないですか? ーということを言ってやろうと思いましたが、アミメキリンからの返答はありませんでしたね」
タイリク先生(マンガ家) 「アミメくんの持っている白紙の原稿用紙は確かに私のものだ。 だがそれ以上でもそれ以下でも無いよ。 締め切りのことで? ああ、原稿が間に合ってないことで軽い諍いはあったが、 『日常茶飯事』の範疇を越えるものではなかった、という認識でいるよ。 それについてはアリツさんが証明してくれるだろう。 一緒にいたのでね」
アリツさん(ろっじ経営者) 「ええ、確かに先生とアミメキリンさんは揉めてらっしゃいましたねぇ。 アミメさんはかなり興奮されていらしてぇ・・・ えぇ? 私が部屋を訪れた理由ですかぁ? いつも締め切り前日には差し入れをお持ちしますのでぇ。 それを召し上がったあと、アミメさんは部屋を出ていかれましたぁ。 私は仕事がありますので部屋を出て戻ろうとしたところ 廊下で倒れていたのを発見した次第ですぅ」
雪子(時短探偵) 「なんで私まで容疑者扱いなんですか! 探偵ですよ、私は! え? 『探偵なのに犯人だった』展開も推理モノあるある? じゃあダブルスフィアのお2人だって容疑者にするべきじゃないんですか!? ちょ… いくら話が進まなくなるからって『作者権限でダブルスフィアは潔白設定』なんてズルですよー! そもそもアミメキリンさんとは一面識もないですし、 昨晩もチラっとすれ違っただけで、言葉さえ交わしていませんよ! あ~ こんなことなら嵐雪遮界なんて使うんじゃなかったー!!」
アミメキリン(マネージャー・ポンコツ探偵) 「・・・」(へんじがないまるでしかばねのようだ)
くらがりの間(2人の自室)に戻った2人は今後の捜査方針について話し合うことにした。
アルマー 「どうしよう? 館内をくまなく捜索したけど、やっぱり部外者が出入りした形跡は無いし、 かといってここに残っている人の誰もウソは言ってないみたいだし・・・」
ラッキービースト(メディカル担当) 「アミメキリンの診断結果を表示するヨ」
センちゃん 「AI技術が発達したおかげでボスの性能も上がりましたね」
ホワイトボードに出力された診断結果の要点は以下の通りだ。
・呼気から微量のアルコール成分が検出 ・後頭部に軽い打撲 ・バイタルチェックによると犯行時の直前に血圧・脈拍の乱高下があったと推測される
センちゃん 「容疑者の供述と比べてみると、ウソこそついてないかもしれませんが、 意図的に情報隠蔽している可能性はあります。 もう一度、取り調べる必要がありそうですね」
アルマー 「うーん… でも、とりあえずアミメさんは容疑者から外れそうかな?」
センちゃん 「自作自演の可能性を考えて候補に入れていたんですが、 こうなってみると確かにその線は薄いと言わざるを得ませんね」
季節外れの吹雪で一種の密室状態にある、ろっじアリツカで起きた不可解な事件。 その容疑者は5人に絞られた・・・
2話~前日譚~ 3話~推理編~ ・・・に続く
【すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん@901ff32967】 時短探偵・登場編 デカパンダ編 VS怪盗編
※1話に加筆修正しました。 ですが、このまま読み進めて頂いてもまったく問題はありません。 読み直すほどの変更ではないので。今は
は、犯人は誰なのだー!? 雪子ちゃんの活躍も気になるぜ 続編がんばってなのだ
雪子が犯人役として大活躍・・・ということにならなければいいんですが…w 明日以降も頑張りまっする (イラスト:ネギ大福さん)
待ってました!コロナ生き延びた甲斐がありましたのだ! 風龍さんのイラストかわいいですね 雪子に新しいミラクルが!しかし使ったことでなぜか犯人候補に 時短にもなってないというところは雪子らしいのだ
白い原稿用紙が犯人を指し示している→白とう和紙→ハクトウワシ ホワイトアウトはハクトウワシOUT 動機はケシカラン原稿のすり替え??・・・思い浮かばな~いのだ!
続き楽しみにしております ありがとうなのだ
読んでいただきありがとうなのだ 推理が当たってるかどうか・・・は続きを読んでのお楽しみなのだ
時は遡って3月2日18:00頃のこと・・・
アルマー 「こんにちは~」
アリツさん 「いらっしゃいませぇ~ お泊りですかぁ?」
ダブルスフィアです。 ちゃんと予約しておいたはずですが?
アリツさん 「えぇと…」
アリツさんが宿泊台帳を繰る。 「これは失礼しましたぁ はい、確かに承っておりましたねぇ」
センちゃん 「・・・読者に見えないからって愛想のいいテンプレ挨拶とは裏腹に あからさまに嫌な顔するのやめてもらえます? こちらは客ですよ?」
アリツさん 「えぇ~? なんのことでしょう?」
センちゃん 「しらばくれないでくださいよ」
「だって『探偵さんが洋館に泊まると事件が起こる』のってフラグじゃないですかぁ~」 イラスト:Tじろ~ さん 「あ、ハクトウワシさんお疲れ様ですぅ~」
ジャパリパークでは明日3/3ひな祭り(桃の節句)を記念して 『限定:白桃ジャパリまん』をパーク内の特定施設で配ることになっていた。 ろっじでも朝ごはんとして宿泊客に振る舞うことになっており、 この地区担当のハクトウワシがその搬入を済ませたところだった。
ハクトウワシ 「ええ。 ブツは『ひんやりの間』に置いておいたわよ」
アリツさん 「お手間を掛けさせてしまって申し訳ございませんでしたぁ」
ハクトウワシ 「いいのよ。 盗み食いはイッツ・ギルティ!だものね」
アリツさん 「ありがとうございましたぁ~ あ、お待たせしました。 話を戻しますけど」
アルマー 「私たちとの対応に明白な差が・・・それはもう、すがすがしいほどに出てるね…」
アリツさん 「ほらぁ、そうでなくてもウチは『ホラ吹き上手のホラー漫画家さん』が逗留しているろっじ として名が広まってしまってるじゃないですかぁ。 中には 『何も起こらなかったじゃねぇか! キシャー!』 『ふまん…』 ーとクレームを付ける方までいらして・・・」
センちゃん 「そんなことまで私たちのせいにしないでください」
アリツさん 「・・・それもそうですね。 愚痴ってしまって申し訳ありませんでした。 では改めてお部屋のご案内をさせていただきますねぇ」
アルマー 「はーい」
すっかり仕事モードに切り替わったアリツさんと、それに続いて歩くダブルスフィア。 その様子を見ていた白い影が、物陰から出てくると館の出口に向かって歩いて行った・・・
カタカタ… 廊下を進んでいると注意を促すかのように窓が音を立てた。
アリツさん 「あら? 急に風が・・・ ハクトウワシさんは大丈夫でしょうか?」
ガタガタ… ガタッガタガタ! それどころじゃないぞ、と言わんばかりに窓は身悶えする。
アルマー 「さっきまであんなに天気が良かったのに・・・」
風は更に強く、雪まで混じっているようだ。
センちゃん 「こんな時期におかしなこともありますね。 異常気象でしょうか?」
窓の外は、すぐに1m先も見通せないぐらいの吹雪に変わっていった・・・
アリツさん 「こちらが『くらがりの間』になります。『こはん』から『巣穴』に適した土を搬入し敷き詰めた部屋となっておりまして、お客様本人に掘り進めてもらうことでそれぞれに合った居住空間を確h・・・」
センちゃん 「部屋の解説なら必要ありません。 事前にこちらのホームページを確認して調べて決めましたので」
アリツさん 「がーん。 便利になり過ぎるってのも良し悪しなのかしらねぇ…」
アリツさんは打ちひしがれた様子だった。
アルマー 「センちゃんは淡白だね オタク特有の早口っていうの? 私はもうちょっと聞いててもよかったけど・・・」
アリツさん 「ではごゆっくりぃ… 今度、ミステリールームでも企画してみようかしら・・・?」
アリツさんはアルマーのフォローも耳に入っていない様子でブツブツ言いながら去っていった・・・
日付は変わって2023/3/3 AM1:00
アリツさん 「ほらぁ、だから言ったじゃないですかぁ」
こうして冒頭の状況に戻る。
苦虫を嚙み潰したような顔のセンちゃん。 目の前にはアミメキリンが突っ伏している。
センちゃん 「私たちのせいで、とは絶対に認めたくはありませんが・・・ こうなってしまったからには探偵の責務として犯人を挙げるのみ! アルマー、館内にいる人たちを集めてきてもらえる?」
アルマー 「OK♪」
鼻歌交じりで被害者の周囲をなぞるように白線で囲んでいたアルマーが応えた。
センちゃん・アリツさん 「・・・」
こうして集められた容疑者は アリツカゲラ、タイリクオオカミ、博士、助手。 そして雪子を加えた5人だった。
センちゃん 「こちらがラッキービーストによる調査報告の結果になります。 これを基に改めて取り調べを始めさせていただきますが・・・ 自白して罪を軽くするなら今のうちですよ?」
解決を急ぐあまり容疑者を一堂に会して、というやり方がマズかったらしい。 取り調べという名の会議は紛糾を極めた。
雪子 「ダイイングメッセージの『白紙』から『博士』ってことはないのですか? どちらも『はくし』と読めますし」
博士 「燃やされたいのですか!? ダジャレで犯人扱いなんて認められません。 そもそも白紙はタイリクオオカミさんのものだったのでしょう。 疑うならまず、そこからではないのですか?」
タイリク 「私はアミメくんに感謝こそすれ憎む理由がないよ。 締め切りのことでせっつかれるのも私の不徳の致すところだしね。 なのに助手は私に直接言わず、かなりアミメくんにつらく当たってたそうじゃないか。 そう愚痴っていたのを何度か聞いたよ?」
助手 「それを言ったら『先生のサボり癖』も嘆いていましたけどね。 ところでアリツカゲラは『事件を引き起こす探偵』を苦々しく思っていたそうじゃないですか。 トラブルメーカーでポンコツなくせに探偵気取りのアミメを・・・というのは動機になりませんか?」
(イラスト:kisachiさん) ここぞとばかりに2人掛かりで圧を掛ける。
アリツ 「そんな大それたこと考えたこともありませんよぉ。 仮に私が嫌がっているとして、それで事件を起こしてたら本末転倒じゃないですかぁ」
雪子 「いいえ! 倫理観ゼロ、論理破綻した動機による自作自演(マッチポンプ)なんて 長期連載推理モノのお約束じゃないですか!」
自らに掛けられた疑いを晴らそうと必死なのかフレンズたちの討論は まるで時限爆弾ゲームのようだった。
アルマー 「どうしよう・・・ このままじゃ迷宮入りだよ~」
いよいよ収拾が付かなくなりつつ様子を見て、もはやアルマーは白旗を上げる寸前だ。 センちゃんもどうしたものかと考えあぐねている。
アリツ 「あの~」
センちゃん 「はい?」
アリツ 「差し出がましいことを言うようですがぁ・・・」
センちゃん 「一応聞いててみましょう、なんですか?」
アリツさん 「ボス犯カメラの映像を確認されてはどうでしょう?」
アルマー 「え・・・?」
このろっじではあまりにも不可解な事件・事象の二次創作が作られるので ラッキービーストからカメラ機能を借り受け、館内各所での動体検知録画を導入したのだという。
アルマー 「もっと早く言ってよ!」
4話~真相編~に続く
続きがとーっても気になるのだ!
挿絵がとてもいい仕事してますのだ それぞれ発注したのだ? とてもいいアクセントになってますのだ あと雪子の白紙→博士のムチャ推理で「燃やされたいのですか!?」には すごく笑ったのだ たーのしーのだ
(>3<)内緒ですが無断でPIXIVやニコニコ静画から拝借させて頂いてますm(ーー)m ところでヒゲじいのダジャレ→燃やせ!ムーブは、いつからどんな経緯で始まったんでしょうね? 解き明かしてくれたら(はくしゅ)します
アリツさんが一番有能説が出てきたのだ
作者の趣味が色濃く反映されちゃいましたかねw こういうキャリアウーマン的なキャラ好きなんですよ 脚もエッッッですし…
録画データの確認が始まった。
2023/03/02/11:58 (イラスト:ShiBiさん) タイリクオオカミの部屋にアミメキリンが入ってきたところからだ。
アルマ 「この時はまだ何も起こってなさそうだね」
しかしこの後、状況は一変する。
[先生! これはどういうことですか!?] 白紙の原稿用紙をバサバサ振りかざしながらアミメキリンが激昂している。
[アイデアがまったく浮かばなくてね。 %%{bg:mistyrose}頭の中は真っ白%%さ] タイリク先生は悪びれた様子もない。
[どうするんですか、締め切りは明日なんですよ? これまでも発刊が遅れたり休載するたびに 製本担当の博士たちや、新刊を待っている読者さんたちに白い目で見られる私の身にもなってくださいよ!] アミメキリンは涙目だ。
センちゃん 「この辺りは供述の通りですね」
2023/03/03/0:05 コンコン… アリツさんが入室してきた。 [差し入れをお持ちしましたぁ。 少し休憩してはどうでしょう?]
[休憩も何も! そもそも始まってさえいないんですけど!?] アミメキリンはアリツさんにもヒステリックに食って掛かる。
[今日はひな祭りなのでアラレと白酒を用意してみました。 どうぞ召し上がってください~] 一方のアリツさんは慣れているのか、軽くいなしている。
[ジラフがシラフじゃダメだってことなんですね!] よく分からないことを言いながらアミメキリンは白酒を一気にあおる。
[けほっけほっ!] 思ったよりアルコール度数が高かったらしい。 背を丸めて軽く噎せるアミメキリン。
タイリク先生 [おいおい、大丈夫かい?]
[あぁ、お水を用意しておけばよかったでしょうかぁ] アリツさんは甲斐甲斐しくアミメキリンの背中をさすっている。
[もうぉ、やってられないれすよぉ~!] アミメキリンはそれを跳ね除けるように背を伸ばすと、 呂律の回らない口調で愚痴をこぼしがら、フラフラとおぼつかない足取りで室外に出て行ってしまう。
2023/03/03/0:11 画面は廊下に切り替わる。 アミメキリンが暗い廊下を下手(しもて)に向かって歩いていると、ぼや~とした白い人影が見えてきた。 (一時停止してズームしてみると、かろうじて雪子だと確認できた)
アミメ [ヒェッ… オバケ!?]
雪子 「えぇ…?」
ショックを受けている雪子をその場に残し、アミメキリンは逆方向に向かって逃げ出した。 走って酔いが回ったのか、アミメキリンはすっかり千鳥足になっている。
2023/03/03/0:15 [む~ あの女、一体どこに隠したのですか…?]
上手(うわて)から助手が歩いてきた。 [おっと、アミメキリンではないですか。今のは聞かれなかったでしょうね? えっと…そうです。 原稿を取りに来たのです。 さっさと寄越すのです]
アミメキリンの顔からはみるみる血の気が引いていき、いまや蒼白だ。 ・・・ゴス! 2023/03/03/0:16
博士 [ん? 何か足に当たりましたか? おお、助手。 見つかりましたよ。 あの女、まさか客室の1つに隠していたとは・・・」
助手 [博士、博士]
助手の指差す先では白目を剝いたアミメキリンが倒れていた。 博士による無音フライングニーアタックが後頭部に炸裂したからだ。
博士 [い、今のは不可抗力なのです]
助手 [そ、そうです。 そうに違いないです。 なんかフラフラしていましたし、酒臭いところから見るにしこたま酔って勝手に倒れただけで 膝が入ったように見えたのは気のせいです。 ともかく、余計な詮索をされないためにもここはズラかることにしましょう] 2023/03/03/0:20
ほどなくしてアリツカゲラが画面に映った。 違和感に気付いたのか、小走りで倒れたアミメキリンに近寄ってくる。
アリツ [・・・? アミメ…さん? 大丈夫ですか!? 先生― ちょっと先生! 来てもらえませんかー!?] 2023/3/3/0:24
ここでセンちゃんはビデオを止めた。
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こうして真実が白日の下に晒された訳だが、フレンズたちの往生際は悪かった。
雪「やっぱり博士のせいじゃないですか」 博「いや確かにとどめを刺したのはかもしれませんが、元はと言えばタイリクオオカミたちが・・・」 タ「雪子くんを見てかなり驚いていたようだが…」 助「お酒で悪酔いしたのがそもそもの原因なのでは?」 ア「博士&助手(YOU)は何しに『ろっじ』に…?」
ふたたび白熱した議論が交わされる。 ただ、今度は誰の責任が一番重かったのかという低レベルな言い争いが・・・
「うーん…」 ようやくアミメキリンが意識を取り戻しそうだったが、いまや誰も気に留めていない。
[これって全員アウトなんじゃ・・・] 白けた口調でアルマーが口を挟むが、
博「いえいえ」 助「誰も悪くなかったと思うのですよ」 ア「たまたま不幸な事故が重なっただけでぇ~」 タ「つまり、みんなシロだろう」 雪「セーフ!セーフ!」
「んな訳ありますか!」 あまりの結論にアミメキリンがツッコむ。 「シロかもしれないけどアウト! ホワイトアウトよ!」
5話~回収編~に続く
偶然と偶然(?)が折り重なった波状攻撃がヤギを襲ったのだ 不幸な事故だったのだ
ヤギが真犯人だった説もある…w?
ほぼキリンの独り相撲だったという それにしても博士たちとりあえず救護措置しろよ!というツッコミをいれつつ 雪子が犯人じゃなくてヨカッタ・・・(そこ!?) ハクトウワシ犯人説は大外れ!
キレイにオチが決まったところでまだ続きがある!? いつもながらにすごいボリュームなのだ
こうして雪子の出オチバラシによる伏線は回収されたのであった・・・ ーで終わらないのが本作。 どんでん返しが待っている…?
マンガと違って文字のみだとどうしても物量がね・・・
「シロかもしれないけどアウト! ホワイトアウトよ!」
一度は勢いでそう言い放ったアミメキリンだったが、 「今回の事件は悪意があったわけでも故意でもありませんし。 なにより皆さん、反省もしているようですから・・・」 落ち着きを取り戻したアミメキリンは、すべてを水に流すことにしたのだった。
アルマー 「大岡裁きだね。 でも良かったの? それで」
アミメ 「私まで疑われていたことは心外ではありますが・・・」
センちゃんは気まずそうに顔を逸らす。
アミメ 「どなたかの科白(せりふ)にありましたが、たまたま事故が重なっただけだと思いますんで・・・」
一同の顔には安堵の色が浮かんでいた。
「・・・ねえ。 読者の中にはも薄々気付いた人もいるかもしれないんだけど・・・」 張り詰めていた空気が和らぎつつある中、1人神妙な顔をしながらアルマーが口を開く
「どうしました?」 センちゃんも、そのただならぬ気配を察し耳を傾ける。
アルマー 「今回の話って『白』多くない?」
一同はセルリアンがぽっかーん!を食らったような顔で… いやつまり、ぽかんとしている。
アミメ 「・・・? せっかくいい話で締めようと思ってたのになんでそんな茶々を… って、これでは茶色ですか」
センちゃん 「いえ、アルマーの言う通り、確かに『科白』なんてあまり使わないですよね。 同じ漢字でももっとポピュラーな『台詞』がありますし、 カタカナの『セリフ』でもいいのにわざわざルビまで振って・・・」
「・・・? 私は台本通り喋っただけですが…?」 しかしアミメも違和感を覚え出したのか訝しげな顔になる。 「でも、言われてみて台本を見返してみると・・・ 白い目とか、蒼白とか、白目を剥くとか、確かに多いですかね?」
だが、まだ半信半疑な様子だ。
アリツさん 「私に関係することで言うと白酒とか白桃ジャパリまん、とかですかぁ? 今日はひな祭りなんで特段おかしいことだとは思いませんでしたけどぉ」
「その日付設定もそもそも仕組まれたものだったとすればどうだい?」 タイリク先生は創作者目線で鋭い指摘を入れる。
助手 「ハクトウワシも白桃ジャパリまんと掛けただけのダジャレだと思ってましたが、 漢字で書くと『白』頭鷲ですしね」
アルマー 「ちょっと見て!」
一同の目が差し出された台本に注目する。 「ここに『白』に関連する言葉に背景色が付いてるんだけど、かなりの数あるよ!?」
センちゃん 「・・・なんですか、これは!?」
博士 「遡ってみると、そもそもこの事件の始まりはアミメキリンが『白紙』を持って倒れてるところから・・・ いや、もっと・・・・・・!? って、タイトルからして『ホワイトアウト』じゃないですか!」
「・・・ホンマや!」 一同は雪子のボケを合図に、まるで新喜劇のように盛大にズッコケた。
博士 「やれやれ」
助手 「とんだ騒動に巻き込まれてしまったものです。 原稿も上がってないことですし、帰るとしますか」
アミメキリン 「何を言ってるんですか! こうなったら徹夜ででも原稿を手伝ってもらいますよ! マンガの作業工程というものはやることが目白押しなんですから
アルマー 「でもアイデアは全然無いって言ってなかった?」
タイリク先生 「いや・・・今まさに浮かんだ! 今回の事件をネタに再構成すれば面白い作品になりそうだ」
アミメキリン 「ほらほら、そういうことですから手伝ってください」
一同からは一斉にブーイングが起こるが・・・
雪子 「私のホワイトアウトの効果は12時間持続といったじゃないですか どうせ朝6:00までは出られませんよ」
一同の間にはあきらめムードが漂う
アリツさん 「じゃあその前にお夜食にしましょうか」
一転、一同が湧き立つ。
アリツさん 「ーというわけですから博士さん、助手さん、ジャパリまんを出してください」
博士 「むむ…誤魔化せませんでしたか・・・」
この期に及んで独り・・・二人占めするつもりだったらしい。
助手 「私たちもれっきと宿泊客。 食べる権利はあるはずですよ」
「あなた方の分はあなた方の分け前として除いてもらって構いません。 ですから残りを出してください」 アリツさんはアミメキリンの決定を尊重し、感情に流されることなく。 それでいて正当な主張は通す。
博士「分かったのです」 助手「仕方ないのです」
雪子 「あ、私は遠慮します。 正規の手続きを経ていない飛び込み客なので」 (当然、頭数にも入ってないだろうし)
「でも・・・」 博士たちからジャパリまんを受け取りながらアリツさんは提案する。 「でしたら私の分を…」
タイリク先生 「その必要はないよ」
「ん?」 センちゃんはフレンズとジャパリまんをそれぞれ指差し確認しながら指摘する。 「足りてますけど…」
この場に居るのは博士、助手、センちゃん、アルマー、タイリク先生、アミメキリン、アリツさん ・・・そして雪子の8人 一方のジャパリまんは・・・数えてみると確かに8つある
アリツさん 「あら? 数は丁度しか頼んでなかったはずですけど・・・注文を間違えたのかしらぁ」
不思議がるアリツさんを尻目にタイリク先生がキメ顔で語りかける。 「やはり物語のラストというのは『大団円』・・・丸く収めないとね。 そうは思わないかい、ダブルスフィアのお2人さん?」
アルマー (なんか台本から外れ出した…?)
突然スポットライトを当てられて戸惑う2人と、 そのリアクションを楽しそうに眺めるタイリク先生。 悪い顔をしている。
センちゃん 「・・・! まさか『丸いもの』にも伏線があったとか・・・!?」
とっさに機転を利かしたセンちゃんがなんとか返す。
タイリク 「いや、無かったはずだよ?」
タイリク先生はあっさり否定する。 台本を見返しても確かに無い。 しいて言うなら句点(文末の『。』)ぐらいだが、これは伏線とは言わない。
センちゃん 「じゃあ、これからまた始まるとか?」
タイリク先生 「いや、あと少しでこの物語も終わってしまうよ、ほら」
タイリク先生は『何か』を待っているような口ぶりだ。
センちゃん 「だったら伏線とは言わないんじゃないですか?」
タイリク先生 「知ってるよ。 私だって創作者の端くれだからね」
センちゃん 「だったらなんでこんな茶番を?」
タイリク先生 「最後だからちょっとアドリブをカマしてみようと思ってね」
アルマー 「台本に無いこと急(球)に振られても困る(こまる)よ!」
キレイにオチたのを確認するとタイリク先生は満足げにうなずく。 そうして、ろっじアリツカを舞台にした物語は幕を下ろしたのだった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~後日談~
彼女らの作業は夜が白むまで続き、 ホワイトアウトの効力が切れた頃、無事にマンガは完成した。
(イラスト:よしゆきよしぞう さん)
タイリク先生 「お疲れさん、有能なマネージャーくん」
のちに舞台化されたこの作品は評判が評判を呼び、千秋楽を迎える頃には プラチナチケットにまでなったという・・・ (白金)
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【ホワイトアウト~舞台版~】
[キャスト]
センちゃん(探偵)・・・・・・・・・・・・オオセンザンコウ(ダブルスフィア) アルマー (探偵)・・・・・・・・・・・・オオアルマジロ (ダブルスフィア)
アリツさん(ろっじアリツカオーナー)・・・アリツカゲラ ハクトウワシ(ジャパリまん配達業)・・・・ハクトウワシ タイリク先生(マンガ家)・・・・・・・・・タイリクオオカミ アミメキリン(マネージャー)・・・・・・・アミメキリン
博士(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・アフリカオオコノハズク 助手(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・ワシミミズク
雪子(時短探偵)・・・・・・・・・・・・・雪子(友情出演)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[スタッフ(裏方)]
照明・小道具・演出・・・・・・・・・・・・ハクトウワシ
[製作]
原作 :タイリクオオカミ 脚本 :愛知 舞台監督:タイリクオオカミ
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん 時短探偵~登場編~ パンダデカ編 VS怪盗編
ーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーー
カーテンコール
めでたしめでたしなのだ
白でまとめられたギャグサスペンスという新ジャンルなのだ! 雪子の分もジャパまんがあってヨカッタ 波乱万丈なストーリーでかつけもフレらしい 実に読み応えがありました
雪子起用してくれてありがとうなのだ 完結おつかれさまでした
「白」は漫才師ナイツさんの「赤と白」を参考にさせてもらいました。 ですが、伏線を複線走らせたのは初の試みです。 おかげで読むのが複雑になってしまったかも…(書くのもですがw)
前回(・・・はヨカレが主役でしたが)、前々回(ちょい役w)と 雪子ちゃんを起用させてもらってますが、 それだけ魅力的なキャラだということで、 それを生み出したツッコミさんは胸を張っていいと思いますよ。
その魅力についてSS3話分くらい書いてもいいんですが、 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ シビレ隊長が妬きそうなので割愛しますw
ツッコミさんも体には気を付けて創作活動、ガンバッてくださいm(ーー)m (もうちょいでコメント数2000か・・・)
長編お疲れ様でしたのだ 白圧の強いお話だったのだ
白身 迫真の演技、お楽しみ頂けたのなら幸いですm(ーー)m
キングコブラ
「それでは第◯◯回、ヘビフレ集会を始める。
今回はツチノコからの相談だ。 ーって珍しいな」
ツチノコ
「相談・・・てのはちょっと違うな。
議題が無いとすぐに乱パだ、ハーレムだ、と誰かさんがうるさいからな」
アカニシ |( ̄3 ̄)|〜♪
ツチノコ
「・・・
パークは今、神に溢れている」
ブラックマンバ
「お、マジメそうな話?」
ツチノコ
「四神に始まり、キツネの神オイナリサマ、ウシの神ゴシンギュウサマ、
オオカミのマカミ、ウサギのツクヨミノシンシ・・・
次当たりヘビの神が実装されるんじゃないかとオレは睨んでいる」
ハブ
「あり得なくはない話だがメタいな…」
ツチノコ
「そこで、どんな蛇神が来るかみんなで予想してみよう、
ってのが今回の趣旨だ」
アマボア
「軽っ!」
エメボア
「もっとヘビぃ話かと思って損したわ!」
キングコブラ
」
「まあまあ、たまにはこんな回があってもいいじゃないか。
誰か意見はあるか?
アカニシ
「う〜ん、急に言われてもねぇ…
ヤマタノオロチさんは強いけどダメなの?」
ツチノコ
「アイツは神っていうより怪物だろ?
フレンズ化してかなりトグロ巻いたけど」
ブラックマンバ
「丸くなった、って言いたいのか?
えー…じゃあ、神龍はどうだ?」
ハブ
「今度はDBとコラボするのかよ?
せめて角◯系列の版権をだな…って、だからメタいんだって」
ツチノコ
「あれは龍だから却下」
アマボア
「キビシッ!」
エメボア
「一刀龍断ってか?」
ツチノコ
「お、新人の・・・」
キングコブラ
「ボリエリアボアくんだね。
忌憚の無い意見を聞かせてくれたまえ。
ツチノコも頭ごなしに否定してばかりじゃダメだぞ」
ツチノコ
「あ、あぁ…」
ツチノコ
「お前だけはぜってぇ認めねぇ! あと後ろの誰だよ!?」
ヘビフレたち ʅ(◞‿◟)ʃ
(やれやれ・・・)
ー終ー
※イラスト協力:高飛車さま
ある意味実装してほしくはあるw
アピリッツ
「ボリエリアボアちゃんだけならなんとか・・・」
アピリッツ見てるぅー!?
世界観が完膚なきまでに壊れそうw
蛇足(物理)
絵の上手いパークスタッフ
(ヘビフレみんな生やしてもうたけど…)
SS第2弾 思ったより長くなったので前後編になりました orz
まずは前編
隊長
「博士!」
博士
「なんです? 騒々しい…」
助手
「博士、お茶です
お前も飲みますか? 落ち着きますよ」
隊長
「ありがとうございます」
博士
「ーで、どうしたのです?
と言ってもどうせドール絡みなんでしょうが・・・」
隊長
「はい、実はホワイトデーのお返しで悩んでまして…」
博士
「まあ、ずいぶん気の早い話ですね。
まだバレンタインも始まってないでしょうに」
隊長
「甘い! 甘すぎます!」
助手
「マシュマロが時代遅れ、ぐらいのことは我々も知っていますよ。 長なので。
ーとは言ってもクッキーかマカロンか・・・
なんならジャパまんでもやっておけばいいんじゃないのですか?
我々は大盛カレーを所望しますが…」
隊長
「バレンタインはくれたことないのにお返しだけは要求するんですね・・・
ーじゃなくて、それじゃあ他の義理返しとの差別化が図れないじゃないですか」
博士
「そこまで言うなら何か考えがあるのですか?」
隊長

「ええ、まあ一応…
でへへ…」
博士
「なんとなく想像が付きました」 ( ̄Д ̄)
助手
「鼻血を拭きなさい、鼻血を」 〜(~_~;)
博士
「ーで、決まってるなら何を我々に求めるのです?」
助手
「衣装ガチャを引くためにキラキラを貸せ、と言うのなら
トイチからの交渉スタートになるですよ」
隊長
「えぐ… いや、そうではなく、
アピリッツにホワイトデーイベントをしないよう掛け合って欲しいんです」
博士
「またメタいことを・・・」
助手
「ーというか、かなり難しいですよ?
これは給料3ヶ月分くらい貰わないと割に合わない仕事なのです」
隊長
「それくらいの蓄えはあります!」
博士
「・・・なぜそこまでして・・・?」
隊長
「サプライズです! ものすごく喜んでもらえると思うんです!」
助手
「やれやれ」 ʅ(◞‿◟)ʃ
隊長
「あれ? なんですか、その反応」
博士
「女心の分かってないお前に1つ物語を読み聞かせてやりましょう。
助手、例の本を」
助手
「はい、博士」 つ
【かしこい贈り物】
〜つづく〜
イラスト協力:超最強神ぷにぷにD・O・Cさま
〜後編〜
博士
「違う世界線でのパークの話です。
とあるちほーにヒトとフレンズが暮らしておりました・・・
カラカル
今日もこれっぽっちか・・・
「はぁ…
これじゃあ大したクリスマスプレゼントも買えないなぁ。
あんなチビた鉛筆じゃなくて、もっと・・・
こうなったら危険の伴う探検隊に入るか、
いっそハンターチームに入って大型セルリアンを・・・
でもアイツと一緒にいる時間が減るんじゃ本末転倒だしなぁ」
・・・・・・・・・・・・・・
キュルル
「ふぅ… こんな絵ばっかり描いてていいのかなぁ?
カラカルは身だしなみにも気を遣えずに、
自慢の房毛もボサボサになりながら働いてくれてるのに。
せめて僕にも何か出来ることがあれば・・・そうだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カラカル
24色入りだよ?
「ただいまー! 見て見て!
これで『カラカルを描くに相応しい色が足りない』なんて言わせないよ!
他にも好きなだけ描け・・・ってどうしたの?
嬉しすぎて声も出ない?」
キュルル
「・・・カラカル、その耳…」
カラカル
「ああ、これ?
とあるちほーのハンターにたまたま出会ってね。
そしたら私(原作)の房毛って旅や狩りのお守りになるんだって。
カラ狩ルーって?
だから・・・売っちゃったw
そんな深刻な話じゃないからさ。 遠慮なく…
ん? 何、そのブラシ」
キュルル
「クリスマスプレゼント…のつもりだったもの」
カラカル
「あぁ… そうか、ごめんね。 せっかく買ってくれたのにムダにしちゃって。
・・・高そうね、これ。 どうやって手に入れたの?」
キュルル
「ターパンに売ったんだよ。
まだ描いてないページはもちろん、僕の描いた絵も勉強になるからって。
スケッチブック丸ごと・・・」
カラカル
「はあ!?」
キュルル
「これからは・・・僕も働こうと思って!」
カラカル
「アンタに何が出来るってのよ! ・・・ ・・・!」
キュルル
「カラカルこそ・・・! ・・・ ・・・!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
隊長
「ひと昔前のアンジャッシュみたいなことになってますね」
博士
「残念ながら笑えないことに、この後も2人は聞くに耐えない口喧嘩の末、
別れることになります」
助手
「余談ですが、
アフターストーリーとしてカラカルはVtuberデビューするようですが、
真偽のほどは定かではありません」
博士
「それはまあ置いとくとして、
この物語から得られる教訓は・・・
サプライズなんて自己満足でしかない、です。
女性がそういったドラマチックな展開を求めるのはフィクションの中でだけ。
現実は欲しいものは本人にしか分からないものなです」
隊長
「そうだったんですね! ありがとうございます!
さっそくドールと話し合います」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜2月15日〜
博士
「なんです? 隊長、ニヤケすぎですよ?」
隊長
「実は昨日、ドールがサプライズで逆バニー姿でチョコをくれまして・・・
その後も・・・ぐへへ」
博士
「過シコい贈り物ですか・・・
ドールもやりますね」
助手
「オトコって単純な生き物なんですね。
末長く爆発してろ、なのです」
ー終わりー
※物語中、主張されている意見はあくまで個人の感想です
現実に実行して失敗(成功)しても責任は負いかねます m(ーー)m
「かしこい贈り物」元ネタ
なるほど…こうしてけもvカラカルが生まれたわけか…
それでああなっちゃったんですね(違
助手隊長 ・・・変われば変わるものですね…)
(
ーというアナザーストーリーもあり得た?
やはりスケベ スケベは全てを解決する
アライさん
「そんなに気に病まなくてもいいのだ」
目の前には
型のジャパリまん1つとノーマルのジャパリまん2つ。
フェネック
「でもさ~ アライさん、あんなに楽しみにしてたじゃないか~」
そう、今日はバレンタインデーということで限定品の
型ジャパリまんの配布日
・・・のはずだった。
フェネック
「私が寝坊したばっかりに・・・」
アライさん
「元はと言えばアライさんが1人で起きられれば・・・」
明け方近く、極秘任務に出掛ける予定だったアライさんはフェネックに起こされて出発。
フェネックは時間までまだ余裕がある、と二度寝してしまい
配布場に着いた頃には品切れで入手できなかったのだ。
フェネック
「いっそ限定ジャパリまんを探す旅に出ようかと思ったよ~
路地裏の窓 向かいのホーム・・・」
アライさん
「そんなところにあるはずもないのだ!」
フェネック
「それか、この両こめかみから垂れる『謎の房毛』を売ってでも手に入れようかな~
なんてことも・・・」
アライさん
「どっかで聞いたような話をダイマするのはヤメるのだ」
フェネック
「私がブロークンハートしてるように見えたのかな~?」
ボス
「こんなので良かったら1つ余ってるからあげるヨ。 訳アリ品だけド…」 つ
フェネック
「ってね~
なんでも配達中にどこからかツチノコの怒鳴り声が聞こえてきて、
驚いた拍子に落としてしまったらしいんだよね~」
アライさん
「それもどこかで聞いたようなメタい話なのだ・・・」
フェネック
「ーというわけで、はい。
完全体じゃなくて申し訳ないけどね~」
フェネックは3つあるジャパリまんのうち、
割れた限定品とノーマル、2つのジャパリまんをアライさんに手渡した。
アライさん
「そんな・・・受け取れないのだ」
フェネック
「どうしてさ~ アライさん、食べたがってたじゃないか~」
アライさん
「そうじゃないのだ。 食べたいけどこれではあまりに不公平なのだ。
だから・・・せめてノーマル2つはフェネックが食べるといいのだ」
フェネック
「それこそ不公平だよ~ とにかくこれはアライさんが~」
2人の間でジャパリまんが何度か行き来する。
そうこうするうち、
「フェネック…」
割れたジャパリまんの片割れ(少し大きい方)とノーマルジャパリまん1つを差し出しながら
アライさんが提案する。
「ちょうど半分こにするのだ」
フェネック
「・・・」
そして、いつになくマジメなトーンでアライさんが語り出す。
アライさん「アライさんはフェネックに感謝しているのだ」
フェネック「アr…」
アライさん
「いつも寝起きの悪いアライさんを起こしてくれて、
今日もアライさんの欲しがっていた限定ジャパリまんをもらいに行ってくれて・・・」
フェネック
「アライさん!」
アライさん
「ん?」
フェネック
「そう言えば今日の任務はどうだったんだい~?」
アライさん
「今回のみっしょんは潜入捜査だったのだ。
コーハイにいいところを見せようと思ったのだが・・・」
「大失態を冒してしまって・・・ いんぽっしぶるに終わってしまったのだ。
そうなのだ。
同じアライさんのワガママに付き合ってもらうなら、任務のフォローの方を頼めば良かったのだ」
フェネック
(やぶへび~)
アライさん
「思えばフェネックはいつもアライさんを見守ってくれていたのだ。
アライさんは今回、フェネックがいつもそばにいてくれることのありがたみというものを・・・」
フェネック
「ア、アライさん!?」
アライさん
「どうしたのだ?」
とある世界線のパークでのことさ~
オイナリサマ、アカギツネ、ギンギツネ、キタキツネがいたのさ~
オイナリサマ つ△△△△△△△△△△△△
「はい、このイナリ寿司を3人で分けなさい。
アカギツネが1/2、ギンギツネには1/4、キタキツネは1/6でね」
そう言うとオイナリサマは1つ摘まんで去っていったのさ~
アライさん
「つまり・・・12-1でイナリ寿司は11ヶになったのだ?」
そうだね~ 残された3人は揉めに揉めたのさ~
アライさん
「確かに2でも4でも6でも割り切れないのだ。
12のままなら分けられたのに・・・」
そこへチベットスナギツネとキュウビキツネが通りかかったのさ~
チベスナ
「お困りのようですね。
では、こうしましょう。 キュウビさん」
つ
& △△△△△△△△△△△
キュウビ
「???」
チベスナ
「まずアカギツネさんに12÷2で6ヶを」 つ△△△△△△
キュウビ
「!?!?!?」
アカギツネ
「あ、ありがと…」
チベスナ
「ギンギツネさんには3つ」 つ△△△
ギンギツネ
「え、えぇ…」
チベスナ
「キタキツネさんは2つ」 つ△△
キタキツネ
「・・・」
チベスナ
「余ったキュウビさんは返してもらいますね」 ( ̄― ̄) つ
キュウビ
「・・・」
チベスナ
「では」
そう言うとチベスナは颯爽と去っていったのさ~
キュウビ
「ちょっと! 今のどういうこと? 私をなんだと思ってるの!? ねぇ、何か言いなさいよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライさん
「なんだかキツネにつままれたような話なのだ」
フェネック
「アカギツネたちもキツネにつままれたような顔をしてただろうね~」
アライさん
につままれたイナリ寿司とか、言イナリになるキュウビとか・・・
「思いつくだけでもオイナリサマ
って、そう言えば何の話をしてたんだったのだ?
とても大事な話をしてたと思ったのだが・・・」
フェネック
「さ~ なんだったかな~?」
アライさん
「まあ、いいのだ。
ジャパリまんを食べたら出掛けるのだ。
今日もパーク中にアライさんの名を轟かせるのだ!」
フェネック
「はいよ~ アライさんに付いてくよ~」(今でも十二分に響き渡ってると思うけどね~)
イラスト:貴月ナオさん
元ネタ
アライさん
「ところでタイトルの『イナイレ』ってなんのことだったのだ?
サッカー要素はカケラも無かったのだ」
フェネック
「あ~ それはね~
アカギツネたちが揉めてたのは、どうしてだった~?」
アライさん
「確かイナリ寿司が11ヶしかなかったからなのだ」
フェネック
「そ~ つまりイナリ寿司イレブンってことさ~
納得した~?」
アライさん
「割り切れないのだ…」
―終わりー
アカギツネに6個は多いので3つづつわけて余りは俺が食おう
チベスナ
「1人だけ2ヶですか? キュウビも付けます?」
ツッコミ隊長さん&スナドリさんコラボSS(脚本:愛知)
芸ー1グランプリ
マーゲイ
「おはようございます!」
コウテイ「おはよう」
イワビー「オッス」
ジェーン「おはようございます」
プリンセス「おはよ、気合入ってるわね」
マーゲイ
「当然です!
なんせ今日はライブ会場リニューアル公演の初日ですから!
では打ち合わせを始めましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マーゲイ
「・・・と、ここまでが前半パートになります」
コウテイ
「うむ、良い構成じゃないか?」
マーゲイ
「ありがとうございます」
ジェーン幕間 はMCパートですか?
「
それだったらこの間フルルちゃんねるにお邪魔した時のお話をしようかと思うんですが・・・」
マーゲイ
「それは是非聞きたいですけど、明日以降に取っておいてもらえますか?
今日はお客様の間でも好評の『芸-1グランプリ』にしようと思ってます」
イワビー
「あぁ、あの『アニメで見たオーディション企画』から派生した実質フレンズたちの隠し芸大会だな。
いいねぇ! オレも好きだぜ」
マーゲイ
「読者に優しい説明セリフ、ありがとうございます。
気軽に参加しやすい形にしてみたんですけど中には未来の逸材がいたりして、
私的にも一石二鳥の企画なんですよね。
ではステージが暗転したら上手の方に移動して頂いて、審査員席に着席して頂けますか?」
プリンセス
「それはいいとして・・・
さっきから気になってたんだけど、あなたは誰?」
プリンセスの視線の先にはステージの下でかぶり付くように見ていた雪子の姿があった。
イワビー
「そういうこと言ってんじゃねぇよ、部外者なら立ち入り禁止だぞ?
今、大事な打ち合わせ中なんだ」
コウテイ
「それとも気の早いお客様かな?
入場時間ならまだ先だから・・・」
マーゲイ
「いえ、関係者なので大丈夫です。
今、ものすごく人気のアイスクリーム屋さんなんでスカウトしたんです。
イベント告知をしたら秒でチケットが売り切れちゃったんですよ。
あ、もちろんPPPの皆さんのネームバリューがあってこそ、ですけど」
ジェーン
「そう言えば・・・
もしかしてエジプトガンさんから口コミで広がって、評判になったっていうアイスですか?
とってもクセになる味らしいんで、ライブが終わったらみんなで頂きましょう」
プリンセス
「あんたたちって相変わらずアンテナ広いのね。
じゃあ話を戻しましょうか。
今回の賞品は何を用意してるの? 実は私、それも楽しみの1つなのよね」
マーゲイ
「今日はコレです!」
イワビー
「なんだこりゃ!?」
コウテイ
「大きいな・・・」
ダルマ落としはかなりの高さで、
コウテイが腕を伸ばしてやっと頂上に鎮座するダルマのヒゲ辺りに届くくらいある。
ジェーン
「おうちに持って帰っても置き場所に困りそう…」
プリンセス
「これにした理由って何かあるの?」
マーゲイ
「はい、ヒトの世界では建物が新しくなると『柿落とし』というイベントを行なうと聞きまして。
なんでも木槌で破壊したお酒を振る舞いながら落としたダルマに目を入れるんだそうです」
プリンセス
「何かいろいろ混ざり過ぎておかしなことになってる気がするんだけど・・・」
イワビー
「あー!?
いつもなら謎うんちくブッコんでくるフルルがいねぇじゃねぇか!」
ジェーン
「本当です」
コウテイ
「また寝坊か・・・
ジェーン、悪いが起こしに行ってくれるか?」
ジェーン
「分かりました」
プリンセス
)
「こんな調子でVtuberは勤まってるのかしら?」(ぷりぷりプリンセス
イワビー
「それが、なぜか視聴者にはウケてるらしいぜ」
コウテイ
「それならいいが・・・」
その時だった!
イワビー
「おい、アレ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
空から降ってきたセルリウムがダルマ落としに接触し・・・
「ぐぉぉおおおーー!」
ダルマ落としがセルリアン化したのだ!
コウテイ
「これは・・・今年もパークに黄砂、いやセルリウムの季節がやって来たか!」
マーゲイ
「そんな・・・このままではせっかくのライブ初日が」
イワビー
「なんか変なマジナイでもしたんじゃねぇのか!?
ーなんて言ってる場合じゃねぇな。
プリンセス、例のヤツ! イケるか!?」
プリンセス
「OK、やりましょう!」
そう言うと2人はコウテイの両脇を抱えると・・・
コウテイ
「おい、なんだ? なんのつもりだ!?」
身もだえるコウテイを無視して、それぞれ足も抱える。
ーとコウテイの体は、大の字かつ水平な体勢になる。
さながらミッションインポッシブルのイーサンのように・・・
プリンセス
「せーの!」
ゆうえんちのバイキングのように後方に勢いを付けて振ると、今度は前方に向かって・・・
投げ放つ。
イワビー
「必殺! カタパルトボカンアターック!」
コウテイの体は地面を這うように射出され、ダルマリアンの胴体部を1段弾き飛ばすと
どんがらがっしゃーん!
そのまま舞台袖に消えて行った・・・
一方のダルマリアンは胴が1段ぶん短くなったとはいえ、まだまだ健在だ。
その隙にキャットウォークによじ登っていたマーゲイが叫ぶ。
「ありました! へしは頭頂部にあります。
そのままダルマ落としの要領で胴体部を抜いて手も足も出なくさせてください!
ダルマだけに」
ジェーン「了解です」
フルル「これでも食らいなさい!」
戻ってきたジェーンとフルルは(マーゲイのボケをスルーして)手を繋ぐと、
そのまま二人三腕でダルマリアンに向かって走っていく。
ダルマリアンの両サイドを駆け抜けついでにまた1段胴を素抜く。
フルジェンのツープラトンラリアットを食らってもまだ余力のあるダルマリアンは
辺りを見回すと狙いをステージ下の雪子に定める。
マーゲイ
「危ない、逃げて!」
しかし雪子は怯まない。




チャーム(魅了)を受けたダルマリアンは行動不能に陥った!
ここぞとばかりにPPPの4人はダルマリアンを囲み、フリッパーで往復ビンタを見舞う。
ダルマリアンの胴が1段、また1段と弾き飛ばされる。
PPP最後の1人、コウテイは
「ふふ… ふふふふ…w」
鼻血を垂らしながらゆらりと起き上がり、
恍惚とした表情をしながら誘うようにダルマリアンに流し目を送る。
ぞわ…
ダルマリアンはドン引きしている。
そのダルマリアンに向かおうと1歩踏み出したコウテイは、
自らの鼻血で足を滑らし盛大にすっ転ぶと、そのままの勢いでダルマリアンにスライディングしてしまう。
足を刈られる形になったダルマリアンは最後の段を失い、頭を残すだけになる。
一方コウテイは
どんがらがっしゃーん!
逆の舞台袖に消えていった。
プリ・イワ・ジェ・フル
「今よ!」「今だ!「今です!」「…今だよ~」
隙を見てキャットウォークに登っていたマーゲイがダルマリアン目掛けて頭から飛び降りる!
・・・しかし本能が勝ったのか、宙で体をよじると綺麗に足から着地する。
ーと同時に瓦割りのようにダルマリアンの脳天をネコパンチチョップ!
雪子
「パンチなのにチョップ…?」
そんなもっともなツッコミをよそに
ぱっかーーーん!
ダルマリアンの頭部はブロック状に雲散霧消した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コウテイ
「よくやった」
ボロボロのコウテイがイワビーとプリンセスに両脇を支えられながらねぎらう。
イワビー「お手柄だな」
プリンセス「一時はどうなることかと」
フルル
「美味しいね~ これ」
雪子
「ありがとう」
いつの間にか雪子からアイスを貰ってご満悦のフルル。
ジェーン
「どうしました?」
消えずに残っていたダルマ落としの胴体部を集めていたジェーンが、
ダルマリアンを倒した体勢のまま様子のおかしいマーゲイに声を掛ける。
マーゲイ
「このままではダルマ落としになりません。
芸ー1グランプリの賞品はどうしましょう・・・」
開場時間は目の前に迫っていた・・・
~後編に続く~
【すぺしゃるさんくす】
ツッコミ隊長さん
スナドリさん(スナドリネコ・サモエドの出番は次回までお待ちください)
柿じゃなくて杮なんだよね~ 実は。
あとお酒をふるまうのは鏡開きで~
ダルマの目は左から入れるのが正式なんだよね~
まあ、どれもハレの(おめでたい)儀式には違いないんだけどね~」
イワビー
「つまりオレの『変なマジナイ』って指摘もあながち間違ってなかったのか…」
「すみません! 私が至らなかったばっかりに・・・」
マーゲイは
香箱座り土下座で謝った。コウテイ
「そこまで恐縮しなくても・・・誰もマーゲイを責めてるわけじゃないから。
反省してるなら次に生かせばいいさ。
それよりイベントの賞品はどうしたものか…」
雪子
「私に出来ることがあったら言ってね?」
プリンセス
「ありがとう、気持ちだけもらっておくわ。
ねぇ、芸―1を後日に延期するっていうのは?」
マーゲイ
「そういうわけには・・・
都合で出場出来なくなる人もいるでしょうし」
ジェーン
「もう時間です。
お客さんが続々入って来てますよ」
マーゲイ
「仕方ありません。
こけら落とし・・・改め、ダルマ落としはダルマ無しでやってもらって
賞品は別で用意しましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う~ 緊張するなぁ」
「いっぱい撮るから頑張ってね」
ライブ会場に向かう大勢の客の中にスナドリとサモエドの姿もあった。
\わー!/\きゃー!/\コウテイさま~!/\わー!/\ふるるー、ふるるー!/
会場は大盛り上がり。
ライブステージ上のマーゲイ
「ではここで前半戦は終了。
続いて皆様お待ちかねのイベント、芸―1グランプリです」
\待ってました!/\今日は誰が出てくるのかな?/
マーゲイ
「トップバッターは初出場、オイナリマカミのお2人です、どうぞ!」
(BGM~)
舞台上では曲に合わせて踊りながら何もない空間から稲荷寿司とおにぎりを取り出すマジック?
ーを披露するオイナリサマとマカミ様。
舞台袖の審査員席では、
どうにかトリックを見破れないかとコウテイ・プリンセス・イワビーが凝視している。
ジェーンは「どうなってるのかしら?」とばかりに首を傾げている。
そして、先ほどのテーブルマジックパートでもらった稲荷寿司とおにぎりを前にご満悦のフルル。
観客席からは
\いつもの!/ \あれって芸でいいの?/ などの声が上がっている。
(BGM)
2人目はスナドリネコ。
ダンサブルな音楽と明滅する照明の中、ヨーヨーを披露する。
\お~!/ \こっち向いて~(
パシャパシャ)/
イワビーは審査員席から身を乗り出すように食い付き、
プリンセスとコウテイは「いいんじゃないかしら」「うんうん」という感じで話している。
そして頬笑みながら拍手しているジェーンと鼻ちょうちんを膨らませながら居眠りするフルル・・・
\きゃ~!/ \私と散歩して~/
クライマックスに差し掛かった場面で披露された技が元で、場に緊張が走りかけたが、
スナドリネコは最後までミスすることなくやり切ったのだった。
(BGM~)
3人目はVtuberのジェネット。
得意のバイオリンを披露する。
\うま~い/ \すっご~い/\帰ったらすぐチャンネル登録しよーっと/
コウテイ・プリンセス・イワビーが思い思いに聞き惚れる中、
巨匠フルルは一見、けもVの先輩として鷹揚な態度だが、焦りは隠せていないようで、
隣のジェーンが気に掛けている。
下手ではマーゲイがスカウトする気満々で目を輝かせていた。
マーゲイ
「え? あ、はい」
審査員席に呼ばれていたマーゲイが舞台中央に戻ると戸惑い気味にアナウンスする。
「本当なら出場者は以上のはずなんですが、どうしてもフルルさんも参加したいということで・・・
エントリーナンバー4! フルルさんです!」
\審査員が飛び入りってw/ \フルル~! 頑張ってー!/
フルル「マーゲイの泣き真似。 げ~」
「マーじゃねぇのかよ!」
すかさずイワビーが野次る
。
\芸ー1だけに?/\フルルらしい~w/\フルル、結婚してー!/
観客席からもツッコミを入れられる。
コウテイとプリンセスは苦笑い、ジェーンは
「やっぱり気にしてたんですねw」と呆れている。
マーゲイは(°ㅁ°)ポカンとしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い舞台上にはこれまでのパフォーマー(イワビーに羽交い締めにされているフルルを除く)が並んでいた。
マーゲイ
「優勝は・・・」
ドラムロールと共にスポットライトの光がステージで∞の字ダンスを踊る。
「ヨーヨーを披露してくれたスナドリネコさん!」
スポットライトがスナドリネコを照らして止まる。
「やったぜ!」
\こっち向いて~(
パシャパシャ)/
昇竜拳のように飛び上がって喜ぶスナドリネコと撮影に余念のないサモエド。
マーゲイ
「では優勝者にはダルマ落としをしてもらいます」
スナドリ
「は!? なんで!?」
\こっち向いて~(
パシャパシャ)/
戸惑うスナドリを無視して、花束贈呈のような流れで渡されるハンマーと撮影に余念のないサモエド。
ステージ中央にはスナドリネコより頭1つは大きいダルマ落とし(ただし最上段のダルマは無い)
が運び込まれる。
\肝心(頭ですけど)のダルマはどうしました?/ \これでは未完成の慣性の法則なのです/
カレーの鳥の華麗(?)なツッコミが炸裂!
マーゲイ
「つい先ほど1度セルリアンになっちゃって。
なんとか『ぱっかーん!』したんですけど、戻ったのがこれだけなんですよぉ…」
自分で手を下しただけにしどろもどろになるマーゲイ。
PPPたちはどうしたらいいかを協議している。
「こけら落としの説明からする?」
「私は覚えてないぞ?」
「時間もかなり押してますし…」
「そもそもどうやって話を落とすんだ?」
一方、何かを思い付いたフルルが観客席の方を向いて手招きしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このあと見事に着地を決めた雪子とスナドリネコは拍手喝采を浴びた。
マーゲイ
「では、ここからはライブ後半!
1曲目はアラウンドラウンドです!」
こうしてPPPライブ初日は大盛り上がりの中、幕を閉じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このあとスナドリネコは商品としてジャパリまん(甘王 味)1年分を贈られ、
サモエドとむちゃくちゃ散歩するこになったというが、
それはまた別のお話である・・・
【すぺしゃるさんくす】
セルリアン転生シリーズのツッコミ隊長さん
アルパカ大好きスナドリさん
ついに完成 おめでとうございます
感慨深いものがあります
ダルマリアンとの戦闘シーンを漫画に描く力があればなぁ~
雪子の登場シーンは親の気持ちさながらドキドキハラハラしながら読みました
(セリフ噛むんじゃないぞ~ヘマするんじゃないぞ~)
あらためてみるとやはりものすごいボリューム感で圧倒されました
臨場感のある丁寧な描写で読んでいて引き込まれました
雪子を使ってくれてありがとうございます
これからもおもしろい作品楽しみにしてます
読んで頂きありがとうございます
当初はオチにしか出番のなかった雪子ちゃんも
積極的に動いてくれて、存在感を出してくれました
あと書いて行くうちに雪だるま式に分量が増えてしまうのは
僕の悪いクセでして・・・ (^^;)
例のお話に繋がるようなエピローグとなっております
なにっ スナドリが優勝しただと…!?久々のSS制作おつかれさまでした(`・ω・´)ゞ
もしかしたらイヌフレの組織票がPPPを動かしたのかも?
久々の楽しい疲労でしたw
お読み頂きありがとうございました
[ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]スピンオフSS
【よかれはひとのためあらず】
1話
<ヨカレ>
鳥綱スズメ目タイランチョウ下目マイコドリ科ヨガレ属ヨガレ
レッドリスト 絶滅危惧CR(IA類)
普段は単独で生活。夜離れ と名付けられたが、
繁殖期において、交尾が終わった日の晩にはパートナーと別れることから
忌み言葉(縁起の悪い言葉)を避けるためとして一般にはヨカレ(俗称)と呼ばれることが多い。
(抱卵・孵化後の世話も行われないためヒナの自立は早い)
渡りを行う際には群れを作るがその結束は緩く、迷鳥として各地で散見される。
ヨガレ(正式名)と名付けられた理由には上記以外にも諸説あり、
夜にその地を離れる(渡りを始める)ことから、という説。
生態が人間からは独り善がりに映ったことから(ヨガリ→ヨガレに転じた)という説などがある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヨカレ
「ただいま…」
ハル
「おかえり~って顔色悪いよ? 大丈夫?」
ヨカレ(顔色? そうかな…)
「大丈夫。 けど晩ご飯は要らないかな」
ハル
「ダメだよ。 後でお粥作って持ってってあげる。
明日のコンサートも行くのやめとく?」
ヨカレ
「行くよ。 ハルちゃんが僕のためにわざわざチケットを取ってくれたんでしょ?
早めに寝れば明日は大丈夫だから」
ハル
「そう・・・無理しないでね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日、僕はずっと気になっていた『あのあばら家』を約1年ぶりに訪れた。
屋根こそ無事なままだったが窓は一部割れていて、当然のことながら室内は汚れ放題だった。
それ自体は仕方ない。
忙しさにかまけて放置していた僕が悪いのだから。
それよりショックだったのは人形たちが跡形もなく、居なくなっていたことだ。
ドアが開け放たれたままだったところを見るに、誰かが持って行ってしまったのかもしれない・・・
(床や椅子に埃が積もっていたので最近のことではないだろう)
???「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」
???「キミってほんとお節介だよね」
・・・かつて投げ掛けられた言葉が蘇る。
それにつられて、これまで何度も陥ってしまいそうだった考えに囚われそうになる。
僕のしたことはまったくのムダだったのだろうか?
僕がよかれと思ってしてきたことなんて誰のためにもなってないのじゃないか?
だめだ、だめだ。
こんな時は考えるのをやめて早く寝るに限る。
ハルちゃんと出会って明日で1周年。
せっかくの日に暗い顔をしてはいられない。
そんなことを思いながら、やがて僕は眠りに落ちて行った・・・
2話~夜離れ 1~に続く
今回の作品の位置づけとしては
[ジャパリ童話シリーズ:ハルちゃんとよかれ鳥]の前日譚(二次創作オリジナル設定)となりますので、
↓こちらを先にお読みいただくと、より楽しんで頂けると思います。
1話
2話
3話
4話
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
リンクありがとうなのだ
あくまで借り物ですし、そこは持ちつ持たれつ、ということで
よかれ鳥のファンSSなのだ!
続き待っているのだ
やっと目処が付きました(完成しているとは言ってない)
頑張ります
【よかれはひとのためあらず】
2話
僕は仲間内では浮いた存在だった。
コミュ障だった・・・のではなく、むしろ逆だ。
そもそも仲間は(という言い方が合ってるのかも僕の中では疑問だが)同胞にも無関心だ。
「そういう習性だから仕方ない」と思い悩むこともないくらい、とにかく冷めている。
ある時僕は、よかれと思って仲を取り持とうとしたことがある。
しかし両者から「余計なことはしなくていい」と言われてしまった。
その様子を見ていた別の仲間からは「お節介」とも称された。
僕は仲間のために動くことは二度となくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日のこと、僕は1軒のあばら家を見つけた。
ーというか、窓際で佇む人形が目に留まったのだ。
いつも通り掛かっていたはずなのに気付いたのは今日が初めてだった。
どうしても好奇心が抑えきれなかった僕は、意を決して足を踏み入れることにした。
「おじゃましますよ…」
鍵が掛かっていなかったとはいえ、不法侵入であることには違いない。
悪気がないアピールのための挨拶を誰にともなくしながら・・・忍び込む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
屋根の一部に穴が開いているせいで日光が差し込み、意外と明るい室内を見回してみると、
外から見た時は分からなかったが、人形は思ったよりたくさんいる。
窓際に立って外を見ている者、椅子に座っている者、床で寝っ転がっている者など。
造形のモチーフはどれも鳥・・・のようだ。
(1羽はまんま鳥だったし)
もしかしたら自分がここまで惹かれるのはそのせいかもしれない。
夜のとばりが下りるまで探索した僕は、
「今後やるべきこと」を頭に思い浮かべながら、そのあばら家を後にした。
3話 ~夜離れ2~に続く
鳥の人形たくさん・・・不思議なあばら屋なのだ
関係ないけど短めで細かく更新してくれるの読みやすくて助かるのだ
( ̄∀ ̄)ふふ…
今回もいろんなところに伏線を撒いてるのでお楽しみに
ふぉ~待ってましたなのだ!
読むほどに引き込まれる面白さがありますね
続きが楽しみなのだ!
ほんと気を持たせるだけ持たせておいてお待たせして申し訳ないです
その分しっかり(作品の内容で?)返していく所存であります
【よかれはひとのためあらず】
3話
「つめたっ」
頭に落ちてきた粒が雨にしては冷た過ぎる気がして空を見上げてみると
白いふわふわした綿のようなものが降ってきていた。
「雪だ」
仲間の誰かが言った。
「そろそろ旅立ちの時が来たようだ」
「そのうちもっと激しくなる。 早い方がいいな」
「しかし集めるには時間が遅い。 今日は知らせるだけにしておいて・・・」
僕も急がないといけない。
こんな時だけは団結力を発揮する仲間たちを尻目に1人、例のあばら家へ向かった。
いつものようにダチョウの羽で作られたという箒で鳥人形たちをはたく。
(なんとなく面白い取り合わせだ。 トリだけに…)
部屋の中をひと通り掃除し終わって外に出たところで声を掛けられた。
「お、こんな所にもいた。 近いうちに出発するってよ」
「何やってんの? 早くしないと大雪になるらしいよ」
僕は板を抱え、はしごを登りながら答える。
「だからだよ。
これまでだって雨が降り込んでただろうし、雪ならなおさら寒いだろうし・・・」
「ふ~ん、人形なんて放っておけばいいのに」
「キミってほんとお節介だよね」
ヨカレ
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぱたっ ぱたぱたっ
風に乗って、複数の羽音が聞こえてきた。
仲間たちは気が変わって、今夜旅立つことにしてしまったらしい。
「これでよし、と」
なんとか本格的に降る前に修理の終わった屋根の上で、
僕はその音をぼ~っと聴いていた。
置いてけぼりを食らった形になったわけだが、そのことに後悔はまったく無い。
ただ、彼らにすぐ言い返せなかったことが喉に刺さった魚の小骨のように引っ掛かっていた。
さすがに人形たちは仲間たちのように「余計なお世話」なんて言わない。
そして礼を述べることもない。
そもそも僕のことさえ憶えていないだろう。
それもこれも彼らが人形だからだ。
もちろん『笠地蔵』が夢(に至るまでの)物語であることは重々承知している。
恩着せがましいことを言うつもりはさらさら無いが、それでも思ってしまうことはある。
だったら僕は何のために・・・?と。
雪は相変わらずやまない。 加えて風も強くなってきた。
ふと、このちほーに伝わるなぞなぞを思い出した。
『吹雪がやんだら何になる?』
ーというものだ。
その答えを聞いた当時の僕は、感心…を通り越して感激したものだったが、
仲間たちの反応は一様に「だから何?」という冷めたものだった。
冷静になって考えてみれば、これまでの『春』は僕のために来たものでもなければ、
具体的に何かを与えてくれるものではなかったのは確かだ・・・
すると僕の心を突き動かしたものとは何だろう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ・・・」
そんなとりとめのないことを考えていたら雪交じりの突風が吹き、
すっかり油断していた僕は抗うことも出来ず、吹き飛ばされるしかなかった。
4話 ~出会い1~に続く
ヨカレちゃんは人形たちに何か特別なものを感じているのだ
続きもがんばってなのだ
ヨカレの想いは届くのか…?
こうご期待
【よかれはひとのためあらず】
4話
気が付くと、吹き飛ばされた先は一面の銀世界だった。
幸いなことに雪はやんでいるし、風もほとんど無い。
ただ右も左も分からない場所なので、とりあえず進んでみることにした。
・・・が、しばらくして失敗に気付く。
明らかに「登って」いるのだ。
しかも『山の天気は変わりやすい』とはよく言ったもので
さっきまでとは打って変わって風も雪も強くなってきている。
さらには最近起こったと思われる雪崩の形跡さえ見られる。
わずかな希望は天気が崩れる前に見えた、山頂の方で立ち上っていた煙(蒸気?)だ。
行けば誰かが居るかもしれないし、道中で山小屋などが見つかるかもしれない。
無事にそこまで辿り着ければ、だが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらく進むと洞穴が見つかった。
いや、よく見ると雪だけで出来たドーム状の・・・かまくらだ。
山小屋ほどしっかりした作りとは言えないかもしれないが 差し当たって吹雪を凌ぐには十分だ。
恐る恐るかまくらの中を覗き込んでみる。
先客、それこそクマなどが居たらいつでも逃げれる態勢で。
果たして・・・?
居た!
しかし幸いなことに奥まった場所でこちらに背を向け横になっている。
タヌキやムジナのたぐいだろうか。
「お邪魔しますよ」
どうやら危険は無さそうだと判断し、
害意が無いアピールのための挨拶を恐らく聞こえていないであろうタヌキ(?)にしながら忍び込み、
やっと一息ついた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冷たい風が時折流れ込んでくる。
僕は少し寒いのを我慢しながら入り口付近に陣取り、
できれば先客が目覚めないうちに吹雪がやんでくれないものかと、やきもきしながら待った。
「くしゅん」
僕は一瞬身構え、声の主の様子と外の吹雪とを交互に窺う。
場合によっては飛び出さなければならないが、吹雪は先ほどと変わらずやむ気配がない。
一方の先客も起きる気配はなく、その代わり冬場のトイレの後のようにブルルっと体を震わせた。
僕は先ほどまでの警戒心もどこへやら、一計を案じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぺた ぺたぺた… ぎゅ、ぎゅ…
「これでよし、と」
入り口を完全に雪で塞ぐと満足げに独りごちた。
冷たい風は完全にシャットアウト出来たので、そのうち室温も上がってくるだろう。 ただ・・・
「外の様子が分からないな。 さすがにやりすぎたか?」
その不安はすぐに違う形となって的中した。
「う… なんだか息苦しい気がする… せめて空気穴を残しとくんだったか。
それに、もし襲われたら逃げ場もないし・・・」
「う~ん… う~~ん」
唸り声につられ、奥に目を向けると・・・
?????
「!? いつの間にか入り口が塞がってしまってるのだ?」
ついに目を覚ましてしまった先客は思いもよらぬ行動に出る。
「誰かー! 助けてー! なのだ」
叫び出したのだ。
?????
「う・・・ ゴホッゴホッ!」
当然かまくら内の空気は大量かつ急激に消費されることになる。噎 せている。
当の本人も息苦しくなったのか
「だ、誰かー! たす・・・のだ、フェ…」 ドンドン…
それでも諦めずに声を振り絞り、出なくなったらなったで今度は壁を叩いて救助を求める。
マズい。
止めたいのはやまやまだが、こちらもほぼ酸欠状態だ。
意識も薄れてきてブラックアウト寸前だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フェネック
「う~ん、アライさんのことだから、この辺りで行き倒れてると思ったんだけどな~」
物騒な発言が気になるが、いつものように先走ってやらかしたアライさんのフォローをしているようだ。
・・・てー! なのd・・・
フェネック
「! アライさんの声キャッチ~」
居場所を特定しようと大きな耳に全神経を集中するフェネック。
・・・フェ」 ・・・ンドン…
フェネック
「!」
声や音・・・
というよりむしろアライさんの微弱な生体磁気をキャッチしたらしいガチックは北東方向にジャ…ンプ!
雪の壁にしか見えない場所に頭から突っ込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヨカレ
「た、食べないでくださーい!?」
突然、かまくらの壁を突き破って現れたキツネ(?)の生首にパニクるヨカレ。
フェネック
「アライさ~ん、アライさんは~・・・?」
その悲鳴…どころか存在すら認識していないかのような態度で
生首と視線を上下左右にせわしなく移動させるフェネック。
ヨカレ
「コワイコワイコワイ…!」
フェネック
「も~、そんなところにいたんだね~
・・・と体が抜けないね~」
アライさんは酸欠で失神して突っ伏しているのだが、
フェネックはマイペースなまま、身動き取れなくなってしまった体をもどかしげに揺する。
そして、その状況に堪え切れなくなったのか、
「灼熱砂漠のオアシス~」
倒れていたアライさんの隣にそっと添い寝した。
ヨカレ
「キマシタワーヽ(*´∇`)ノ
・・・とか言うとる場合か!」 ((ꐦ ゚Д゚ノ)ノ
主人公を差し置いての茶番劇に、ついにキレちらかすヨカレなのであった。
5話 ~出会い2~に続く
意外すぎる展開なのだ!
ストーリーの「転」に当たる部分なので思い切りました
ここから更に転がします
まさかのあらふぇね参戦!
けもフレ(本家時空)からの友情出演です
ヨカレくんのアドバイザー役としてオファーしたはずなんですが
なぜかお笑い要員に・・・w
【よかれはひとのためあらず】
5話
前回の砂漠化は
バンク演出瞬間的なものだったらしく、今は元の銀世界に戻っている。互いに自己紹介を済ませた後、2人に話を聞いたところによると・・・
・カニクイアライグマ・オジロスナギツネと交代する形で探検隊から外れる
(最近、労基の指導が入ったせいでシフト制になったそうだ)
→有休消化のために温泉に訪れたが、突然お湯が止まる
→常連客も困っている
→従業員に掛け合うも
「じきに(ゲームの)タイムイベントが始まるのでそれが終わるまで待って欲しい」と断られる
→そんなの待ってられないから自分が行く、とアライさんが申し出る
→もう1人の従業員(どうやらこちらは責任者ポジらしい)が
「装備を整えないと危ない。 今から準備するから」と言われるが、話半分で飛び出してしまう
→案の定遭難し、たまたま見つけたかまくらで雪がやむのを待っていたら寝てしまった
ーということらしい。
僕は僕で事情を説明。
特にかまくらには避難のために侵入したこと、
入り口を塞いだことに悪意は無かったことを熱弁した。
必死過ぎて逆に怪しまれそうなくらいに・・・
対する2人の反応は拍子抜けするくらいあっさりしたものだった。
「こうやって行き違いにならずに合流できたんだから、むしろお手柄だよ~」
「フェネックの言う通り結果オーライというやつなのだ」
えぇ… ポジティブシンキング過ぎない?
フェネック
「もしかして、アライさんを助けて恩を売ろうとした~?
それとも人命救助でジャパリ警察に表彰されるためなのかな~?
そうじゃないよね~」
アライさん
「アライさんが寒そうにしてたから・・・さっきそう言ってたのだ」
ヨカレ
「そ、そうなんだけど・・・」
自分を断罪したいのか弁護したいのか、よく分からなくなってきた。
フェネック
「・・・
じゃあさ、罪滅ぼしってわけじゃないけど、一緒に行って手伝ってくれないかな~?」
ヨカレ
「え? 温泉施設の修理を?」
かえって足を引っ張ったりしないだろうか?
アライさん
「それは名案なのだ。
旅は道連れ余は情けねぇ、というのだ」
フェネック
「アライさ~ん、自己紹介乙だね~」
アライさん
「ふぇねっく~!?
いつものように訂正ツッコミしてもらわないとアライさん渾身のボケが台無しなのだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
町に帰ったところでコレといってすることも無い(あばら家の様子は気になったけど)、
というのもあって僕も同行することになった。
3人で山頂の温泉管理施設に向かう。
今は吹雪もやんでいて、フェネックさんが従業員から借りたという携帯カイロもあってヌクヌクだ。
ズズ…
ヨカレ・フェネック
「!」
アライさん
「? どうしたのだ?」
ヨカレ
「今、なんか… 揺れなかった?」
この頃には2人のやりとりと人となりに感化され、いつの間にかすっかり打ち解けていた。
フェネック
「そうだね~ 地磁気の乱れも気になるね~
そろそろサンドスター山の噴火も近いのかもしれないね~」
フェネックの見やる方につられて目を向けると、不可思議な山がそびえていた。
アライさん
「じゃあ、また仲間が増えるかもしれないのだ?
どんなフレンズなのか楽しみなのだ」
そんな呑気なことを言ってる場合だろうか?
地震と言えば雪崩の心配が付き物だし、噴火と言えば被害の程度は想像も付かない。
ただ、彼女らが仲間を大事に思う人たちだ、ということは伝わってきて好感が持てる。
フェネック
「お湯が止まる前も地震があったしね~」
アライさん
「そうだったのだ? ぜんぜん気が付かなかったのだ」
フェネック
「結構揺れたと思うけどね~
装置が止まったのも地震を感知して自動停止したんだろうって言ってたし」
アライさん
「そんなこと言ってたのだ?」
どうやらアライさんは後先考えずに動くタイプらしい。
なんとなく親近感が湧く。
対するフェネックさんはアライさんよりは周りが見えるタイプなようだ。
(時々アライさんしか見えてない疑惑はあるが…)
なんにしても『いいコンビ』だと言えるだろう。
2人のことをそう分析していると・・・
フェネック
「アライさんはいつも『誰かのため』に動くからね~」
アライさん
「なんなのだ? 改めて・・・
でも、その通りなのだ。
フレンズのために粉骨砕身するのは当たり前なのだ。
パーク一の人気者としては」
フェネック
「ほんと、体張ってるよね~
誰もちやほやしてくれないけどさ~」
アライさん
「ふぇねっく~!?
それは言わない約束なのだ」
フェネック
「ヒトの国に良かれは他人のため非ず。 恩は着るもの着せぬものっていうのがあってね~
アライさんのためにあるような慣用句なんじゃないかなと思うよ~
報われてるようには見えないけどさ~」
アライさん
「アライさんはフェネックが居てくれればそれで十分報われているのだ」
かなりバカップルっぽいがお互いをリスペクトし合ってるのが伝わって、てぇてぇ気分になる。フェネック
「まあまあ。
慌てなくてもそのうちヨカレさんにも・・・」
そんなことを話していると山頂に到着した。
・・・しかし様子がおかしい。
山頂だけが、まるでスイッチが切り替わったかのように吹雪いているのだ。
フェネック
「あれ~ おかしいね~」
視線の先には人影・・・
いや、よく見るとその人物の周りでだけ吹雪いている。
アライさん
「お前は・・・!
なぜこんなところにお前がいるのだ?」
待ち構えていたのは吹雪を纏うように佇む、
本来ここには居るはずのないオジロスナギツネの姿だった。
6話 ~出会い3~に続く
先行きが気になるのだ
もどかしいのだ~
ふふ… ( ̄∀ ̄) 狙い通りですね
このために今週頑張ってここまで持ってきました
次の更新(明後日)までは悶々としておいて下さい
そこで一気に・・・と、誰かな? こんな時間に・・・
人影・・・な、何者なのだー!?
只者ではないですね、恐らく…
【よかれはひとのためあらず】
6話
アライさん
「お前は・・・!
なぜこんなところにお前がいるのだ?」
待ち構えていたのは吹雪を纏うように佇む、
本来ここには居るはずのないオジロスナギツネの姿だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オジロスナギツネ(?)
「ねよすまりなくなが要必るすに気とろいろいうも、ばせ倒えさんさクッネェフ」
そう言ってファイティングポーズをとる。
アライさん
「な!
・・・なんて言ったのだ?」
フェネック
「・・・逆から読めばいいんじゃないかな~?」
アライさん
「えーと・・・ フ… ェ、ネ・・・」
ヨカレ「フェネックさんさえ倒せば、もういろいろと気にする必要がなくなりますよね、ですよ」
アライさん
「通訳ありがとうなのだ。
えっと…オジロスナギツネはそんなこと、たぶん言わないのだ!
つまりお前はニセモノのはず?なのだ!」
ヨカレ
「・・・」
フェネック
「う~ん、もしかしてセーバルと似た感じの
『外見をコピーするタイプのセルリアン』なのかな~?」
アライさん
「つまりセジロスナギツネなのだ?」
フェネック
「いやぁ~、そういう『原作』に居そうなネーミングはやめた方が・・・
あ、もしかしたら ホッキョクウサギや ケープライオンが言ってた
[しろすぎるひと]かな~?」
それを聞いていたのからなのか、偶然なのか、
[しろすぎるひと]を取り巻く吹雪が激しさを増したかと思うと今度はカニクイアライグマ?の姿に変わった。
「ーさのるなくなもとこるれわ違間ばせ倒をんさイラア」
アライさん
「う~・・・」
ヨカレ「アライさんさえ倒せば間違われることもなくなるのさー」
アライさん
「読みにくいのは何とかならないのだ?」
フェネック
「作者もなんとか『原作』に寄せようと、鏡文字のコピーを試みてみたけど上手くいかなかったみたいでさ~
そこは大目に見てあげようよ~」
メタ発言も甚だしかった。
[しろすぎるひと]
「ーさのいなくたき聞てんな訳い言いし々白
ーさのるけ付ロシロシろそろそ」
お話が終わるのを待っていてくれた[しろすぎるひと]だったが、ついに襲い掛かってくる。
ヨカレ
「白々しい言い訳なんて聞きたくないのさー
そろそろシロシロ付けるのさー
・・・か。 白すぎでしょ」
アライグマ
「もう通訳なんてしてる場合じゃないのだ!
フェネックと一緒に先に行け、なのだ!」
[しろすぎるひと]の攻撃を
体を張って食い止めマトモに食らいながらアライさんはそう言う。フェネック
「うん、ここはおまかせしたよ~
さあ行こうか、ヨカレさ~ん」」
フェネックも当たり前のようにアライさんを置いて先に進もうとする。
ヨカレ
「ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」
フラグをダブルで立てられるとさすがに心配になる。
フェネック
「ゲームでも後発で出てくる亜種は上位互換、つまり私たちより格上って決まってるもんだよ~
ましてやケープライオンでも手こずった敵ポジションのキャラだからね~
たぶん2人掛かりでも厳しいと思うよ~」
ヨカレ
「だったら僕も・・・」
この際メタ発言には目を瞑ってそう提案する。
フェネック
「ヨカレさんだって戦闘向きじゃないでしょ~
アライさんじゃないけど『このフェネックさんにおまかせ』なのさ~
マトモにやりあって勝てないならココ、を使わないとね~」
トントンと自らのこめかみを指差す。
そしてスタスタと温泉管理施設に向かって歩いて行く。
終始押され気味のアライさんに後ろ髪を引かれながら、僕はフェネックさんに付いて行くしかなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フェネック
「まず、そっちの放水バルブを締めてくれる~?
次に元栓を締めてっと…」
フェネックさんはメモ用紙とにらめっこしながらテキパキと指示し、自らも操作する。
アライさん
「行かせない…のだ」
アライさんはボロボロになりながらも[しろすぎるひと]をこちらに近付けないよう食い止めている。
ヨカレ
「フェネックさん、アライさんが・・・」
僕はフェネックさんを手伝いながらアライさんの様子が気が気でない。
フェネック
「分かってるよ~」
そうは言うが、奥まった場所に居るフェネックさんからはアライさんの様子は見えないはずだ。
フェネック
「あとはこの震動センサーをリセット・・・
もうちょっとだけ地震は収まっててよ~」
実はさっきからひっきりなしに微震は起こっている。
そんな中、共同作業をするうちにフェネックさんの『狙い』はなんとなく察したが、
それはいろんな意味で一か八かの方法だ。
「ヨカレさん、私が合図をしたらお願い」
フェネックさんは給水用の元栓を開きながら言う。
ヨカレ
「あ・・・!」
アライさんが雪に足を取られバランスを崩す。
ここぞと[しろすぎるひと]が飛び掛かるが、
アライさんは体勢を立て直すのではなくあえて転ぶことで攻撃を躱す。
ホッとしたが、見ているこっちはヒヤヒヤものだ。
フェネック
「アライさんなら大丈夫だから、ヨカレさんはこっちに集中しててくれる~?」
2人の間で具体的な作戦の打ち合わせは一切されてはいない。
なのに、まるでリアルタイムで見ているかのようなフェネックさんのセリフ。
一方のアライさんも攻撃をわざと受けたり、受け流したりしながら
徐々にお温の放水口付近に[しろすぎるひと]を誘導している。
以心伝心とはこの2人のためにある言葉なのかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アライさん
「ぐにゅにゅ~」
今、アライさんと[しろすぎるひと]は向かい合ってそれぞれの右手と左手を握り合っている。
いわゆるプロレスの力比べ(手四つ)で組み合っている状態だ。
当然のことながら[しろすぎるひと]の方が押している。
一方のアライさんはブリッジの態勢でこらえてはいるが、水路に後頭部が押し付けられそうだ。
見ているこっちにも力が入る。
その瞬間 だ。
「今だよ!」
フェネックさんからの合図が出されたのは。
なまじ状況を把握していた僕は一瞬、躊躇してしまった。
当然反応は遅れてしまう。
次の瞬間アライさんは足を滑らせ、2人のパワーバランスが崩れた。
[しろすぎるひと]が前方につんのめるような体勢になったところに、
アライさんが巴投げを打ったような形になり、背中から水路の中に投げ出される。
ヨカレ
「あ・・・!」
慌ててバルブを開いたものの時すでに遅く、
お湯が来る前に[しろすぎるひと]は体勢を立て直して水路を脱出。
「待つのだ!」
それを追い掛けるように水路に踏み込んだアライさんをお湯が直撃。
「のだーーー!?」
そのままアライさんは流されていってしまった。
ヨカレ
「アワワワ…」
フェネック
「またやってしまったね~ アライさ~ん
でも最低限の仕事は果たせたんじゃないかな~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
警戒を解いたフェネックさんに促されて外に出る。
[しろすぎるひと]は憑き物が落ちたように崖っぷちで呆然と突っ立っている。
フェネック
「どうやら魔力(?)は使い果たしたようだね~」
確かに、先ほどまで纏っていた吹雪が消えている。
つまり最初から時間稼ぎをして消耗させるのが目的だったのか・・・
「お湯は当てられたらラッキーくらいの作戦だったんだけどね~
それで倒せる保証も無いしさ~
限界まで闘えて満足もしたんじゃないかな~」
そうフェネックさんは見立てていたが、
しろすぎるひと
「いなせ出が雪吹
・・・いなれ帰うも」 ブツブツ…
一方の[しろすぎるひと]は途方に暮れているように見える。
「大丈夫?」
そう声を掛けようと近付きかけた瞬間、
どーーん!
音のした方を振り返るとサンドスター山が噴火(?)していた。
火柱こそ上がっていないが、虹色に輝くオーラが立ちのぼり、
小石やそれより大きめの火山弾のようなものが勢いよくどこかへ飛んで行ったりしている。
そして、この雪山にはダイヤモンドダストのようなものがキラキラ降り注いでいる。
フェネック
「ありゃ~ またやり直しだね~」
フェネックさんにとっては噴火は珍しいものでもないらしく、
お湯が振動で止まってしまったのを見て、温泉管理施設に戻ろうとする。
僕も手伝った方がいいのだろうか?
噴火の被害が今後どうなるかも気になるし、なにより[しろすぎるひと]の様子が気になるんだけど・・・
しかし、ある光景が目の端に入って来て思考は中断された。
そして次の瞬間には体の方が先に動いていた。
「危ない!」
そう叫ぶより先に[しろすぎるひと]の体を突き飛ばす。
崖下で雪崩が起こっていた。
[しろすぎるひと]の立っていた場所に倒れ込んだ形になった僕は、崩れた足場もろとも滑落する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪崩に巻き込まれながらも僕は、山頂の様子を窺う。(本当に見えていたのかどうかも疑わしいが)
[しろすぎるひと]はフェネックさんに羽交い絞めをされながら、
膝立ちでこっちを見ながら必死に手を伸ばそうとしている。
良かった・・・
無事を確認できた僕が意識を手放す寸前に見た光景は、
[しろすぎるひと]に虹色の火山灰が降り掛かり、
眩い光を放つ瞬間だった・・・
7話に続く
しろすぎるひとがフレンズ化するのだ・・・!
手に汗握るバトル!さすがのコチコチアライでも連れていかれるかと思いきや!
予想を覆す展開につづきが待ち遠しくなるのだ
>> 1122
もちろん、それだけで済むはずもなく・・・?
>> 1123
臨場感が伝わったようでなによりなのだ
そしてここから更にもうひと転がしするよ~
【よかれはひとのためあらず】
7話
「・・・ゃん」
誰かの声が聴こえる。
ハル
「よかれちゃん」
声の主は寝ぼけまなこの僕を心配そうに覗き込むハルちゃんだった。
ヨカレ
「おはよ」
ハル
「おはよ~
・・・顔色良くなったね。
よく眠れたからかな?」
ほっとした様子でそう言う。
やはり心配を掛けていたようだ。
ハル
「朝ご飯できてるから早く起きてね」
そういって部屋を出る。
ヨカレ
「夢、か・・・ なんか1週間くらい寝てた気がするけど。
それにしても懐かしい夢を見たな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あの後、雪崩に巻き込まれた僕は死を覚悟したが、
フェネックさんと麓の温泉旅館の従業員、計3人の捜索によりあっさりと救助された。
(探索の得意なフレンズなんだね)
ーと言っても発見時は低体温&昏睡状態で、かなり危なかったらしい。
そんな僕を彼女らは雑に温泉に放り込み、もう少しで息を吹き返す前に窒息するところだった。
溺れそうになりながら、なんとか湯船から這い出した僕を
[しろすぎるひと]はおろおろしながら心配そうに見ていた。
ちなみに、そんな騒ぎの中でもマイペースに湯船に浸かっていた常連客のカピバラさんは
「ゆっくりしていけばいいのににに…」
などと言っていた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一連の騒ぎがひと段落して落ち着きを取り戻した僕は、
[しろすぎるひと](今はアカギツネの姿をしている)と畳の部屋で並んで座っていた。
そこでギンギツネさんが出してくれた風呂上がりの牛乳を飲みながら聞くところによると、
新しく生まれたフレンズは皆[としょかん]の長に挨拶に行く、という慣習があるらしい。
UMA?である[しろすぎるひと]も例外ではないそうで、
その案内を僕にしてもらえないか、という話だった。
当然のことながら「なぜ僕が?」という疑問が浮かぶ。
それをぶつけてみると、
・カピバラさんはあくまでお客さんなので頼むわけにはいかない。
(それはそうか)
・ギンギツネさんとキタキツネさんは温泉施設での仕事がある。
(キタキツネさんは僕たちの話してる横でダラダラげぇむをしてたけど…?)
・アライさんとフェネックさんはすでに旅立ってしまって、すでに居ない。
(相変わらず鉄砲玉のようだ・・・)
ーということで僕にお鉢が回ってきたらしい。
それもフェネックさんからの推薦だと言うのだ。
僕になら任せて大丈夫さ~と太鼓判を押していったらしい。
買いかぶりすぎな気もするが、乗り掛かった舟だ。
僕はその任を受けることにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほどなくして僕たちは[としょかん]に出発することにした。
ギンギツネさんには簡単な地図と、
フェネックさんから託されたというメッセージを受け取った。
この時の僕にはまだピンと来ない話だったが、
アライさんとフェネックさんのような『素敵なコンビ』には憧れたし、
彼女らは今でも僕の目標だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士と助手が絵本片手に言うには[しろすぎるひと]の原作は
UMA(妖怪)の一種: 雪女の類ではないか、ということだった。
ただ、妖怪としてはまだ若い(幼い?)個体で、
「遊び相手」としてフレンズたちにちょっかいをかけていたのだろう、という見立てだった。
博士
「ところで、その姿はどうにかなりませんか?」
[しろすぎるひと]は、今はメンフクロウの姿をしている。
道中でも出会うフレンズ、声を掛けてくるフレンズに関連した姿を取っていたのだ。
(彼女なりのコミュニケーション手段なのかもしれない)
助手
「すでに実在するフレンズの姿をされると何かと混乱を招いてしまうのです」
そう言われた[しろすぎるひと]は並べられていた 絵本から一冊を手に取ると、
その表紙に描かれた『雪ん子』をカジュアルにしたような外見になった。
フレンズになってからはすっかり素直で従順になっている。
一言も喋ってないのは気になるけど・・・
(もともと人見知りな性格なんだろうか?)
博士
「いいでしょう。
ところで名前はどうします?」
助手
「シロスギルヒトは我々が勝手に付けたニックネームようなものですし、
その姿になったのならユキンコでもいいですし。
それとも原作準拠でユキオンナとかユキジョロウとか・・・?」
[しろすぎるひと]
「ヨカレに付けて欲しい」
ヨカレ
「・・・ふつうにしゃべったーー!?」
文字反転していなかったことで反応が遅れたが、いろんな意味で驚かされた。
博士
「ほう…」
助手
「われわれ長を差し置いてのご指名ですよ。
さぞセンスの良い名前を付けてやるんでしょうね?」
プライドを刺激されたのか目を細めながらチクチク煽ってくる。
それを差し引いても大役であることには違いない。
・・・
しばし考える。
・・・!
つい最近まで住んでいたちほーに伝わるなぞなぞが頭に浮かんだ。
3話のラスト付近に出てきた「吹雪がやんだら何になる?」というものだ。
僕は彼女に『ハル』と名付けた。
8話に続く
予想を超えた展開で未知の世界を進んでいく面白さがあるのだ
ハルちゃんがヨカレのご飯を作ってる!意外過ぎて笑ってしまったのだ
しろすぎるひとの本能である[向こう側に連れて帰る]が
フレンズ化して消えてるのか一時的に忘れているだけなのかが今後気になるところ
ハルちゃん誕生につながるとは意外過ぎる展開なのだ
それが二次創作を読む醍醐味なのかも?想像 しながら創らせてもらってますw
こちらも反応を
ハルちゃんが生まれたのだー!
ヨカレくんのところにも長い冬を越えて遂に『ハル』が来た瞬間ですね
【よかれはひとのためあらず】
8話
フレンズ化したことで寒さにある程度の耐性が付いているとは言っても元は雪の妖怪だ。
そう考えると住むに適しているのは[ごっかんちほー]辺りではないか。
地図を広げ指し示した場所は、偶然にも僕が最初に仲間たちと居た町だった。
(そう言えば、やけに寒い土地だなぁとは思っていた)
博士と助手は当然のように「お前が送り届けてやるのです」と
要請命令すると僕らを追い出し、そそくさと出掛けて行った。
(早くしないとカフェの 限定クレープが売り切れてしまうのです、とかなんとか言ってた)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無事[ごっかんちほー]に着いた後もいろいろあった。
ハルには社会常識や生活能力というものがまったく無かったからだ。
博士たちによるとフレンズには原作時代をはっきり憶えているタイプとそうでないタイプがいるそうで、
ハルは(変身能力以外)後者だったというのもある。
(覚えていたところでUMAの常識が通用するとも思えないが・・・)
必然的に僕が(放っておけない性格だったこともあり)何かと世話を焼くことになる。
そうこうするうちに一緒に暮らすまでになっていた。
なんとなく、流されるまま、という感じで始まったハルとの縁だったが、
仲間と一緒にいた頃には感じたことのない充実感に満ちていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなある日のことだった。
ヨカレ
「真冬の楽団?」
ハル
「そう」
あと1週間で私たちが出会って1年になるから、と言い出したのはハルだった。
もうそんなになるのか・・・
僕の頭にはまったく無かったアニバーサリーを祝うために
どこからか(なぜかボカしてたのが気になるけど)コンサートチケットを手に入れた、とハルから聞いた時は
成長したもんだなぁ…と、しみじみしてしまった。
ヨカレ
「聞いたことないなぁ・・・有名なの?」
ハル
「それはもう!
結成3ヶ月で『あの芸―1グランプリ』に参加して優勝。それがマーゲイさんの目に留まってPPPのバックバンドに採用されて。その傍らでオリジナル曲を発表したらオリコン1位にまでなっちゃったの。すぐPPPの新曲に抜かれちゃったけどね」
ヨカレ
「そ、そう…」
ハルがオタク特有の早口みたいになってる・・・
(芸―1グランプリってのも初耳だし、オリコンのチェックもしていたとは!)
ハルの熱弁に圧倒されて、こっちは若干ゃ引き気味だった。
だけど・・・
ハル
「その真冬の楽団が凱旋公演をすることになったの。
もうすぐ結成1周年だしね」
僕たちも出会ってもうすぐ1年になるけど(偶然ってのはあるもんだ)、
そこまで何かに入れ込んでるハルちゃんを見るのは初めてで、とても新鮮だった。
ハル
「なんでも音楽を始めたのは、生みの親とお世話になった人に・・・」
ヨカレ
「わかったよ」
なんだか話が長くなりそうだったので、悪いとは思いつつ話を遮った。
ヨカレ
「必ずその時間は予定を空けとくから」
自分でも喋り過ぎたと思ったのか一瞬バツの悪い顔をしたが、すぐに気を取り直して
「うん、絶対だよ。
きっとヨカレちゃんもびっくりするよ」
ーと喋り過ぎた。
ヨカレ
「それ・・・言っちゃたらサプライズにならないんじゃない?」
ハル
「あ…」
1年付き合って気付いたことだが、ハルは少し(かなりの)イタズラ好きだ。
しかも、たまにシャレにならないレベルのものもあるので侮れない。
(原作だった頃の本能がうっかり顔を出しているのだろうか?)
しかしここは
「まあ、大抵のことじゃ驚いたりしないけどね。僕は」
ーと(そこはかとない不安を押し殺しながら)あえて強気な態度で受けて立ってみる。
「それでも、びっくりすると思うんだけどな・・・」
一方のハルは声こそ弱気だが、内容に関しての自信には揺るぎがないようだ。
お手柔らかにお願いします、と頼むんだったかと少しばかりの後悔をしながら、
せめて[ボギャー(>◇<)レベル]で済めばいいな、と思う僕であった・・・
この後、僕はハルがもたらした『思わぬ再会』を経て
[よかれはひとのためあらず]の真の意味を実感することになる。
ーとは言え、あまりのことに驚いてどんなシチュエーションでどんな話をしたかも覚えていない・・・
ので、読者の想像に任せたいと思う。
とりあえず彼女らとの後日談(一部前日譚)を置いておく。
[真冬の楽団シリーズ]
1話
2話
3話
4話
5話
6話
7話
次回、最終話!
ハルちゃんとヨカレ鳥は良い友達になったのだ
次回、真冬の楽団も出演して役者がそろうのだ
最終回も頑張ってくださいなのだ
ハルヨカレも『良いコンビ』だね!
最終回までもうひと踏ん張り!
ついに満を持して真冬の楽団が登場するのだ
出ないかと思ってたのでワクワクなのだ
そして最初はものすごい分量だなと思っていたのに
読みやすく改良してくれたおかげで
もう最終回!?と思ってしまうのだ
いやぁ〜、正直ものすごい分量ですよw
話を膨らませすぎたと反省してますのだ
(読みやすいと言ってくれたのはタスカル)
真冬の楽団×ヨカレにこれ以上踏み込まないのも
この物語のメインはあくまでハルヨカレ、ですから!
ーというわけで最終回はしっかり2人のエピソードで〆ます
【よかれはひとのためあらず】
最終話
ここまで長い回想に付き合ってもらったが、ようやく話は現在に戻る。
ハル
「…ちゃん、
・・・ちゃん!?」
ヨカレ
「あ、ごめん。 何?」
いかんいかん、考え事をしていたら朝ご飯とハルを目の前に、ぼ~っとしてしまった。
ハル
「もう。
顔色よくなったけど、何か『良いこと』でもあったのかな?って聞いたの!」
ーと、勢いよくフォークの先を人の眉間に向かって突き出しながら尋ねる。
話を聞いてなかったのは全面的に僕が悪いけど、目つきも相まってめちゃくちゃ怖いからやめなさい。
ハル
「それとも私の勘違い? まだどこか調子悪い?」
打って変わって心配げな顔になる。
これだかたら憎めないんだよなぁ…
ヨカレ
「そんなことないよ。
体調は元々悪くないし、気分がスッキリしたのは確かだし・・・
っていうかよく分かるね」
ハル
「まあね。 いつも一緒にいるからね」
いつかの(ギンギツネさんに託された)フェネックさんのメッセージが蘇る。
「ヨカレさんのことを分かってくれる人は、そのうちきっと現れると思うよ~
だから諦めずに頑張って~」
[僕のしてきたことには意味があったんじゃないだろうか?]
[僕がよかれと思ってしてきたことは・・・]
今ならそう思える…ような気がする。
ヨカレ
「良いことっていうか、改めて自分のするべきことが分かったというか・・・」
ハル
「ふ~ん?」
ヨカレ
「ハルちゃんは?
ハルちゃんの方こそ最近何か『良いこと』があったりしないの?」
ハル
「えぇ…? 良いこと?
うーん、そうだな・・・」
しばらく思案顔をしていたかと思うと目を輝かせてズイッ!と顔を近付ける。
僕が思わずのけぞると花が咲いたように屈託なく笑うと言った。
「ヨカレちゃんと出会えて・・・いつも一緒に居てくれること、かな?」
クリティカルヒットだった。
文字通り面食らってしまった僕は、思いっ切り顔を背ける。
ハル
「なんてね。
照れてる? あれ、よかれちゃん照れてる??」
ハルは右から左から僕の顔色を覗き込もうとステップを踏む。
さすが元[しろすぎるひと]だけあってフットワークが異様に軽い。
僕はフクロウ並み(?)の首の振りでハルから顔面をガードしながら
いつものように、と自分に言い聞かせながら、諭すような口調で反撃を試みる。
ヨカレ
「ほら、早く支度しないと。
真冬の楽団が待ってるよ」
保護者ムーブ?をかますことでなんとか場を濁そうとした・・・
ハル
「きゃー! もうこんな時間~
ってもう準備は3日前に出来てるよ。
ヨカレちゃんこそモタモタしてると置いてくよ?」
・・・が、向こうの方が1枚上手だった。
ヨカレ「わかったわかった。 すぐ用意するから」
(ホントは1週間前、ハルからこの話を聞いてすぐに準備は終わらせてるけど)
お茶目なノリツッコミを軽くあしらいながら僕も出掛ける用意をする。
・・・振りをする。
こうして、いつものように『どったんばったん大騒ぎ』のうちに2人の時間は過ぎてゆく・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕はこれからもよかれと思うことを迷うことなく、していくだろう。
ハルちゃんに『良いこと』が続くように、と・・・
【すぺしゃるさんくす】
ツッコミ隊長さん
お借りした作品:ハルとよかれ鳥シリーズ、しろすぎるひとシリーズ、真冬の楽団シリーズ
ふぉ~面白かったのだ!!

ハルちゃんしぐさがかわいくてたまら~んのだ
ほっこりさせていただきましたのだ
大長編おつかれさまでしたのだ
あらためてありがとうなのだ
な、泣いてない…だと?(最終行の灰色文字)
ーというのは半分冗談として、最後までお読み頂きありがとうございました
「一番最初に思い付いて描きたかった」のは最後の2行だけだったんですが、
どうしてこうまで長くなってしまったのか・・・w
何はともあれ、ここまで辿り着けてことらもホッとしました
良い話だったのだ
ヨカレ鳥とハルちゃんの日々は続いていくのだ!
遅くなったけど完結おつかれさまでしたのだ~
こちらこそ
こんな長い話に最後まで付き合って頂いてありがとうございますm(ーー)m
情景が目に浮かんでくるかのようなのだ
いろいろ今後の展開を想像しつつもワクワクしながら読ませてもらいましたのだ
いつもは会話劇→今回は情景・心理描写多めでお送りしております
読むのも大変でしょうけど頑張ってついてきて下さい
(なんとか伝わっているようで安堵 Σ=(´∀`)
ファンアートSS第二弾!
PRRR… PRRR…
雪子「はい、雪…
キジ「初めましてこんにちは。こちら月刊Icetuzteの編集長キジと申すものです。ついてはあなたのお店の取材をしたいのでこれからそちらに向かいますね。では後ほど」
ガチャ… ツー ツー ツー・・・・・・
雪子
「え…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪子
「いらっしゃいませ~ あ、博士。
今日も一番乗りですね。
何になさいますか?」
博士
「カレーライスミックスを寄越すのです」
雪子
「ミックスですね。 助手さんも一緒でよろしいですか?」
助手
「もちろんなのです」
雪子
「はい、では少しお待ちください」
アライさん
「博士さんたちに詰め寄られた時は不安だったけど作ってみて良かったなぁ…」
ちらっとポスターの方を見る。

ヒトの世界のチョコバニラミックスにヒントを得て開発した新商品で、
チョコ部分→カレー、バニラ部分→米粉で作ったソフトクリームだ。
今のところ買っていくのはあの2人だけだが・・・
雪子
「今度はシマウマさんをイメージしてゴマバニラミックスでも作ってみようかな?」
エジプトガン
「全球凍結をくれ」
雪子
「あ、はい。 いつもありがとうございます。
いらっしゃいま・・・」
キジ
「こんにちは。 大盛況ですね。 ではさっそく取材を始めさせてもらいますね。
こっちはライターのヘビクイワシとカメラマンのコトドリです」
雪子
「え、え?」
ヘビクイワシ
「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
雪子
(私なにも言ってないのに何書いてるの?)
コトドリ
「ジーカシャ、ジーカシャ… ジーコジーコジーコ・・・」
雪子
(こっちはこっちでカメラも持たずにずっと口でジコジコ言ってるし…)
Icetuzteの面々は自分たちのペースでどんどん話を進める。
アライさん
「アライさんはこの後、探検隊の仕事があるから巻きで頼むのだ。
フェネックも同じでいいのだ?」
フェネック
「はいよ~ WATAGASHI2つね~」
そうこうしてる間にも客は増えていく。
雪子

「ソフトクリームのことですね。
あとアライさん、そのネタをこするのは出来ればヤメてもらって・・・///
フェネックさん、注文のフォローありがとうございます
あ、博士さん助手さん、ミックスお待ちどうさまです」つ
博士
「待ってましたです!」
キジ
「あなたにとってアイスって何ですか?」
雪子
(インタビューの〆で聞きそうなことを最初に聞かれた!?)
助手
「む… お前、ちょっと狭いのですよ」
そうでなくても小さいお店のカウンター越しでのインタビューなので
お客さんとぶつかりそうなほど距離が近い。
雪子
「すみません、出来ればあの~インタビューは後にしてもらった方が…
他のお客様もおられることですし」
ヘビクイワシ
「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
雪子
(よく見たら何も書いてない? ゴーストライターってやつ?)
コトドリ
「ジーカシャ、ジーカシャ… ジーコジーコジーコ・・・」
雪子
(やっぱり撮ってないよね? 雑誌は一体どうやって作ってるの!?)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリゾナジャガー「激!ミント味を1つくださいな~」
キジ「いろんなオリジナルメニューがあるみたいですけど、どんなこだわりで・・・」
ヘビクイワシ「メモメモ メモメモ」φ(・△・`)
コトドリ「ドゥルルルル…ギュリギュリ! ピシュンピシュン・・・」
雪子(チェーンソーとレーザー砲・・・? もしかして飽きた!?)
ひっきりなしにお客が来る中、キジも矢継ぎ早に質問をぶつけてくるので雪子はてんやわんやだ。
雪子
(こんなことならスマトラトラちゃんにヘルプ頼むんだったかな・・・)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雪子
「大変お待たせしました。 全球凍結とWATAGASHI上がりました~!」
エジプトガン「よしきた!」
アライさん「・・・のだ。 あ…」
「あなたたちはこのお店をどこで知りましたか?」
勢いよく録音機を向けようとしたキジの腕が、アライさんの肘を小突いてしまう。
フェネック
「おっと~…」
幸い2つのソフトクリームの内1つはフェネックがなんとか空中でキャッチして事なきを得たが、
もう1つは地面に落ちてしまった。
雪子
「すいません、お客さま! すぐにもう1つお作りしますね!」
アライさん
「大丈夫なのだ。 ちょっと洗えば食べれ… わ~ 溶けちゃったのだ~」
雪子
「お客様ぁ!?」
フェネック
「アライさ~ん、またやってしまったね~
あ、アライさんには私のを半分あげるから雪子さんは気にしなくていいよ~」
それでも雪子は何度も頭を下げ、返す刀でIcetuzteの面々を睨 めつける。
キジ「アワワワ…」
雪子
「ん!」
ヘビクイワシ「めm…」
警戒音)」
コトドリ「ウ~ウ~(
雪子
「お客様がたはご注文されないんでしょうか?」
キジ
「え? あ、じゃあ・・・
この『夏のオススメ』を3つ」
そう言うと店先の目立つところにあった立て看板(潮を吹いているクジラの涼しげな絵が描かれている)を指差す。
雪子
「分かりました。 少々お待ちください」
????「私もそれを」
雪子
「はーい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ラッシュタイムが終わった。
残っているのはキジたち4人だけだ。
そこにソフトクリームを持った雪子が店から出てきて手渡す。
キジ
「怒ってないんですか? 失礼なことをした私たちを・・・」
雪子
「それがあなたたちのお仕事なんでしょう?
でもこちらも仕事ですから。
Icetuzte(アイスを待っている)お客さまがいる限り・・・」
キジ
「雪子さん・・・」
雪子
「ほら、溶けないうちに食べて下さい。
この夏の自信作『母なる海の潮流すミルクアイス』です。ホルスタインさんのレシピと許可を頂いて、そこに私なりのアレンジを加え、ナガスママさんの全面協力のもと、潮と搾りたてミルクをふんだんに使うことで熱中症対策と甘さを両立させ、ほのかなしょっぱさとまろやかな甘さのハーモニーが混然一体となって…」
キジ・ヘビクイワシ・コトドリ
「「「つまり潮対応! 美味しいけど」」」
雪子

「え・・・いえいえ、決してそんなつもりじゃなくって・・・」
シマナメ
「溶ろける美味しさ~~」 (´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: ドロドロ…
雪子
「ヒア゛ア゛ア゛ア゛~~~~!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、この取材記事はお蔵入りになったという・・・
ー終わりー
tuzteとは
コトドリ元ネタ
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
【雪子のアイス屋さんシリーズ】より
元ネタⅠ
元ネタⅡ
元ネタⅢ
元ネタⅣ
元ネタⅤ
【アライさんクイズシリーズ】より
元ネタⅥ
いやぁ笑わせてもらいましたのだ!
雪子のアイス屋のカオスすぎる、とある日を垣間見た気がするのだ
Icetuzte 今月号はどうなることやら・・・
楽しんでもらえたようで良かったです
ホラー(体験談)雑誌に鞍替えしてるかもしれませんね
虫喰いでないフレンズ
「君達は、強い魂と聞いて何を思い浮かべるか?どの様な魂が強い魂であると思う?」
「私は、強い意志を持つ者こそが強い魂を持つと考えます」
「そうか。そう考える理由を聞こうか」
「強い意志を持つ者は、大いなる使命を帯びて周囲を巻き込み、集団を成します。そのような集団とは何人にせよ一人以上の力を発揮するものです。周囲の意志はより強い意志に魅了あるいは翻弄されて、惑星の引力に導かれる衛星のように付き従うでしょう。
つまり、強い魂を持つ者は運命を歪める力が強く、強い意志をもって一人以上の力を発揮しようとすると考えるからです」
(……なんでこんなにすらすらと…よくわからないことを………)
何の前置きもなく、悪の秘密結社の幹部が手下に忠誠心を確かめるような問答が始まった。
圧倒的場違い感に竦み上がる。
「強い魂……そう。
さも問いに多様な答えがあるかのような問いかけをしたが、これから話すことは、私が言う固有名詞としての『強い魂』だ。
強い魂とは何か?
強い魂を持つ者は、
スタンド使いのことだ。
スタンド使いの間では次のような言葉が語られている。
『スタンド使いとスタンド使いはひかれあう』
この言葉が知られていることが、君の言う引力が発揮されている証拠だ」
「スタンド使い………?主任、質問がありますが、“スタンド使い”とは?まさか、特殊能力が実在すると……?」
「知らなかったの?コノシマ研にいるのにねェ?『珍しいこと』もあるものですね主任」
何とか理解しようと質問を投げたのにも関わらず、状況は悪化してゆく。
同僚が、自分が知らない意味を含むのであろう単語を、自分が知らないこと自体について『珍しいこと』と呼んだというのは、もはや脳の処理の優先順位の遥か遠くに追いやられてしまった。
「君は周囲にスタンド使いが居なかったようだな。それで気付けなかったのだろう。ーーーーーー、これからその力を私に貸してくれないか」
一方、フレンズ・オランウータンの貨物船内部に閉じ込められたドブネズミは、脱出の手掛かりを探すため、壁に耳(ヒト耳と獣耳両方)を当てて音を聴いていた。
聞き慣れない低いうなり声の正体に少しでも心当たりがあればと聞き続けていたが、聞こえるのがうなり声だけではないことがわかる。
甲高い笑い声に足踏み、何かしらの単語の羅列を叫び続けるといったことも聞こえてきた。
しかしこれらの音を結び付けるだけの知識が、ドブネズミにはない。
「くそッ、これ以上聞いてると頭がどうにかなりそうだ。
上で私たちがオランウータンに抵抗してる間も下の部屋でこんなドンチャン騒ぎやってたとすると、オランウータンの趣味か何かが放置されてるといったところか?
まあ、こんなことを聞き続けて平気でいられるとは恐れ入ったものだ。
それはさておき、もっと詳しく聞くには隣に突入するしかなさそうだな」
ラットを構えながら壁を叩き、叫んで壁の向こうの相手に存在を知らせる。
そして、スタンドを構えて壁破壊と壁向こうからの奇襲に備える。
敢えて位置を教えることで、来るかもしれない攻撃を受けやすくするためだ。
見えない空間の『視える』だけのところから、できるだけ対策するのがドブネズミのやり方である。
「壁破ったら敵が現れると思ってやるが………そうでないならどうするか考えとかないとな。
『ラット』!まるく形をえがけ!」
ラットの毒針は、発射されてから物体に当たった後何メートルも進み続けるほどのパワーを持たない。
しかし、金属のように硬いものに跳ね返されても着弾点はしっかり溶かされた。
このように毒の強さという点においてドブネズミのドス黒い精神性が露わになっている。
円形状に切り取られた壁の断面に手をかけ、ゆっくりと引いてこちら側に倒す。
鉄板の下敷きにならないよう後ずさりつつ、開けてゆく視界に注目すると、得体の知れない影が寝そべる様子が飛び込んできた。
「GOOOOH………」
「おい………何なんだ………?あ、セイウチ!セイウチか?」
「……………」
「OGH? GOAAA?」
「…………ぇ…」
「え?おい、なんだあれは?そもそも、なんでおまえがここにいるんだ?」
「………………気にしないで、敵じゃない」
「なに?すると、あれはもしかしておまえのスタンドか?」
「………あれは確かに私のスタンド」
「海岸の岩場から動こうともしなかったにおまえが、どうしてここにいるのか知りたいが、答えてくれるか?」
「……………なんでか知らないけど連れてこられた。何が私を連れてきたのかわからないけど」
「なるほど。ありがとう。
こんなことになったワケを知ってそうな、あのエテ公に問い詰めてやるよ。
そのつもりでわたしはここにいる。
そう、おまえはどうしたい?
ここにずっといる気は無いよな?」
「そうね。出なくても良いなら出ない」
「は?出ないって、おかしくないか?
お前、こんな何もないところでずっと生きられんのかよ」
「出る必要があるか、確かめてきて。
あなたが」
「え?おい、流石にそれは無っ、、、、!?」
34話の決定版となります。
先日の投稿の内容に満足いかず、再投稿となりました。
予告なく削除してしまい、申し訳ありません。
返信へ↓
「出る必要があるか、確かめてきて。
あなたが」
「え?おい、流石にそれは無っ、、、、!?」
「!??」
ドブネズミが反論を諦めたように見えたが、自らの身体の異変を感じ取ると、その訳を理解した。
二人の全身から吹き出す光が部屋を照らす。
面倒くさがりのセイウチでも、こればかりは焦らずにはいられない。
「なんだ!?アイツの攻撃か!?いや、ありえん………」
「なに………これ…………」
「何なんだ、これは!ああ、このままだとマズいぞ。確証はないがマズい!」
「どうなるの?私たち………」
「何するにも、まずここから逃げ出すしかない!もう何と言われようとお前を連れ出す!来い!」
船外に脱出するべく、部屋を出て廊下を走り抜ける。
だが、ドブネズミが感じた通りに、不安は現実となる。
力が抜け、勢いのまま転倒した。
連れてきたセイウチに弾き飛ばされ
「ギャアス!」
被ダメージボイスを出す。
セイウチの安全を確認するべく立ち上がろうとするも、やはり抗う術もないまま、床に伏した。
「どこだ、セイウチ!、脚(うで)にも力が入らん………」
身体を捩り周囲を見ようと振り返ると、頭上からセイウチでない誰かが声を掛けてきていることに気がついた。
「たすけ………て………せっかく……アフリカゾウを手に入れたのに……こんなの………」
「待て…っっ!お前にはみんなの安全を守る義務がある………」
「ハヤブサ!」
「おまえは……よくも!、いややめだ。オランウータン、外に助けを求めるんだ!空飛んでるフレンズいるかどうか探すとかしろ!」
「それができたらこんなことなってないよう!うぅっ…」
壁に身体を預けどうにか立っていたオランウータンも、ついに臥した。
意識の狭間に沈みゆく中で、壁そのものが溶けるように崩れる。
船そのものを支配するオランウータンの意識が消えつつあるからだ。
何も予兆なく訪れた危機のなか、オランウータンは寝言のようなことを口走った。
「遠……すぎた………
捕ま…りたくな…いから………
島………離れると………ダメなんて…知らなくて……」
「……!?」
<アニマルガールの身体は島から離れれば離れるほど不安定になり、最後には元の動物に戻る>
研究所の廊下に研究内容を説明した掲示物があった。
学術的なことに疎い自覚がある者なら目を背けそうな堅い内容のそれに、その一文が含まれていた。
ドブネズミは、そんな青天の霹靂に打たれた。
わたしにはそんなこと言わなかったぞ。
アフリカゾウは知ってるのか?
知ってたらこんな所来ないんじゃあないか?
知ってるとしたら、こうなることを覚悟してオランウータンを追いかけて……
それならアフリカゾウを助けなくては!
耐えてくれ、この身体!
こんなところで終わってなるものか!
死体であったはずのネズミの執念が燃え上がる。
そうして、姿を保とうとする意志に応えるかのように、救世主は現れた。
「お前達が消えると俺が困るからな。俺のためだ」
消えゆく意識の幕切れに、捨て台詞を残しながら半透明の物体を纏いつつある虫喰いの姿が残された。
━━━━━━━──────
━━━━━─
━━━─
─
「おまえに借りができたな」
「俺はお前と貸し借りをしたつもりはない」
「おまえは、本当はそうやってフレンズ助けしてきたんじゃあないのか」
「誰に聞いても答えは同じだ
俺が乱入して勝手に手出しただけのこと」
「ね、ねえ!虫喰い………さん。
ありがとうね。セルリアンを使ってフレンズを襲ったりしてないのは私達が体験した事実だから。私からもイエネコちゃんに言っておくね」
「…………」
ドブネズミたちはセルリアンに包まれながら地中に潜る虫喰いを、帰省先から実家へ帰る親戚を見送るように名残惜しそうに見守り続けた。
「しかし、どうやって虫喰いがわたしたちを助けたのか、見てたか?だれか知らないか?」
「しらない………みてない」
「どうやってあんな所から5人も同時に………」
「ま、アイツ以外考えられないけど」
「こっちの『寝そべり』はいいの?」
「むにゃ………ぐふふふふ………おねーさん?おれとあそばなーい?」
「「「………」」」
「こんなの連れてったらどんなメに遭うか知ったことじゃあないな。セイウチはそこで寝転んでるし、ズラかろう。イエネコ拾わねーとだしな」
「ー!なーにしてたのよー!あんたたちはー!」
「噂をすればなんとやら、だね」
「あれー?アフリカゾウまでそんなタイドなんて、私はやっぱり邪魔者なのね」
「わ、悪かった。そんなつもりは!な、アフリカゾウ!」
「そそ、その通りだよ!」
「ふん、せーぜー私のご機嫌とりに精を出すことね」
やがて一団が浜辺を発ち、セイウチも安眠場所を求めて去る。言 つ。
最後に寝そべり昆布を被った酔っ払い擬きが残された。
そこに、一人の人影が舞い戻り、見下ろしながら独り
「俺自身が一番大事なんだ。セルリウムを制御する、俺だけが使える、あの守護けものにすら許されない力がな」
to be continued………
決定稿更新おつかれさまでしたのだ
(イラスト:風龍さん)
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
アルマー
「ねぇ、寝てるだけってことはないの?」
外では季節外れの暴風雪が吹き荒れる洋館:ろっじアリツカ。
センちゃん
「いいえ、アミメキリンさんは警戒心が強いので横になって寝ることはありません。
これだけ人が集まってるのにちっとも目を覚まさないのもおかしいですし時間も長すぎです。
そもそも廊下ですよ? ここは。
つまり外的要因によるもの、と言わざるを得ません。
ライイングメッセージも持ってますしね」
アルマー
(dyingじゃなくてlying・・・確かにウソはついてないよね)
一同の目の前ではアミメキリンが俯せに倒れている。
白紙の原稿用紙を持って・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「この中に犯人はいる!」(ババーン)
アルマー
「え、なになに!?」
センちゃん
「どこから出てきたんです!?」
突然の登場に集められた容疑者たちも目を白黒させている。
アルマー
(さっき館内を捜索した時には確かに居なかったはずだけど・・・)
雪子
「袖で出るタイミングを見計らっていました!」
アルマー
(袖・・・って?)
センちゃん
「いきなり出てきて根拠のない推論を語るのはやめてください。
まだ外部の犯行の可能性も残されてるんですよ?」
「ちっちっち」
人差し指を立て、左右に振りながら雪子は自慢げに反論する。
「あなた方が入館し、ハクトウワシさんが退館したあと、
私はけものミラクル:嵐雪遮界(ホワイトアウト)をすみやかに発動しておきました。
これは吹雪を起こすことで戦闘時には敵の攻撃命中率の低下を引き起こしますが、
今回は結界(密室状態)に転用させていただきました。
効果は12時間。 その間はセルリアンどころかアリリアンの出入りする隙もありません!
ちなみに、この技名とタイトルが同じなのは伏線です!!」
アリツさん
「あの風と雪はあなたの仕業でしたかぁ・・・」
アルマー
「どっちに転んでもセルリアンなんだね」
博士
「時短とはネタバラシをすることではないと思うのです。
核心は突いてないので物語的にセーフだとは思いますが・・・」
助手
「探偵のくせに推理モノのお約束も知らないのですか?
セリフは長尺ですし・・・」
タイリク先生
「伏線とは撒いておくもので、開始と同時に巻き取るものではないよ」
口々に容赦ないツッコミが入った末に、無慈悲な宣告が告げられる。
センちゃん
「・・・するとあなたも容疑者ということですね」
雪子
「ぎゃふん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
容疑者たちの供述(※任意の事情聴取)は以下の通りである。
博士(長1)
「我々は限定ジャパリm…
締切間近だというのに原稿を持ってこないので催促に来ただけです。
ちなみに今回、私はアミメキリンとは話してもいませんよ」
助手(長2)
「ここに来た理由は博士と同じです。
タイリクオオカミがたるんでいるのはアミメキリンのマネージングにも問題があるのではないですか?
ーということを言ってやろうと思いましたが、アミメキリンからの返答はありませんでしたね」
タイリク先生(マンガ家)
「アミメくんの持っている白紙の原稿用紙は確かに私のものだ。
だがそれ以上でもそれ以下でも無いよ。
締め切りのことで? ああ、原稿が間に合ってないことで軽い諍いはあったが、
『日常茶飯事』の範疇を越えるものではなかった、という認識でいるよ。
それについてはアリツさんが証明してくれるだろう。 一緒にいたのでね」
アリツさん(ろっじ経営者)
「ええ、確かに先生とアミメキリンさんは揉めてらっしゃいましたねぇ。
アミメさんはかなり興奮されていらしてぇ・・・
えぇ? 私が部屋を訪れた理由ですかぁ?
いつも締め切り前日には差し入れをお持ちしますのでぇ。
それを召し上がったあと、アミメさんは部屋を出ていかれましたぁ。
私は仕事がありますので部屋を出て戻ろうとしたところ
廊下で倒れていたのを発見した次第ですぅ」
雪子(時短探偵)
「なんで私まで容疑者扱いなんですか! 探偵ですよ、私は!
え? 『探偵なのに犯人だった』展開も推理モノあるある?
じゃあダブルスフィアのお2人だって容疑者にするべきじゃないんですか!?
ちょ… いくら話が進まなくなるからって『作者権限でダブルスフィアは潔白設定』なんてズルですよー!
そもそもアミメキリンさんとは一面識もないですし、
昨晩もチラっとすれ違っただけで、言葉さえ交わしていませんよ!
あ~ こんなことなら嵐雪遮界なんて使うんじゃなかったー!!」
アミメキリン(マネージャー・ポンコツ探偵)
「・・・」(へんじがないまるでしかばねのようだ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
くらがりの間(2人の自室)に戻った2人は今後の捜査方針について話し合うことにした。
アルマー
「どうしよう?
館内をくまなく捜索したけど、やっぱり部外者が出入りした形跡は無いし、
かといってここに残っている人の誰もウソは言ってないみたいだし・・・」
ラッキービースト(メディカル担当)
「アミメキリンの診断結果を表示するヨ」
センちゃん
「AI技術が発達したおかげでボスの性能も上がりましたね」
ホワイトボードに出力された診断結果の要点は以下の通りだ。
・呼気から微量のアルコール成分が検出
・後頭部に軽い打撲
・バイタルチェックによると犯行時の直前に血圧・脈拍の乱高下があったと推測される
センちゃん
「容疑者の供述と比べてみると、ウソこそついてないかもしれませんが、
意図的に情報隠蔽している可能性はあります。
もう一度、取り調べる必要がありそうですね」
アルマー
「うーん…
でも、とりあえずアミメさんは容疑者から外れそうかな?」
センちゃん
「自作自演の可能性を考えて候補に入れていたんですが、
こうなってみると確かにその線は薄いと言わざるを得ませんね」
季節外れの吹雪で一種の密室状態にある、ろっじアリツカで起きた不可解な事件。
その容疑者は5人に絞られた・・・
2話~前日譚~
3話~推理編~
・・・に続く
【すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん@901ff32967】
時短探偵・登場編
デカパンダ編
VS怪盗編
※1話に加筆修正しました。
ですが、このまま読み進めて頂いてもまったく問題はありません。
読み直すほどの変更ではないので。今は
は、犯人は誰なのだー!?
雪子ちゃんの活躍も気になるぜ 続編がんばってなのだ
雪子が犯人役として大活躍・・・ということにならなければいいんですが…w

明日以降も頑張りまっする
(イラスト:ネギ大福さん)
待ってました!コロナ生き延びた甲斐がありましたのだ!
風龍さんのイラストかわいいですね
雪子に新しいミラクルが!しかし使ったことでなぜか犯人候補に
時短にもなってないというところは雪子らしいのだ
白い原稿用紙が犯人を指し示している→白とう和紙→ハクトウワシ
ホワイトアウトはハクトウワシOUT
動機はケシカラン原稿のすり替え??・・・思い浮かばな~いのだ!
続き楽しみにしております
ありがとうなのだ
読んでいただきありがとうなのだ
推理が当たってるかどうか・・・は続きを読んでのお楽しみなのだ
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
時は遡って3月2日18:00頃のこと・・・
アルマー
「こんにちは~」
アリツさん
「いらっしゃいませぇ~
お泊りですかぁ?」
ダブルスフィアです。 ちゃんと予約しておいたはずですが?
アリツさん
「えぇと…」
アリツさんが宿泊台帳を繰る。
「これは失礼しましたぁ
はい、確かに承っておりましたねぇ」
センちゃん
「・・・読者に見えないからって愛想のいいテンプレ挨拶とは裏腹に
あからさまに嫌な顔するのやめてもらえます?
こちらは客ですよ?」
アリツさん
「えぇ~? なんのことでしょう?」
センちゃん
「しらばくれないでくださいよ」
「だって『探偵さんが洋館に泊まると事件が起こる』のってフラグじゃないですかぁ~」

イラスト:Tじろ~ さん
「あ、ハクトウワシさんお疲れ様ですぅ~」
ジャパリパークでは明日3/3ひな祭り(桃の節句)を記念して
『限定:白桃ジャパリまん』をパーク内の特定施設で配ることになっていた。
ろっじでも朝ごはんとして宿泊客に振る舞うことになっており、
この地区担当のハクトウワシがその搬入を済ませたところだった。
ハクトウワシ
「ええ。 ブツは『ひんやりの間』に置いておいたわよ」
アリツさん
「お手間を掛けさせてしまって申し訳ございませんでしたぁ」
ハクトウワシ
「いいのよ。 盗み食いはイッツ・ギルティ!だものね」
アリツさん
「ありがとうございましたぁ~
あ、お待たせしました。 話を戻しますけど」
アルマー
「私たちとの対応に明白な差が・・・それはもう、すがすがしいほどに出てるね…」
アリツさん
「ほらぁ、そうでなくてもウチは『ホラ吹き上手のホラー漫画家さん』が逗留しているろっじ
として名が広まってしまってるじゃないですかぁ。
中には
『何も起こらなかったじゃねぇか! キシャー!』
『ふまん…』
ーとクレームを付ける方までいらして・・・」
センちゃん
「そんなことまで私たちのせいにしないでください」
アリツさん
「・・・それもそうですね。 愚痴ってしまって申し訳ありませんでした。
では改めてお部屋のご案内をさせていただきますねぇ」
アルマー
「はーい」
すっかり仕事モードに切り替わったアリツさんと、それに続いて歩くダブルスフィア。
その様子を見ていた白い影が、物陰から出てくると館の出口に向かって歩いて行った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カタカタ…
廊下を進んでいると注意を促すかのように窓が音を立てた。
アリツさん
「あら? 急に風が・・・
ハクトウワシさんは大丈夫でしょうか?」
ガタガタ… ガタッガタガタ!
それどころじゃないぞ、と言わんばかりに窓は身悶えする。
アルマー
「さっきまであんなに天気が良かったのに・・・」
風は更に強く、雪まで混じっているようだ。
センちゃん
「こんな時期におかしなこともありますね。
異常気象でしょうか?」
窓の外は、すぐに1m先も見通せないぐらいの吹雪に変わっていった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリツさん
「こちらが『くらがりの間』になります。『こはん』から『巣穴』に適した土を搬入し敷き詰めた部屋となっておりまして、お客様本人に掘り進めてもらうことでそれぞれに合った居住空間を確h・・・」
センちゃん
「部屋の解説なら必要ありません。
事前にこちらのホームページを確認して調べて決めましたので」
アリツさん
「がーん。
便利になり過ぎるってのも良し悪しなのかしらねぇ…」
アリツさんは打ちひしがれた様子だった。
アルマー
「センちゃんは淡白だね
オタク特有の早口っていうの? 私はもうちょっと聞いててもよかったけど・・・」
アリツさん
「ではごゆっくりぃ…
今度、ミステリールームでも企画してみようかしら・・・?」
アリツさんはアルマーのフォローも耳に入っていない様子でブツブツ言いながら去っていった・・・
日付は変わって2023/3/3 AM1:00
アリツさん
「ほらぁ、だから言ったじゃないですかぁ」
こうして冒頭の状況に戻る。
苦虫を嚙み潰したような顔のセンちゃん。
目の前にはアミメキリンが突っ伏している。
センちゃん
「私たちのせいで、とは絶対に認めたくはありませんが・・・
こうなってしまったからには探偵の責務として犯人を挙げるのみ!
アルマー、館内にいる人たちを集めてきてもらえる?」
アルマー
「OK♪」
鼻歌交じりで被害者の周囲をなぞるように白線で囲んでいたアルマーが応えた。
センちゃん・アリツさん
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして集められた容疑者は
アリツカゲラ、タイリクオオカミ、博士、助手。
そして雪子を加えた5人だった。
センちゃん
「こちらがラッキービーストによる調査報告の結果になります。
これを基に改めて取り調べを始めさせていただきますが・・・
自白して罪を軽くするなら今のうちですよ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
解決を急ぐあまり容疑者を一堂に会して、というやり方がマズかったらしい。
取り調べという名の会議は紛糾を極めた。
雪子
「ダイイングメッセージの『白紙』から『博士』ってことはないのですか?
どちらも『はくし』と読めますし」
博士
「燃やされたいのですか!? ダジャレで犯人扱いなんて認められません。
そもそも白紙はタイリクオオカミさんのものだったのでしょう。
疑うならまず、そこからではないのですか?」
タイリク
「私はアミメくんに感謝こそすれ憎む理由がないよ。
締め切りのことでせっつかれるのも私の不徳の致すところだしね。
なのに助手は私に直接言わず、かなりアミメくんにつらく当たってたそうじゃないか。
そう愚痴っていたのを何度か聞いたよ?」
助手
「それを言ったら『先生のサボり癖』も嘆いていましたけどね。
ところでアリツカゲラは『事件を引き起こす探偵』を苦々しく思っていたそうじゃないですか。
トラブルメーカーでポンコツなくせに探偵気取りのアミメを・・・というのは動機になりませんか?」
(イラスト:kisachiさん)
ここぞとばかりに2人掛かりで圧を掛ける。
アリツ
「そんな大それたこと考えたこともありませんよぉ。
仮に私が嫌がっているとして、それで事件を起こしてたら本末転倒じゃないですかぁ」
雪子自作自演 なんて
「いいえ!
倫理観ゼロ、論理破綻した動機による
長期連載推理モノのお約束じゃないですか!」
自らに掛けられた疑いを晴らそうと必死なのかフレンズたちの討論は
まるで時限爆弾ゲームのようだった。
アルマー
「どうしよう・・・
このままじゃ迷宮入りだよ~」
いよいよ収拾が付かなくなりつつ様子を見て、もはやアルマーは白旗を上げる寸前だ。
センちゃんもどうしたものかと考えあぐねている。
アリツ
「あの~」
センちゃん
「はい?」
アリツ
「差し出がましいことを言うようですがぁ・・・」
センちゃん
「一応聞いててみましょう、なんですか?」
アリツさん
「ボス犯カメラの映像を確認されてはどうでしょう?」
アルマー
「え・・・?」
このろっじではあまりにも不可解な事件・事象の二次創作が作られるので
ラッキービーストからカメラ機能を借り受け、館内各所での動体検知録画を導入したのだという。
アルマー
「もっと早く言ってよ!」
4話~真相編~に続く
続きがとーっても気になるのだ!
挿絵がとてもいい仕事してますのだ
それぞれ発注したのだ? とてもいいアクセントになってますのだ
あと雪子の白紙→博士のムチャ推理で「燃やされたいのですか!?」には
すごく笑ったのだ たーのしーのだ
(>3<)
内緒ですが無断でPIXIVやニコニコ静画から拝借させて頂いてますm(ーー)m
(はくしゅ)します
ところでヒゲじいのダジャレ→燃やせ!ムーブは、いつからどんな経緯で始まったんでしょうね?
解き明かしてくれたら
アリツさんが一番有能説が出てきたのだ
作者の趣味が色濃く反映されちゃいましたかねw
こういうキャリアウーマン的なキャラ好きなんですよ
脚もエッッッですし…
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
録画データの確認が始まった。
2023/03/02/11:58

(イラスト:ShiBiさん)
タイリクオオカミの部屋にアミメキリンが入ってきたところからだ。
アルマ
「この時はまだ何も起こってなさそうだね」
しかしこの後、状況は一変する。
[先生! これはどういうことですか!?]
白紙の原稿用紙をバサバサ振りかざしながらアミメキリンが激昂している。
[アイデアがまったく浮かばなくてね。 %%{bg:mistyrose}頭の中は真っ白%%さ]
タイリク先生は悪びれた様子もない。
[どうするんですか、締め切りは明日なんですよ?
これまでも発刊が遅れたり休載するたびに
製本担当の博士たちや、新刊を待っている読者さんたちに白い目で見られる私の身にもなってくださいよ!]
アミメキリンは涙目だ。
センちゃん
「この辺りは供述の通りですね」
2023/03/03/0:05
コンコン…
アリツさんが入室してきた。
[差し入れをお持ちしましたぁ。 少し休憩してはどうでしょう?]
[休憩も何も! そもそも始まってさえいないんですけど!?]
アミメキリンはアリツさんにもヒステリックに食って掛かる。
[今日はひな祭りなのでアラレと白酒を用意してみました。 どうぞ召し上がってください~]
一方のアリツさんは慣れているのか、軽くいなしている。
[ジラフがシラフじゃダメだってことなんですね!]
よく分からないことを言いながらアミメキリンは白酒を一気にあおる。
[けほっけほっ!]
思ったよりアルコール度数が高かったらしい。
背を丸めて軽く噎せるアミメキリン。
タイリク先生
[おいおい、大丈夫かい?]
[あぁ、お水を用意しておけばよかったでしょうかぁ]
アリツさんは甲斐甲斐しくアミメキリンの背中をさすっている。
[もうぉ、やってられないれすよぉ~!]
アミメキリンはそれを跳ね除けるように背を伸ばすと、
呂律の回らない口調で愚痴をこぼしがら、フラフラとおぼつかない足取りで室外に出て行ってしまう。
2023/03/03/0:11下手 に向かって歩いていると、ぼや~とした白い人影が見えてきた。
画面は廊下に切り替わる。
アミメキリンが暗い廊下を
(一時停止してズームしてみると、かろうじて雪子だと確認できた)
アミメ
[ヒェッ… オバケ!?]
雪子
「えぇ…?」
ショックを受けている雪子をその場に残し、アミメキリンは逆方向に向かって逃げ出した。
走って酔いが回ったのか、アミメキリンはすっかり千鳥足になっている。
2023/03/03/0:15
[む~ あの女、一体どこに隠したのですか…?]
[おっと、アミメキリンではないですか。今のは聞かれなかったでしょうね?
えっと…そうです。
原稿を取りに来たのです。 さっさと寄越すのです]
アミメキリンの顔からはみるみる血の気が引いていき、いまや蒼白だ。
・・・ゴス!
2023/03/03/0:16
博士
[ん? 何か足に当たりましたか?
おお、助手。 見つかりましたよ。 あの女、まさか客室の1つに隠していたとは・・・」
助手
[博士、博士]
助手の指差す先では白目を剝いたアミメキリンが倒れていた。
博士による無音フライングニーアタックが後頭部に炸裂したからだ。
博士
[い、今のは不可抗力なのです]
助手
[そ、そうです。 そうに違いないです。
なんかフラフラしていましたし、酒臭いところから見るにしこたま酔って勝手に倒れただけで
膝が入ったように見えたのは気のせいです。
ともかく、余計な詮索をされないためにもここはズラかることにしましょう]
2023/03/03/0:20
ほどなくしてアリツカゲラが画面に映った。
違和感に気付いたのか、小走りで倒れたアミメキリンに近寄ってくる。
アリツ
[・・・? アミメ…さん? 大丈夫ですか!?
先生― ちょっと先生! 来てもらえませんかー!?]
2023/3/3/0:24
ここでセンちゃんはビデオを止めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして真実が白日の下に晒された訳だが、フレンズたちの往生際は悪かった。
雪「やっぱり博士のせいじゃないですか」博士&助手 は何しに『ろっじ』に…?
」
博「いや確かにとどめを刺したのはかもしれませんが、元はと言えばタイリクオオカミたちが・・・」
タ「雪子くんを見てかなり驚いていたようだが…」
助「お酒で悪酔いしたのがそもそもの原因なのでは?」
ア「
ふたたび白熱した議論が交わされる。
ただ、今度は誰の責任が一番重かったのかという低レベルな言い争いが・・・
「うーん…」
ようやくアミメキリンが意識を取り戻しそうだったが、いまや誰も気に留めていない。
[これって全員アウトなんじゃ・・・]
白けた口調でアルマーが口を挟むが、
博「いえいえ」
助「誰も悪くなかったと思うのですよ」
ア「たまたま不幸な事故が重なっただけでぇ~」
タ「つまり、みんなシロだろう」
雪「セーフ!セーフ!」
「んな訳ありますか!」

あまりの結論にアミメキリンがツッコむ。
「シロかもしれないけどアウト!
ホワイトアウトよ!」
5話~回収編~に続く
偶然と偶然(?)が折り重なった波状攻撃がヤギを襲ったのだ
不幸な事故だったのだ
ヤギが真犯人だった説もある…w?
ほぼキリンの独り相撲だったという
(そこ!?)
それにしても博士たちとりあえず救護措置しろよ!というツッコミをいれつつ
雪子が犯人じゃなくてヨカッタ・・・
ハクトウワシ犯人説は大外れ!
キレイにオチが決まったところでまだ続きがある!?
いつもながらにすごいボリュームなのだ
こうして雪子の出オチバラシによる伏線は回収されたのであった・・・
ーで終わらないのが本作。
どんでん返しが待っている…?
マンガと違って文字のみだとどうしても物量がね・・・
ダブルスフィア×時短探偵・雪子 伏線回収系推理SS
【ホワイトアウト】
「シロかもしれないけどアウト!
ホワイトアウトよ!」
一度は勢いでそう言い放ったアミメキリンだったが、
「今回の事件は悪意があったわけでも故意でもありませんし。
なにより皆さん、反省もしているようですから・・・」
落ち着きを取り戻したアミメキリンは、すべてを水に流すことにしたのだった。
アルマー
「大岡裁きだね。 でも良かったの? それで」
アミメ
「私まで疑われていたことは心外ではありますが・・・」
センちゃんは気まずそうに顔を逸らす。
アミメ
「どなたかの科白(せりふ)にありましたが、たまたま事故が重なっただけだと思いますんで・・・」
一同の顔には安堵の色が浮かんでいた。
「・・・ねえ。
読者の中にはも薄々気付いた人もいるかもしれないんだけど・・・」
張り詰めていた空気が和らぎつつある中、1人神妙な顔をしながらアルマーが口を開く
「どうしました?」
センちゃんも、そのただならぬ気配を察し耳を傾ける。
アルマー
「今回の話って『白』多くない?」
一同はセルリアンがぽっかーん!を食らったような顔で…
いやつまり、ぽかんとしている。
アミメ
「・・・?
せっかくいい話で締めようと思ってたのになんでそんな茶々を…
って、これでは茶色ですか」
センちゃん
「いえ、アルマーの言う通り、確かに『科白』なんてあまり使わないですよね。
同じ漢字でももっとポピュラーな『台詞』がありますし、
カタカナの『セリフ』でもいいのにわざわざルビまで振って・・・」
「・・・?
私は台本通り喋っただけですが…?」
しかしアミメも違和感を覚え出したのか訝しげな顔になる。
「でも、言われてみて台本を見返してみると・・・
白い目とか、蒼白とか、白目を剥くとか、確かに多いですかね?」
だが、まだ半信半疑な様子だ。
アリツさん
「私に関係することで言うと白酒とか白桃ジャパリまん、とかですかぁ?
今日はひな祭りなんで特段おかしいことだとは思いませんでしたけどぉ」
「その日付設定もそもそも仕組まれたものだったとすればどうだい?」
タイリク先生は創作者目線で鋭い指摘を入れる。
助手
「ハクトウワシも白桃ジャパリまんと掛けただけのダジャレだと思ってましたが、
漢字で書くと『白』頭鷲ですしね」
アルマー
「ちょっと見て!」
一同の目が差し出された台本に注目する。
「ここに『白』に関連する言葉に背景色が付いてるんだけど、かなりの数あるよ!?」
センちゃん
「・・・なんですか、これは!?」
博士
「遡ってみると、そもそもこの事件の始まりはアミメキリンが『白紙』を持って倒れてるところから・・・
いや、もっと・・・・・・!?
って、タイトルからして『ホワイトアウト』じゃないですか!」
「・・・ホンマや!」
一同は雪子のボケを合図に、まるで新喜劇のように盛大にズッコケた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
博士
「やれやれ」
助手
「とんだ騒動に巻き込まれてしまったものです。
原稿も上がってないことですし、帰るとしますか」
アミメキリン
「何を言ってるんですか!
こうなったら徹夜ででも原稿を手伝ってもらいますよ!
マンガの作業工程というものはやることが目白押しなんですから
アルマー
「でもアイデアは全然無いって言ってなかった?」
タイリク先生
「いや・・・今まさに浮かんだ!
今回の事件をネタに再構成すれば面白い作品になりそうだ」
アミメキリン
「ほらほら、そういうことですから手伝ってください」
一同からは一斉にブーイングが起こるが・・・
雪子
「私のホワイトアウトの効果は12時間持続といったじゃないですか
どうせ朝6:00までは出られませんよ」
一同の間にはあきらめムードが漂う
アリツさん
「じゃあその前にお夜食にしましょうか」
一転、一同が湧き立つ。
アリツさん
「ーというわけですから博士さん、助手さん、ジャパリまんを出してください」
博士
「むむ…誤魔化せませんでしたか・・・」
この期に及んで独り・・・二人占めするつもりだったらしい。
助手
「私たちもれっきと宿泊客。
食べる権利はあるはずですよ」
「あなた方の分はあなた方の分け前として除いてもらって構いません。
ですから残りを出してください」
アリツさんはアミメキリンの決定を尊重し、感情に流されることなく。
それでいて正当な主張は通す。
博士「分かったのです」
助手「仕方ないのです」
雪子
「あ、私は遠慮します。
正規の手続きを経ていない飛び込み客なので」
(当然、頭数にも入ってないだろうし)
「でも・・・」
博士たちからジャパリまんを受け取りながらアリツさんは提案する。
「でしたら私の分を…」
タイリク先生
「その必要はないよ」
「ん?」
センちゃんはフレンズとジャパリまんをそれぞれ指差し確認しながら指摘する。
「足りてますけど…」
この場に居るのは博士、助手、センちゃん、アルマー、タイリク先生、アミメキリン、アリツさん
・・・そして雪子の8人
一方のジャパリまんは・・・数えてみると確かに8つある
アリツさん
「あら? 数は丁度しか頼んでなかったはずですけど・・・注文を間違えたのかしらぁ」
不思議がるアリツさんを尻目にタイリク先生がキメ顔で語りかける。
「やはり物語のラストというのは『大団円』・・・丸く収めないとね。
そうは思わないかい、ダブルスフィアのお2人さん?」
アルマー
(なんか台本から外れ出した…?)
突然スポットライトを当てられて戸惑う2人と、
そのリアクションを楽しそうに眺めるタイリク先生。
悪い顔をしている。
センちゃん
「・・・!
まさか『丸いもの』にも伏線があったとか・・・!?」
とっさに機転を利かしたセンちゃんがなんとか返す。
タイリク
「いや、無かったはずだよ?」
タイリク先生はあっさり否定する。
台本を見返しても確かに無い。
しいて言うなら句点(文末の『。』)ぐらいだが、これは伏線とは言わない。
センちゃん
「じゃあ、これからまた始まるとか?」
タイリク先生
「いや、あと少しでこの物語も終わってしまうよ、ほら」
タイリク先生は『何か』を待っているような口ぶりだ。
センちゃん
「だったら伏線とは言わないんじゃないですか?」
タイリク先生
「知ってるよ。
私だって創作者の端くれだからね」
センちゃん
「だったらなんでこんな茶番を?」
タイリク先生
「最後だからちょっとアドリブをカマしてみようと思ってね」
アルマー
「台本に無いこと急(球)に振られても困る(こまる)よ!」
キレイにオチたのを確認するとタイリク先生は満足げにうなずく。
そうして、ろっじアリツカを舞台にした物語は幕を下ろしたのだった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~後日談~
彼女らの作業は夜が白むまで続き、
ホワイトアウトの効力が切れた頃、無事にマンガは完成した。
(イラスト:よしゆきよしぞう さん)
タイリク先生
「お疲れさん、有能なマネージャーくん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
のちに舞台化されたこの作品は評判が評判を呼び、千秋楽を迎える頃には
プラチナチケットにまでなったという・・・
(白金)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【ホワイトアウト~舞台版~】
[キャスト]
センちゃん(探偵)・・・・・・・・・・・・オオセンザンコウ(ダブルスフィア)
アルマー (探偵)・・・・・・・・・・・・オオアルマジロ (ダブルスフィア)
アリツさん(ろっじアリツカオーナー)・・・アリツカゲラ
ハクトウワシ(ジャパリまん配達業)・・・・ハクトウワシ
タイリク先生(マンガ家)・・・・・・・・・タイリクオオカミ
アミメキリン(マネージャー)・・・・・・・アミメキリン
博士(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・アフリカオオコノハズク
助手(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・ワシミミズク
雪子(時短探偵)・・・・・・・・・・・・・雪子(友情出演)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[スタッフ(裏方)]
照明・小道具・演出・・・・・・・・・・・・ハクトウワシ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[製作]
原作 :タイリクオオカミ
脚本 :愛知
舞台監督:タイリクオオカミ
すぺしゃるさんくす:ツッコミ隊長さん
時短探偵~登場編~
パンダデカ編
VS怪盗編
ーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーー
カーテンコール
めでたしめでたしなのだ
白でまとめられたギャグサスペンスという新ジャンルなのだ!
雪子の分もジャパまんがあってヨカッタ
波乱万丈なストーリーでかつけもフレらしい
実に読み応えがありました
雪子起用してくれてありがとうなのだ
完結おつかれさまでした
「白」は漫才師ナイツさんの「赤と白」を参考にさせてもらいました。
ですが、伏線を複線走らせたのは初の試みです。
おかげで読むのが複雑になってしまったかも…(書くのもですがw)
前回(・・・はヨカレが主役でしたが)、前々回(ちょい役w)と
雪子ちゃんを起用させてもらってますが、
それだけ魅力的なキャラだということで、
それを生み出したツッコミさんは胸を張っていいと思いますよ。
その魅力についてSS3話分くらい書いてもいいんですが、
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
シビレ隊長が妬きそうなので割愛しますw
ツッコミさんも体には気を付けて創作活動、ガンバッてくださいm(ーー)m
(もうちょいでコメント数2000か・・・)
長編お疲れ様でしたのだ
白圧の強いお話だったのだ
白身迫真の演技、お楽しみ頂けたのなら幸いですm(ーー)m