#10月31日(回想)
―さばんなちほー サーかば邸―
ともえ
「ーで、肝心の相談の件なんですけど。
実は、タイリク隊の子たちは『月の瞳を持つけもの』の正体を知っていて・・・
かばん
「うん、うん。 やっぱり。
僕もそうじゃないかと・・・
タイリクオオカミさんだよね」
ともえ
「やっぱり分かってたんだ」
かばん
「確証は無かったけどね」
タイリク隊には、掟というか約束事が1つあって、
タイリクオオカミさんに積極的な接触は控えることになってるんです。
だけど、その遠くから見守っていただけの憧れの存在に助けてもらった、
ーていうことで、ドールちゃんが黙ってられなくて思わず話題にしたんです。
その次のニューギニアハイランドワイルドドッグちゃんの時は偶然だったんですが、
元タイリクシスターズだった名残なのか
イタリアオオカミちゃんはタイリクさんへの思い入れが強くて。
わざとセルリアンの多い晩に出歩いて、そして助けられたんです。
それをタイリク隊の集会で自慢げに報告して。
『月の瞳を持つけもの』というのは彼女が名付け親なんです。
そしたら同じようにアードウルフちゃんが・・・
その時はスゴく盛り上がったらしいんですけど、やっぱりマズいよねってことになって
自制しようってことになったんですけど。
でもイエイヌちゃんは普段あたしと旅に出てるので、その辺の事情は知らなくて。
タイリク隊で報告したら、やっぱり盛り上がっちゃって。
それが博士たちの耳に入っちゃったらしいんですよね。
ーで、とうとうハンターチームが調査に乗り出すことになったんです。
でも、リカオンさんもタイリク先生だって気付いて、捕まえなかったんですね。
その後、報告に来ました。
捕獲作戦が決行されることになったこと。
だけど捕まえたくないので証言は ぼやかして欲しいって。
かばん
「ああ、#あの時の・・・」
ともえ
「タイリク隊の皆さんは、
迷惑を掛けることになってしまって申し訳ないって反省してました。
もし『月の瞳を持つけもの』が博士たちに捕まるようなことになったら・・・」
かばん
「大丈夫。
『月の瞳を持つけもの』さんは悪いことをしたわけじゃないんだし。
タイリク隊の皆さんにも気にしないように言っておいてあげてくれる?
きっとタイリクさんも、きっとそう言うと思うから」
ともえ
「はい! ありがとうございます」
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