シベリア研究所爆発事故からしばらくたった。一度家の帰ったのだがまた招集が入ったためシベリアに舞い戻ってきた。
あたりはいまだに雪景色。本音言って獣の姿でいたいわけだが装備品を着ているわけだ、乗車中はともかく徒歩移動になってくると流石に装備品を背中にのっけて獣の姿で移動はできない。そりがあれば話は別なんだが…
「よぉ、仁。久々だな」
訓練場のそばからバンパーが声をかけてきた。ロシア人だからなのかは知らないが半袖にもかかわらず全く寒いそぶりを見せない。
「久しぶり。今回は何の件での招集だ?しかもシベリアまでこいって言われたし、しょうもないものだったら司令官ぶっ飛ばすよ」
「脅迫気味な発言はやめとけ。お前の見た目に合わないぞ。ともかく今回の招集はまじめな部類だ」
「逆にまじめじゃないこともあるのかよ」
「とりあえず向こう側のテントに入れ。後で支部局司令官から召集の説明が入る。それまでは銃の手入れでもしておけ」
「了解~」
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テントの中は石油ストーブがついており暖かかった。適当に一か所座りライフルバックから愛銃を取り出してメンテナンスを行う
「よぉ極東から来た人外。銃の手入れか?熱心なもんだ」
不快な雑音が耳に入り、音の発生元を見た。
「えぇっと…どちらさまでしょうか?」
「俺のこと知らないのか?バンパーから聞いているはずだろ。お前の上司のガイスだ」
「ど、ども」
軽く会釈しメンテナンスの続きを始める
「なぁお前…」
またかと思いつつも上司らしいガイスの方を向いた
「何でしょうか?」
「なんでWOLF社に入った?」
「?????」
予想もしなかったことを聞かれた。もっと世間話かと思ったらゴリゴリまじめな話だった
「いや…そのなんというのか…モゴモゴ」
「多分軍事関連の仕事から離れなくなったからだろ?俺は知っている。お前が元クリーパー第七帝国の特殊部隊員でなんやかんやし、その後TGODという傭兵をやっていたことを。早めに言っておく、こんな仕事はやめとけ。俺が言うのもあれだけどな」
「はぁ…いまさら何を言うのですか。一度関わったら抜け出すなんて僕には無理ですよ。こうなっちゃ人生の終わりまで傭兵ライフですよ」
「すでに決心してるのなら…頑張れよ人外君」
「それとちゃんとした名前あるのでそっちで呼んでください」
「はいはい、仁君」
最近カクヨムで書いている内容の後日談的なのを書いてみたくてやりました(作品名:ケモミミ傭兵お仕事日記)
ガイス:現在の5Kに準ずる人の一人、仁のクソ上司
なんやかんやし:鯖の方では国の運営がめんどくなったから消えた帝国ですが、小説版の方では戦争に滅亡したことになっている。現況はここで言う台湾事変