アグスティン政権は、ナバラ紛争を勃発させるなど民族問題対応に失敗して支持率を失い、1998年に行われた大宰相選挙の対抗馬のアデレードに大敗した。
アデレード政権は、ナバラ連合自治政府の要請を受けて軍を派遣したものの限定的であった。1999年モルトラヴィス航空223便がラトビア軍により撃墜されると、国内世論に同調する形で帝国はアーリュン紛争へ本腰を入れて介入することを決定し部隊や武器を送った(モルトラヴィス航空223便撃墜事件)。
アーリュン紛争へ介入していた最中、アステシア家に代わりガリシア王国を統治していたヴァルナ家の代替わりが起きた。内戦期に独立し王家となったヴァルナ家は、帝国成立後も帝国の構成国となる変わりとして王国の統治を継続しており当主カルロス・エドゥアルド・ファン・ヴァルナの死後、後を継いだカルロスが民族問題で揺れる帝国からの離脱を一方的に宣言した。離脱を阻止するべくアストゥリアス王国、ポルトフィーノ王国、レオン王国の連合軍、更にアーリュン紛争から手を引いた帝国軍がガリシアへと侵攻した(ガリシア継承戦争)。ガリシアの首都ア・コルーニャは1年足らずで陥落しヴァルナ家は降伏し、王位はモルトラヴィス1世が継承した。
民族問題を抑えるべく、モルトラヴィス1世は1991年体制の解体を目論んだ。独自の王権の続いていたアラゴンやカタルーニャなどの王位はすべて皇帝が継承し、完全な同君連合(物的同君連合)となった。帝国政府は各国、各自治領政府をまとめる中央政府となり、同君連合全体の外交、軍事および財政の権限が付与された。各国政府は自国の軍事、財政に関する権限が限定的ながら付与された(2005年体制)。
2002年にナバラ最大規模の抵抗勢力であったFLLEが各国軍の攻勢や内部抗争により、ミスリルとイベリア民族統一解放戦線(INUL)、ナバラ軍事評議会政府の3つに分裂した。軍事評議会政府は連合自治政府との停戦合意を締結し連合自治政府軍へと加わったが、他2勢力は抵抗をつづけた。中でもミスリルは2011年から本格的に戦闘に参加し始めビトリアやビアナ、更には連合自治政府の首都パンプローナを攻略し2014年にナバラ地域の大半を占領するまでに勢力を拡大させた。ミスリルの拡大に対して帝国も本腰を入れて介入をせざる負えなくなり、戦線は徐々に後退し2017年のビルバオの戦いを機に劣勢は決定的となった。2019年にエステーラ近郊で指導者のナディームを殺害すると求心力を失ったミスリルは敗北宣言をした。