【ベルセルクフレンズ】11
一話[あらすじ]>> 1
前回[しゅっぱつ(アラフェネのターン)]>> 15
「あー暇だなあ」
ジャガーがジャングルちほーの川辺でため息混じりにの愚痴吐いていた。
というのも、かばんたちと作った橋のお陰でフレンズ達が川を渡るのが楽になった反面、イカダを引っ張る必要が殆ど無くなったジャガーはやることがなく、こうして川辺で暇をもて余しているのだ。
コツメカワウソはちょうどジャパリまんを貰いに行って留守なので、遊ぶ相手もいない。
「はぁー。川を渡るのが格段に楽になったとはいえ、私のやることか無くなっちゃったなあ。」
そこら辺の石を川に投げながら、ただ時間が流れるのを待っていた。
「久しぶりに釣りでもしようかな…」
と、独り言を言いながらパタンと体を後ろに倒す。
「…」
こちらを見下ろす黒いモヤモヤと目が合った
「ど、どうも…」
黒いモヤモヤが自分めがけて突っ込んできた
「うおおお!?」
間一髪、体を横に捻って回避をした。
「セルリアン!?」
ジャガーは素早く立ち上がると、黒いモヤモヤと距離を置き、戦闘態勢の構えをとった。
「見たこと無いセルリアンだけど、ささっと消えてもらうよ!」
ジャガーがセルリアンに向かって、鋭い爪を振り落とした。
「あれっ!?」
だか、自分の手は黒いモヤモヤをすり抜け、そのまま止まらず自分の腹に直撃した。
「ジャガッ!?」
まさか攻撃が当たらないとは思ってもいなかったジャガーは、思いきり力をいれて振り落とした自分の腕を避けられず、自分で自分に腹パンをする形で自身にダメージを与えてしまった。
「こ、攻撃が通用しないなんて…」
サッと距離を空けたジャガーは、自分の腹を押さえながら弱音を口にした。
こんなセルリアン見たこと無い。
攻撃が効かないのにどうやって倒すべきか…
『おい』
「!?」
「だ、誰!?」
声の主を探すために周りを見る。
だが、フレンズの姿はどこにもない。
『こっちだ』
また聞こえた。
ジャガーには訳がわからなかった。
付近にフレンズはいない。目の前に初見のセルリアンがいるだけだ。
まさかセルリアンが喋っているだなんて、そんなこと…
『―ったく、なーんで分からないのかねぇ
目の前にいるってのに』
「目の前って…え?」
その声の主が言う目の前には、初見のセルリアンがいるだけだ。
『お前の脳内にテレパシーで話しかけてるんだよ。とっとと気付け。』
この時、ジャガーは目の前の黒いモヤモヤがセルリアンじゃないことに気付いた。
「えっと…、てれぱしー?ぜんぜんわからん」
『ま、そーゆー訳で。』
黒いモヤモヤがまたジャガーに向かって突っ込んできた。
不意を突く攻撃に驚きながらも避けた。
さっき距離を開けていなかったら、避けられなかっだろう。
『ねえ?今どんな気持ち?』
またもジャガーに向かって突っ込みながら、テレパシーで脳内に語りかける。
「どんな気持ちって…うわっと!?」
ジャガーが答えようとしている間も黒いモヤモヤの攻撃は止まない。
反撃をする前に次の攻撃が来るので、避けるのも精一杯だ。
『橋が出来て他のフレンズ達が川を渡りやすくなって、嬉しいの?悲しいの?ねえどんな気持ち?』
「どんな気持ちって… そりゃ嬉しいけど…」
ジャガーは黒いモヤモヤの攻撃を後ろに跳んでかわしながら答える。
『自分の長所の水泳能力を活かせなくなって悲しくないのー?』
「うっ。それは…」
一瞬、ジャガーの動きが止まった。
その隙を、黒いモヤモヤは逃がさなかった。
ジャガーの目に映ったのは、自分に向かって物凄い速さで突っ込んでくる黒いモヤモヤだった。
避けられないと判断したジャガーは、両腕を体の前に構え、衝撃に備えた。
…だが、衝撃が来ることはなかった。
黒いモヤモヤは腕をすり抜け、そのままジャガーの体に幽霊が憑依するかのように入り込んだ。
「えっ!?」
ジャガーの意識はそこで途切れた。
次はジャガーが…
https://youtu.be/tBja9_KM8Q8