オリフレのやつです。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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日記
2024/9/9
久々の日記更新。この前三次コラボに行ってきました。親になると子供目線で施設を見たり色々と気付きが出てきますね。
2024/12/15
熱中症になった
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とりあえず、完結させることを目標に頑張ります。
💪 ガンバレ
頑張ります!💪💪
声を聞いた気がした。
私を呼ぶ声。
とても……悲しい声だ。
ねぇ、あなたはどうしてそんなにも悲しい声で私を呼ぶの?
……返事はない。
私の声はもう、誰にも届いてはいなかったから。
あなたの顔に手を伸ばそうとした。
でも……届かない。
そこには、伸ばすべき手なんて無かったから。
これじゃあ、あなたの涙を拭ってあげられない。
……まあ、いいか。
あなたはもう、ひとりなんかじゃないから。
きっとみんなが助けてくれるはずだから。
だから、わたしは……。
体が融けてなくなっていく。
後悔は……ない。
……だってこれは……私の望んでいた最期だから。
それは、とある夏の日の夕暮れ時のこと。
一人の少女が何やら独り言を言いながら、暗い森の中を俯きがちに歩いていた。
空は灰色に染まり、しとしとと雨が降っていた。
森の中は草木が鬱蒼と生い茂っており、まだ日は落ちていないというのにほとんど真っ暗だ。
こんなにも心がジメジメとしているのはきっと雨のせいだけではないだろう。
「あの言い方は酷かったかな……」
私はそう言うと、小さくため息をついた。
思い出していたのは、ついさっきのこと。
初めて会ったフレンズのことだった。
あの子は私に友達になりたいと言った。
でも私はその願いを拒絶したのだ。
今でも覚えている。
あの子の顔には痛々しい程下手な作り笑いが浮かべられていた。
あの顔を見ればわかる。
きっとあの子を傷つけたに違いない。
……でもこれは、仕方の無いこと。
必要な拒絶なんだ。
これはあの子の為の拒絶。
いずれ来る別れを穏やかなものにするための、優しい拒絶。
私は兵士だ。
生まれながらに兵士としての役割を与えられ、守るために戦って、そして死んでゆく。
それが私の運命であり、私の存在意義。
仮に私と彼女が友達になったとして、私が彼女を残して居なくなる事は最初から決まっている。
そしてそれは彼女を大いに悲しませるだろう。
だから将来的に考えれば、これが彼女を傷つけない為の最善の行いだ。
「うん、そうだよ」
私は自らを肯定せんとする言葉を、独り言には多少大き過ぎるくらいの声で発した。
いつまでもこうして言い訳がましく考えてしまうのは、私の悪い癖。
誰かを思いやっての行いに後悔なんてあるはずがない。
それでもなお後悔するのなら、それは自分自身を守るためにほかならない。
後悔した所であの子を傷つけた事をなかったことには出来ないのだから。
後悔したから、私は大丈夫。
そんな自分の浅はかな考えがみてとれて、私は苦笑した。
ぴちゃん
「……?」
ふと、自分のものとは別にもうひとつ足音が聞こえていたことに気づいた。
考え事に集中していたからか、今の今まで気が付かなかった。
……足音は…私のすぐ後ろをついてきている。
私はその足音と鉢合わせしないように、二、三歩駆けてから振り向いた。
バッ
私が振り向くとそこには、……一人の少女が立っていた。
白と黒のヒラヒラとしたスカートが特徴的で、それ以外も全て白と黒だけで彩られていた。
夏だというのに、首にはマフラーを巻いている。
全身白と黒だけで構成されたこの少女は、何故かずぶ濡れだった。
こんな雨の中、雨宿りもせずに何をしていたのだろう。
そんな疑問を抱いた。
しかし不思議なことに、彼女の緩くウェーブのかかった白い髪はほとんど濡れていない。
そこで私は、一つ二つと増えてゆく疑問の中で今私が最も気になっていることを、彼女に直接聞いてみることにした。
「あの、……どうしてついてくるんですか?」
「さて、どうしてかしら?」
白黒の少女は目を細めて不気味に笑う。
その様子を見て、私は言い知れない苛立ちを覚えた。
「用がないならいいです」
私は彼女に背を向けそのまま歩きだそうとするが、彼女の二の句に引き止められてしまう。
「せっかく出会ったんだもの、仲良くしましょう?ね?」
わからない。
「…それは、できません」
「あら、どうして?」
……どうして?
「どうしてって……」
"どうしてこんなにも、彼女に苛立ちを覚えるの……?"
ぴしゃん!
私の彼女への怒りが最高潮に達した時、突然目の前が真っ暗になった。
急に、目が見えなくなった……?
……違う。
私は確かに見ていた。
私の顔を覗き込んでくる少女の瞳。
深く真っ暗な、深淵の瞳を。
「ねえ、どうして?」
少女はなおも問いかけてくる。
彼女に嘘やごまかしなんて無意味だろう。そう思わせるだけの色を彼女は持っていた。
私は意を決して、返答をした。
「私、……友達は作らないって……決めてるんです」
「ふーん、そう……」
少女はまるで、そんな事には興味が無いという風に視線を逸らして言った。
そして、こう続けた。
「仲良くしましょう?」
「その、だから……」
「……はぁ」
少女は小さくため息をついて、おもむろに一歩踏み出した。
そして、絶対に逃がさないと言わんばかりに両手で私の顔を掴んで、ぐっと顔をちかづけた。
頬を伝う手の感触はとても冷たくて、その冷たさが私をより一層凍てつかせる。
「貴方は私の言う通りにしておけばいいの。だって貴方は、………私の暇つぶし、兼…………………」
時間が止まったかのような感覚。私は蛇に睨まれた蛙の様に動けない。
白黒の少女もまた、動かない。
見つめ合う二人。
その時、どこからか生温い風が吹いた。
鼻先を撫でるその風は、雨の匂いに混じって、…… 微かに血の匂いがした気がした。
額に汗が浮かぶのを感じる。
こんな手遅れな状況になって、今更本能が警告する。
……いや、ずっと警告していた。
私の彼女に対する苛立ち、
それそのものが危険信号だったのだ。
少女はゆっくりと口を開く。
「……非常食なの」
「……」
「あなたがどう思おうが、絶対に逃げることは許さない。…あなたに拒否権はないわよ」
少女はそれだけ言うと、私を解放した。
束縛から解放された私は、全身の力が抜け地面にへたり込んでしまう。
私を恐怖のどん底に突き落とした少女はというと、こちらに背を向け、元来た道へと引き返し始めている。
私が正気を取り戻し、逃げるために立ち上がった時、少女はゆっくりとした動作でこちらへと振り向いた。
そして恐ろしいほどに色のない笑みで言った。
「またね」
それだけ言うと、少女は森の奥へと消えていった。
ひ、非常食だとぉー・・・
挿し絵付きで読みやすいです
(一話づつ感想いれます)
非常食、ですね……。
実を言うと、挿絵があるのは最初の数話だけなんです(後で描こうと思ってもついサボってしまって……)
たくさんの感想コメントをありがとうございます
気づいたらいっぱい来ててちょっとビビりましたが、こちらも一つずつ返信していこうと思います
私は思い出していた。昨日の、血の匂いを纏った恐ろしい少女との出会いを。そして、彼女が去り際に残した一言を。
"またね"
彼女は言った。「またね」と。再開の約束を口にした。……それはつまり、私の前に再び彼女が現れるのは、彼女自身によって決められたことであって…………。
背筋に冷たいものが走る。
今この瞬間も、やつは私のことを探してこの辺りを徘徊しているかもしれないのだ。
ピチャン……
その時遠くから微かに足音が聞こえた。……気がした。
私は目を閉じて耳を澄ませた。
ピチャン…ピチャン……
気の所為ではない。確かに聞こえた。何者かの足音が。
そしてその音は次第にハッキリと聞き取れるようになってきている。
「っ!」
私は咄嗟に木陰に隠れた。
ピチャン、チャプン、ポチャン……
ピチャン、ピチャン……
荒くなりそうな呼吸を必死に抑える。
足音は私の存在を知ってか知らずか、僅かな迷いも持たず、容赦なくこちらへと向かってくる。
姿が見えず、迫って来る足音だけが聞こえるというのは、とても恐ろしい。
ちらりと顔を覗かせて足音の正体を確かめることも出来たが、そうする事によってこちらの位置がバレるかもしれないというリスクを冒してまですることではないと思う。
結局私は、その場で息を殺し、足音が過ぎ去るのを待つことにした。
ピチャン…パシャン…ピチャン……
ピチャン…ピチャン…ピシャン……
足音がすぐそばを通る。私と足音の近さは距離にして僅か1メートルほどだ。
……今日に限って、私の気配を消してくれる雨音が……ない。
つまり、私が物音ひとつ立てようものなら、即座に居場所がバレてしまうことになる。
足音の主は特別大袈裟に音を立てて歩いている訳では無い。
それにもかかわらず、こんなにも存在感を持って私の耳を刺激してくる。
相手も私と同じ、もしくはそれ以上の聴覚を持っているならば、こちらが立てた物音に気づかないはずがないのだ。
私は目をギュッと閉じ、ただ足音が遠ざかるのを待った。
………………。
……心臓がバクバクとうるさい。
これ以上強く拍動してしまったら、その音を聞かれてしまうなんてことも実際に起こりうるだろう。
私は動悸が激しくならないようにと、心を無理矢理に落ち着ける。
この時ばかりは心臓が止まってもいいと思った。
…………………………
どれだけの時間が過ぎただろう。もしかすると、ほんの数秒のことだったのかもしれない。
……いや、間違いなくそうだと言える。
私がまだ息を止めていられることがその証明だ。
私は10秒も息を止めて居られない。
だから必然的に、これは数秒の出来事ということになる。
緊張した私の頭が、実際の時間を何倍にも引き伸ばして見せているに違いない。
……だから、……何もおかしなことなんて、ない。
たとえ遠ざかる足音が、……聞こえなくとも。
おかしいことなんてなにもないんだ。
恐怖でどうにかなってしまいそうな自我を必死な言い訳でなだめる。
ピチャン…ピチャン…パシャッ。
酸欠で意識を手放してしまいそうと言う時に、足音が聞こえた。遠ざかっていく足音が。
ずっと待ち望んでいた音ということもあってか、とてもはっきりと聞こえた。うるさいくらいに。
ぷはっ
もう自分の意思で息を止めていられる限界だったようだ。
すぅー
私は静かに息を吸った。
そこでようやくまともな思考能力を取り戻せた。
……取り戻してしまった、というほうが正しいかもしれない。
たった今恐怖から解放されたばかりの私を、さらなる恐怖へと突き落とすであろう違和感に、気づくことになってしまったのだから……。
違和感の正体。
やけにはっきりと聞こえた遠ざかる足音。
それだけなら敏感になった聴覚が過敏に反応したと言うだけのことで説明がつく。
だが奇妙なのはその後だ。
遠ざかっていく足音が、一瞬で途絶えたのだ。ほんの、二三歩で。
たったの二三歩じゃ、1メートルほどしか歩けないはず……。
"1メートル"という言葉が頭に浮かんだ瞬間、最悪な想像が頭をよぎった。
1メートル。……足音の主と、私との距離がちょうどそのくらい"だった"。
そこを1メートルいどうしたというのだから……。
酸欠で頭に十分な酸素が行き渡ってなかったが故の、致命的な勘違い。
足音は遠ざかってなんかなかった。
それどころか今、……私のすぐ側で、冷や汗を額にうかべる間抜けな少女を見下ろしているに違いないんだ。
今の私に出来るのはもう、私が隠れるべきだと判断した対象が、白と黒だけで構成されたひらひらを纏っていないことをただ祈ることだけだった。
私は全てが悪い想像であることを願いつつ、ゆっくりと目を開け……。
「何を……してるの?」
突然、冷たい声が降ってきた。
![画像1](//pic.zawazawa.jp/files/minmi/s/d6f22eb9d03f6.png)
足音の主は、私が決心して目を開けるのを待ってはくれなかった。
……私の嫌な想像は、……全て当たっていたようだった。
恐る恐る目を開けると、凍てつくような視線。
その目は私のよく知るものであった。
今すぐ立ち上がって逃げないと……!
しかし体がすくんでしまって、動けない。
……声も、出ない。
そんな私の姿を見てどう思ったのか、やつはこう言葉を続けた。
「大丈夫? 」
2話まで拝読しました
サイレントホラー的緊迫感があるのに、声の主のかける言葉は優しいものばかりで、主人公が精神的に追いつめられているのが伝わってきます
兵士ちゃん(主人公のことです)の覚悟が自身を苦しめてしまっているのではないかと心配になりますが、今後の展開を見続けていきたくなりました
続きも楽しみです!
ご感想ありがとうございます
ちゃんと書けているか不安だったので、とても嬉しいです
主人公の名前が出るのはもう少し先になると思いますが、
それまではそのまま兵士ちゃんでお願いします。
(兵士ちゃんって呼び方かわいい)
最後に
返信遅れて本当にすみません
こわいこわいこわい!
迫ってくるスリルの演出が上手でとても参考になります
怖がっていただけたようで何よりです
あの挿絵も読んだ人怖がらせたろって思ってこさえたので
ただ、挿絵が最初から見えてしまっているのがちょっと残念ですね……
「それで、……なんで隠れてたの?」
「……」
彼女の問いかけに私は答えない。
その術を持たなかったから。
体が硬直していて、声も出ないのだ。
「もしかして、私に会いたくなかったのかしら?」
目の前の少女の声が胸に刺さり、心臓がドキリと跳ねた。
彼女の言ったことは真実だった。
「んー?」
ここで下手な行動に出れば、確実に……殺される。
だから私は、彼女の機嫌を損ねないように振る舞わなくてはいけない。
なのに……
「……」
自分の言葉に、完全な無視を決め込む少女を見下ろす彼女は、次第に不満げな顔になってゆく。
そんな一方的に不機嫌になられても困る。
声が出ないのだから、仕方がないではないか。
「ねぇ」
彼女の声は先程よりも低く、鋭い。それは、かなりの怒りを帯びているように聴こえた。
もしかして私は、このまま殺されてしまうのではないか……?
何も出来ずに、誰にも知られずに、一人で……。
───嫌だ。
「……? いま、なんて……」
たった今、体にかかった呪縛が解けたのを直感した。
今ならきっと動ける。
相手はこちらから攻撃されるなんて思ってはいないだろうから、その隙をついて逃げよう。
やつを突き飛ばして、そのまま走る。
私は決意が揺るがないうちに、これを行動に移すことにした。
………………。
タイミングを見計らう為に相手をじっと見つめる。
すると、彼女も無言でこちらを見つめ返してくる。
このように黙られると、急に彼女が言葉の通じる相手ではないように思えてきて、恐怖感を増長させる。
……だが、言葉を用いた対話など端からするつもりはないので、何も問題は無い。
非常に不気味だが、ここは我慢するしかない。
それに、むしろこれは好都合だ。
私の思考の邪魔をするノイズが消えたと、そう考えよう。
……………………
機をうかがいすぎるのは危険だ。
だからこそ私は、慎重に相手を見据える。
一瞬の隙も見逃せない。
もしそれを見逃してしまえば、彼女が次に隙を見せるのは私を殺した後かもしれないのだ。
私が内心焦りを感じ始めてから、相手が隙を見せるまで、それほど時間はかからなかった。
ふいに強い風が吹いたのだ。
風を全身で受けた彼女はというと、片手で髪をおさえ、目を瞑っている。
…………今しかない…!
あまりに無防備な少女の姿を前に、一瞬自分のすべきことを忘れそうになってしまった。
これを逃したら、もうあとはないだろう。
私は覚悟を決めて、作戦を実行する。
ばっしゃん!
私は大きな水音とともに立ち上がり、その勢いのまま敵との距離を詰めた。
そして、今につき飛ばそうとした時に、彼女の私とそう変わらない姿が目に入り、一瞬の躊躇いが生まれてしまう。
ぽすっ
躊躇いは勢いを殺し、……私を殺す。
相手を突き飛ばすための体当たりには体重が乗らず、突き飛ばすつもりが、あろうことかそのまま抱きとめられることになってしまった。
この状況は敵の腹の中にいるのとなんら変わらない。
彼女がその気になれば、なんの労もなく即座に私を噛み殺せてしまえる体勢だ。
私はすぐさま、そのやわらかな拘束を振り払った。
そしてもう一度、彼女へ体当たりを試みるが、やはりブレーキがかかってしまう。
私は彼女への攻撃を諦め、全力で逃げる姿勢に移った。
攻撃ができないのなら、逃げる他ない。
「待って!」
彼女に背を向け、今に駆け出そうとした時に、後ろから静止の言葉が投げられた。
その言葉が足に絡まり、地に根を張ってしまう。
私をこの場に縛り付けた少女は、ゆっくりとこちらへと近づいて来る。
私は見えない根っこを強引に引きちぎり、少女と距離を取ろうとすた。
が、彼女は既に真後ろまで来ていた。
「私から逃げようとしたのね?」
「そんな、こと……」
はいそうですと言う訳にもいかず、私は曖昧な返事をした。
「いいわよ」
「……え?」
「逃げてもいいわよ」
少女はそう言うと、私の正面に回り込んできた。
「でもその前に、私の遊びに付き合ってもらうけどね」
「……遊び……?」
「鬼ごっこって知ってる? 誰かが鬼とかいうのになって、他のひとが逃げるの」
「……」
「あなたが私から逃げ切れたら、そのまま見逃してあげる」
「…に、……逃げきれなかったら……」
「そうね……じゃあ、こういうのはどうかしら? あなたが鬼に捕まったら……足を一本、もがれるの。あなたが二度と逃げられないように…ね」
「そんなのって……」
あまりに横暴な話に言葉を失ってしまう。
彼女は遊びだと言っていたが、負けて足をもがれるなんて、そんな遊びがあってたまるか。
「嫌ならしなくてもいいのよ? 私はあなたとずーっと一緒にいられれば、それで満足なんだから」
彼女はそう言って楽しそうに笑う。
いつかは殺して食べるつもりのくせに、よくもそんなことが言えたものだ。
いつ来るかも分からない最後の日に怯えながら生きていくなんて、私は真っ平御免だ。
……どうやら、彼女と遊ぶ以外の選択肢は無いらしい。
「わかりました。……その条件で構いません」
「ぅ……じゃあ、私が…今から十秒数えるから、その間に逃げてね」
彼女はそれだけ言うと、十秒を数え始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やつはもう十秒を数え終えただろうか……?
ただの十秒だったら、だいたいわかる。
だが、彼女にとっての一秒は私の知る一秒とは違った。
彼女が数え始めて直ぐに走り出したので、あまり聞こえなかったが、あの数え方は明らかにズレていた。
いーーーち。
にーーーーぃ。
こんな感じだったと思う。
一秒を数えるのに三秒はかかっていたような気がする。
彼女の数える一秒は、どういう訳か……長いのだ。
だからこそ私は、これだけの距離を離すことができたのだが……。
ここはあまり深く考えずに、猶予が伸びたことを喜ぶべきだろうか?
……もし、アレを意図的にやっていたとしたら……そこにはどんな意味があるのだろうか……?
さっきからずっと何かが引っかかっているが、この得体の知れない不安感の正体がわからない。
本当は考えたくなんかない。
でも、これは知っておかなくてはいけないことのような気がする。
私は立ち止まることなく考え続けた。
考え続けて、そして……気づいた。
重要なことを聞いていないことに今更気づいた。
いつまで逃げればいいのか、その説明がされていないではないか。
相手は私を捕まえれば遊びは終わる。
でも私が無事にこの遊びを終わる方法が思いつかない。
今の今までそんなことにも気が付かないなんて……。
この遊びのルールをちゃんと理解していなかった時点で、私の負けは最初から決まっていたようなものだ。
……そもそも、こんな遊びに付き合うべきではなかったのだ。
全てを悟った今ならわかる。
やつがあんなにもゆっくりと十秒を数えたのは、最初から私を逃がすつもりなどなかったからだ。
やつにとっては、文字通りただの遊び。
私を殺す前の暇つぶしだったんだ。
……やめよう。
今更そんなことがわかったからって、私のすべきことは変わらない。
今は一歩でも遠く、逃げるんだ。
私はただ、走る。
足元だけを見て走る。
ちゃんと前を見て走らないと危ないことぐらい分かっている。
でも……今の私はもう、前を向いて走ることなんてできそうにないから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もうどれだけ走ったのだろう。
全身にかなりの疲労感を感じる。
私の体はもうとっくに限界をむかえていて、歩いているのか走っているのか分からないほどの速度で……やっぱり歩いていた。
私は全身の疲労に耐えきれずにその場にしゃがみ込んだ。
身体中から汗が流れている。
そのうちのひとつ、頬を伝う汗が今、落ちた。
私はぼーっと、それを眺めていた。
滴が水たまりに落ちて、消えた。
すると突然、足元がぱっと明るくなった。
視界の急な変化に驚き、思わず顔を上げた。
辺りを見渡すとそこは、開けた場所。
私は知らないうちに、薄暗い森をぬけていたようだった。
そして私はその景色を見てまもなく絶望した。
森をぬけた先には何も無かった。
地面すらも。
そこは崖だった。
崖の下を覗き込むと、そこには大きな大きな水たまりがある。
底が見えないほどに深い水の城。ここに落ちたら間違いなく助からないことは考えるまでもなかった。
これ以上進むことはできない。
そうと分かれば引き返す他ないのだが、今引き返したら追跡者と鉢合わせしてしまう可能性が高い。
だからといって、大人しく捕まる訳にはいかない。
危険が当たり前のように徘徊しているこの世界で、片足を失うこと。
それは死と同義だ。
私は崖に背を向け、ナイフを強く握りしめた。
戦うつもりはない。
彼女はセルリアンのように言葉の通じない相手ではないから、脅しに使えればそれで十分。
こんな追い詰められた状態での脅しが意味を持つのかは分からないが、今の自分にできることはこれくらいしかない。
私が決意すると、それが揺るぐほどの間隙もなくやつが姿を現した。
彼女は相変わらず気味の悪い笑みを浮かべていたが、こちらの明確な敵対の意思に気がつくと、直ぐに表情を曇らせた。
「あなた……それ……」
相手に動揺の色が見えた。
私はこの隙を見逃さない。
「ここで足を失うくらいなら、私は全生命をかけてでも抵抗します。…私が死ぬ気で戦ったら、あなたも無傷ではいられないはずです」
「あれは…ほんの冗談よ。……非力な私に、あなたの足…を、どうこうできるわけないわ」
「……非力…あなたが? それこそ冗談じゃないですか…?」
「……ねぇ、あなたのそれも…冗談、なんでしょ……? それ、あんまり面白くないわよ?」
「冗談なんかじゃありません」
「あ、あんまりしつこいと怒るよ…?」
「それはこわいですね。きっと私なんかは、すぐに殺されちゃいますね」
「そんなこと……」
私の言葉を聞き、言い淀む少女。
彼女の興味は、いつしか私から私の言葉へと移っていた。
どうやら脅しの効果はあったようだ。
それなら、と私は更にお粗末な脅し文句を続けようとしたが、少女が次にが放った一言に全て飲み込まれてしまった。
「そこから……動かないでね」
そう言うと、彼女は伏し目がちににこちらへ向かってくる。
「こ、これ以上近づいたら、宣戦布告とみなします……!」
私は威勢のいいことを言ってはいたが、ナイフを持つこの手は震えていた。
……もしかしたら、声も震えていたかもしれない。
「私は……本気です。」
最後に付け足すように言った言葉が、無意味な威嚇を更に安っぽいものへと変える。
私はそれからも、思いつく限りの脅しを口にした。
途中、ただの悪口や、目を背けたくなるような酷いことも言ったかもしれない。
それだけ必死だった。
でも彼女にはそれら全てが、脅しではなく、ただの命乞いにしか聞こえなかったことだろう。
私の脅し、もとい命乞いを全て無視し、ついに彼女が止まることはなかった。
![画像1](//pic.zawazawa.jp/files/minmi/s/eb198f9b95634.png)
私のすぐ目の前まで歩んできた彼女は、こちらへ真っ直ぐと両手を伸ばす。
そして、凶器を持つ手にそれを重ねた。
その手からは、ナイフをどうにかしようという意思は感じられない。
子どもを諭すように、そっと優しく包み込む。
そして言った。
「つかまーえたっ。……行こ、ここは危ないわ。」
私は、その言葉に逆らうことが出来なかった。
頭が真っ白になり、彼女の言葉の意味がうまく理解できない。
結局私は、手を引かれるまま断崖を後にしたのだった。
私の手を引きどこかへ向かう途中、彼女はずっと何かを言っていたが、その内容は思い出せない。
ただ、ずいぶんと楽しそうな声だな、と思ったことだけを覚えている。
「約束……だからね」
「……ぇ…?」
「これで私たちは、ずっと一緒ね」
兵士ちゃんはセルリアンともそれ以外の敵ともある程度戦った経験があってそれ故にその冗談をすぐには信じられなかったんだろうというのと、相手の白い子は本当に遊びで兵士ちゃんと鬼ごっこをして捕まえた後も前々から友達だったかのように優しくて兵士ちゃんは安らいでいるなと思いました。
オリフレスレとかあまり覗けてないので既に出ているかも知れませんが、この話を読んで白い子がどんなフレンズか見ていきたいと思います。
一応は二人ともオリフレスレに上げたことがありますけど、見た目も性格も微妙に違うので、あっちは全然気にしなくてもOKです。
どんな事を書いたかあんまり覚えてませんが、この先の展開のネタバレとかがあったりするかもしれないので完結するまでは見つけてもスルーして頂けるとありがたいです。
ちょっとからかっただけで本当はいい子なのかな
現時点ではどちらともわからないが・・・
どうでしょうね〜
こればっかりは続きを読まないと分かりませんね〜
どうしてこうなってしまったのだろう……。
私は頭を抱えていた。
私のことを非常食とまで言ったあの少女が今、私のすぐ横にいるのだ。
それも、お互いの肩が触れてしまうほどに近くに。
こうなった原因は……私にもあるのだと思う。
少し前に遡る
彼女は何かと話題を見つけて話をふってくる。
だが私はそれら全てを無視しし続けていた。
そうすれば彼女は諦めてくれるだろうと思ったから。
しかし、私の目算は外れてしまったのだ。
私に無視され続けた彼女はどう思ったのか、おもむろに立ち上がり、こちらまで歩いてくると、私の真横に腰を下ろした。
意味がわからない。
彼女の行動が意味不明なら、次に私がとった対応も意味不明だ。
彼女の奇行を見届けた私は、こんな状況に陥ってもなお、無視を続けることを選んだのだ。
私は……正しい判断が出来なかった。
彼女は私が何も反応を示さなかったのを見て、隣に座るのを許されたと思ったらしい。
時間とともに段々と小さくなっていって、ようやく聞こえなくなった彼女の声が、再び私の名を呼ぶ。
「ササコ?」
…………。
これはさっき知ったことなのだが、彼女の名前はゴイシシジミというらしい。
ついさっき、彼女が唐突に自己紹介をしてきた時に聞いた。
その際に「イシちゃんって呼んでもいいのよ?」などと言ってきたが、私が彼女のことを親しみを込めた愛称で呼ぶ日はおそらく来ないだろう。
ちなみに、私の名前も彼女に知れてしまっている。
教えるつもりはなかったが、あまりにしつこく聞いてくるので言わざるをえなかった。
「うん?…んー……あ、ササちゃん!」
「……」
それにしても、……近い。
馴れ馴れしいなんてもんじゃない。
実際の距離もそうなのだが、さっきから私のことをササコ、ササコと呼び、やたらと距離を詰めてこようとする。(私の名前はササコナフキツノアブラムシという)
自分でも長い名前だとは思うし、略して呼ぶことは別段気にはしないのだが……。
なのだが……彼女にその名で呼ばれるのは、なんだか癪に障るのだ。
「ねぇ」
私はゴイシシジミの言動や振る舞い一つ一つがとても腹立たしく感じてしまう。
その明確な理由を探しても、やはり見つからない。
「ねーえー」
そこまで考えたところで、初めて彼女に会った時のことを思い出した。
あの時感じた苛立ちの正体……それは恐怖だった。
でもよくよく考えたら、それだけではなかったように思う。
感情ひとつではとても言い表せないような嫌悪感。
ふと、本能という言葉が頭によぎった。
私は……本能的に彼女を嫌っているのだろうか。
「ねえってば」
「……なんですか?」
さっきからしつこく話しかけてくる声を無視し続けていたのだが、一向に諦める気配がないので、私は仕方なく返事をした。
「なんだ、喋れるのね。声が出せないのかと思って心配してたのよ?」
「別にあなたと話したいこともないですし」
結果的にゴイシシジミの思い通りになったのが面白くなくて、私はトゲのある言葉で返事をした。
だが、彼女は冷たくあしらう私をお構いなしに言葉を続けた。
「あら、見かけによらず冷たいのね」
「それ、どういう意味ですか……?」
「気になるのかしら?」
自分の言葉に私が興味を持ったのを知ると、ゴイシシジミは目を少し細めてそう言った。
「……」
私はこのまま会話を続ける気はなかったので、沈黙でもってして否定の意を伝えた。
だが、相手は沈黙を別の意味にとらえたようだった。
「私のお友達にね、あなたが似てたの」
「そうですか」
「そうよ」
「……」
「……」
気まずい沈黙。
ゴイシシジミは自分から話し始めたくせに黙り込んだ。
どうやら彼女は、私の次の言葉を待っているようだ。
「だったら、そのひとのところへ行けばいいじゃないですか」
私がそう言うと、ゴイシシジミは少し困ったような顔をした。
私の返事が彼女の望んでいた形でなかったことは、彼女の微妙な表情から容易に想像できた。
「……無理よ。だって、……あの子はもう……」
ゴイシシジミは寂しそうに呟いた。
彼女の様子から、その人がもういない事が分かる。
今のは失言だった。
だから、私は今からでも彼女に気遣いの言葉を……。
「……その人、実は貴方が食べちゃったんじゃないですか?」
私は冷たく言い放っ……ていた。
無意識に口をついて出たのは、最悪な言葉。
自分でも信じられないほどの暴言。
今のは、いくらなんでも酷すぎる。
いきなり理不尽な暴言を吐きかけられた彼女は、言葉を失ったようだった。
「……すみません」
私はうまく組み上がらない感情の中、なんとか謝罪の言葉を紡ぎ出した。
「ぁ…あはは、あなた酷いこと言うのね…………うん、あなたは思ったことをそのまま口に出せる正直者のいい子。そう…思うことにするわね」
今のは怒ってもいい所だ。
それなのに、彼女は無理に笑った。
…………。
こんなやさしいひとを嫌うなんて……私は、……。
「……あ、でも、あまりひとに酷いことを言っちゃダメよ? 私は気にしないからいいけど、中にはすごく怒る子も居るんだから。あなた、そんな事ばっかり言ってると、いつか殺されちゃうわよ?」
そうだ、彼女は私に言ったじゃないか。
お前は非常食だと、確かに言った。
そんなことを言うようなひとがいいひとなわけがない。
……本当に、そう言っていたのだろうか?
もしかして、何かの聞き間違いだったり…?
非常食
ひじょうしょく
ヒジョウショク……?
"あなたは暇つぶし兼……非常食なの。"
聞き間違いなんかじゃない。
彼女は確かに言っていた。
言っていた……はず。
おかしいのは、私の方なのかな?
「心配しなくても、私がこんなこと言うのはあなたくらいですよ」
私は投げやりに言った。
自分のことすら信じられなくなったという不安感から、私はどうやって逃れればいいのだろう。
「私のこと特別扱いしてくれてるの? 嬉しいわね」
ゴイシシジミは相も変わらず、私にとって都合のいい言葉をかけてくれる。
……。
いっその事、自分の使命や自分自身すらも全部忘れて、彼女の為だけに生きるのもいいかもしれない。
そんなあるはずのない未来に思いを馳せてみる。
ゴイシシジミは遊びが好きなようだから、きっと色んな遊びを知っている。
二人で、思いつく限りの遊びを試してみよう。
へとへとになるまで遊んで、疲れたら木陰で休憩。
ちょうどお腹がすいてくる頃だ。
ご飯を食べるのももちろん一緒。
同じものを食べて、おいしいねって言って、そうだねって……。
そして、お腹がいっぱいになったら、急に眠くなってきちゃって……そのまま木陰でお昼寝をする。
気づいたら夢の中で、隣にはあなたがいて。
夢の中でも一緒で、二人で……なんだかおかしいねって……笑いあって…………。
それは、とても幸せな未来だ。
……それなのに本能が、恐怖と怒りの感情がその未来の邪魔をする。
恐怖も、怒りも、そんな得体の知れないものは捨ててしまえばいい。
そうすれば、もう悩まなくてよくなる。
死すらも快く受け入れられるようになるだろう。
───ダメだ。
私は、焦げ付いて駄目になってしまった思考回路ごと頭をブンブンと振った。
すると、遠のきかけていた理性が戻ってくる。
何もかもが信用出来なくなった時、最後の最後に頼るべきは本能なのだ。
その本能を疑うなんてどうかしていた。
熱くなってしまった頭を冷やすために、私は深く息を吸う。
体内に取り込んだ空気は生暖かったけど、私の熱を冷ますにはこのくらいで十分……?
……少なくとも、もう先程のように変な気を起こすことはないと思う。
少しだけ冷静になった頭で考える。
私はどうして、どうしてこんなにも心を乱されているのだろう?
…………。
本当のことはわからない。
だけど、自分の中で一応納得がいくだけの答えらしきものは用意できた。
私が彼女に絆されてしまいそうになったのは……。
…………それは……きっとこの雨のせいだ。
根拠なんてない。
ただ漠然と、そう思った。
この雨粒の一つ一つが、いつか私たちの凍てついた関係を、…どろどろに溶かしてしまうんだ。
……。
私はそんな未来を否定する。
でも……雨が降ることと同じで、私が彼女に惹かれていくのも、自然なこと…なのかな?
「……ううん、違う」
私はぽつりと、その最良の未来を否定する言葉を呟いた。
「……? いまなんて言ったの?」
「内緒、です」
私は怪訝な顔をするゴイシシジミにそう言った。
すると彼女は「そっか」と言って、それ以上聞いては来なかった。
……雨の音だけが聞こえる。
ちらりと視線を横の方へやると、ゴイシシジミは空を見上げていた。
何か声をかけてみてもいいかもしれない。
「何をしてるんですか?」
「……太陽を探してるの」
「太陽……?」
私は彼女に倣って空を仰ぐ。
…………。
空は重い灰色で覆い尽くされていて、とても太陽が探せるような状態ではなかった。
私は、彼女の興じているよく分からない遊びをそうそうに切り上げた。
すると、ゴイシシジミも太陽を探すのを諦めたようだった。
それからは、お互いに言葉を交わすことはなかった。
だけど、先程のような気まずい沈黙ではない。
互いに、無言であることを受け入れていたから。
しとしと、ぴちゃぴちゃ。
しばしの間、透き通った雨音に耳を傾ける。
いつもは鬱陶しいだけなのに、今はこの雨の音が心地いい。
私たちは小さな木の下で隣り合い、降り注ぐ雨音たちをいつまでもいつまでも眺めていた。
二人の元動物を調べてみたら、兵士ちゃん(ササコ、ササコナフキツノアブラムシ)の反応は当然だったし、ゴイシシジミの言葉も事実だったりするんですね
元はそんな関係にありながらも、優しくササコに接するゴイシシジミの思いがいつか届いてほしいと思いました
原作の二人も雨の日は笹の葉の裏で一緒にいると思うとエモさがあります
毎度感想ありがとうございます。
そういったエモさもこれから追求していけたらなって思ってます。
ゴイシジミちゃんから何かこう迫ってくるような圧を感じますね・・・イシちゃんとササコちゃんは一体どういう関係だったんだろう
非常食・・・?
コメントありがとうございます
彼女の高圧的な態度は結構意識して書いてました。
非常食……あ、そういえば家に非常食とか備蓄してないじゃん!!(露骨な話題の切り替え)
えっと……詳しいことはまだ言えないんですすみません
俺前にも読んでるじゃん!
ゴイシジミちゃんは少し影のあるフレンズのようですね
過去にいったい何があったのだろう
お帰りなさいませ! 多重感想コメント、大いに結構です(聞いてない)
ゴイシシジミちゃんの過去が明かされるのはまだ先になりそうですね……
4話までに出てきた情報だけではまだ推測することも難しいかと思われます