「畜生!気づかれた!」
「大隊長に連絡しろ、急げ!
いいか、絶対に撃つなよ!」
無線を構えながら分隊長が叫ぶ。
エンジンの騒音が幸いして、
敵には気づかれていない様子だった。
…ただし、こちらも大声で叫ぶ必要があるが。
「銃片付けろ、、見つかると厄介だぞ!
憲兵が来る前に退散する!」
「了解!」
会話をする間にも、ヘリは急速に近づいてくる。
…やかましい曲を大音量で流しながら。
奴ら、完全にこちらをナメていやがる。
「……畜生!」
部隊の1人が緊張に耐えられなくなり、
素早く突撃銃を構えた。
「馬鹿野郎! 撃つな!」
…分隊長の静止むなしく、アサルトライフルが撃たれる。
銃口から放たれた30発の5.56x45mm弾が高速でコックピットに向けて飛んでいったが、
運悪く全てが外れるか、あるいは跳ね返された。
「こちらヴィクター1、奴ら撃ってきたぞ! 反撃する!」
「撃て! ASAP!」(as soon as possible、「なるべく早く」の意)
……今度はこっちの番だ!
射撃ボタンをほんの少しだけ押した。
20mm機関砲が短く火を噴き、ビルの上にいた数名を蒸発させる。
建物の被害は最小限に抑えたつもりだったが、
それでも小規模な被害は避けられなかった。
…奥から残っていたらしい2人の敵兵が出てきた。
どちらも戦闘する気はないらしく。両方とも手を上げて投降している。
「どうする?撃っちまうか?」
「やめろよ。 メディアが知ったら酷い目に遭うぜ。」
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