…凄まじい銃撃音の中で、徐々に意識がはっきりとしてきた。
自分はどうやら仲間に助け出され、逃走している最中らしい…。
周りを見回してみると、まず運転中のガルタと、交戦しているほかのメンバーも見えた。
…そして、上空を飛んでいる1機の大型ヘリも。
操縦席の横には、盾の中に1頭の龍が描かれたマークが小さく書かれている。
どこかで見た覚えがあったが、全く思い出せない…。
「おい! あのヘリ、そのまま近づいてきてるぞ!」
そのままヘリはゆっくりとこちらにスピードを合わせ、少しずつ追い抜いてくる。
…ヘリが車を追い抜いた瞬間、ハスが大声で警告した。
「カーゴランプに銃座が付いてる!
このままじゃ運転席を撃たれるぞ!」
瞬間的に銃座を見る。
…その時。カーゴランプに座っている女性を見て、一瞬で記憶が蘇った。
確か、記憶が正しければエミリーの軍服に同じマークがついていた… エミリー!?
…12.7㎜機銃の銃口が、嫌と言うほど鮮明に見えた。
直後に銃撃音が響き、運転席に大量の銃弾が飛んでくる。
フロントガラスが砕け散ると同時にガルタが被弾し、そのまま車外に投げ出された。
たった30秒足らずだったが、まるで1時間ほどの出来事のように思える…。
だが、そんなことを考えている余裕はなかった。
助手席からハンドルをつかみ、必死に車を制御する。
ハスが必死に叫んでいる。
「ガルタ! ガルタ!」
「助けるのは無理だ! 俺たちも捕まる!」
バンパーはそう言うと、そのまま運転席に乗り込みさらに車のスピードを上げた。
果たして、このまま逃げ切れるだろうか…
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