リバティニア
補助龍 6641dc4fb6
2024/06/26 (水) 23:41:34
ホノルルの通りに群衆が集まっていた。彼らはプラカードを掲げ求めていることはただ一つ。サミュエル・H・ノートン元帥の恩赦による釈放のみである。
ホノルル市警はすぐさま警官隊を派遣して群衆の向かい側に立ち、最悪の事態に備え今出来る最大限のことをしようと努力している。彼らの緊張は時間が経つごとに増していっており、いつ何が起きてもおかしくない状況だった。しかしその時は来てしまったのだ。
誰かのスマートフォンがニュース番組の内容を群衆に大音量で知らせる。ノートンの銃殺刑が執行され、それにより彼は刑死したというのだ。
その訃報が聞いた群衆の反応は人によって本当に様々だった。英雄を殺した裁判所を罵る者、情け容赦のない政府を罵る者、中には無能なハミルトン大統領さえも罵る者が路上を覆い尽くし、もう彼らの答えは一つしか残されていなかった。こんなことは続けさせられない、いや続けてはならない。彼らを支配したのはただ一つの感情であり、思いであったのだ。
その中の誰かが道端に落ちていた石を警官隊に向け投げたのがきっかけで怒りは群衆だけではなく警官隊にまで波及した。群衆は先ほどまで平和的な解決をする為に使っていたプラカードを分解して武器にし警官隊は各自の警棒を手に取り彼らに向け勢いよく振り下げる。先程まで「話し合いこそが未来となる」などと口走っていた者達は全員最早暴徒と成り果てた群衆の下敷きにされたかこんなことをやめさせるべく警官と共に戦っている者もいた。
数分もただのうちに通りは混沌で包まれ、今やそれはホノルルだけではなく共和国全体に波及している。
リバティニアは無政府状態に陥った
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