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第2章
4話 ~5人目の適格者~
コウテイ
「なあ、オウサマ。
PIPに加入して、私たちと一緒にアイドル活動をしないか?」
キングペンギン
「アイドルって歌とか踊りとか大変なんだろ?」
コウテイ
「いや、我々はバンド形式だから、そこまでは・・・」
キング
「だからってボーっと立ってるだけって訳にはいかないだろ?
そんなアイドルなんて聞いたことないよ。
だからカンベン。 悪いな、コウテイ」
コウテイ
「お、おい…」
キング
「きっと私より相応しいメンバーが見つかるよ。 応援はするからさ」
そう言うとキングペンギンは去っていった。
外部コンテンツ
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イワビー
「よ! またフラれたな」
コウテイ
「イワビーか。 遅刻だぞ?」
イワビー
「いやぁ… 時間ギリギリに着く予定だったんだけど・・・
途中で興味深いフレンズに出会っちまってなぁ…」
コウテイ
「いや、もっと時間に余裕を持って来たらどうなんだ、
ーて事を言いたかったんだが…」
イワビー
「他のヤツらは?」
コウテイ
「ジェーンは5分前に来ている。
フルルは・・・ まだ寝てるけどな」
イワビー
「やれやれ。 まーた起こしに行かないと…
それよりさあ、これ以上いろんなヤツに声なんか掛けなくても、
PIP(Penguin Idol Project)は
もうオレたち4人態勢でいいじゃん」
コウテイ
「確かに、私たち4人だけでも十分アイドルとして認知されているし、この先の心配もしていない。
だが、もっと上を目指すにはPieceが足りてない気がするんだ。
それが見つかれば ただのアイドルを脱皮して、
PerfectなPerformerになれる気がするんだよ」
イワビー
「脱皮ってヘビノコかよ?」
コウテイ
「ム...」 ( `⌢´)
イワビー
「
これでもコウテイの向上心には いつも感心してるんだぜ?」
コウテイ
「私はリーダーとしてお客さんをより楽しませるために・・・」
イワビー
「分かった、というか分かってる。
そこまで言うならオレも探してみてやるよ。
ーで? どんな子が ご所望なんだ?」
コウテイ
「そうだな・・・
歌唱力はもちろん、華があって... 観たお客さんが憧れる...
そう、例えるなら『お話』なんかに出てくる・・・
コウテイ・イワビー
「「お姫様(Princess)のような?」」
コウテイ
「❗
もしかして…?」
イワビー
「それならついさっき、その条件に合いそうなヤツを見掛けたぜ?」 (*・∀-)b
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地味にダメージを負った私が戻ると、サーバル・カラカルは、すでに戻って待っていた。
パンクの修理も終わったらしい。
サーバル
「ダイヤウルフなら知らないかな?」
ちゃんとダイヤ探しのことを考えててくれたんだ。 (ノ∀`)ホロリ
カラカル
「あぁ、あの自転車を乗り回してたオオカミのフレンズね…
って名前しか合ってないじゃない!」 (*`Д´)っ))
ミライ
「正確にはダイアウルフなので、知らないかと…」
┌──────────────────────┐
│あたしの噂をしてるのは誰ニャー?
└∨─────────────────────┘
.Λ_Λ________
ロイヤル
「耳がシャベッタァァァ!」
サーバル
「あ、ダイヤウルフ」
カラカル
「だからダイアだってば」
サーバル
「そんなことより、なんで私たちが噂してるって分かったの?」
カラカル
「人のツッコミを『そんなこと』ってなによ? 突っ込んでやらないわよ?」
サーバル
「ごめん、ごめん。 スルーはやめて?」
カラカル
「分かればいいのよ。 ツッコミにも『技術』が要るんだから」 <( ̄^ ̄)>.えっへん!
ダイアウルフ
「話を進めていいかな…?
最近SNSにハマっててね。 エゴサは欠かさないんだよ。
つい聞き耳を立ててしまうのは、イヌ科の本能なのかもしれないな」
どこかで聞いたような・・・
サーバル
「にゃ~! 耳の良さなら私だって負けないんだからぁ!」
カラカル
「どこに対抗心を燃やしてんのよ?」 (*`Д´)っ))
ミライ
「イヌ科の本能・・・ マーケティングじゃなくて、ですか?」
カラカル
「それを言うならマーキングでしょ1?
だいたいパークガイドとしてどうなの? そのボケ」 (*`Д´)っ))
サーバル
「ところでダイヤのこと知らない?」
カラカル
「さらっと話を進めない!」 (*`Д´)っ))
いや、そこは突っ込むところじゃない気が…
話はどんどん進めて欲しい。
ダイア
「悪いな。 今、サイキョーそうなセルリアンを追ってて、それどころじゃないんだ。
また後でな」
話は進まなかった…
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イワビー
「よ! プリンセス。 また会ったな」
ロイヤル
「あ、ええ。 さっきはどうも…」
サーバル
「ロイヤル、PIPと知り合いだったの!?」
カラカル
「でも最初、みずべちほーへの案内を断ったわよね?
何か訳あり?」
ロイヤル
「いえ、さっき知り合ったばかりよ」
こっちのメンバーとは初対面だった。
ウソは言ってない… はずだ。
そして、イワビーと一緒に居たのは・・・
コウテイ「・・・」
イワビー
「・・・い。 …おい!」
イワビーが呆 けているコウテイを肘で突く。
コウテイ
「あ、ああ。 P… PIPのリーダー、コウテイだ」
ロイヤル
「PIP?」
ミライ
「ペンギンのフレンズさん4人によるアイドルユニットのことですね」
マーゲイも言っていた「初代は4人」の時は、まだPIPと呼ばれていたのだろうか?
私が入る余地のないPPPの前身...
イワビーとコウテイは顔を近付け、口を手で隠しながら、
コウテイ
「滲み出る才能 キラキラしたオーラ。
PIPの新メンバーに相応しい・・・ というか
ぜひプリンセスに加入してもらいたい」
イワビー
「じゃあジェーンやフルルにも協力してもらって一芝居打つか」
コウテイ
「そうだな、あとはアドリブでどうにか・・・」
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コウテイ
「お近づきの印に、皆さんをPIPの練習見学に招待したい」
密談が終わったらしいコウテイは、そう切り出した。
冗談じゃない。
こんなところで道草を食っている場合ではないのだ。
それに これ以上PIPのメンバーと関わりを持ちたくない。 今は...
断ろう。 そう思って口を開く。
ロイヤル「悪いけど私たちはダイヤをs…
サーバル「行きたーい!」
ロイヤル
「・・・ サーバルは(空気を読まずに)マイペースを貫くフレンズなんだね!」
サーバル
「えへへ...」
ロイヤル(褒めてないわよ!)
ミライ
「ペンギンさんのフレンズの耳ってどんな味なんですかねぇ? じゅるり…」
ロイヤル
「ミライさんは(自分の欲望に)素直なフレンズなんだね!」
ミライ
「うぇへへ…」
ロイヤル(よだれ、よだれ...)
一方のカラカルは、いつもなら「迷惑でしょ?」などと言って、諫 めそうなものだが、
騒ぐ2人を
こちらやコウテイたちの方をチラチラ見つつ、あからさまにソワソワしてる。
どうやら彼女も興味があるようだ。
コウテイ
「プリンセスも是非!」
プリンセスが公認ニックネームになりつつある…
イワビー
「そんなに急ぎの旅でもないんだろ?」
唯一 乗り気でない様子を醸 している私に対し、外堀がみるみる埋められていく・・・
サーバル「ね~ 行こうよ~」
ミライ「ね~ 行きましょうよ~」
カラカル
「悪いわね。 サーバルもミライもこうなったら聞かないわ。
付き合ってあげてくれる?」
彼女たちに『断る』という選択は無いようだ。
どうしても、というなら単独行動を取るしかないが、リスクが大きい。
ダイヤの手掛かりも、今は無いに等しい。
ロイヤル
「分かったわ。 行きましょう」
折れるしかなかった。
サーバル「やったー!」
ミライ「やりましたねー!」
2人はハイタッチしながら喜んでいる。
カラカル「やれやれ」 ┐(´~`)┌
そう言う彼女もアイドルの招待を受けて、満更ではないらしい。
こうなっては仕方ない。
私は腹をくくった。
ただ気掛かりなのは・・・なかなか『ほんへ』が進まない モードに突入したのかもしれない、ということだった…
また、
~to be continued~
【すぺしゃるさんくす】
風龍 様