「速報です…
先程、包囲中の井岡山空港が解放されたことが発表…
チェコ陸軍はこれに乗じ、内陸部での本格攻勢を開始…」
輸送ヘリの中で、指揮官のヴァレンティン・バルチーク中佐は
現在の戦況を盛んに宣伝しているニュース番組を聞いていた。
下を見ると、荒廃した街並みの中を兵士が歌いながらゆっくりと歩き続けている。
中佐はいつの間にか、この戦争のことを最初から思い出し始めていた。
「We play fair and we work hard and we're in harmony」
(公平に遊んで頑張って平和でいるよ)
「M-I-C-K-E-Y M-O-U-S-E」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Mickey Mouse」
「Mickey Mouse!」
「Forever let us hold our banner high」
(永遠に旗を高く掲げよう)
「High, High, High!」
(高く、高く、高く!)
チェコ軍は湾岸部から内陸部へと、着実に進み続けている。
しかし、最後まで進んだとして果たして勝てるのだろうか?
再び制圧したとして、また今回のような事が起こってしまうのではないか?
「Boys and girls from far and near you're welcome as can be」
(あちらこちらの子供たち、できるだけ歓迎する)
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
「Who's the leader of the club that's made for you and me?」
(あなたと私のために作られたクラブのリーダーは誰だ?)
「M-I-C-K-E-Y-M-O-U-S-E」
だが、我々は敵に確実に思い知らせている。
我らがチェコ陸軍に歯向かった者たちは、
抵抗の甲斐なく粉砕されるだけだと。