イラク Badra Spend 33°13'45.3"N 45°53'19.3"E 特殊作戦臨時司令部
輸送機のハッチが開くと同時に目に飛び込んでくるのは、大量のM4A6戦車、UV-23S、様々なヘリや装甲車だった。上空をMH-3が飛んでいき、轟音が鳴り響く。
「イラクか、久しぶりでもないはずなんだがな。」
そう呟きながら、滑走路のアスファルトを歩いていく。フェンスの向こう側は見渡す限りの荒野。辛うじて地平線の彼方に山が見える。そんなことを考えていると、MARPAT(デザートカラー)のコンバットウェアに身を包んだ壮年の男が歩いてくる。
「お久しぶりですエヴァーズマン大尉!!イラクリオン以来でしょうか!」
戦車と装甲車のエンジン音やヘリのローター音に負けないように、男が大きな声で話しかけてくる。
「そうだなイーサン!とはいっても数か月前だがな。今ではまるっきり世界が変わった!」
「その通りですね!!この場所はうるさい、向こうの特殊作戦司令部に行きましょう!」
そうして、エヴァーズマンとイーサンは鋼鉄の群れの間を通り、航空機格納庫のような場所にたどり着く。中にはたくさんの兵士たちがおり、パソコンや固定電話、紙の資料などが置かれていた。
「ここが我々第4特殊任務部隊、デルタ作戦分遣隊の臨時基地です。とはいえ、格納庫の一つを借りてるだけですが。」
「はぁ…状況が確認したい。この電話は使えるか?」
エヴァーズマンは机の上に置かれた固定電話を指さす。
「えぇ、使えますよ。そこの彼に、繋げる先を。」
固定電話の横に座ってマガジンに給弾していた若い男がこちらを見る。
「統合司令本部、軍略司令センターに繋いでくれ。」
そういいながらエヴァーズマンが受話器を取ると、彼はマニュアルのようなものを見ながら、電話に番号を入力した。
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「はい、こちら軍略司令センターです。」
≪セキュリティクリアランスレベル3、アクセスコードXD461a。誰でもいい、手の空いているオペレーターに繋いでくれ。≫
「かしこまりました。少々お待ちください。」