本資料を読んでいただければ、この新型主力戦車が決して対処不可能の怪物などではなく単なる工業製品であるということをご理解頂けると思います。
アルゴン第三帝国にて当時運用されていた6号主力戦車(レオパルトⅡ)に、当時開発された新機能(
7号主力戦車は突き詰めたところで6号主力戦車へ突貫的な改造を加えたものでしかなく、整備性、生産性、その他剛性共に多くの問題点を抱えており、ラインメタル仕様の7号主力戦車にて多少改善されたとはいえ、その設計不良は色濃く残るものでした。
改造品としての7号主力戦車ではなく完成品としての7号主力戦車の開発プロジェクトがスタートし、8号主力戦車(ケー二ヒス・ティーガー)が開発されました。新規設計により一回り小さく纏まった車体にそれに伴った優秀な機動力、油気圧サスによる高精度の砲撃能力と新開発のコイルカノンによる長射程を誇る小さな虎の王は瞬く間に我らが総統閣下にも気に入られ、幾度となく行われた実地テストをえて正式に採用配備がなされました...。
配備開始から18ヶ月後、配備先の部隊からまさかの報告が...。
・コイルカンノン使用時に装甲硬化効率が35%低下することが判明(電流計の配線ミスにより評価試験中誰一人として気がつくことがなかった&対弾試験は装甲材のみで行われた為)
・小さくまとめすぎたことにより、各部剛性が低下(理論上問題のなかった部分に置いても、数ヶ月の試験では見通すことの出来なかった脆弱性が1年数ヶ月の配備を通して露呈)
これら要因により全車両中の6割5分が何らかの機械的トラブルを抱えており、1年と半年が経たない内に稼働困難という状態に...。その一報は総統閣下の耳にも届き、8号主力戦車は即刻生産中止とされました。
8号主力戦車の生産中止に伴い新たな主力戦車の開発を迫られたアルゴン第三帝国。あーでもないこーでもないと考えている内に冷戦が勃発。これにより新型主力戦車へ求められる性能もまた従来の物とは異なったものとなりました。
・設計は7号主力戦車を再設計したものとする。
・『凍土』や『雪原』『泥地』そして『砂地』『急勾配』を踏破するための高い走破性能。
将来的にリバティニア、グラトス、ファントム、ガルダンへと侵攻することとなった際に備え、あらゆる地形を走破することの出来るMBTとして9号主力戦車が開発されました。
こうして開発された『敵国土侵攻用主力戦車』アトラス。基礎設計こそ7号のものではあるが、その実態はほとんど別物と言っても過言ではなかった。
・後付けによる設計不良が改善され、整備性、生産性、剛性等々の面で大幅に改善された。
・車体シャーシを数パーセント延長。
・サスペンションをシンプルなトーションバーサスペンションへと置き換え機械的信頼性を向上させた(ついでに車体もやや薄くなった)
・エンジンをより強力な2300馬力のものへ(補助エンジンも220馬力のものを搭載)
・無理な駆動に耐えるべく、足回りをCNT等で補強(コイツだけのせいとはいいませんが、ここで結構生産費を食っています)
・砲は改良型の130mmコイルカノンを搭載(戦略砲弾投射等に用いる技術を転用して作られました)
・第2世代 爆発反応装甲を装備(分子硬化性複合装甲は炭化ホウ素をアルミナ素子と結合させている分、非硬化時の防御性能においては通常の複合装甲に劣るため、その弱点を補うべく爆発反応装甲が装備されました)
こんなものを2000両も3000両も量産していては、党幹部全員がもやし生活をしたところで費用を賄うことなどできるはずがありません。そこで『敵国土侵攻用』の戦車とは他に、安価かつそこそこの性能を持った『防衛用』主力戦車の開発が求められました。
そこで地形走破能力の基準値を前基準に戻し、アルゴン第三帝国本土の全地域に配備することの出来る安価かつそこそこ強い、かつ従来の生産設備を流用することの出来る7号と9号のハイローミックスともいうべき主力戦車の開発が求められました。
そうして生まれたのが10号主力戦車『トリエルグル』です。
『10号主力戦車トリエグル』
主砲:55口径135mm滑腔砲
その他武装:
・SACLOS式対戦車ミサイル×4
・30mmFlak15×1
・20mmFlak19×1
・MG3×1
・MG33(M2ブローニング)×1
・使い捨てUAV×4
・トロフィー、スモーク、デコイ、チャフ多数
装甲:
・分子硬化性複合装甲
・非爆発性反応装甲
・多重空間装甲
・第2世代 爆発反応装甲コンタークト5モドキ(RHA換算250mm)
・ショト装甲
砲塔非硬化時:
・車長側590mm
・砲手側550+400mm
車体非硬化時:
・上部400mm
・下部200mm
砲塔硬化時:
・車長側885mm
・砲手側825+600mm
車体硬化時:
・上部600mm
・下部300mm
(装甲レイアウト、複合装甲強度等は惑星のレオパルトⅡを参考にしています)
特有のシステム:
・射撃補助システムSamiel
・衛星リンク式照準・索敵システム
(なお、10号主力戦車からはレドームの搭載は指揮車のみとすることにより重量軽減、整備性、生産性の向上。コストの削減等に成功しました)
材質的特徴:本国仕様のものとおともナチ仕様(ウク、チェコ、スロ)があり、本国仕様のものはチタン合金が多用されている。
重量:
「本国仕様」51.5t
「おともナチ仕様」54.2t
最高速度:
・整地75km
・不整地64km
砲塔旋回:
「本国仕様」43°毎秒
「おともナチ仕様」35°毎秒
俯/仰:-10/20°
スタビライザー:二軸/維持速度75km
装填時間:5秒
足回り:
・ターボチャージドディーゼルエンジン(2000hp)+補助エンジン(150hp)
・油気圧式サス
配備数:
・本国1000両(8号を徐々に退役させ、9号の生産数も300両程キャンセル)
・チェコ600両
・スロバキア700両
・ウクライナ800両
追記:これら旧東側諸国の使っていた『ティー』の一族はアルゴン風アレンジを加えた上で、キューバ、ハイチ、サウジ(予定)自治軍へと配備する予定です。
7号主力戦車『レーヴェ(ラインメタル仕様)』をベースに再設計を行ない、9号主力戦車『アトラス』の複合装甲モジュールを被せ砲を烈国と共同開発した55口径135mm滑腔砲へと換装した物(今回、コイルカノンの搭載を見送った理由は初速2000m/sを超えた辺りからの貫徹力の伸びが悪く、整備性、生産性を悪化させてまで搭載する理由を見出すことが出来なかったからです)