模試で吐きそう() WBF財団の仁
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2024/10/01 (火) 23:08:11
人というのは自分たちと違う少数派を虐げたい、という考えがあるのだと私は思っている。そんな中、私はとある青年を見つけた。少数派であり、過去に過ちを犯し嫌われたがそれでもなお懸命に生きている。
「手がぶれてんなぁ~」
『焦りすぎだ。タイムアタックでも落ち着いてやるべき』
「そうなんだ…って社長さん!?」
青年は驚いた顔でこちらを見る。耳と尻尾を伸ばして
『顔に焦りが見えたぞ。それでも狙撃手か?落ち着いて狙え。お前の腕だったらやれる』
「分かりました。それと今お時間よろしいでしょうか?」
『問題ない。何か用か?』
彼はハンドガンをホルスターにしまう。
「社長さんは……なぜ僕を会社に招待したのですか?」
『……』
予想外の質問に私は思わず困惑した
「どこの国でも会社でもいいです。不祥事を起こして、世界の敵のような立場になった僕を雇うところってふつうありますかね?」
『…だとしたらうちが異常なだけだな』
笑って答える。彼もつられて笑う。
『傭兵としてみるならこの行動は一ドルのお金にもならないが…人として見るなら話は別だからな』
「…そうですよね。僕らの会社は普通の傭兵とは一味やふた味が違いますからね」
彼は立ち上がったラックに立てかけていた銃をかたずけ始める。
「この後新部隊での訓練がありますのでそろそろ行きますね。自分から呼び止めてあれなんですけど…」
『いいんだ。社員の心のよりどころにも慣れないと社長失格だからな』
彼はバックを背負い、射撃訓練場のドアを開ける。
「それでは行ってきます」
『あぁ、いってこい』
彼はドアをくぐり新設部隊の訓練に向かうべく、連絡通路を走っていった。
彼の名前は月夜仁。少数でありながらも懸命に生きてるしがないと自称する狼傭兵だ。
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