模試で吐きそう() WBF財団の仁
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2024/05/14 (火) 22:37:48
「期待はするな、彼は必ず帰ってくることはない」
みんなそういう、みんなそうやって今度こそは帰ってくることはないという。でも違う、彼は絶対帰ってくる。雪はそう思っていた。16年間一緒に住んできて仁は一度も『帰ってこない』ことはなかった。どんな場所にいようとも、どんな危険なことをやっていようとも彼は帰ってきた。だから今度も
「仁は帰ってくる。必ずね」
日本からの中国沿岸部、そして東ヨーロッパと仁とともに雪は世界各地を転々としてきた。長年にわたり仁と住んでいたのか分からないがいつの間にか雪も獣人と化していた。
「ねぇ、今度はどこに行くの?」
「う~んとね…シベリアだね。冬に行くなんて凍死しろっていうのかよ」
「まぁまぁ、今度も帰って…来るよね?」
「昔言ったでしょ。何があっても帰ってくるって」
彼は死ぬまでこの仕事を続けるだろう。そして私も死ぬまで彼に寄り添う。なぜ引き止めない、なぜこの仕事をやめるように説得しない?理由は簡単
「そうだよね。仁は絶対帰ってくるから」
彼は絶対私を守り続けるって言ったから
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