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『こんばんは、ルェンさん』
「実験は今朝済ませただろう...」
『えぇ、それとはまた別件の用事です』
「今度は私に何をさせようというんだ?」
『編み棒と毛糸を持ってきました。今日は一緒に編み物をしましょう』
▶ ▶ ▶ ▶ ▶
『そこ、少し絡まっていますよ』
「...、どうすれば良い?」
『コツがあります。ほんの少しの間お貸し頂いても?』
◀ ◀ ◀ ◀ ◀
『出来ました』
「早いな、私はまだ半分もできていない」
『私の場合、腕前の経緯については少々特殊な面があるので。単純には比較できませんよ』
「そういうものか」
『えぇ。初めてでここまで出来ているのですから...、大したものです。そうそう...、』
『『コレ』は貴女に差し上げます』
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『こんにちは。ルェンさん』
「拘束具、猿轡は無し...。今日は何の用?」
『えぇ、折り入って貴女にご相談がございまして』
「相談?」
『そうです、相談です』
「内容によるかな...」
『貴女が気に入るかどうかは分かりませんが...、どうでしょう。貴女の記憶と人格の再現に必要な電気信号の逆算解析に多少時間は必要ですが、新しいボディを繕って差し上げますので...』
『貴女の身体を譲って頂けませんか?』
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