[記録開始]
ヒガシ担当官:こんにちは、エマーソン管理官。お忙しい中すみません、急なインシデントでして。
エマーソン管理官:忙しいとわかっているなら連絡をよこすな。しかもわざわざ秘匿回線とは。
ヒガシ担当官:そうも言っていられません。1時間前、バグダッド西7マイルで旅客機が墜落しました。
エマーソン管理官:それだけか?
ヒガシ担当官:いえ、『コードオレンジ』の発令です。
エマーソン管理官:こんな時に逸脱性とはな。何があった?こんなクソ忙しい時に。
ヒガシ担当官:今初期対応通信記録を送ります。対象の旅客機なのですが、いかなる国のいかなる機種とも合致しませんでした。報告では墜落直前に背面飛行を行ったと。墜落直前にとる軌道としては、いささか非常識的であり、対応中のレーダーから消失したという報告もあるため、逸脱性存在と認定されました。
エマーソン管理官:ヒガシ、現在対処に当たっているCREMATESはなんだ?
ヒガシ担当官:第82騎兵師団第912歩兵大隊S中隊が現場に、L中隊、F小隊が付近の道路を封鎖しています。上空には空域封鎖警告をかけていますが…どこかのバカが入るかもしれません。
エマーソン管理官:不十分だな。第253は?
ヒガシ担当官:バグダッド第3航空基地で待機中です。ETO可能、ETA3分です。
エマーソン管理官:少し待て。
ヒガシ担当官:はい。
(2分間無線は沈黙を保つ)
エマーソン管理官:墜落地点に別勢力は近づいているか?
ヒガシ担当官:えぇと…巡回中の大和共和国軍とWOLF社の車両隊が接近中とのことです。こちらは第10山岳師団に対応させます。
エマーソン管理官:厄介だな。あの二つは逸脱性への造詣が深い。絶対近づけるな。殺す気で対応させろ。印象が悪くなっても構わん。
ヒガシ担当官:はい、指令を出しておきます。それと、一つ質問が。
エマーソン管理官:なんだ?
ヒガシ担当官:そこまで言うのはCREMATESの名誉のためですか?
エマーソン管理官:(4秒間の沈黙) 連合のため
だ。
[記録終了]