森の上を高速で飛行していると、下に展開している友軍が段々と見えてきた。
どうやら、高地に敷設されている敵の火力支援基地を攻撃しているらしい。
森の中に偽装して隠されている迫撃砲や軽榴弾砲が敵陣地に盛んに砲弾を撃ち込み、
歩兵とそれを支援する歩兵戦闘車が塹壕に突っ込んでいる。
一方で、敵側は歩兵群を食い止めるべく榴弾砲や重機関銃を撃ちまくっており、
最前線では歩兵が塹壕やタコツボに籠って抗戦している。
ざっと見た感じ、戦況は味方側がやや優勢だろうか…
そんなことを考えていると、すぐに味方から無線が入ってきた。
「こちらタンゴ7-2! 敵のAPCに足止めを食らってる、援護を頼む!
指揮官はすでに戦死した!」
「了解! すぐに攻撃する!」
MANPADSを避けるために低空で飛行しながら、味方部隊のもとに向かう。
前方にBTR-60PBに似た2台の車両が見えた。 多分あれが目標だろう…。
「イェロニーム、20mmをぶっ放せ! 破壊しろ!」
「了解! ガンズガンズガンズ!」
機首の20㎜機関砲が火を噴いた。
銃弾は薄い装甲を簡単に貫通し、内部の乗員もろとも無力化する。
直後エンジンが火を噴き、即座に弾薬に誘爆。 車体が黒焦げになって吹き飛んだ。
「タンゴ7-2へ! 敵APCを排除した!」
「こちらタンゴ7-2、2両とも撃破を確認した! 感謝する!」
「了解、幸運を祈る! オーバー!」
「脅威はいなくなった、突撃しろ! 突っ込め!」
「おいイェロニーム、下見てみろよ。凄いことになってるぞ」
地上では、ライフルに銃剣を取り付けた兵士が次々と塹壕に突っ込んで白兵戦を繰り広げている。
まるで第一次世界大戦だ…。
続いて、即座に次の支援要請が入ってきた。
「ブラックベル1-1へ、こちらフォックスロット5-1! 援護を求む!」
「了解、すぐに行く! 待ってろ!」
また下を見ると、一個分隊ぐらいの兵士が塹壕に籠って、小隊規模の敵兵の反撃を阻止していた。
今すぐ援護しなきゃ、すぐに部隊は壊滅するな…。
「ブラックベル1-1よりフォックスロット5-1へ、これよりロケット弾を投射する! 頭を下げてろ!」
「こちらフォックスロット5-1、了解した! …全員頭を下げろ! 死ぬぞ!」
「敵兵に横から突っ込むぞ! 遠慮せず撃ちまくれ!」
「了解!」
敵兵に向かって、横から高速で突っ込む。
まず57mmロケット弾が発射され、遮蔽物もろとも進路上にいる敵兵を吹き飛ばしていく。
続いて20mm機関砲が地面を掃射し、逃げ惑う残存兵をなぎ倒した。
「ブラックベル1-1よりフォックスロット5-1へ、攻撃完了! 次に移る!」
「フォックスロット5-1、了解! 通信終了!」