【世にも奇妙なけ物語 ~きつねメビウス~】 [原案:ゆーたさん]
ボクは我儘だ。
今まで、ことあるごとにギンギツネを困らせてきた。
今回のこともそうだ。
博士たちによると、
ボクの身体はサンドスターの衝突という偶然によって生まれたフレンズと出自が違い、
いつフレンズ化が解けてもおかしくないくらいゼンゼヨワイーらしい。
又、セルリアンへの耐性も低く「次、襲われたらひとたまりもないでしょう」と言われた。
そんな話をボクはスンナリと受け入れられた。
ボクは諦めが早い。
それでも長くギンギツネと共に過ごしたい。
この2つの相反する気持ちを「両立させるシチュエーション」として、ボクの歪んだ心が作り出してしまった世界。
それがこのループ・・・いやメビウス・スペース(捩じれた空間)だった…
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だけど、ここまでくるとボクだけの力で起きているとは思えない気がしていた。
メビウスの輪とは表が裏に裏が表に繋がっているからだ。
ギンギツネはいつものようにボクを起こした後、どこかへ出掛けて行った。
同じ朝を繰り返すたびに消耗している様子なのに、まだ何かを企んでいるらしい。
ボクのように諦めれば楽になれるのに…
とにかくこのままでは埒が明かない。
なんとかこの輪を断ち切らないと・・・
そんなことを考えていると、美しい深紅の羽に神聖なオーラをまとったフレンズが突如 現れた。
そのスザクと名乗ったフレンズは言った。
「我はフレンズを見守り、手助けするために存在する守護けもの。
ギンギツネは助けてやれるが、お主はそうではない。
それでもお主は願うのか」と。
改めてボクは「自分はどうなってもいいからギンギツネを助けて欲しい」と言った。
スザク
「お前たちの互いを想う絆は強すぎる。 だが、やるだけやってみよう」
スザク様は、そう言うと去っていったが正直 不安だった。
ギンギツネは頭が固い上に、なんでも独りで背負い込むところがある。
次で最後にしよう。
話せば分かってくれるだろう。
ボクが居なくなればギンギツネは解放されるのだから・・・
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「ギンギツネ、話を聞いt…」
ギンギツネ
「デカクナールDX!」
帰ってきたギンギツネに声を掛けようとした途端、
どこからともなく取り出したフラスコの中身をいきなりぶっかけられた。
「ペッ、ペッ! な、何…? これ」
「ボクのことは もういいんだ。 だから諦めて」
ーと訴えるつもりが、すっかり先手を打たれた格好だ。
口の中にも薬が入ってきて、少しだが飲んでしまった。
「うが…?
何かが喉を迫り上がってくる。
そして、あっという間に口の中を占拠し・・・
ゔぇっへ!」
思わず吐き出す。
丸い本体にたくさんのスパイク(トゲ)が生えたウニのような姿のセルリアンが姿を現した。
ギンギツネ
「やっと正体を見せたわね!」
続けてギンギツネは、もう1本フラスコを取り出すとグイっと飲み干す。
「ママニナールOπ!」
みるみるギンギツネの胸囲が2カップは膨らみ・・・
張りつめた服の頂点の色が変わったように見えた。 もしかして濡れている…?
そんな様子に気を取られていたボクは、うっかりウィルスリアンに飲み込まれてしまう。
「しまった!」
そこへギンギツネも飛び込んでくる。
ボクのために またギンギツネが危険にさらされてしまう。
そんな自分の無力さにほとほと呆れながら・・・
ボクたちは溶け合って1つになった…
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いや、その表現は正確ではない。
ボクはすぐにギンギツネだったモノに包まれ、ウィルスリアン溶液と隔てられた。
経験がないので分かるはずもないのだが、それはまるで「母親の胎内」にいるようだった。
温かい・・・
頬に何か、大きくて柔らかいものが押し付けられる。
ボクは本能のままに、知っていたかのように その先端を探し出すと口に含み、吸い出す。
薬のせいで苦かった口の中が、甘い何かで満たされる。
そんな幸せな気分に浸っていたのも束の間、気付いたらウィルスリアンの外に産み落とされていた。
!?
慌てて向き直る。
そこにはウィルスリアンの羊水中で漂う虹色の球。
「ギンギツネぇ!?」
そう呼びかけるとフレンズの形になり、語りかけてきた。
#ギンギツネ「今までごめんなさい。そしてありがとう…」
「そんな・・・」
突き飛ばされた・・・気がしたが、腰が抜けただけかもしれない。
さっきまで見ていたギンギツネの姿は幻影だったのだろうか?
虹色の球が漂っているだけだ。
ーと、突然ウィルスリアンのトゲが尻もちをついたボク目掛けて触手のように伸びてくる。
死にたくない! ボクは咄嗟に手を顔の前にかざす。
カピバラ
「危ないよよよ…」
カピバラが飛び込んでくると背中の桶を取り、盾のように構え触手の攻撃を防ぐと、
すぐさま頭のタオルを鞭のように操り・・・
ぱっかーーん!
『へし』に一撃を食らわせるとウィルスリアンはキューブ状に飛び散った。
キタキツネ
「ありがとう、助けてくれて…」
カピバラ
「でもギンギツネさんが・・・」
虹色の球が転がる。
やがてサンドスターが抜けていき・・・
原作の姿に戻る。
キツネは名残惜しそうにしばらく部屋をうろついていたが、やがて森に帰って行った。
カピバラ
「追い掛けなくていいのかななな…?」
キタキツネ
「いいんだ。 いいんだよ、これで…」
こんな形になるとは思ってもみなかったけど…
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博士
「そんな極小のセルリアンが存在するとは・・・
タイリクオオカミのホラーネタが増えますね」
助手
「恐らくお前が大あくびをした時にギンギツネから
真実を聞いても、そのことでギンギツネを責める気にはなれなかった。
たまたまセルリアンに抵抗力のないボクだからこそ こんな事態に陥ったのだろうから。
博士
「なんでもヒトは#初乳を与えることで母から子に免疫や殺菌力を授けるそうです」
助手
「ところで、その薬は本当に残ってないのですね? 隠すとためになりませんよ?」
どうやら博士たちは『ないすばでぇ』になり損ねたことを根に持っているらしい。
もしレシピが見つかったとしても黙って処分しておいた方がいいだろう。
でないと、喉から手が出るほど欲しがるフレンズの間で争いが起こりかねない・・・
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それからというもの、オイナリサマがボクを心配してたびたび様子を見にくるようになった。
あまりにも しょっちゅう来るので気を使わせるくらいなら、と思って
「オイナリサマのところでお世話になろうかな?」
と切り出してところ、とても喜んでくれた。
どうやら寂しかったのはオイナリサマの方だったようだ。
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「ここが…」
ある日、ギンギツネが研究に使っていたという部屋に入ってみた。
棚には怪しげな薬がたくさん並べてあった。
そのうちの1つに目が留まる。
『フレンズニナールKK+』
「これって…」
名前から察するに原作を人工的にフレンズ化する薬だろう。
ふと、ある誘惑に駆られる。
これを使えば・・・
逆にこれを使わなければサンドスターの気まぐれ… 偶然に頼ることになる。
何年、何十年・・・いや何世代経たないと、
いや、一生出逢えないかもしれない・・・
薬を手に取ってみる。 じっと見つめる・・・
ボクは。
ボクなら・・・
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ガシャーン!
オイナリサマ
「なんですか? 今の音は」
キタキツネ
「ごめんなさい。
部屋の掃除をしようと思って…
棚の整理をしてたら落としちゃった」
オイナリサマ
「・・・
そうですか。 それがあなたの決めた道ですか…」
キタキツネ
「・・・」
オイナリサマ
「さあ、片付けましょう。
そこに雑巾とホウキがあるでしょう。
ガラスで手を切らないよう気を付けるのですよ?」
キタキツネ
「はーい」
~〇年後~
パークにサンドスターが降り注いだ次の日、ボクはゆきやまにいた。
「#よっ んっ」
???
「普通作るなら雪だるまとかウサギでしょ?」
キタキツネ
「いいの!
こっちが …で#もう1つがボク…」
ギンギツネ
#まったく、あなたって子は…
キタキツネ
「#おかえりなさい!」
~おわり~
ママニナールOπだと・・・もうちょっと詳しkいやギンキタが幸せそうでよかったよかった
存在を知られると戦争になりかねないので、どうぞご内密に…☝
ギンキタも素敵なコンビですよねぇ