「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!…オ゙ア゙ァ!!」
”ドウッ!!!”と三度、振りまきざまに放たれる衝撃波。それは直線上にいた隊員達を包み込む。衝撃波が通りすぎた後、そこに残ったのは隊員の足元のみ。手負いの獣の進撃を止める事は出来ない。
それはかつての悪夢の再現。一度目の遭遇に起こった事とほぼ同じ状況である。圧倒的暴力の前にただただ蹂躙される隊員を生き残ったダイバーズ達は見てるだけしかなかった。
強力な衝撃波を放った”ウォーデン”は全身からそして両方の口から血をしたらせ…急に”グリンッ”と首を回して彼らへ顔を向ける。視覚もなく聴覚も失い彼らの位置が分からないはずなのに、まるでそこに居るのが分かっているかのように彼らを視ていた。
ダイバー1「…ッッッ!!」
”次はお前だ”と言わんばかりの殺意を向けられ、尻込みをしてしまう。本能が”アバドン”を恐れてしまっているのだった。
”勝ち筋が見えな—”
ダイバー1「(いや、臆してはいけない。ここで奴を止めなければ、中衛部隊が…ここに参加している部隊全員が犠牲になる。ここで奴を倒さなければ…!!!)」
自らを鼓舞し、再び彼らに指示を行おうとした。しかし、この一瞬の隙が命取りになる。
ダイバー3「隊長!!」
ダイバー1の目の前には、既に”ウォーデン”が肉薄していた。腕を振りかぶり自分を攻撃する者達を率いる大将を殺そうと腕を振りかぶり…
「皆どいてくれだべ!!!」
突如聞こえた大声に反射的に身を下がらせるダイバーズ達、ダイバー1が見たのは”ウォーデン”の土手っ腹に突撃をカマす黒い兵員輸送車。そしてこの特徴的な語尾、来てくれたのだ。
ピグリン兵「うぉぉぉおおおお!…りゃぁああああああああ!!!」
アクセル全開。奴がダイバーズにしたように突進し、そのまま遺跡の壁に輸送車ごと”ウォーデン”を叩き込む。土煙を派手にあげながら、”ウォーデン”を壁に固定した…この手を逃すまい。
ダイバー1「戦車小隊!奴を狙えるか!!」
戦車小隊長「ああ、土煙が出てるが補足した! 輸送車にいる英雄を助け出してくれ!! 彼を巻き込みたくはない!!!」
ダイバー1「分かった!」
彼らは英雄を助ける為に急いで輸送車を目指す。