【世にも奇妙なけ物語 ~きつねメビウス~】 [原案:ゆーたさん]
目の前には『虹色の球』が転がっていた・・・
「どうして? どうしてなの!?」
球からはサンドスターが蒸発するように飛び散り、やがてケモノの形になっていく。
それは本来の姿を取り戻すと、振り返ることなく森に帰っていった。
何度この光景を見ただろう?
何度この光景を見せ付けられるのだろう?
大事にしていたものが手から
そもそも求めたことが間違いだったのだろうか?
やり方が いけなかったのだろうか?
そして意識が薄れていく・・・
また始まるのだろうか?
まだ終わらないのだろうか?
いや、まだやり直すチャンスがあると思えば・・・
もしそうなら次は間違えないようにしないと・・・
これ以上「失う」のはイヤだ。
今度こそ護ってみせる。
やがて周囲は闇に呑まれ、
光が包んだ・・・
「まったく。 げぇむの何が面白いのかしら?」
そんなことを言うと公式から叱られてしまうかもしれないが、分からないものはぜんぜん分からない。
当のキタキツネは遅くまでげぇむをしていたらしく、
「あと10分寝かせて… あとで行くぅ」
ーと起きてこなかった。
その言葉を鵜呑みにしていた訳ではないが、案の定キタキツネは いつまで経ってもやってこない。
だらだらしてるか、げぇむに勤しんでいるのだろう。
「甘やかせすぎたかしら…」
玄関の掃除、温泉の温度調整などを一通り済ませ、キタキツネが居るであろう部屋に向かおうとすると・・・
きゃーー!
悲鳴が聞こえた。
慌てて部屋に入ると、
そこには変わり果てたキタキツネ(?)の姿があった。
「なっ!?」
黒セルリアンに取り込まれた『かばん』と同じように、虹色の球からサンドスターが抜けていき・・・
「待っ…」
キツネ(原作)の姿に戻ると、静止の言葉を聞くこともなく部屋を飛び出していった。
私は混乱していた。
セルリアンの気配なんて、みじんも感じなかったからだ。
そもそも家の中に侵入してくるなんて聞いたこともない。
突然訪れた『別れ』に呆然とするしかなかった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうやら泣き疲れたまま寝てしまっていたらしい。
部屋は薄暗く、まだ日は登っていない。
なのにチカチカした光を感じる・・・?
ガバッ!
私は飛び起きた。
キタキツネが呑気にテレビゲームをしていたのだ。
「何やってるの!?」
キタキツネ
「あ~ バレちゃった…」
キタキツネは、まったく悪びれる様子もない。
時々、夜中にこっそり起きてげぇむをしていたのだろう。
私は混乱した。
キタキツネはセルリアンに呑まれて動物に戻ってしまったはずだ。
ガバッ!
思わず強く抱きしてめてしまった。
キタキツネ
「痛いよ、ギンギツネぇ」
「ごめんなさい」
腕の力を緩めた。
でも無事で良かった。
悪い夢でも見ていたのだろうか?
そうだ、そうに違いない。
でも、なかなかキタキツネを離そうとはしなかった…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
改めて、日が昇り・・・
ゆうべは取り乱してしまったことに少し恥ずかしさを覚えながら、キタキツネを起こす。
キタキツネ
「あと10分寝かせて… あとで行くぅ」
案の定、素直には起きてこなかった。
私の目を盗んで夜中にげぇむなんてしてたら寝不足なのも当然だろう。
「まったく… げえむの何が面白…」
・・・なんだろう? このデジャブは…
胸に引っ掛かるものを感じながら、玄関の掃除、温泉の温度調整など日課を片付ける。
その間も心の片隅に生まれた黒いものは、どんどん浸食範囲を広g…
きゃーー!
悲鳴が聞こえた。
まさか!?
心臓の鼓動がフル稼働しているのに、頭が回らない。
この先の展開に想像は付いているのに、脳がそれを拒絶する。
部屋に飛び込むと・・・やはり変わり果てたキタキツネの姿があった。
虹色の球からサンドスターが抜けていき・・・
「待っ…」
キツネ(原作)の姿に戻ると、静止の言葉を聞くこともなく部屋を飛び出していった。
私は膝から崩れ落ち、決して答えの返ってくるはずの無い問いを呟いた。
「どうして… どうしてこんなことに…?」
~to be continued~
>> 790
を大幅加筆・修正。 完全版に仕上げたいと思います。
同じ一日を繰り返している!?
実は「誰かの意思」によるものです。
これかw
懐かしい
中途半端なのは気にはなってたんで、ちゃんとしたものに仕上げます。