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知佳の美貌録 更新情報

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【知佳の美貌録】高原ホテル別版 艶本「知佳」
このブログの更新情報をお伝えします。

知佳
作成: 2023/10/11 (水) 10:59:13
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知佳 2024/05/09 (木) 18:26:44 81fd1@909a7

四畳半での謝礼 ~放浪癖~

 夫の畠山和義が妻の紫野に対し、ああしろこうしろと命じたわけではない。 畠山紫野、があかりという偽名を使ってまでも、さも夫に命じられたかの如く彷徨い歩かねばならなかった理由こそが母の生きざまを見たからだと言えなくもない。

 もうひとつ理由があるとすればそれは、夫の和義の性格・性癖かもしれない。

 わざわざ近所中に知れ渡るように妻を、深夜の浴室で犯しまくる。 あの母に育ててもらった以上、どんなに賢い女性として生きようと努力したとしても、それをサポートする立場にある夫が歪んでいたのでは立ち直ろうとしても立ち直れない。

 たまたまだが、歪んだ人生を送る誰かに出会ったのだろう。 彼女としてはそれを良しとしなかったのだろう。 その歪みの現況を突き止め、自分が正してあげようと思い立ったとこからして泥沼の入り口、罠だった。

 もっと他に理由があったであろうはずなのに、当時の彼女は完全に夫に支配されていて、やることなすこと全て夫がらみの罪悪だと決めつけ、それが夫に助けになると信じ、見えない敵を追い始めた。

 畠山和義は諸悪の根源のような漢だが、その彼に家族に渡すべくお金をすべて持って犯人を追うというスタイルを教え込んだのは誰あろう、三郎 つまりあかりの父なのだ。
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知佳 2024/05/10 (金) 13:04:09 17938@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第七話 「はまぐり啜陰(せついん)」 Shyrock作

 筆の先端が容赦なく秘所と菊門をくすぐる。

「ひ、ひぃっ!……だんさん、許して…ください……あぁっ、いやっ!」

 くすぐったさとむず痒さが混在したような奇妙な感覚がありさを困惑させる。
 それはありさが初めて味わう未知の感覚だった。
 ありさの苦悶する様子に愉悦の笑みを浮かべながら、九左衛門は丹念に筆を操る。
 筆の先端は肉芽を旋回し、陰裂を上下に往来し、菊門の皺の一本一本までもなぞっていく。

「ひぃ~~~~~!」

 突然脳天まで電撃のような衝撃が走り、ありさは上体を弓なりに反らせた。

「ほう?気持ちええんか?」
「はぁはぁはぁ……」
「それともこそばいんか?どっちやねん?」
「くすぐったいです……」

 九左衛門は一旦筆を置くと、恥丘から陰部にかけてわずかに茂るまだ薄く柔らかな若草を撫でながらつぶやいた。

「ありさ、毎晩ここを自分でいろて愉しんでるんか?」
「……」

 顔をそむける。

「答えられへんのか?」
「そんなこと……し、したことありません」 
「ほんまか?ほんとは一人でぐちょぐちょとこすってるんやろ?」
「本当にしたことありません」
「そうか。仮に嘘を言うてたとしても、この後のおまえの反応でどっちみち分かるさかいにな」

 そうつぶやくと、九左衛門は大陰唇に指をあてがいそっと左右に広げた。
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知佳 2024/05/10 (金) 20:51:31 17938@909a7

四畳半での謝礼 ~失ったものの大切さ~

 畠山紫野は何度も自宅に舞い戻っていた。 夫の和義から何か連絡が入ってないかと確かめに。 が、その都度失望させられた。

 女と違い男は、一旦こうと決め飛び出したら、目的を果たさないまま帰るなどということは滅多にない。 目的を持った瞬間からはるか彼方を見てしまうからだ。

 あかりも見果てぬ夢を追ってるようでそこは女。 忘れ去られてしまわないか心配になり幾度も、四畳半におばちゃんに見つからないよう物陰に隠れながら立ち寄った。 

 四畳半からも哲也からも、いや、この界隈からも美香の気配が消えたことを確かめた上で、舞い戻っている。 美香がいなくなれば入り込む余地があるからだ。

 紫野が立ち寄った畠山邸のポストには、夫の所業を示す数々の請求書と不在通知書が溜まっていたものの、玄関も部屋も彼女が出て行った当時のまま、何も変わっていなかった。

 職業柄、妻が今どこで何をしているか常にアンテナを張っているだろうから当然、感づいている…はずなのだが…。 だからこそ勝手にお金を借りまくるような阿漕なことだってできたのだろう。 まさしく躰を張って払えということなんだろう。

 それらを目の当たりにした瞬間、紫野ならぬあかりは怒り心頭四畳半に取って返している。
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知佳 2024/05/11 (土) 10:16:07 4e0d7@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第八話 「未通の秘孔」 Shyrock作

 九左衛門に一喝され、ありさは泣きべそをかきながら小さく口を開いた。  それでもまだ自ら咥えようとしないありさに、業を煮やした九左衛門は一気に怒張した肉棒を押し込んできた。

「んぐぐっ……!」

 ありさはその大きさに仰天した。
 こんなに大きな物だったろうか。
 幼いころ村の少年が立ち小 便をしているところを偶然見てしまったことがあったのだが、ありさの記憶ではもっと小さかった。
 九左衛門のそれは、その少年の二倍以上あったのだ。
 性経験がなく勃起した男性器を見るのも初めてだったので、ありさにとっては戸惑いと驚きしかなかった。
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「おい!もっと舌をつこうてちゃんとしゃぶらんかい!」

 あれこれと注文をつける九左衛門だが、案外気持ちがよいのか「ふっ」と息を漏らしている。
 大きな物を口一杯に押し込まれえづきそうになるありさに、さらに九左衛門の濃い陰毛が鼻をくすぐるという不快感が襲った。
 そんなこともお構いなしに九左衛門は、まるで性交しているかのように腰を突き出し肉棒を出し入れしてくる。

 ありさは涙を流しつつ肉棒にしゃぶりついた。

「よっしゃ、その調子や」

 ありさは指示されたとおり口内で肉棒に舌を絡ませる。
 刺激を受けた肉棒は一段と硬さを増していく。
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知佳 2024/05/11 (土) 16:31:33 c5611@909a7

拐かし (かどわかし) 第一話

 俄か船頭の忠八が全身汗みずくになって舟を漕いでいた。

 荷舟が引き起こす波紋で、横川に映った月影が揺れ、砕けた。

 東岸は武家屋敷が立ち並んでいるため、日が暮れると森閑としている。 西岸は本所長崎町の町家だが、町並みは既に寝静まっていた。
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 何処かで犬が遠吠えし、それに呼応するように、また別のところでも犬が吠えた。

「長崎橋の下をくぐったぜ」
荒い息を吐き、滝のように流れる汗を袖口で拭きながら、忠八が誰ともなしに告げる。

 手拭いで頬被りし、老けたなりはしてはいるが、年の頃は二十代半ばだった。 頬骨が張り、小鼻が横に広い。 汗で濡れた顔は疲れからか、どことなく青ざめていた。
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 舟の中ほどに荷物らしきものが積まれており、蓆が掛けられていた。 忠八の声に応じるようにその蓆が動き、下から羽織姿の武者が現れた。 名は孫兵衛、年齢は三十を超えたばかり。 額が広く、鼻梁が高い。 唇を固く引き結んでいた。

 櫓から棹に切り替えた忠八は、ややぎこちない動作ながら慎重に舟を河岸場に寄せていこうとした。 が、舟は川面を滑っていた勢いそままドシンと音を立て岸辺にぶち当たった。

「おお~っと、 気を付けろい」
威厳を正さねばならない孫兵衛であったが、慌てて舟縁を掴み、川に落ちそうになる躰を支えた。

 見れば舟尾の忠八も、孫兵衛と同じように棹に取りついて躰を支えている。

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知佳 2024/05/12 (日) 10:40:51 e4a6f@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第九話 「破瓜の血」 Shyrock作

 肉棒が一気に二寸ほど入り込んだ所で壁のようなものに当たった。  ようやく子宮口に到達したようだ。

「ひぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~~っ!」

 九左衛門が腰を引き、肉棒がわずかに引き抜かれた。
 肉棒が突き刺さり無残に広げられている花弁から、わずかに鮮血が滲み出している。

「ほほう、処女の証か。貫通式は何回味おうてもええもんやな~」

 破瓜の痛みを思いやる言葉もなく、自身の欲望のままに再び腰を突き出しありさを蹂躙し始めた。

「い、いたいっ!」

 ゆっくりとした律動ではあるが、未経験の花弁は肉棒が出入りするたびに激痛が走る。
 まるですりこぎでも挿し込まれているかのような錯覚に陥る。

「ううむ、挿し心地最高や。この締まりたまらんわ」
「ひぃ~~~!いたいっ!もう、もう許してください!」
「何いうてんねん。これからが本番やがな」

 ありさは怯えきった涙目でいやいやと顔を横にふった。
 十六年間守って来た処女を、父親よりの年上の野卑な男に引き裂かれた現実に、目を見開き苦痛と絶望から涙がこぼれる。
 その表情に九左衛門はかつて感じたことがないほどの異様な興奮を覚えた。
 固く濡れていない膣道は、信じられないほどの締めつけで、処女を蹂躙していると強く実感できるが、もし気を抜けば一瞬で果ててしまうかも知れない。
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知佳 2024/05/12 (日) 16:40:15 e4a6f@909a7

拐かし (かどわかし) 第二話

 目的地に着くや否や辺りを窺がったが、通りに人影はなかった。 天辺に煌々と月が輝いているだけに、建物の陰になった闇は濃い。

 孫兵衛はおもむろに懐から御高祖頭巾を取り出すと、頭からすっぽりと被った。 鐘の音が止むのを待って山鹿屋の前に立った。

 通りに面した二階建てとはいえ山鹿屋は、建物の陰同様真っ暗で、静まり返っていた。 主一家も、むろん住み込みの奉公人もみな、熟睡してるに違いない。

 拳を固め、孫兵衛は閉じられていた表戸をドンドンと叩いた。 しばらく間を置き、またドンドンと叩く。 中からは何の返事もないが、執拗に叩き続けた。

 ようやく、表戸の内側辺りでかすかながら足音がした。 奉公人の独りが渋々、起き出してきたようだ。 待つことしばらく

「何処のどなた様でございますか。 ご用は、明朝にお願いいたします」
用向きを伺おうともせず断りの言葉を発した。 その声には迷惑は元より、かすかな怯えも感じ取れた。

「ご子息の新次郎殿のことで参った。 危急の用じゃ。 主殿にお目にかかりたい」
恐らく耳をそばだてて、立ち去るのを待っているだろうと知った上でまくしたてた。

「えっ、 若旦那様のことでございますか。 どちら様でしょうか」
要件が分かってなお、戸を開けようとしない。

「主殿にしか申し上げられぬ」
その後、何度身元を尋ねられても、孫兵衛は応えることなく、ただ頑なに山鹿屋の主殿に会いたいと言い張った。
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知佳 2024/05/13 (月) 11:01:16 8a646@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十話 「悲愁の夜明け」 Shyrock作

「いやぁ~~~~~~~~~~!」

 ありさの身体が前後に揺れる度に、まだ小ぶりだが美しい乳房と、ほっそりとした腰付きには少し不似合いなふくよかな双臀が大きく揺れ動いた。

「ええケツしとるなあ!こらたまらんわ~!」
「いやぁ……いやですっ……抜いてぇ……抜いてください!」
 
 九左衛門が腰を打ち付け、吊るされて支えのない肉体が前後に大きく揺れる様は、邪淫でなまめかしい光景を醸し出していた。

(ズンズンズンズン!ズンズンズンズン!)
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「いたい!ひぃ~~~!」
「うんうんうん!ふんふんふん!ええ締まりしとるで~~~!」
「やっ、やめてっ!お願いです!」
「うおおおおおおお!」 

 ありさの訴えには耳を貸さず、凄まじい破瓜の感覚に溺れる九左衛門は思わず雄たけびをあげた。
 しかし、射精だけは懸命に堪えている。
 ありさの処女を味わい尽くそうとしていた。
 射精など二の次なのだ。
 九左衛門がありさの身体から肉棒を引き抜き、もう一度、背後から貫いていく。

(ズズズッ!ズブズブズブ……!)

「い、いやぁ~~~!やめてぇ~~~!」
「おっ!締まる!ええぞ!その調子や!」

 九左衛門は締まる快感に酔いしれた。
 あまりの気持ちよさにブルブルと身震いをした。
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知佳 2024/05/13 (月) 18:00:05 8a646@909a7

拐かし (かどわかし) 第三話

 台所口から三和土の様子を窺がってた丁稚小僧のひとりがおずおずと進み出て、手燭の灯りで照らした。

「若旦那がお出かけの際にお履きになっていた草履です」
妻の糸がどんなに言い張ろうが頑なに交渉に応じようとしなかった清兵衛が、ここに来て急に落ち着きを失い震え声で言った。

「でっ、 では、 せ、 せがれは今何処に…」
妻の糸は袂で顔を覆ってる。

「それは申せぬ。 無事に返してほしくば、八百両用意しろ。 お手前の蔵には千両箱が積んであるはずじゃ。 たかだか八百両ぐらい、なんでもあるまい。 二分金や一分金を取りまで、八百両を袋ふたつに詰めて寄越せ。 さすれば、新次郎殿も明日の朝にはこの草履を履いて戻って来る。 くれぐれも自身番には届けるな」

 孫兵衛はきつく言い訊かせたつもりだった。 ところが、
「せ、 せがれの無事を確かめるまでは、鐚一文たりとも渡せませぬ」
ブルブル震えながら言い張った。

 腰に差した刀にチラリと目をやり、孫兵衛は突っぱねた。

「拙者も武士、噓は言わぬ。 刻限は八ツ (午前二時頃) 、長崎橋のたもとに金を持参せい。 独りでは不安であろうから、ふたりまでは認める。
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知佳 2024/05/14 (火) 10:36:23 53f24@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十一話 「男子便所のありさ」 Shyrock作

 雑巾がけが一段落した頃、冷え込みのせいか尿意を催してきたありさは便所へと急いだ。  奉公人用の便所は男女別々になっており、男子用には大便器が二室と小便器が二据あり、女子用には大便器が二室あった。  あいにく女子用が二室とも使用中だったので、やむを得ず便所の外で待つことにした。  しかし待っていてもなかなか出てきてくれない。  待っている間にも激しい尿意がありさを襲う。

(うぅぅ……困ったなぁ……漏れそうだよぉ……)

 尿意が次第に強くなり、ありさは懸命に我慢しようとするが、自然にぶるぶると震えたり 膝をさすったりと落ち着きが失われていく。
 ちょうどその時、下女中のふみが現われた。
 
「あれ?ありさ、こんなとこで何してるん?もしかして便所空いてないのん?」
「はい、女子便所が空いてなくて……」

 便所の前でそわそわしている様子を見れば、明らかにありさが尿意を催して困っていることが分かる。

「それやったら男子便所使わしてもろたらええやん?女便所空いてないんやし、しゃあないやん」
「は…はい!そうします!」

 尿意に身をよじるありさにとっては、ふみの言葉は天の助けに思えた。
 早速あわただしく男子便所へと駆け込んだありさだったが、やはり男性の存在が気になる。
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知佳 2024/05/14 (火) 19:21:30 0a8fc@909a7

拐かし (かどわかし) 第四話

 孫兵衛はいま、吉原の海老屋という妓楼で若い者をしていた。

 元々は本所三笠町の、材木を扱うかなり大店の息子として生まれ、ゆくゆくは店を継ぐはずだった。

 妓楼の若い者に身を堕としてしまったのは、父の大黒屋右衛門が商売に失敗し、多額の借金を負い、店を潰してしまったからだ。

 そうなるよう仕向け、尚且つ追い込んだのが、ほかならぬ山鹿屋清兵衛だった。
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むろん、商売とは競うことで成り立つ。 それらの才覚で敗れたのなら仕方がない。 だが、山鹿屋清兵衛のやり方はあまりにも悪辣だった。

 大黒屋は当時、本所一帯の武家屋敷も得意先のひとつであり、町民も含めかなり手広く商売をしていた。 その得意先を、新参の山鹿屋清兵衛が次々に奪っていった。

 江戸はたびたび大火に見舞われた。 その焼け出された土地を火除地にすることで延焼を防ごうと幕府は取り決めたがしかし、その一方で焼け出された人々に救の手を差し伸べねばならなかった。

 広小路と称された焼け出された人々がもともと住んでいた土地に長屋を建て住まわせる。 これらを取り仕切っていた武家に山鹿屋清兵衛は賂を渡し工事を請け負うと、二束三文の材木 (今でいうところの間伐材や廃材) を、それに当てた。

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知佳 2024/05/15 (水) 10:44:05 f50d2@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十二話 「ふみの密告」 Shyrock作

「誰もおりまへんで」 「ふうむ……利松、戸を開けてみぃ」 「えっ?わてが……開けるんでっか?」 「そらそうや」 「へぇ……せやけどなんか気色悪いなあ……」

 利松はおそるおそる開き戸の取っ手をつかんだ。
 一方、息を潜め裾をからげた姿で屈んでいたありさは、外の異様な気配に気づきにわかに焦り出した。

(あぁ、どうしよう……早く着物を戻さなければ……)

 用を足したあとは、立ち上がって、腰巻、肌襦袢、着物の順に下ろさなければならない。
 しかし今着衣を直している暇がない。
 そうこうしているうちに、便所の戸が開けられた。

「きゃぁぁぁぁぁっ!」
「う、うそやろっ!?」
「あわわわわわっ!」
 
 庄吉と利松が見たものは、扉側に背を向け便器にまたがっているありさの恥ずかしい姿であった。
 着物の裾をからげた状態なので当然尻が丸出しだ。
 ありさは羞恥と驚きで顔を真っ赤にさせている。
 しかしありさ以上に驚いたのは庄吉と利松であった。
 若い利松にいたっては今にも腰を抜かしそうになっている。

「な、なんで、ありさが男便所におるんや!?」
「ケ、ケツが丸見えやないか……」
「ごめんなさい!女子便所がいっぱいだったので、仕方なく男子便所を使わせてもらってたんです!」
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知佳 2024/05/15 (水) 17:43:00 011ab@909a7

拐かし (かどわかし) 第五話

 生活に窮し、右衛門は齢も齢、しかも元は材木問屋の主ということもあり木場には出入りできず、仕方なく寄せ場で畚(もっこ)担ぎをやり、糊口を凌ごうとした。

 先棒を担ぐとよく言うが、重量物による肩の負担が軽い代わりに目先を利かせねばならず、年老いてしかも座しておれば全てがうまく回っていたような環境に長くいたものだから所詮務まらない。

 次第次第に邪魔者扱いされ、行き辛くなって家に籠るようになった。

 孫兵衛も十五歳にもなっており、今更商家の丁稚は務まらず、仕方なしに棒手振りの行商をやったが、これとて材木商を営んでいた時のようなお得意様が、元々あったわけではなかったのでただでさえ稼ぎの少ないこの商売、先達者の縄張りに入り込む隙があるわけなく、しばらくやってはみたものの結果に繋がらず、益々資金繰りに行き詰まり止めざるを得なくなった。

 些細なことであっても諍いが絶えなくなり、それを悔やんで姉の千世は夜の街に立つようになった。

 母の詩織も知ってるはずなのに、ついぞ自分が先に立って夜の街に出かけていくようなことはしなかった。 むしろこうなった原因を作った右衛門をねちねちと責めた。

 吞めなかったはずなのに、愚痴を言っては酒で紛らそうとした。 その酒代を稼ぐため、千世はこれまでにも増して夜の街に立った。
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知佳 2024/05/16 (木) 09:49:43 8ce17@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十三話 「御虎子」 Shyrock作

 それにしても便所での恥ずかしい出来事を、どうして主人の九左衛門が知っているのだろうか。  ありさはふと疑問に思った。  誰が九左衛門に伝えたのだろうか。  最初に思い浮かんだのは、ありさが男子便所を使用時戸を開けた庄吉や利松であったが、彼らが九左衛門に通報したとは考えにくい。  通報しても何も得るところがないからだ。  庄吉と利松を除いて、ありさが男子便所に入ったことを知っている人物と言えばふみだけだが、先輩女中を疑いたくはない。   (誰がだんさんに告げ口したかなんて考えるのはもうよそう。分かったところで仕方がないし……)   ◇◇◇

 奉公人たちの夕食の片付けと大量の洗い物を済ませてると、時計の針はすでに午後九時を五分ほど回っていた。
 
(大変だ、遅れたらだんさんに叱られる。急がなくては)

 ありさは台所から出て急ぎ足で廊下を歩き、九左衛門がいる部屋に向かった。

「だんさん……ありさですけど……遅くなって申し訳ありません……」
「おお、ありさか。はよ入り」

 約束の時刻を過ぎていたので叱られると思い恐る恐る襖を開けたが、意外なことに九左衛門は上機嫌であった。

「そんなとこ立ってんと、はよう中へ入って座んなはれ」
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知佳 2024/05/16 (木) 17:47:36 1da6f@909a7

拐かし (かどわかし) 第六話

 そんなすさんだ生活を送ってるさなか、やくざ者と揉め事を起こした。 連中は必ず大勢で押しかけて来るし、執念深い。

 孫兵衛はほとぼりが冷めるまで吉原に身を隠そうと考え、海老屋に若い者として雇ってもらった。

 十五歳まで商家の跡取り息子として育ち、寺子屋にも通っていたため、きちんと読み書きできるし、算盤も達者だった。

 孫兵衛は海老屋で重宝がられ、今では若い者の筆頭だった。

 楼主の信任も厚く、遊女からは「まごさん」と呼ばれ、何かと頼りにされていた。

 そんなときに、山鹿屋の息子の新次郎が客として現れたのである。

 吉原は上級武士、或いは豪商のような資産家でもない限り高くて上がれない。 下級武士や一般庶民は良くて岡場所、それもかなわないと千世がやっていたような夜鷹を買う。

 その吉原にである。 孫兵衛は女郎屋で遊んだとはいえ、それは岡場所。 吉原には花魁道中を見学したり冷やかしに行くことは出来ても上がるなどということは出来なかった。

 入り浸りなどと格好をつけたところで所詮切見世、良いと襖で仕切られているが、普通なら障子、更に悪くなると衝立で仕切られているところで雑魚寝のようにし済ませた。
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知佳 2024/05/17 (金) 10:06:59 1d6d0@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十四話 「変態九左衛門」 Shyrock作

 九左衛門はありさにランプを近づけ、自身は畳に這いつくばるようにして放 尿の瞬間を待ちわびている。

「だんさん、そんなに覗かないでください……お願いですから向こうに行っててください……」
「あほ。しょん便するだけやったら便所でやったらええやないか。わしに見てもらうために、おまえはここで御虎子をまたいでるんを忘れたらあかんで」
「そんなぁ……」
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 九左衛門の突き刺さるような視線を受けて、なかなか出せなくて放出までに少し時間を要したが、しばらくすると静寂を破る水音とともに股間から黄金色に輝く小水が流れ落ちた。
 放尿の間、ありさは尿道口をじっと見つめる九左衛門から視線を逸らし、身を震わせながら羞恥に耐えるのであった。
 まもなくありさの尿は途切れた。
 ありさはきょろきょろと周囲を見回している。いったい何を探しているのだろうか。
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「あのぅ……ちり紙はありませんか……?」

 小便を済ました後、紙が欲しいのは至極当然のことである。
 ところが……

「ちり紙?そんなもん要らん」
「えっ?……後を……拭きたいんですけど……」
「拭かんでもええ」
「ええっ!?拭かないわけには……」
「わしが口で拭いたるさかいに心配すんな」

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知佳 2024/05/17 (金) 18:01:52 69694@909a7

拐かし (かどわかし) 第七話

 遊女がせがみ、客がつれないこたえを返す。 そんな遊女と客の会話を傍で聞いているうちに、なんとなくお家の様子が分かって来る。

 あるとき、もしかしたらという疑念が起きた。 どうあっても確かめずにおれない。

 新次郎の盃に銚子で酒をそそぎながら、何気ない口調で水を向けた。

「お家のご商売はなんですかい」
「材木屋さ。 もっとも親父は金貸しもやってるがね」
「本所の、長崎橋のあたりとお聞きしましたが…」
「そうさね」
大店の跡取りと名乗ったからだろう。 心なしかふんぞり返った。

「もしかしたら…、 屋号は山鹿屋さんではございませんか」
「なんだい。 おまえ、どうしてそんなこと知ってるんだい」
孫右衛門はここぞとばかりにかしこまってこたえた。

「へっへっへ、なにね。 以前、別な商売をやってたときに、お声かけ頂き、お買い上げいただいたことがございます。 確か立派なお店だったと覚えておりますが。 そうそう、ええっと…。 たしか、旦那は…」
そこから先はとぼけた。

 女郎を買おうかという歳になって、いまだに泊まりはどうのと口出しをする。 さぞかし父親を嫌ってるに違いないと思われたが、

 まさにその通りで、新次郎は嫌な顔をし
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知佳 2024/05/18 (土) 11:02:19 70297@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十五話 「羞恥の石清水」 Shyrock作

 九左衛門はクックッと卑猥な笑みを漏らして花弁に口を近づけた。

「うぐっうぐっ……」

 陰裂に息がかかり、ありさはぶるっと身体を震わせた。
 閉脚時はくっきりと走った縦筋だけの肉唇が、九左衛門の顔の上で開脚しているため、内部の鮮紅色した肉襞までも曝け出していた。
 さきほどの排尿のせいもあり、陰裂からは尿の残り香が九左衛門の鼻腔をかすめた。
 九左衛門が獲物を前にした獣のように美味そうに唇を舐めてみせる。

「んぐぐっ……」

 股間に生温かい気配を感じたありさは、腰をよじって逃れようとする。
 次の瞬間、抵抗も空しく舌は長く伸び、陰裂の間にするりと滑り込んだ。

「むぐぐぐぐっ!」

 舌はまるで軟体動物のようにうねうねと蠢き、鋭敏な果肉を舐めあげる。
 その度にありさは上体を反らし、封じられた口腔の間から辛そうなうめきを漏らした。
 初心な娘にはあまりにも酷な開脚姿で、痴態をさらしている。
 一糸も纏うことを許されず、奴 隷のような姿で高手後手に縛られている。
 九左衛門の舌の動きがいっそう活発になり、ありさの股の間から猫が牛乳を飲むような淫靡な水音が漏れてくる。
 ありさの耳に届くよう、わざと大仰な音を立てて秘所を啜っているのだ。
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知佳 2024/05/18 (土) 16:39:04 70297@909a7

拐かし (かどわかし) 第八話

「兄ぃじゃねえか。 久しぶりやなぁ」 「おぅ、 てめえか、 元気そうでなによりだ」 「いま、 どうしてるんです」 「俺は丁 (ちょう) の若い者よ。 そういうてめえは、なにやらかしてるんだ」 「兄ぃ、なにやらかしてるはないでしょう。 堀の油問屋 笹屋の手代をやらしてもらってます」

 丁 (ちょう) とは吉原の俗称で、関係者は気取って「ちょう」「さと」「なか」とも呼んだ。 同じく堀とは山谷堀のことで、大川(隅田川)から西に入る入堀、狭義では今戸橋下から 日本 にほん 堤下までをいう。

「それにしても、コツで遊んでいるようではお互い、たいしたこたぁねぇなぁ」
「八ッ八ッ八ッ、違えねえ」
「堀なら、帰りは日本堤だな。 どうでぇ、いっしょに話しをしながら帰ろうや」

 こうして、コツの女郎屋を出たふたりは連れ立って、三ノ輪から日本堤にはいった。

 話しの中で、何気なく忠八がいった。
「俺は舟を漕げるから、店ではけっこう重宝がられてるよ。 船頭がいないとき、俺が樽や油を荷舟で運ぶんさね」
「ん!? 忠八、てめえ舟が漕げるんか」

 兄貴分と敬う孫兵衛の問いかけに驚きつつも
「俺あ深川の漁師のせがれだからなあ、当たり前と言えば当たり前さね。 幼い頃から櫓を漕がされtらもんだ」
「…そうだったのか…」
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知佳 2024/05/19 (日) 10:03:15 8a60c@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十六話 「騎乗のありさ」 Shyrock作

 次に騎乗位でのまぐわいを目論む九左衛門は、顔面にまたがっているありさを腹部まで下がるよう命じた。  緊縛されて不自由な身のありさは、膝歩きでゆっくりと後ずさりする。  腹部には年齢不相応と言えるほど元気にそそり立つ剛棒が待ち構えている。  そのおぞましさに一瞬たじろいだありさに九左衛門は低い声でささやいた。

「さあ、チンチンの上に座ろか」
「……」
「素直にせんかったらまた痛い目に遭うで。ええんか?」

 九左衛門はムクリと起き上がると胡坐に座り、ありさの下肢を強引に割り広げていく。

「ぬぐっ!んんぐっ!」

 白い太腿を押さえつけ、赤黒い肉棒を濡れそぼった陰裂になじませようと、上下に滑らせる。
 泣いて首を振るありさを無視して、感情にまかせて怒張したイチブツを突きこんだ。
 さきほど散々舐められて濡れそぼった花弁に、限界まで張りつめた亀頭がズブズブと沈みこむ。

「よっしゃよっしゃ、ええ具合やで」
「んぐんぐっ!んんんぐっ!」

 ありさは不自由な上半身をひねり、絶望的な抵抗で腰をくねらせ、肉棒を外そうとする。
 九左衛門は対面座位で結合を果たすと、すぐさま騎乗位に移行した。

「ぐふふ……さあ、わしの腹の上でしっかりと腰振ってもらおか。たっぷりとわしのチンポを味わうんや」
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知佳 2024/05/19 (日) 16:15:20 4d6fb@909a7

拐かし (かどわかし) 第九話

 衣紋坂 (えもんさか) から大門 (おおもん) は直接望めない。 日本堤の土手道 (通称五十間道 - ごじっけんみち) も、曲がりくねらせてあり大門 (おおもん) は望めない。

 孫兵衛は吉原妓楼 海老屋の若い者をやっているため、なかなか吉原の外に出る時間はなかった。

 そのため忠八が海老屋にやって来たが、妓楼で内密の話しは出来ない。

 ふたりは、吉原の西南隅にある九朗助稲荷の境内などで相談を重ねた。

 孫兵衛から仕掛けの概要をきかされたときの、忠八の最初の反応は、
「面白いな。 しかしよ、 そんなにうまくいくだろうか」
と、半信半疑だった。
 
 苦笑いさえ浮かべていた。

 孫兵衛はふところから四両を取り出した。
「これが俺の有り金全部だ。 客人や花魁から頂いた祝儀を貯め、ようやくこれだけ作った。 今度やる仕掛けの準備に、全て注ぎ込むつもりだ。

 それを見てようやく、忠八が真剣な顔つきになった。
「兄ぃ、本気なんだな」
「あたりまえだ。 うまくいくかどうかは、ふたつにかかっている。 ひとつは、昼遊びしかしない新次郎を、どうにかして海老屋に泊まらせること。 こいつは俺の方でなんとかする。 女郎並みに手練手管を尽くすつもりさ。 もうひとつは、速やかに移動すること。 これは、おめえのその手腕にかかっている」
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知佳 2024/05/20 (月) 10:52:00 81ef7@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十七話 「碁盤攻め」 Shyrock作

 まもなく両手を拘束していた縄が解かれた。  しかし手拭いはまだ噛まされたままで、口の中が唾液だらけになって不快感が募る。  ありさは碁盤の前に立つよう命じられた。  碁盤は縦が一尺五寸、横が一尺四寸、高さが四寸あり、本榧でできた高級品だ。  渋い飴色の光沢がかなり使い込まれていることを物語っている。

「碁盤に手ぇついて、おいど上げ」

 ありさは命じられたとおり、碁盤に両手をついて、尻を上げた。
 たくし上げて帯に挟んでいた着物の裾がいつの間にかだらりと垂れている。
 先程の九左衛門とのまぐわいで裾が乱れてしまったのだろう。
 九左衛門はもう一度着物の裾をまくり上げ帯に挟み込み、ありさを昆布巻きにしてしまった。
 着物の女性と脱がさずに背後からいたす場合は、着物の裾をたくし上げて帯に挟みこむ昆布巻きが最適なのだ。
 たとえ情交を結んだ相手ではあっても、無理やり着物の裾をまくられるのは女性にとって屈辱的な行為といえる。

「もっとおいどを高う上げて」

 九左衛門はピシャリと尻たぶを打った。
 顔を顰めるありさ。猿轡の奥から小さなうめきが漏れる。

 九左衛門は後方から肉棒を太腿の間に滑り込ませ、割れ目にぴったり沿わせた。
 陰裂をなぞるように前後に腰を振るが、焦らしているのかまだ挿入はしない。
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知佳 2024/05/21 (火) 09:56:52 1ab5d@909a7

ありさ 土蔵の濡れ人形 (改) 第十八話 「濡れ人形」 Shyrock作

 秘孔を剛棒に貫かれ、下腹部をブルブルと震わせている。  昨日よりも蜜液の量が少し増し痛みが和らいだのが、せめてもの救いかも知れない。  肉道のすべりも幾分か滑らかにになり、膣襞がしっかりと擦られている。

「うぐぐっ……ふんぐっ……」

 松葉のように交差させてグングンと押し入ってくる剛棒に、ありさは猿轡の隙間からうめき声をあげた。

「ありさ、この格好はどうや?気持ちええやろ?松葉くずし言うんやで」

 九左衛門はニタニタとに淫靡な笑みを浮かべながら、剛棒でありさをいたぶった。

「うんぐっ……ぐぐぐっ……」

 ありさは身体の奥底から沸き起こってきた奇妙な感覚にくぐもった悲鳴をあげる。
 股を交差させ次第にせわしくなっていく九左衛門の腰の動きに、髪を振り乱し泣き喚いた。

「ごっつうええ具合やないか。わしのもんに吸いついて自分から奥に吸い込んでいきよるわ。まるでタコ壺みたいや。ほれ、ほれ。子宮の中にわしの精子をたんとぶちまけたるからな~」
「ぐぐぐぐぐっ!うぐぐぐぐっ!」

 冗談じゃない。昨夜土蔵で縛り上げて処女を強奪し、そのうえ体内に精子まで放出したではないか。
 何が何でも体内への放出だけは避けたくて懸命に抵抗を試みたありさであったが、がっちりと絡められてなかなか脱げだすことができない。
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知佳 2024/05/21 (火) 14:29:19 6fc56@909a7

拐かし (かどわかし) 第十話

 手初めに、なんとしても吉原妓楼 海老屋に新次郎を泊めないことには苦労して編み出した仕切りもかなわない。

 吉原の遊女は四ツ (午前十時頃) に起床し、入浴や食事をしたあと、昼見世の準備にとりかかる。

 昼見世が始まる前、孫兵衛は二階にある小春の部屋を訪ねた。

 小春は上級遊女の部屋持ちで、八畳ほどの個室を与えられていた。 この個室に平常起居し、客も迎える。

 部屋の隅には箪笥が置かれ、たたまれた三つ布団の上に枕がふたつ、並んでおかれていた。

 壁には三味線がかかっている。

 ちょうど、小春は鏡台に向かって化粧をしているところだった。 孫兵衛はそばにすわった。

「どうしたのでおざんすえ、 まごどん、 まじめくさった顔をしいして」

「花魁、昼遊びしかしない新次郎さんのことですがね。 どうです、新さんをどうにかして泊めてみませんか」
「材木屋の若旦那の新さんでおざんすか」
小春はあまり気乗りしないようだった。

 新次郎が小春に夢中になっているのは傍から見ても明らかだったが、小春にとっては単なる客のひとりに過ぎない。

 遊女として常套手段を用いなければならないのは、時々昼見世に来させる。 そのため惚れているように見せかける。 いまはそれでじゅうぶんのようだった。
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知佳 2024/06/01 (土) 11:25:31 7885a@909a7

拐かし (かどわかし) 第十一話

 中秋の明月の夜、新次郎は五ツ (午後八時ころ) 過ぎに現れた。

 その顔はうっすらと紅潮している。

 いよいよ泊るという興奮はもとより、初めて経験する夜見世の賑わいに圧倒されたようだ。

 昼見世の時間帯の吉原は閑散としているが、夜見世ともなると漢どもの女を抱きたくはやる熱気に満ち満ちていた。

 大門をくぐると左手に面番所がある。 そこを過ぎると遊女が格子の内側に居並んだ張見世があり、大行灯がともされている。

 一階の奥に居る楼主は夜見世の時刻が近づくと神棚に商売繁盛を願って拍子木を打ち、神棚の鈴をシャンシャンと鳴らす。

 張見世の正面に座るのは上級女郎。 左右の脇の席に若い見習い女郎、新造たちが座り、楼主の拍子木を合図に清掻という三味線などによるお囃子が弾き鳴らされる。

 若い衆である孫兵衛たちは清掻に合わせて紐でつるした木の下足札の束をリズムよくカランカランと鳴らし合いの手を入れる。

 それが鳴り響いている間に、二階で化粧や着替えを済ませた花魁がすうっと障子を開いて部屋から出て来る。

 上草履をぱたぁんぱたぁんと鳴らしながら、ゆったり階段を下りてくる。

 張見世の前に多くの漢たちが群がり、熱心に格子の内側の遊女の品定めが始まっていた。
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