模試で吐きそう() WBF財団の仁
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2024/10/17 (木) 21:20:09
「ひま~」
ハンドルにもたれかかって愚痴をこぼす。はたから見たらただの変な人だが、ここではそんなことはなかった。
「おぉ、狼くん。また警ら任務か?」
「そうですよぉ。他の職員はトラスト市に行ったり、学園都市で教育をしたりと色々やってるのに…」
「まぁまぁ。君がいるおかげで、最近は道路も安全になってきたし」
「確かに安全になってますけど…」
運転手は耳と尻尾を垂らして、ほほを膨らます。気づけば通行人はどこかに歩き去っていった。
ふぁ~
大きな欠伸をして、またハンドルにもたれかかった瞬間。
『ピピッ 入電です』
一つの機械音が車内に鳴り響いた。
「はいはい、なになに?」
『役所前メインストリートで強盗が発生。犯人は車で東側に逃走中。管轄不問で対応を求める』
さっきまでやる気がなかった態度から一変。シートベルトを付け直し、入電対応をした。
「こちらWM‐5。追跡の対応に当たります」
言葉を放ちながら、アクセルを踏む。一台の黒塗りのランドクルーザーは、巨体にそぐわない速度で走り出した。
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