Blue Skies (remix) Acecombat5 とともに()
ヘンダーソンは本部宿舎の地下にあるバーにいた。心地良い音楽とともに、先程注文したフォールンエンジェルを眺め、少し飲む。一息つくと、誰かがバーに入ってくる。
「こんな場所に珍しいのではないですか。外事交渉委員会の委員長が。」
「おや、君が入っていくところを見かけてね、時間があったから来てみたんだ。あ、私はモッキンバードを頼むよ。」
ヘンダーソンは彼を、財団でも有名なクリアランスレベルレッドの職員の横顔をまじまじと見る。普通の男性のように見えるが、彼の瞳の奥には普通じゃない何かがある、いや、〔いる〕のだと思った。
「なんだい?そんなに私が気になるかい?」
「いえ、何を考えてらっしゃるのかなと。」
「君も同じようなものだよ。それより、兵器開発の進捗はどうだい?評議会が無理な命令をしていると聞いたよ。」
「えぇ、おかげさまでMBTの設計図には慣れました。ついでに50連勤にも。」
「それじゃあまるで財団がブラックみたいじゃないか?」
「逆に何だと思うのですか…」
ヘンダーソンは空になったグラスを眺めながら、グラスに映る自らの顔を見る。
「我々は何のために財団を経営しているのでしょうか…?」
「私にもわからないし、答えが出るとも思えない。世界がどうなるかは、彼ら次第だ。」
「彼ら?誰です?彼らって。」
「それを知ってはつまらないだろう? それじゃ、私は次の会議があるのでね。」
そう言い、シュガートは席を立ちバーを出る。ヘンダーソンが設計、開発を主導した兵器は一体何のために命を奪うのか。彼自身には分らなくなっていた。
「それでも、この仕事を続ければ、いつかは何かがみえてくるんですかね…。」
「あのー、」
バーテンダーが話しかけてくる。
「このモッキンバードはいかがしましょう…?」
「…………いただきましょうか。」