>> 908 起
【世にも奇妙なけ物語 ~きつねメビウス~】 [原案:ゆーたさん]
目が覚めた。
夢とは思えないほどリアルな夢・・・にしては記憶がはっきりし過ぎている。
隣にはキタキツネが寝ている。
ギンギツネ
「起きなさい」
とても信じられないが「二度あることは三度ある」という。
奇妙なデジャブに纏わり憑かれながら恐る恐る起こしてみる。
キタキツネ
「ふわ~」
目を擦りながら半身を起こすと大あくびをする。
きっと遅くまでげぇむをしていたのだろう。
「はしたないわねぇ… しゃんとしなさい?」
キタキツネ
「あと10分寝かせて… あとで行くぅ」
そう言って布団に転がって二度寝しようとする。
記憶にある通りのやりとりを同じようになぞっている・・・
私は確信した。 ループしている。
なぜ? どういうこと?
疑問が次々に湧くが、言えることは、このままでは・・・
今は原因究明や現象の解析をしている場合ではない。
キタキツネを救うことが第一だ。
「起きなさい!」
初めて見たであろう私の剣幕に、キタキツネは慌てて起き上がると、きょとんとしていた。
声の迫力・テンションの違いに戸惑っているようだ。
でも、そんなことに構っては いられなかった。
「早く!」
腕を掴むと無理矢理 立たせようとする。
キタキツネ
「わかりましたよぉ…」
いつものように、これ以上 駄々をこねてもムダだと思ったのか、渋々従う。
キタキツネ
「も~ 口うるさいお母さんみたいなんだからぁ…」
そんな憎まれ口を聞き流しつつ、追い立てるように部屋から出す。
とにかくこの場を離れさせなければ・・・
「私は玄関を掃除するから、あなたはお風呂の掃除と温度調整をしてちょうだい」
キタキツネ
「は~い」
キタキツネの背中を見送りながら安堵した。
これで「運命」は変えられただろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ーという甘い考えは、あっさり打ち砕かれた。
同じように悲鳴が聞こえ、駆け付けた時には変わり果てたキタキツネを目撃する羽目になった。
なぜなんだろう?
部屋を替えただけでは不十分だったということだろうか?
次の回では山の上にある分離機の調整を頼んだ。
この『場』を離れさせようと思ったのだ。
よっぽど本人に『このこと』を告げて警戒を促そうか、とも考えたが、
キタキツネに「このままではお話しできなくなるから」とは とても言い出せなかった。
そもそもこんな話、信じてもらえないだろう。
これでよかったのか?という迷いと疑念、これしかないという願いと期待。
それでも募る不安を抱えながら掃除をしていると、カピバラが血相を変えて入ってきた。
「さっきそこで、すれ違ったばかりのキタキツネが…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後も思い付く限りの方法を試してみたが「運命」は変えられなかった。
何度も繰り返すうち、一人では心身ともに限界を感じ、ついに外部の協力を仰ぐことにした。
ハンターチームに護衛を頼んだのだ。
ーと言っても説明が難しい。
なので『セルリアンが近辺をうろついているようで不安だから』と嘘をついた。
もう、なりふり構っていられなかった。
一方でキタキツネには、気は進まなかったが真実を告げることにした。
それを告げられたキタキツネは当惑していたが、鬼気迫る私の真剣な説得に応じてくれた。
ヒグマたちは都合が付かないということでレジェンド・ハンターたちが来てくれた。
3人はブランクを感じさせないキビキビとした動きで、それぞれの持ち場に付く。
ショートフェイスドラクーンは建物の外、アメリカンドールが部屋の前を固め、
カバは部屋の中でキタキツネのそばに張り付いた。
私は邪魔にならないよう別の場所で、やきもきしながら待機していた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カバ
「突然キタキツネの体が・・・」
アメドー
「セルリアンの姿なんて見なかったぞ?」
ショフェーン
「同じく、なのだ」
結果は同じだった・・・
ハンターたちは私に向けて謝罪を口にしたが、とても責める気にはなれなかった。
むしろこっちが謝らなくてはいけないくらいだ。
カバ「セルリアンと言うよりはサンドスターの枯渇によr…
アメドー「体内からフレンズ化が解けt…
ショフェーン「いや、サンドスター不足とは考えにくい状況なのだ。 だが、似た症例にガオg…
その後、3人は現場検証と考察を行っていたが、その輪に加わる気も起きず、私はその場を離れた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キタキツネ
「ふわ~」
キタキツネはいつもと同じように目を擦りながら半身を起こすと、大あくびをする。
きっと遅くまでげぇむをしていたのだろう。
「はしたないわねぇ… しゃんとしなさい?」
あれから何日経っただろう?
いや1日も経っていないのだが…
心の中でそんな自分ツッコミをしながら自嘲気味に笑った。
キタキツネ
「大丈夫? 目の下にすごい
そう言うと心配そうに顔をのぞき込む。
「大丈夫よ…」
普段なら嬉しい心遣いだが、今は素直に喜べない。
せめて心配を掛けないよう強がって見せた。
キタキツネ
「そう? じゃあ、あと10分寝かせて… あとで行くぅ」
そう言うと布団に転がって二度寝しようとする。
このやりとりも何度目だろう?
何度も諦めそうになりながら、未だ諦めきれずにいる。
自分の執着心と業の深さに呆れながら、この現象について分かったことを頭の中で整理してみる。
・キタキツネの記憶は毎回リセットされる。(それだけは救いか)
・基本になる言動は共通だが、様々なバリエーション(私の干渉に対する反応を含む)がある。
・だが必ず同じ結末に収束する。
一方の私は、
・時間や場所を問わずキタキツネを失うと間もなく意識を失い、また同じ日の朝に戻る。
・記憶の引き継ぎ(積み重ね)はされるが、決して「強くてニューゲーム」ではない。
どうして私(とキタキツネ)だけがこんな目に遭うのだろう?
もしかすると『罰』なのだろうか?
それでもキタキツネとずっと一緒に居たいという私の
ふとキタキツネとの出会い、キタキツネとの想い出が脳裏をよぎる。
💡 そして閃いた。
なぜ今まで思い付かなかったのだろう?
『あの人』なら力になってくれるかも・・・
そうと決まれば。
~to be continued~
【すぺしゃるさんくす】
スカル・コンドルさん・・・アメリカンドールちゃん・ショートフェイスドラクーンちゃんのイラスト
私のオリフレを出して頂きありがとうございます!
こちらこそ 🙇♂️
あの人とは一体?無限ループって怖いですよね!
だ、誰だろー?
コワイコワイコワイ!
友情出演いいぞ
二人とも強そう
最初はヒグマチームで考えてたんですが、
タイミング良くオリフレ化してくれたので差し替えさせてもらいました。
さすがベテラン。 スッと合わせてくれましたね。