ベルセルクフレンズ]6話
1話[プロローグ]>> 1
前回[黒いモヤモヤ-2]>> 5
「サーバルちゃん速すぎぃ…」
かばんがさばんなちほーのど真ん中で、軽く息を切らしながらサーバルを追いかけている。
どれだけ体力量にすぐれるヒトでも、急にこれだけ速く走れば息が切れるのも仕方がない。
もうすぐでサーバルに追い付くだろうと考えた時、草の向こうにサーバルの大きな耳が見えた。
やっと追い付いた
かばんは心のなかで安堵の声を漏らした。
だが、何か様子がおかしい。
自分の走る速度では到底あり得ないほどの早さでサーバルがこちらに近づいて来るのだ。
その異変に気付いた頃には、サーバルは目の前に迫っていた。
「かばん、伏セテ!」
「た、たうぇ!」
ボスの声が耳に入る頃には、かばんは反射的に身を屈めた。
だが、飛んできたサーバルを完全に避けきれず、背負っている鞄とぶつかってしまった。
「うみゃあああああ!」
「うわわわわわああ!」
「アワワワ」
避けきれなかったかばんは、サーバルと接触した鞄に引っ張られるようにして後ろに吹っ飛ばされた。
そのまま尻から地面へと崩れるかばん。
「うみゃあああぁぁ!?」
サーバルはかばんの鞄とぶつかってもなお勢いはおさまらず、かばんと激突した所から更に4メートルほど宙を舞い、土煙を上げながら地面に墜落した。
「さ、サーバルちゃん!?」
かばんが慌ててサーバルの元に駆け寄る。
地面に落ちてもなお勢いのまま滑ったせいか、毛皮には土や砂、草がついていて、肌の露出している肩の部分には擦り傷が付いていた
「イタタタ…」
「だだだだ、大丈夫!?」
「アワワワワワ」
混乱しているボスを気にかけながらも、かばんはサーバルの手をひき、身を起こすのを手伝う。
「シマウマが…」
サーバルが困惑顔でサバンナシマウマの名前を呟く。
サーバルの顎は赤くなっていて、口の中からは微量の血が出ていた。
「サーバルちゃんその顎…」
かばんが心配そうに赤くなったサーバルの顎を見る。
「ヘーキヘーキ!これくらい、ジャパリまん食べれば治るから。それより…」
サーバルが、サバンナシマウマの方向を焦り混じりの顔で見つめる。
「その顎って、もしかしたらサバンナシマウマちゃんが…」
「うん。でも、何だか様子が変だったよ。
目は野生解放みたいに光ってたけど、なんだか暗い感じだった。」
「いったい何が…。ラッキーさん?何か分かりませんか?」
「コンナ状況ハ初メテダカラ…アワワワ」
「ちょ…ラッキーさん!?」
だが、ボスとかばんの声を遮る大きな声が聞こえた。
「がああああああああああああああ!!!」
早スギィ!早い早い早い……ンアッー!
ごめんなさい、面白かったです