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研究目的:有効な対人外兵器の開発
研究対象:炭疽菌、天然痘他
研究主任:Patrick Hector Rahman.
計画主体:利国防省・利秘密情報部
ヴァンガード卿が言っていたことは正しかった。国家を体とするのなら、人外というものは癌や病原体のようなものだ。奴らは様々な事を行い我々の国家を犯す。それならば我々にも特効薬というものが必要と言えよう。それは核のような劇薬ではなく、的確に病原体を排除出来、尚且つ後遺症が残りにくい物でなくてはならない。例えるのなら、そう、改良した生物兵器などが良いだろう。
差出人:Gilbert Clogius.
宛先:国防省
内容:
国防大臣閣下へ。
まず、計画名に私の名前を採用していただいたことに心から感謝を申し上げます。そしてこの手紙は、現在進行中のクロギウス計画に新たなる進展がありましたので、その報告をさせていただくものです。
計画において、まず我々はVXやサリンなどの化学兵器を改良し利用する予定でしたが、効果的な治療法やワクチンなどが存在しない点から、現在では計画から除外されております。
そのため、次に私たちは天然痘の研究を進めております。天然痘は過去に5000万人を超える人々を死亡させた実績があり、確実な治療法が存在しており、一度は人類が少数を残すまで撲滅に成功した経験がございます。生物兵器としては非常に優れたものと言えます。しかしながら、残念ながら発見された問題点がございます。それは、天然痘がテロリズムなどには有効ですが、人間以外への使用にはあまり効果がないということです。強い感染力を持つ天然痘は、対象だけでなく周囲の人々にも広がる恐れがあり、大規模な処理が必要となる可能性がございます。
そこで、私たちは炭疽菌を研究しました。炭疽菌は有効な治療薬とワクチンが存在し、短時間で重篤な症状を引き起こす毒性と天然痘と異なり、人間間での感染の可能性が低い点が大きな特徴です。今回の計画においては、炭疽菌を採用することに決定しました。また、現在、龍や人狼、海洋生物などが発見されている中で、これらの生命体に確実に効果が出るものでなければなりません。私たちは現在、毒性を増した生物兵器としての改良版を研究しており、それを強毒性炭疽菌(STBA)と名付けました。
完成は近日中に予定されています。今後、人類と化学の発展と平和を祈っております。
敬具